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レーザーセミナー

講演内容 (2015年実績)


【LA-1】コース
光と農業・農作物の現状と可能性

11月17日(火) 9:30-12:25



光技術の農業への応用と現状および課題

豊田産業株式会社 豊田 周平


近年,植物工場が注目されており様々な取り組みがなされている。植物の育成には「光」が必須で、近年はLED光源等の新光源が省エネ、長寿命であるため、導入が進んでいる。一方、植物育成に最適な光の条件(波長、光量、照射量)はまだ研究の途上にある。本講座では、植物育成に必須の「光」についての基礎的な知識と知っておかねばならない光の特性の概説を行い、植物工場を実現するための技術、コスト要因、市場などについて事業化の観点から実例の紹介と解説を行う。
1. 光の基礎
 1.1 波長、エネルギー、良く使われる単位について
 1.2 植物と光
 1.3 太陽光と人工光
 1.4光源の種類とその特徴:白熱球、蛍光灯、放電灯、LED、レーザー等
2. 植物工場の実際
 2.1 植物工場の事例紹介
 2.2 市場性・事業性
 2.2 新たなアプローチ

★難易度:入門程度(大学一般教養程度)

昆虫の視覚を利用した防除技術(光防除)

国立研究開発法人 農業生物資源研究所 霜田 政美


 野菜や果物を栽培する施設園芸や露地栽培において、光環境を人工的に操作して害虫の進入や増殖を抑える防除方法、即ち「光防除」の研究開発が進んでいる。
 「光防除」は、総合的病害虫管理(IPM)の中の物理的防除技術の1つであり、殺虫剤などの化学農薬の使用量を減らし、環境負荷を抑えた環境調和型農業の確立に貢献すると期待されている。「光防除」においては、一般の化学合成殺虫剤のように害虫をその場で全て殺すのではなく、他の防除手段と組み合わせて、被害が大きくならないように害虫の発生密度を下げる。また、今日、問題が深刻化している害虫の殺虫剤抵抗性の発達を抑制するという意味でも重要性が高く、農業現場で注目が集まっている。
 本発表では、はじめに光防除の根本原理である「昆虫の光応答反応」について解説し、後半では実用化されている光防除技術の具体例を紹介するとともに研究開発の現状について紹介する。

参考文献:
 1) Shimoda, M. and K. Honda(2013)Applied Entomology and Zoology 48: 413〜421.
 2) 霜田政美(2014)昆虫の光に対する反応と害虫防除への利用 植物防疫 68: 594-598
 3) 蟻川謙太郎ら(2014):応用動物昆虫学会誌 58:5〜11.
 4) 弘中満太郎・針山孝彦 (2014):応用動物昆虫学会誌 58:93-109.

★難易度:入門程度(大学一般教養程度)

近赤外光を用いた農産物・食品の非破壊検査

名古屋大学 土川 覚


近赤外光は、可視光と赤外光の中間に存在する電磁波(波長:800−2500 nm)のことで、この波長域における光の吸収や発光に基づく分光法を、近赤外分光法と呼ぶ。近赤外光は、比較的エネルギーの低い電磁波であるために、人体および試料が測定中に損傷を受けることがほとんどないが、当該波長領域に出現する各種官能基の吸収バンドは基準振動の倍音や結合音であるため、分光学的には、「ぼやけた物質情報」となる。
そこで、数学的、統計学的手法とコンピュータを利用して、「意味のある物質情報」を有効に抽出するケモメトリクスと呼ばれる手法をスペクトル解析に応用し、効率的な品質評価を行う手順が一般的に採用されている。多くの利点をもつ近赤外分光法は、すでに農業、食品、薬品、化学工業などの分野においてはオンライン成分分析装置として実用化されており、正確さ、迅速性の点からも近年とくに注目を浴びている。
本講演では、近赤外分光法の歴史と農産物および食品の非破壊検査としての応用事例を中心に紹介する。

★難易度:一般的(高校程度、一般論)
 
【LA-2】コース
発展する自動車産業と貢献する光技術

11月19日(木) 9:30-12:25



自動車産業におけるレーザー加工 

光産業創成大学院大学 坪井 昭彦


 自動車産業は、環境との調和への取組みが最も顕著に現れている産業領域の一つであり、燃費向上、排出ガス、材料リサイクル性等環境負荷低減の実現に向けて、車体及び部品の高性能・高機能化、軽量化への技術検討が積極的に行われてきた。
 1970年代、米国自動車産業界でレーザー加工の利用が始まった。当時は大出力レーザーのビーム品質も現在ほど高くなく、また選択できるレーザー光源の種類も限られており、初期の利用例はCO2レーザーによるギアハウジング焼入れであった。その後の大出力化、高品位化その他のレーザーの技術革新とロボット技術その他との組み合せにより、広く利用されるようになった。
 これまでの自動車産業でのレーザー加工技術の代表的な応用例を振り返ると共に、マルチマテリアル化、パワートレインの多様化等の次世代自動車への変化の中でのレーザー加工技術の将来を展望する。

★難易度:一般的(高校程度、一般論)

インテリジェント・ヘッドランプ 

株式会社小糸製作所 佐々木 勝


自動車の運転操作に必要な情報の大部分は視覚から得られるため、夜間の運転における安全性の確保はヘッドランプの照明性能に依存する部分が大きい。そのため、より明るいヘッドランプの実現を目指して光源や光学系の開発が進められ、HID(高輝度放電灯)やLEDヘッドランプの実用化により大きく進歩した。さらに、最近ではレーザー光源を使用した非常に明るいランプの研究も進められ、一部の市販車に搭載が始まっている。一方で混雑した道路環境では他の道路ユーザーに過度の眩しさを与えない配慮が必要であるため、単純に明るくするのではなく、必要なときに必要な場所を最適な明るさで照明することが求められている。ヘッドランプのインテリジェント化は1990年代に導入がはじめられたオートレベリング(光軸の上下照準を一定に保つ装置)に端を発し、2002年には道路のカーブした方向を照らすAFS(Adaptive Front-lighting System:配光可変ロービーム)が実用化された。現在はカメラセンサによる前方車両検出に基づくハイビームとロービームの自動切り替えや、車両の存在する部分だけ光を当てず、それ以外の部分をハイビームと同等の明るさで照明するADB(Adaptive Driving Beam:配光可変ハイビーム)の導入が進められている。今後ヘッドランプはセンシングや車両本体の制御との連携がいっそう強化され、視覚情報領域でのアクティブな運転支援機能として進化を続ける。


車載レーザーヘッドアップディスプレイ

MicroVision,Inc 靭矢 修己


 プロジェクターや小型ディスプレイによる像をミラーやレンズを用いて運転者の視野上に情報を映し出すヘッドアップディスプレイが軍事用航空機分野で導入され、近年、自動車業界でも、運転中にわずかに視線を移動するだけで速度やナビゲーション等の情報をより短時間に視認でき、より安全な車を提供するため導入されつつある。
 本稿ではヘッドアップディスプレイの描画エンジンとして、赤、緑、青、3個の半導体レーザーを光源として搭載したLaser Beam Scanning 方式のレーザープロジェクターについて、更には、スペックルノイズの発生を抑え明るい画像をドライバーに送るマイクロレンズアレイやリレー光学系等の構造に関する紹介を行い、レーザーヘッドアップディスプレイの優位性に関して説明する

★難易度:入門程度(大学一般教養程度)
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