赤外線

2016年11月15日(火) 09:30-12:25  科学技術館 1F 9号館
【IR-1 コース】 赤外線の基礎講座(1)


赤外線の基礎

静岡大学 廣本 宣久
 赤外線は、光や電波と同じく光速で伝搬する電磁波で、可視光の赤色よりも波長が長い(周波数が低い)、目に見えない不可視光です。赤外線の「線」は、放射線の「線」に由来しますが、「線」を付けずに赤外や、また赤外光とも呼ばれます。
 本講演では、電磁波としての赤外線の分類と性質、研究の歴史、赤外線の物理を記述するマクスウェル方程式と伝搬、熱放射とプランク放射、検出、利用分野について学びます。
本講演の内容は以下の通りです。

 1.赤外線
  (1)光と電磁波  (2)赤外線・テラヘルツの分類  (3)特性
 2.研究の歴史
  (1)赤外線の発見  (2)検出器の発展  (3)分光、赤外線からテラヘルツへ
 3.マクスウェル方程式と電磁界の波動の性質
 4.伝搬
  (1)透過と反射  (2)吸収  (3)大気の伝搬特性  (4)赤外透過材料
 5.放射
  (1)熱放射、キルヒホッフの法則  (2)吸収率、放射率、反射率
  (3)プランクの空洞黒体放射、灰色体放射  (4)赤外線・テラヘルツ光源の出力
 6.検出
  (1)検出の方法  (2)光子(量子型)検出用半導体と検出器  (3)熱的検出器
  (4)NEP、赤外線・テラヘルツ検出器の検出能
 7.赤外線の利用
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

赤外線計測の指標と評価

国立研究開発法人 情報通信研究機構  水谷 耕平
  我々の生活環境は赤外線輻射に取り囲まれており、赤外線の計測を行う時には対象からの赤外線以外の赤外線が背景光として検出器に入ってきます。また、検出器の雑音も可視光用の検出器に比べ目立つようになりがちです。
 本講演では赤外線計測で考慮すべき赤外線放射元や検出器の感度、雑音などの指標を解説し、赤外線センサの性能評価法を説明します。また、どのように赤外線放射が計測されるのか実際の状況での定式化を行います。直接検出だけでなくヘテロダイン検出も取り扱います。また、レーザー光を使ったアクティブセンシングについても解説します。測光、分光やイメージング、アクティブセンシング等での赤外線計測の応用例についても学びます。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

赤外線撮像の基礎(光学系と結像を中心に)

三菱電機(株) 玉川 恭久
 赤外線画像を取得するには、赤外線光学系により対象物の像を検出器上に結ぶことが必要になります。「赤外線の基礎」や「赤外線計測の指標と評価」に続いて、本講演では、結像の基本と、赤外線カメラで起き得る特有事象、代表的な赤外線光学系などに関して紹介します。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1コース/税込)
一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 シニアクラブ 学生
¥13,000 ¥10,000 ¥7,000 ¥7,000 ¥3,000

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2016年11月15日(火) 13:10-16:05  科学技術館 1F 9号館
【IR-2 コース】 赤外線の基礎講座(2)


量子型(冷却型)赤外線センサ

(株)富士通システム統合研究所 中里 英明
 赤外線に関する基礎講座の一つとして、量子型(冷却型)と熱型(非冷却型)に大別される赤外線センサの内の量子型について、赤外線検知原理等の基礎と、赤外線を検知し、その信号を利用することでどのようなことができるかの応用について概説します。
 量子型赤外線センサの代表的な検知原理は、赤外線の波長によって決まるエネルギに対応したバンド・ギャップ・エネルギ(価電子帯と伝導帯のエネルギ差)を持つ半導体の価電子帯にいる電子が赤外線エネルギを受けて伝導帯に励起し、電流信号として取り出させることを利用するというものです。可視光に比べて小さい赤外線エネルギを如何に高い精度で電気信号に変換するかを中心に、長年に亘り技術開発が続けられています。
 また近年、ナノテクノロジによって禁制帯(価電子帯と伝導帯の間のエネルギ準位が存在できない領域)だったエネルギ・レベルに新たな基底準位と励起準位を創生する量子閉じ込め効果を利用した検知デバイスが著しく進展しています。
 さらに信号電流の割合を減らしS/N低下を来す主因である暗電流(動作温度と共に増大する)を大幅に低減する障壁層を設けて高動作温度化を可能にするHOT(High Operating Temperature、高動作温度)、システム性能極大化に向けた検知素子ピッチ縮小やアイセーフ・レーザとの整合性が高いSWIR(Short Wave Infra-Red、短波長赤外)域の利用拡大等も注目の的です。
 こうした検知デバイスの基礎原理と研究開発動向およびその応用について、システム化の留意事項と事例と共に概説します。本技術の進展は防衛・宇宙が牽引して来た面が強いので、そこでの応用に特徴的なものが多く、説明の中心となります。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

非冷却赤外線イメージセンサ

三菱電機(株) 大中道 崇浩
 非冷却型(熱型)と冷却型(量子型)に大別できる赤外線イメージセンサのうちの非冷却型(熱型)について、その原理、構造、特性、利点を、撮像例も交えて、概説します。
 非冷却型(熱型)赤外線イメージセンサは、熱型温度センサから成る画素を2次元アレイ化して、シリコン半導体で形成した読み出し回路上に集積形成したイ メージセンサです。冷凍機を必要としない赤外線カメラを可能にすることから、低コスト、小型・軽量化、低消費電力化、長寿命化を実現するとともに、成熟し たシリコン半導体技術に、近年急速な進歩を遂げているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を融合することにより、特性の改善が進められてきました。このような非冷却型(熱型)赤外線イメージセンサについて、各種方式のメカ ニズム、技術動向も含め、紹介します。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

赤外線カメラとその応用

日本アビオニクス(株) 田村 哲雄
 赤外線の歴史は、1800年、W. Herschel(英)を発見したことから始まり、その後多くの研究がなされ、現在では、広い分野でその技術が応用されている。絶対温度以上の物体からは、その温度に関係付けられるエネルギー(プランクの放射則)の赤外線が放射され、その赤外線を画像化する暗視カメラや、定量化し温度計測に利用されている。
 近年、非冷却二次元赤外線センサ(UFPA)が開発され、MEMS 技術の向上などにより、狭ピッチ・多画素、高性能化、低価格化が実現され、赤外線カメラの様々な分野で利用が拡大している。使用目的により保守保全用ハンディタイプ型、研究開発用高性能多機能型、特殊計測用光学フィルタ内蔵型、計測システム用固定設置型など様々な種類のカメラが、開発されている。
 本稿では、赤外線カメラの動作原理、最近の赤外線画像処理技術、性能・機能を有効に活用するための技術、更にその応用例について紹介する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1コース/税込)
一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 シニアクラブ 学生
¥13,000 ¥10,000 ¥7,000 ¥7,000 ¥3,000

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2016年11月16日(水) 09:30-12:25  科学技術館 1F 9号館
【IR-3 コース】 赤外線の最近の話題(光学系最新技術)


補償光学のこれからの発展

国立天文台 髙見 英樹
 地上にある望遠鏡からの天体観測では空気の揺らぎによって光の進み方が乱され、天体の像がぼやけてしまう。このために望遠鏡が本来持つ性能よりも一桁以上悪い解像度で観測をしてきた。近年、補償光学という大気の揺らぎをリアルタイムで補正して回折限界の分解能を得る技術が開発され、それを天文学に応用し太陽系外の惑星の発見、ブラックホールの研究などで大きな成果を上げるようになってきた。しかし、補償光学は未成熟であり、今後大きな進歩の余地がある技術である。今まではピンポイントの狭い範囲でしか補正ができなかった上、補正のレベルもまだ十分ではなかった。
 それらの問題を解決する新しい補償光学の研究が進みつつあり、それを利用して、天文以外への応用が盛んとなり始めている。生物分野では、顕微鏡に補償光学を応用し、生きた細胞の中をこれまでにない高解像度で観察し発生現象の解明をしようとしている。医学では、人の眼底の血管を高解像度で見ることによって生活習慣病の発見につなげられるようになってきた。そのほか、宇宙との光通信、光学機器への応用など、光が媒質を伝わる様々な分野への応用が広がりつつある。
 現在、補償光学を実現するために必要なデバイス、制御計算機のコストが下がってきており、今後、いままで考えられていかなった様々なアプリケーションで日常的に補償光学システムが組み込まれ、光の応用分野が画期的に発展することが期待される。

樹脂レンズ・反射光学系を用いた赤外線アプリケーションの可能性

ナルックス株式会社 池田 賢元/田邉 靖弘/河合 伸典
 サーモグラフィ、ナイトスコープ、セキュリティシステムなどには、数マイクロメータから数十マイクロメータの波長範囲の遠赤外線の撮像装置が使用される。遠赤外線撮像装置用の結像光学系をレンズなどの透過型光学素子によって実現しようとすると、従来のレンズには、遠赤外線の吸収の少ない材料として、ゲルマニウムやカルコゲナイトのような高価な材料、あるいはシリコンのように加工方法が切削に限られ、コストが高くなる材料が主に使用されている。一方で、一般的な光学レンズの材料には主にガラスや樹脂が使用され、特に樹脂は射出成型等の手法を用いて低コストで大量に光学レンズを生産できるという利点があるが、一般的に遠赤外線に対する樹脂材料の透過率は、遠赤外線の吸収により光量が不足するので、遠赤外線用撮像光学系に可視光用撮像光学系と同様の樹脂レンズを使用することはできない。低価格の結像光学系を実現するには、樹脂成形及び反射コートの施された反射鏡や、樹脂を使用した薄型レンズの光学系が好ましい。
 本講演では、十分な光量を得ることのでき、十分な明るさを備えた、コンパクトな樹脂製の反射光学系と透過型のレンズを製品設計のコンセプト、製作過程、評価結果を紹介する。また、現在多くのアプリケーションの主流となっている、近赤外線を用いた測距用の光学系について紹介する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

民生遠赤外線用途向けカルコゲナイドガラスの特性の紹介

ユミコアジャパン株式会社 安田 傑
 軍事技術として生まれた赤外線技術は、近年民生用途への転化が進んでいる。
ゲルマニウム製の金属レンズが赤外線向け光学素子として使われてきたが、其の調達性、加工性に難があり、民生用途向け量産に困難がある。
 この困難に対する解決案の一つとして、カルコゲナイドガラスの活用がある。
弊社の開発したカルコゲナイドガラスを例として、ゲルマニウムと比較したカルコゲナイドガラスの特性を紹介する。一方で、カルコゲナイドガラスを利用した弊社の最新の活動を報告致する。
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一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 シニアクラブ 学生
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