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-宇宙・天文光学

2018年04月25日(水) 09:30-12:25
【-1 JAXA(相模原)の研究者が語る宇宙コース


宇宙望遠鏡、特に極低温冷却望遠鏡用の新技術(半導体微細加工技術をつかった反射防止膜等)

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 和田 武彦
< 講演要旨 3月下旬公開予定 >
 

深宇宙探査プロジェクトを支援などで活躍するJAXAの大型アンテナ

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 村田 泰宏
< 講演要旨 3月下旬公開予定 >
 

天体衝突から地球を守る: プラネタリー・ディフェンスへの取り組み

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 吉川 真
小惑星や彗星のような太陽系小天体が地球に衝突すると、通常の自然災害とは桁違いの大きな災害となりうる。このようなことは、頻度は低いものの決して起こりえないものではない。天体の地球衝突という問題は、スペースガードとして1990年代から本格的な取り組みがはじまったが、最近ではプラネタリー・ディフェンスとも呼ばれ、活動がさらに活発になってきている。
その大きな成果としては、地球に接近しうる天体の観測が進み、現時点で1万7千個以上の地球接近天体について軌道が把握されるようになったことが挙げられる。軌道が把握されれば、その天体が地球に衝突しうるかどうかが計算で分かることになる。また、太陽系小天体への探査も進み、それらの素性がかなり理解されるようにもなってきたことも最近の大きな進歩である。
一方、国連など国際的な場でも天体の地球衝突問題が議論されるようになり、天体地球衝突の回避についても様々な検討がなされるようになってきている。天体の地球衝突という問題が、決して杞憂ではないということは、2013年にロシアに落ちたチェリャビンスク隕石で大きな被害が生じたことを見ても明らかである。
ここでは、天体の地球衝突問題について、現在どこまで作業や検討が進んでいるのか、そして何が今後の課題であるのかについて解説する。

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2018年04月26日(木) 09:30-12:25
【-2 JAXA(つくば)の研究者が語る宇宙コース


地球観測用赤外線検出器の開発とその応用

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 片山 晴善
赤外線センサは、気象観測、災害観測、環境監視など多くの地球観測ミッションにおいて重要な役割を果たしている。
本講演では地球観測用の赤外線センサについて、光学系、赤外線検出器等の要素技術についての概要を述べた上で、JAXAがこれまで開発を行ってきた赤外線センサについて紹介する。
またJAXAが将来の地球観測用赤外線センサに向けて開発を行っている赤外線検出器の研究とそれらを利用した地球観測への応用事例を紹介する。
本講演ではこれらを極力、初心者にも分かり易く説明する予定である。

先進光学衛星(ALOS-3)搭載 広域・高分解能センサの開発

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 度會 英教
 先進光学衛星(ALOS-3)は、陸域観測技術衛星ALOS「だいち」(2006-2011年)の光学ミッションを引き継ぐ地球観測衛星であり、2020年度の打上げを目指して開発が進められている。ALOS-3には「だいち」と比べ大型・高性能化した広域・高分解能センサが搭載され、広い観測幅(直下70km)を維持した上で、さらに高い地上分解能(直下0.8m)を実現する。このように広視野と1mを切る高分解能を両立させたセンサは世界に類をみず、ALOS-3の大きな特徴となっている。
 ALOS-3は全地球規模の陸域を継続的に観測し、蓄積した平時の画像や災害発生時の画像を防災・災害対策等を含む広義の安全保障に活用する。ALOS-3の地上分解能では構築物の倒壊や道路遮断の状況が、「だいち」(地上分解能2.5m)に比べてより明確に視認でき、 発災前後の画像の比較により詳細な被害状況を迅速に抽出することが可能になる。またALOS-3の観測データは国内や途上国の高精度な地理空間情報の整備・更新などにも貢献するほか、 沿岸域や植生域の環境保全など様々な分野への活用が期待されている。
 本講演では上記ALOS-3の光学ミッションの概要と、その実現のために広域・高分解能センサがどのようにデザインされたかの概念設計プロセスや、センサ開発の最新状況を紹介する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)の開発と初期運用

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 此上 一也
< 講演要旨 3月下旬公開予定 >
 

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2018年04月27日(金) 09:30-12:25
【-3 国立天文台の研究者が語る天文コース


TMT望遠鏡のすごさが切り開く宇宙

自然科学研究機構 国立天文台 斎藤 正雄
 TMT(Thirty Meter Telescope)は日本を含む5か国の協力でハワイ島に建設する口径30mの超大型光赤外望遠鏡である。2014年に建設を開始し、2020年代後半に完成予定である。現在、活躍中のすばる望遠鏡と比べても約10倍も多くの光を集めることができること、ハッブル宇宙望遠鏡の10倍以上の解像度が得られることから、宇宙のフロンティアに挑む次世代装置として期待されている。特に、期待されている科学成果として地球型系外惑星の発見や太陽系外生命探査、宇宙最初の天体の解明、ダークエネルギーの解明があげられている。
 TMTの光学系は主鏡、第二、第三鏡および観測装置からなり、日本は主鏡を構成する492枚の分割鏡製作の主要部分と望遠鏡本体構造の製作を担当している。望遠鏡本体も現在の8-10mクラスの望遠鏡と比べて様々な工夫がされており、性能や運用性を確保しつつ大幅な軽量化が図られている。中でも主鏡を支える構造の重力変形の抑制、仰角構造の経路長安定化、本体構造の免振機構、分割鏡交換ロボット技術などが新たに導入されている。
 本講演ではその中でも望遠鏡本体の技術や期待される性能に焦点を当てる。これまでの望遠鏡と何がちがうのか。日本が誇るすばる望遠鏡と比べて性能はどのくらいあがるのか。そしてその望遠鏡が生み出すと期待される科学成果についても触れる予定である。
難易度:一般的(高校程度、一般論)

ALMAで見た太陽

自然科学研究機構 国立天文台 下条 圭美
 太陽研究にとってミリ波・サブミリ波帯は、太陽フレアと呼ばれる爆発現象で生じる高エネルギー電子を観測することができ、また彩層と呼ばれるダイナミックな大気層の温度計として利用できる波長帯である。高エネルギー電子の生成過程を理解することは、宇宙のいたるところで起きている粒子加速の理解に貢献するだけでなく、地球近傍の宇宙環境を理解・予報する上で重要な研究テーマの一つである。一方、ミリ波・サブミリ波で温度が測定できる彩層は太陽表面より温度が高く、その加熱機構は百年来の謎である。このように利用価値が高いミリ波・サブミリ波帯であるが、高空間分解能での観測が困難だったため研究が進んでいなかった。
 ALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)は、世界最大の天文観測用電波干渉計である。星が生まれる領域や遠方の銀河から放射される微弱な電波の観測を得意とするALMAであるが、最も近い星である太陽の観測も念頭において設計・製造されている。ただし、太陽は他の天体と比べて桁違いに近いため受信するミリ波・サブミリ波の量も桁違いに多く、ALMAを使って太陽を観測するためにさまざまな工夫が必要であった。我々は2011年から手法開発を開始し、2016年からALMAによる太陽観測を開始することができた。本講演では、太陽研究の重要課題を解説するとともに、ALMAによる太陽観測を実現するまでの道のりとALMA太陽観測による成果を紹介する。
難易度:一般的(高校程度、一般論)

太陽からの微弱な偏光を捉えろ!~観測ロケットによる5分間の挑戦~

自然科学研究機構 国立天文台 石川 遼子
 太陽は、我々人類の住む地球から最も近い恒星であり、その近さ故、表面から外層大気に至るまで、事細かに観測できる唯一の天体である。それを最も如述に示すのが、太陽観測衛星「ひので」をはじめとする最新の観測装置によって得られるダイナミックな太陽の姿であろう。太陽に満ち溢れるダイナミクスは大小様々であるが、その源は全て「磁場」であると考えられている。そのため、磁場を観測し、その性質や振る舞いを調べることが、太陽物理学では重要となる。
 磁場は、スペクトル線の偏光にその痕跡を残す。これまで、可視光~赤外線の偏光観測により太陽表面の磁場の様子が明らかとなってきた。その一方で、磁場によって引き起こされた活動現象がうごめく彩層~コロナの磁場測定は待ち望まれていたものの、技術的困難さから実現には至っていなかった。国立天文台をはじめとする日米欧の国際研究チームは、紫外域のスペクトル線の偏光を測定することで、コロナ直下の磁場を測定する手法の開拓を目指す観測ロケット実験CLASPを推進。CLASPは、2015年に米国ホワイトサンズロケット発射場にて初飛翔をむかえ、観測を成功させた。その成功は、0.1%という非常に高い精度を紫外線領域で実現させた観測装置の開発なくしては語れない。
 ロケット実験は一発勝負。5分間の観測に5年以上かけてきた私たちの取り組み、打ち上げの様子、得られた成果、そして今後の計画について紹介したい。
難易度:一般的(高校程度、一般論)

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[ 特定商取引法に基づく表記 ]

1998年,大阪大学理学部卒業. 2000年, 日本学術振興会 特別研究員. 2003年, 大阪大学院理学研究科宇宙地球科学専攻修了 (理学博士). 同年,宇宙開発事業団 宇宙航空特別研究員, 2006年, 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センターにて地球観測用の光学センサの開発に従事 2016 年 先進光学衛星プロジェクトチーム 所属学会:日本赤外線学会,日本リモートセンシング学会 日本天文学会

度會 英教

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構

第一宇宙技術部門 先進光学衛星プロジェクトチーム ファンクションマネージャ

名古屋大学理学研究科素粒子宇宙物理学専攻満了 博士(理学)
宇宙科学研究所COE研究員、日本学術振興会特別研究員として赤外線天文学の研究に従事したのち、2001年に宇宙開発事業団(当時)入社。陸域観測技術衛星(だいち)プロジェクトチームにおいて「だいち」搭載パンクロマチック立体視センサ(PRISM)および高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)の開発を担当。地球観測研究センター等を経て2016年4月より先進光学衛星プロジェクトチーム。広域・高分解能センサの開発を担当。

斎藤 正雄

自然科学研究機構 国立天文台

教授

1997年天文専攻で野辺山の干渉計を使った研究で学位を取得する。その後スミソニアン天文台で博士研究員および一般技術者としてハワイのサブミリ波望遠鏡の立ち上げに従事。2002年より国立天文台にてアルマ望遠鏡のアンテナ製造担当、アンテナ性能評価担当、東アジアアルマプロジェクトサイエンティストを歴任。2012年からはチリ国際アルマ天文台でプログラムマネジャーとして現地の科学運用を行う。2014年より野辺山宇宙電波観測所長を3年弱つとめたのち、2017年よりTMT推進室に異動し望遠鏡構造担当として現在に至る。

下条 圭美

自然科学研究機構 国立天文台

助教

栃木県生まれ。専門分野は、太陽物理学。特に太陽大気中で発生する爆発現象やジェット現象における磁気エネルギーの解放を研究している。また、太陽X線 / 電波観測手法や観測データ解析システムの研究開発も行っている。

石川 遼子

自然科学研究機構 国立天文台

助教

山口県生まれ。太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光磁場望遠鏡で得られたデータを使った研究で、2011年に学位を取得。学位取得後は、装置開発を研究テーマのメインに据え、CLASP実験では偏光分光器の開発担当及び日本側プロジェクトサイエンティストを、CLASPの再飛翔計画(CLASP2実験)では日本側研究代表者を務める。2014年6月より現職。