バイオイメージング

2017年04月21日 10:30-16:30 会場:展示場内特設会場B
【BI-1 コース】 バイオイメージングと応用への期待

限界を超えたバイオイメージング:超解像顕微鏡の原理と応用

大阪大学 藤田 克昌
 光光学顕微鏡の空間分解能の限界は光の波長の半分程度と言われてきたが、近年、この限界を超える技術が多く提案され、その代表的な技術の開発に対して2014年のノーベル化学賞が贈られた。これらの技術を利用した顕微鏡は、超解像顕微鏡と呼ばれており、現在も機能や性能向上、またバイオイメージングへの応用を目的として、オプティクス、フォトニクスを分野はもちろんのこと、化学、生物、信号・画像処理分野も巻き込んで研究開発が行われている。
 本講演では、超解像顕微鏡の例として、PALM/STORM、STED/SAX、SIMを取り上げ、その原理とそのバイオイメージングへの応用例について紹介する。また超解像顕微鏡の実現のための技術的な背景に加え、従来技術の限界を超えるために必要であった新しいコンセプトについても紹介し、その意義や他の技術への波及効果について議論する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

超短光パルスの時空間制御による非線形顕微イメージング

国立研究開発法人 理化学研究所 磯部 圭佑
 2光子蛍光顕微鏡などの非線形光学顕微鏡は、線形光学顕微鏡を越える利点があるため、生体組織の深部を観察するための重要な可視化技術となっている。
 非線形光学顕微鏡では、励起光として、生体試料中において吸収や散乱の小さな近赤外光を用いることが可能である。また、共焦点ピンホールを用いることなく深さ方向の空間分解能が得られため、試料内部で散乱した信号光を、除去するのではなく、広い受光面積の検出器を用いて信号として検出できる。そのため、非線形光学顕微鏡は深部イメージングに有用である。しかし、それでもなお、深部イメージングは困難となっている。非線形光学顕微鏡を用いたとしても、侵入長が深くなると、背景光となる非線形光が試料表面から発生するようになり、観察可能な深さを制限している。また、試料内部の屈折率分布が一様ではないため、試料内部で生じる波面歪みによって、非線形信号光強度が低下するとともに空間分解能が劣化する。波面歪みを補償する技術は望遠鏡などですでに開発されているが、生体試料内部で生じる波面歪み量を決定することが困難である。
 本発表では、励起光と分子の相互作用を時間的・空間的に制御することによって、深部イメージングで問題となる背景光を除去するとともに、空間分解能を向上させる技術を報告する。また、生体試料内部で生じる波面歪み量を決定する非線形光学技術についても報告する。
難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

高性能・高機能CMOSイメージセンサとバイオイメージング

静岡大学 徐 珉雄
 個体イメージセンサの研究は1960年代から始まり、およそ50年の歴史をもつ。実用的な製品が世に出るまでおよそ20年を要しているが、その後は急速に実用化が進展し、個体イメージセンサの用途が急速に拡大した。当初はCMOSイメージセンサ(CIS)の低消費電力性が注目され、携帯機器での実用化が進んだが、CMOS集積回路技術の進歩と、イメージセンサでもあり集積回路でもあるCISの高い機能性によって、イメージングデバイスとしての機能と性能が著しく向上し、イメージセンサに新しい可能性を生み出すことにもなった。その一つは時間分解ロックインイメージングである。時間分解撮像は、測定対象から振幅情報に加えて時間領域での情報を引き出す手段として、古くから知られているが、半導体集積回路・イメージセンサ技術の発展に伴い、最近その新たな可能性に期待が高まっている。特に、ロックイン画素は、時間窓を使った各種のバイオイメージングに有用であり、蛍光寿命イメージング、蛍光相関分光、近赤外分光、ラマン分光等、様々に活用できる。
 本講演では、CISの高性能・機能性を活かしたバイオイメージングデバイスの新しい技術として今後の発展が期待されるロックイン画素による時間分解CISの開発とバイオ・メディカルイメージング分野への応用について述べる。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

生体内埋植可能な超小型CMOSイメージセンサによる生体機能イメージング

奈良先端科学技術大学院大学 太田 淳
 生体内に直接埋植可能な超小型CMOSイメージセンサによる生体機能イメージングについて紹介する。超小型CMOSイメージセンサとマイクロLEDをフレキシブル基板上に実装した超小型埋植可能なイメージングデバイスをマウス脳内に埋植することにより、自由に行動する状態での脳内での生体機能計測が実現できる。
 本講演では、生体内埋植デバイスを用いた光による生体機能計測として、内因性光イメージングと蛍光イメージングを取り上げる。また近年開発が活発化している光遺伝学(オプトジェネティクス)により、本デバイスを応用することで光による生体機能の計測と操作が可能となっており、本講演でもその実例について紹介する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

CMOS技術を活用したスマートバイオイメージセンサ

豊橋技術科学大学 澤田 和明
 集積回路(LSI)技術とセンサ、バイオチップとの融合による新しいシステムLSIはこれまでにない特徴を生み出し、これまで不可能であった計測を可能にし、新たな応用分野を開拓することができる。このようなチップはスマートマイクロチップと呼ばれている。スマートマイクロチップの応用分野として、ライフサイエンス分野があげられる。この技術を医療の検査器の技術として展開することは、これまで取得が困難であった生体情報を容易に計測できる手段となる。
 これまで我々は、集積回路微細加工技術を応用し、医療・生体工学の分野に適用可能なマイクロチップに関する研究・開発が行われている。
 我々は、CCD電荷転送技術とCMOSイメージセンサ技術を応用した新たなバイオイメージングツールの開発に取り組んでいる。最初の話題のバイオイメージセンサは、イオン・神経伝達物質の2次元分布の動画像を非標識でリアルタイムに計測可能であると同時に、高感度な計測が可能であるという2つの大きな特徴を持っている。次の話題であるフィルタフリー蛍光イメージセンサは、光学的なフィルタを用いずに、蛍光画像を取得できる新規な小型・簡便なセンサである。
 本講演ではではバイオイメージセンサの原理、動作説明とその応用例を示し、最後に本センサによる新たなバイオインターフェース展開に向けた期待を述べる。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
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