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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2010.2 vol.29 No.338
インプリントリソグラフィのフォトニクスへの応用

総論

(独)情報通信研究機構 中尾 正史

光学素子への熱プリント技術の応用

大阪府立大学 平井 義彦

熱ナノインプリント法は,図1に示すように,熱可塑性材料を加熱して軟化させ,金型(モールド)でプレスし,冷却後にモールドを離型してモールドのナノ構造パターンを転写する方法である。熱ナノインプリントは,多様な金型材料や被成型材料を用いてナノ成型が可能である。たとえば,使い捨てや再生利用を前提とした用途ではポリ,乳酸やPETなどの樹脂を利用することができる。また,モールド材料として,シリコンなどの半導体材料,SiC などのセラミック材料,Niなどの金属材料を用途に応じて使用できる。一方で高温・耐薬品性を要求される環境では,ガラス材料を用いることができる。・・・(続きは本誌で)

分布帰還型半導体レーザの回折格子へのUVナノインプリント技術の応用

住友電気工業(株) 柳沢 昌輝,辻 幸洋,吉永 弘幸,河野 直哉,平塚 健二

ナノインプリント技術は,電子ビーム描画並みの高解像度に加え,比較的高いスループットを特長としている。また,その原理の簡単さから,設備への初期投資やランニングコストを比較的低く抑えられるため,近年,幅広い用途で応用研究がなされている。たとえば,次世代の記憶メディアや,波長フィルターなどの光学素子,バイオ用途のナノ流路など,応用分野によって,形成するパターンの形状やサイズは多種多様であり,それに応じて様々なプロセスや装置が提案・研究されている。・・・(続きは本誌で)

UVインプリントによる各種基板上への回折格子形成技術

(独)情報通信研究機構 中尾 正史,早稲田大学 水野 潤

光学素子用インプリントリソグラフィ金型の作製技術

(有)ナノエフコンサルタント 玉村 敏昭

インプリントリソグラフィ用金型作製技術を光デバイス応用を念頭に概説する。まず,これまで市販・提案されている金型を材質の観点から比較し,種々のインプリント技術との適合性を議論する。次いで,金型作製に用いられるリソグラフィ技術の現状と今後の動向について概説する。特に,電子線露光による高密度極微細ドットアレイ作製を超高速化するブランクドット露光法に関する筆者らの検討結果を報告する。また,光学素子応用に有効な3次元構造金型の作製技術について概説し,幾つかの手法を紹介する。・・・(続きは本誌で)

インプリントによる高輝度LEDの作成

東芝機械(株) 大友 明宏

LED(Light Emitting Diode)は,省電力,長寿命,点灯スピードの速さなどの優れた特徴を持っており,従来の白熱灯,蛍光灯に置き換わる可能性のある新しい照明用の光源として注目されている。また,省電力に加えて,水銀を使用していないことから,地球環境保護のためにその普及に大きな期待が寄せられている製品であり,2015年以降には,LED照明器具のオフィスや住宅への普及が進むと予測されている1)。ところで,LEDを照明用の光源として普及させるためには,従来の白熱灯や蛍光灯を凌ぐ高輝度化が求められる。高輝度化を達成するためには,高効率化が必要である。ここで,LEDの効率について解説をすると,LEDの効率は外部量子効率で表わすことができ,これは,内部量子効率と光取り出し効率の積で表わすことができる。・・・(続きは本誌で)

有機デバイスへのインプリント技術の応用

(独)情報通信研究機構 菊池 宏

我々の身の回りにあるコンピュータ・ディスプレイ・メモリをはじめとする情報通信分野で活躍している主要なデバイスは,シリコンなどの無機材料を用いた電子デバイスの存在なしには成立しない状況にある。この無機エレクトロニクス全盛の時代にあって,近年,有機電子材料を用いた新しい研究に大きな注目が集まっている。従来,エレクトロニクス分野における有機デバイスは,有機物の光導電性を利用した有機感光体が複写機やプリンタに組込まれ,唯一,無機系材料を凌駕する技術として確立されている。近年では,液晶デバイスがフラットパネルディスプレイ(FPD; flat panel display)の主流として,携帯電話の小型サイズから100インチを超える大画面表示用ディスプレイまで実用化されるまでに成長した。・・・(続きは本誌で)

連載・シリーズ

発明・特許のこぼれ話 第26回 コロンブスの卵

SMK(株) 鴫原 正義

発明や特許での独創的な発想に対し,「コロンブスの卵」や「コペルニクス的転回」などと表現することがあります。新大陸を発見したクリストファー・コロンブス(1451?〜1506)が帰国後バルセロナ宮殿で開催された祝賀会での会話として「コロンブスの卵」の逸話が生まれます。簡単な様に見えることでも最初に実行するのは非情に難しいことであり,柔軟な発想が必要ということです。偉大な発明の多くは常識を覆した発想から生まれていますが,今回はこの“卵”の周辺を追ってみました。コロンブスはイタリアのジェノヴァで1451年に生まれたようですが,生後約25年間の情報は殆どなく,生まれた年も他の説があります。当初は海賊まがいのことをしていたとの説もあり,新航路開拓の準備行動を始める頃から足跡が見えてくるのです。・・・(続きは本誌で)

USA Today 第25回 伸びる電子ブック

Optomarketing USA 中島和宏

アマゾンドットコムのキンドルが,ソニーが,グーグルが,電子ブック市場は今度こそ熱く,盛り上がっている。技術や市場調査を得意とする独立系調査分析会社Forrester Research社によると,米国における公共図書館の電子ブックサイト,あるいは他のバーチャル図書館サイトからダウンロードされたコンテンツ数は2009年,1,900万件となった。過去2003年から2008年までの同ダウンロード数累計がおよそ1,000万件に過ぎなかったことを考えると,これは爆発的な成長といえるだろう。このような流れをビジネスに向け,さらに電子書籍数を牽引してきたのは,まさに上述の大手企業にほかならない。・・・(続きは本誌で)

原点に戻って学ぶレーザー原論 第11回 レーザーの原理(3)レーザー共振器

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

反転分布を持つレーザー媒質中を光が進むとき,光の振幅,すなわち光パワーが指数関数的に大きくなる。これが光の増幅であるが,単位長さ当たりの振幅の増幅量を「利得」と呼んでいる。利得をbとすると,長さLのレーザー媒質中を光が進行する際に受けるパワーの増加割合を「増幅率A」として・・・(続きは本誌で)

光技術者のための基礎数学 第14回 複素数と複素関数

職業能力開発総合大学校 河合 滋

自乗して負になる数を虚数と呼ぶ。特に,自乗して-1になる数をiと表現する。自乗して正になる実数と虚数が混在している数を複素数と呼ぶ。複素数の加減算は,実数部(実部)と虚数部(虚部)に分けて,独立に行う。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第146回 太陽電池モジュール(三菱電機)

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

太陽電池モジュール(三菱電機)の特許出願公開(国際出願・再公表を含む)を見ると,1996年(平成8年)から2009年(11月25日)にかけての特許出願公開は,1996年に5件,97年に4件,98年に7件,99年に13件,2000年に6件,01年に5件,02年に14件(うち再公表1件),03年に4件,04年に6件(うち再公表1件),05年に8件(うち再公表1件),06年に24件(うち国際出願8件・再公表2件),07年に10件(うち国際出願2件・再公表2件),08年に11件(うち国際出願5件),09年に25件(うち国際出願2件)となっていて,合計142件となっている。・・・(続きは本誌で)


NEWS FLASH

DATA ROOM

▼液晶テレビ輸入数量,12ヶ月連続のプラス
▼液晶テレビの生産実績,5ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比117.4%の3,022億円
▼総務省,FTTHの契約数を発表

CALENDAR

EVENTS

▼第115回微小光学研究会「色々なレーザー:誕生から50年」
▼日本学術振興会 光エレクトロニクス第130回委員会 「光の日」公開シンポジウム
▼第57回応用物理学関係連合講演会シンポジウム「光科学の未来を拓く」
▼第15回光集積回路欧州会議(ECOC2010)
▼募集:OPTRONICS WORLD2010 『レーザーEXPO 技術セミナー/レンズ設計・製造展2010 特別セミナー/VISION Japan2010 特別セミナー』
▼募集:第45回光波センシング技術研究講演会
▼募集:日本光学会第35回光学シンポジウム

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

今月号の特集は,インプリントリソグラフィ技術のフォトニクスへの応用最新動向を,情報通信研究機構・未来ICT研究センター・ナノICTグループの中尾正史様に企画していただきました。

総論でも述べられていますが,インプリントリソグラフィ技術は大まかにUVインプリント技術と熱インプリント技術に分けることができます。
UVインプリント技術は従来のフォトリソグラフィや電子線リソグラフィに置き換わるもので,インプリント可能な素材選択の幅は狭いものの,プロセス時間が短くて済むという特長を持っています。
一方の熱インプリント技術は樹脂やガラスを直接加工するもので,成型に要する時間は長いのですが,素材の選択幅が広いという特長を持っています。

インプリントリソグラフィ技術全般の長所としては,原理がシンプルであって安全な装置を使用できる,スループットが高い,高度なプロセス技術が不要であるといった点が挙げられますが,これに加えて最近のもの作りでは必須条件である省エネルギー化や低コスト化を実現できると,各方面より研究・開発の進展に注目が集まっています。

ところで「日経ものづくり」が行なった調査によると,2008年秋の「リーマン危機後,日本製品の全体的な品質についてどう感じるか」という質問に対し「非常に低下している」と答えた人が7.2%,「どちらかというと低下している」と答えた人が40.6%にのぼり,47.8%の人が日本製品の品質が低下したと感じているそうです。
一方,「非常に高くなっている」(0.2%)と「どちらかというと高くなっている」(4.6%)はわずか4.8%でした(12月28日付・日経産業新聞)。
低下したと感じている人に,その原因を訊ねたところ「コスト削減のために開発費の抑制や生産設備の更新延期が実施されている」が58.2%,続いて「開発/設計のための人員が削減」が46.8%だったとのことです。

いわゆる世界市場のボリュームゾーンをターゲットとした場合には,高コスト化を招くような過剰品質は必要ないとは思いますが,日本製品が持つ高品質というイメージは戦略的に維持して行かないと,ブランド力そのものが下がってしまうということにもなり兼ねないので要注意です。

今回の特集では金型の作製技術,光学素子の高アスペクト比構造の形成,回折格子や高輝度LED,有機デバイス等への応用に関する最新の研究・開発事例を紹介していただきました。
インプリントリソグラフィ技術の進展が,日本のもの作りの競争力強化に寄与することを大いに期待しています。

反捕鯨団体シー・シェパードが南極海航行中の日本の調査捕鯨船の乗員にレーザ光線を照射して調査活動を妨害したそうです。
どの程度の出力のものかは別として,自分達は正しいのだから何をやっても構わないというスタンスでレーザを悪用する行為に対して,殺人光線を発明したとマスコミの無知によって当初,非難・中傷を浴びたメイマン博士は草葉の陰でどう思っているでしょうか。

編集長 川尻 多加志

■次号(3月号)の予定

「話題の立体映像技術(仮)」(敬称略)

▼総論 
▼パナソニックの3Dテレビ 
▼シャープの3Dテレビの研究・開発の現状
▼医療応用の内視鏡外科手術向け立体映像提示システム
▼3Dソフトウェアとその応用
▼光学的測定結果に基づく裸眼3Dディスプレイの立体視可能範囲の評価法

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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