ホログラフィーの原理 2004年4月刊行
ホログラフィーの原理
ホログラフィーの基礎から応用までを解説

◇税込価格:5,145円(本体4,900円+税)  ◇体裁:B5判 約190頁
◇著者:P. Hariharan ◇翻訳:吉川 浩、羽倉 弘之

本書を読まれる方に
東京工業大学名誉教授  辻内 順平
 本書はP. Hariharan著 Basics of Hoographyの邦訳である。著者のHariharanは、オーストラリア・シドニーの Department of Applied Physics, CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Prganization)に所属し、 主としてホログラフィー、干渉計測など応用光学分野で数々の優れた業績を上げている研究者である。本書はICO (国際光学委員会)がイタリア・トリエステで開催した冬季講習会のテキストを基にして書かれたホログラフィーの教科書であって、 ホログラフィーの基礎から最近の応用までの広い分野を、要領よく簡潔に記述した優れた書物である。

 内容は本文15章と付録4章からなり、「1.ホログラフィックイメージング」ではホログラフィーの発明から説き起こし、各種の ホログラム方式の原理を述べている。「2.再生像」ではホログラフィーで再生された像についての特性を述べ、そこで紹介 された各種の公式はホログラフィーの実験で役立つものが多い。「3.薄いホログラムと厚いホログラム」ではホログラムの厚さと その特性との関係を扱っているが、難解な取り扱いを避け、重要な結論を分かりやすく紹介している。「4.光源」はホログラフィー の技術に必要な光源(レーザー)とそれに関連する事項を紹介している。「5.記録媒体」はホログラムを記録する媒体の 基礎的な特性、「6.記録材料」は各種感光材料の紹介をのべ、ホログラム撮影の技術的基礎を補っている。 「7.ディスプレイホログラム」では、3次元ディスプレイに用いられる各種のホログラムを紹介している。「8.マルチカラー像」では、 いわゆるカラーホログラムの主な方式を紹介し、その基礎特性に言及している。「9.ホログラムの複製」では、コンタクトプリントと エンボスホログラムをその特性と共に紹介している。「10.計算機合成ホログラム」では、計算機で合成されるホログラムの原理・特性と、 その応用としてのホログラフィービデオとホログラフィー干渉にも触れている。「11.画像への応用」は、ホログラフィーによって可能となった 種々の特色ある画像操作法を紹介している。「12.その他の応用」では、いわゆるホログラフィック光学素子と、ホログラムメモリーについて 述べている。「13.ホログラフィー干渉計測」ではホログラフィー干渉の基礎的技術、「14.高度な技術」ではホログラフィー干渉の特殊技術を それぞれ解説している。さらに、「15.電子的技術」では、ホログラフィー干渉における電子技術・コンピューター技術の応用について述べている。 これらの章は光学測定を専門とした著者のこだわりが感じられる。なお、付録の4章はそれぞれ、コヒーレンス、フーリエ変換、 フレネル・キルヒホッフ積分、スペックルについての解説に当てている。

 記述は非常に簡潔であって読みやすいが、各章に付属した文献リストと練習問題で補うことができ、本書を単なる技術紹介書として使うか、 教科書として使うかはこれらの文献と問題の活用にかかっている。光学やホログラフィーを学習する学生諸君や、これらの問題に興味を持つ 技術者諸賢にとって、すぐれた参考書として推薦したい。この本が今回、日本語で読めるようになった意義は大きい。
本書前付け頁より

内 容 目 次 
ホログラフィック イメージング
 ◇ 初期の進展
 ◇ インラインホログラム
 ◇ オフアクシスホログラム
 ◇ フーリエ変換ホログラム
 ◇ レンズレスフーリエ変換ホログラム
 ◇ イメージホログラム
 ◇ 反射型ホログラム

再生像
 ◇ 点画像
 ◇ オルソスコピック像とシュードスコピック像
 ◇ 像の収差
 ◇ 像のボケ
 ◇ 像のスペックル
 ◇ 信号対雑音比
 ◇ 像の輝度

薄いホログラムと 厚いホログラム
 ◇ 薄い格子
  ・薄い振幅格子
  ・薄い位相格子
 ◇ 体積格子
  ・体積透過型格子
  ・体積反射型格子
 ◇ 像の特性
 ◇ 厚い格子と薄い格子
 ◇ 拡散反射物体
 ◇ 多重露光ホログラム

光源
 ◇ レーザー
 ◇ コヒーレンス要件
 ◇ レーザー光の拡大
 ◇ ビームスプリッター
 ◇ 光の偏光
 ◇ パルスレーザーホログラフィー
 ◇ レーザーの安全確保

記録媒体
 ◇ 振幅ホログラムと位相ホログラム
 ◇ 変調伝達関数(MTF)
 ◇ 非線形性の影響

記録材料
 ◇ 写真材料
 ◇ 重クロム酸ゼラチン
 ◇ 銀塩増感ゼラチン
 ◇ フォトレジスト
 ◇ フォトポリマー
 ◇ フォトサーモプラスチック(PTP)
 ◇ フォトリフラクティブ結晶

ディスプレイ ホログラム
 ◇ 透過型ホログラム
 ◇ 反射型ホログラム
 ◇ 全周視ホログラム
 ◇ レインボウホログラム
  ・像のボケ
 ◇ ホログラフィックステレオグラム
 ◇ ホログラフィー映画

マルチカラー像
 ◇ マルチカラー反射型ホログラム
 ◇ マルチカラーレインボウホログラム
 ◇ 光源
 ◇ シュードカラー像
  ・シュードカラーレインボウホログラム
  ・シュードカラー反射型ホログラム
ホログラムの複製
 ◇ 密着コピー
 ◇ エンボスホログラム

計算機合成 ホログラム
 ◇ 2値迂回位相ホログラム
 ◇ ランダム位相
 ◇ 3次元物体
 ◇ ホログラフィックビデオ
 ◇ 光学検査

画像への応用
 ◇ 粒径分析
 ◇ 移動する散乱体を通してのイメージ
 ◇ 歪んだ媒質を通してのイメージ
 ◇ 時間で切り出した像の形成
 ◇ 像の多重化
  ・フーリエホログラムによる像の多重化
  ・レンズレスフーリエホログラムによる像の多重化

その他の応用
 ◇ ホログラフィック回折格子
 ◇ ホログラフィックスキャナー
 ◇ ホログラフィックフィルタ
 ◇ ホログラフィック光学素子
  ・ヘッドアップディスプレイ
  ・ビーム形成
 ◇ インターコネクションネットワーク
 ◇ ホログラフィックメモリー
 ◇ ホログラフィックニューラルネットワーク

ホログラフィー 干渉計測
 ◇ 実時間干渉計測
 ◇ 二重露光干渉計測
 ◇ サンドイッチホログラム
 ◇ 工業用計測
 ◇ 屈折率場
 ◇ 表面変位
 ◇ ホロダイアグラム
 ◇ 干渉縞の局在化
 ◇ ひずみ分析

高度な技術
 ◇ モアレ干渉法
 ◇ 振動する表面
  ・ストロボ干渉計測
  ・時間平均干渉計測
 ◇ 等高線形成
  ・2波長による等高線形成
  ・2屈折率による等高線形成
  ・照明角度変化法

電子的技術
 ◇ コンピューター支援評価
  ・フーリエ変換法
  ・位相の展開
 ◇ ヘテロダイン干渉計測
 ◇ 位相シフト干渉計測
 ・ベクトル変位
  ・等高線形成
  ・振動分析
 ◇ 電子ホログラフィー干渉計測
  ・振動分析

干渉とコヒーレンス
 ◇ 干渉
 ◇ コヒーレンス
  ・空間的コヒーレンス
  ・時間的コヒーレンス