Science Photonics Fair TOP  Japanese__オプトロニクス社

赤外線セミナー

講演内容 (2015年実績)


【IR-1】コース
赤外線技術の基礎講座(1)

11月17日(火) 13:10-16:05



赤外線の基礎 

独立行政法人宇宙航空研究開発機構 和田 武彦


中遠赤外線用光学素子の特性とその製造 

昭和オプトロニクス株式会社 中尾 理史


中赤外線から遠赤外線の波長領域におけるゲルマニウム(Ge)は、光学的には内部吸収が少なく、化学的に安定しており毒性も無く、価格も比較的安価であることから、もっとも頻繁に使用される光学材料である。一方で、Geは結晶材料であることから、可視領域で使用されるガラスとは異なった加工方法が必要となる。
材料から研磨、コーティングまでの各工程での加工方法、および、SPDT(Single Point Diamond Turning)方式による非球面およびDOE(Diffractive Optical Elements)の加工と、その効果を紹介する。
また、赤外光学系が屋外での監視の用途に使用される事例が多くなり、これらの設置型赤外線監視光学系に用いられるGeレンズでは、Ge材料の屈折率の温度変化が大きいことから生じる焦点位置の変化(熱収差)が問題になる。この熱収差を補正する光学レンズ(Athermalized Lens)の方式について、弊社の取り組みと実施例を紹介する。

★難易度:入門程度(大学一般教養程度)

赤外計測の性能指標と評価 

静岡大学 廣本 宣久


 赤外計測の性能指標と評価の方法に関し、赤外線の科学技術の基礎、重要な性能指標、性能評価の方法、計測の応用を解説します。
 本講演の内容は以下の通りです。
  1.赤外線計測の歴史、国際標準化機構(ISO)の赤外線分類
  2.赤外計測の対象は赤外線と物質との相互作用(放射、反射、吸収、透過)
  3.熱放射に関するキルヒホッフの法則とプランク空洞(黒体)放射、灰色体放射
  4.吸収に関するランベルト・ベールの式、反射・透過に関するスネルおよびフレネルの式
  5.赤外計測の性能指標−感度、SΩ、雑音
  6.NEP、D、D*、NEI および NETD 
  6.テラヘルツ検出器の感度、NEPの評価
  7.赤外線計測の方法−放射計測、温度計測、赤外分光、ハイパースペクトルイメージング
  8.赤外線の利用分野−赤外線計測の応用
  9.まとめ
 本講演により、赤外線と赤外計測について、物理に基づいた理解が深まり、正確な赤外検出器の評価や赤外計測の実施、計測結果の正しい解析と利用などが進み、赤外計測の応用が更に発展することを期待しています。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
 
【IR-2】コース
赤外線技術の基礎講座(2)

11月18日(水) 13:10-16:05



非冷却赤外線イメージセンサ 

三菱電機株式会社 大中道 崇浩


非冷却型(熱型)と冷却型(量子型)に大別できる赤外線イメージセンサのうちの非冷却型(熱型)について、その原理、構造、特性、利点を、撮像例も交えて、概説します。
 非冷却型(熱型)赤外線イメージセンサは、熱型温度センサから成る画素を2次元アレイ化して、シリコン半導体で形成した読み出し回路上に集積形成したイメージセンサです。冷凍機を必要としない赤外線カメラを可能にすることから、低コスト、小型・軽量化、低消費電力化、長寿命化を実現するとともに、成熟したシリコン半導体技術に、近年急速な進歩を遂げているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を融合することにより、特性の改善が進められてきました。このような非冷却型(熱型)赤外線イメージセンサについて、各種方式のメカニズム、技術動向も含め、紹介します。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

量子型(冷却型)赤外線センサ 

株式会社富士通システム統合研究所 中里 英明/森本 広志


赤外線に関する基礎講座の一つとして、量子型(冷却型)と熱型(非冷却型)に大別される赤外線センサの内の量子型について、赤外線検知原理等の基礎と、赤外線を検知し、その信号を利用することでどのようなことができるかの応用について概説します。 量子型赤外線センサの代表的な検知原理は、赤外線の波長によって決まるエネルギに対応したバンド・ギャップ・エネルギ(価電子帯と伝導帯のエネルギ差)を持つ半導体の価電子帯にいる電子が赤外線エネルギを受けて伝導帯に励起し、電流信号として取り出させることを利用するというものです。可視光に比べて小さい赤外線エネルギを如何に高い精度で電気信号に変換するかを中心に、長年に亘り技術開発が続けられています。 また近年、ナノテクノロジによって禁制帯(価電子帯と伝導帯の間のエネルギ準位が存在できない領域)だったエネルギ・レベルに新たな基底準位と励起準位を創生する量子閉じ込め効果を利用した検知デバイスが著しく進展しています。 さらに信号電流の割合を減らしS/N低下を来す主因である暗電流(動作温度と共に増大する)を大幅に低減する障壁層を設けて高動作温度化を可能にするHOT(High Operating Temperature、高動作温度)、システム性能極大化に向けた検知素子ピッチ縮小やアイセーフ・レーザとの整合性が高いSWIR(Short Wave Infra-Red、短波長赤外)域の利用拡大等も注目の的です。 こうした検知デバイスの基礎原理と研究開発動向およびその応用について、システム化の留意事項と事例と共に概説します。本技術の進展は防衛・宇宙が牽引して来た面が強いので、そこでの応用に特徴的なものが多く、説明の中心となります。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

赤外線カメラとその応用 

日本アビオニクス株式会社 田村 哲雄


赤外線の歴史は、1800年、W. Herschel(英)を発見したことから始まります。その後、多くの研究がなされ、現在では、広い分野でその技術が応用されています。絶対温度以上の物体からは、その温度に関係付けられるエネルギー(プランクの放射則)の赤外線が放射されており、その赤外線を画像化する暗視カメラや、定量化し温度計測に利用されています。
近年、非冷却二次元赤外線センサ(UFPA)が開発され、MEMS技術の向上などにより、狭ピッチ・多画素、高性能化、低価格化が実現されています。これより、赤外線カメラの高性能化、低価格化も進み、様々な分野で赤外線カメラの利用が拡大している。使用目的により保守保全用ハンディタイプ型、研究開発用高性能多機能型、特殊計測用光学フィルタ内蔵型、計測システム用固定設置型など様々な種類のカメラが、開発されてきいます。
本稿では、赤外線カメラの動作原理と、性能・機能を有効に活用するための技術、更にその応用例について紹介いたします。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
 
【IR-3】コース
赤外線の最近の話題
(近赤外イメージング)

11月19日(木) 13:10-16:05


Type-II 量子井戸型SWIRイメージセンサ 

住友電気工業株式会社 猪口 康博


波長1から2.5μmまでの近赤外領域には分子の基準振動の倍音や結合音が存在します。これらは3μm以上の中赤外領域に現れる基準振動と比較して吸収が弱い半面、物質の内部にまで光が侵入することから、近赤外分光法は非破壊計測に応用されています。近年、製薬や食品を始めとする多くの製造現場における安全性管理や品質管理、あるいはライフサイエンス分野における診断や分析等の用途で近赤外イメージングへの関心が高まっています。特に、2μmを超える波長域までカバーでき、リアルタイムに組成の違いや濃度の分布をイメージングできるシステムが望まれています。ここで、倍音や結合音に伴う吸収は微弱であるため、高感度で低ノイズなセンサが必要になります。光通信で用いられるInP基板に格子整合したInGaAsを材料とするセンサは高感度で暗電流が低いですが、カットオフ波長が約1.7μmであるため分析できる物質が限定されます。一方、HgCdTeセンサはカットオフ波長を2.5μmに調整したものが製品化されていますが暗電流が高くなっております。また、Hg(水銀)やCd(カドミウム)と言った有害な元素を含みます。当社は、化合物半導体のエピタキシャル成長技術、光通信用デバイス開発で培ったウェハプロセス技術を応用して、新たにInGaAs/GaAsSb Type-II量子井戸構造をセンサ材料に用いることによって1〜2.35μmの広い波長域に感度があり、暗電流の低いイメージセンサを開発しました。画素数320×256、画素ピッチ30μmにおいて、最大350フレーム/秒の高速読み出しを実現しています。本講演ではイメージセンサの性能およびその応用例を紹介いたします。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

近赤外分光撮像のためのCMOS時間分解型イメージセンサ 

静岡大学 川人 祥二


CMOSイメージセンサのピクセルにロックイン検出の機構を組み込み、高い時間分解能で撮像するロックインピクセルイメージセンサは、光飛行時間(time of flight: TOF)を用いた距離画像センサや、生体組織に対する近赤外光の高い透過性と血液(ヘモグロビン)の近赤外光の吸収・散乱を利用した生体情報のイメージング等への幅広い分野での応用が期待され、最近大きな注目を集めている。本講演では、このような近赤外分光撮像、特に時間分解撮像を実現するCMOSロックインピクセルイメージセンサの技術動向について概観し、その基本原理や具体的なロックインピクセルとして、我々が提案している横方向電界制御を用いたロックインデバイスの構造について解説し、またそのいくつかの応用について紹介する。
TOFを用いた距離画像センサへに応用については、1-2mの範囲で使用するジェスチャ入力システム、屋外での長距離計測への応用可能性、また3Dスキャナへの応用を目的としたサブ100um分解能でのTOF距離計測等についての応用例を紹介する。また、医療や生命科学への応用として、細胞レベルの光イメージングを高機能化できる蛍光寿命イメージング、ヘモグロビンの光吸収・散乱を用いた時間分解型近赤外分光イメージング、誘導ラマン分光を用いた脂質の高速イメージングへの応用可能性等について紹介し、それらの応用毎に求めらえる新しいロックインピクセルの構成やデバイス構造についても議論する。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

3次元SWIRイメージング 

三菱電機株式会社 玉川 恭久


レーザ光を用いた光飛行時間計測法(TOF:Time of Flight)法により対象物の多点測距を行う3Dイメージング技術を紹介します。
開発例として、多素子SWIR-APDアレイを用いた3Dイメージングセンサ、高速移動体の撮像を特徴とする受信スキャンレス型ラインレーザセンサなどについて紹介します。

★難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
個人情報について   ・利用環境   ・オプトロニクス社について