近年さまざまなヘッドマウントディスプレイ(HMD)が登場しています。ウェアラブル用途のものから拡張現実(AR)用途のもの、バーチャルリアリティ用途のものまで多種多様です。こうしたHMDにはどのような性能が求められ、現在の技術はどこまで進んでいるのでしょうか。また、研究者たちはどのような未来のHMDを思い描いているのでしょうか。本講演では、急速に発展するHMDについて、基礎から最新の研究事例、今後の展望までをわかりやすく解説します。
具体的には、まずHMDの歴史や分類、また人の視覚機能の概要を押さえ、代表的なHMDの光学系と用途ごとの要件について述べます。また、広視野・高精細化、奥行き手がかりの提示、遅延の低減、遮蔽の表現などに関する様々な最新の研究事例を紹介します。さらに、光学歪みの校正、色調の校正、眼球位置の校正などの技術についても紹介します。
これからのHMD技術に関しては、視覚情報に留まらないマルチモダリティやセンシングなどの幅広い話題をとりあげ、視知覚の困りごとを矯正してくれるHMDや人間拡張などの応用を睨んだ新しいHMDのあり方について提言します。
研究室のHP:https://carelab.info/ja/
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