レンズ

2017年04月19日(水) 09:30-12:20
【-1 レンズ設計・評価のための光学基礎(1) レンズと収差入門


レンズ入門

株式会社オプト・イーカレッジ/埼玉県立大学 河合 滋
レンズおよび光学の基礎を文系の方にもわかりやすく解説します。
【講演内容】
 ●はじめに:光と電磁波、反射と屈折の法則、屈折率、光路長、フェルマの原理、波面
 ●幾何光学の基礎:座標系、光軸と主光線、メリジオナル面とサジタル面、結像、焦点距離、凸レンズと凹レンズ、実像と虚像、共役な関係
 ●レンズのパラメータ:主要点(焦点・主点・節点)、フロントフォーカス・バックフォーカス、像倍率、被写界深度、画角、絞りと瞳、口径食、Fナンバ、開口数
 ●ガウス光学:近軸光線、薄レンズ近似、光線行列、レンズのベンディング
 ●色収差:波長分散とアッベ数、色収差(軸上・倍率)、色消しレンズ(アクロマート・アポクロマート)
 ●回折の基礎:回折限界、空間周波数とフーリエ変換、MTF、波動光学的な結像
難易度:入門程度(専攻が他分野でもOK)
 ・光関係の仕事(設計・製造・評価・営業・サポート)を始める方
 ・光学に興味がある学生(大学ではほとんど勉強できません)

収差入門

キヤノン株式会社/宇都宮大学 荒木 敬介
市販のテキスト松居吉哉著「結像光学入門」に準じる内容で、
1. 開口絞りと瞳、
2. 収差とは何か、
3. ザイデルの5収差について
4. 色収差について、
5. 収差図の表わし方・見方
6. 収差論補足事項、参考文献紹介
となる予定。 特許の収差図が理解できるようになることを最終目標に据えて講義を進める。
なお、講義資料は上記テキスト等市販資料をもとにパワーポイントで作成したものを用いる予定である。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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2017年04月19日(水) 13:10-16:00
【-2 レンズ設計・評価のための光学基礎(2) 波動光学、OTF入門


波動光学の基礎と光学系評価への応用

KMオプトラボ 山本 公明
 光学系の詳細な性能評価には波動光学的評価が不可欠となる。
 本講演では、光学系評価に必要となる波動光学の基礎知識を解説した後、それを応用した波面収差や回折像を基にする光学系の評価法について概説する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

OTF入門

東京大学 志村 努
 OTF(Optical Transfer Function:光学伝達関数)は、光学系の結像特性を簡潔かつ詳細に表すことのできる関数である。単に解像する、しない、の2値しか表せない解像度に比べて、はるかに多くの情報量を持ちながら、煩雑にならず、見通しが良いのがOTFの利点である。伝達関数はもともとは電気信号などの1次元信号が伝送によりどのように変形するかを表すために考案されたものだが、これを2次元画像の物体と像の関係に適用したのがOTFである。OTFを知ることで、与えられた物体が結像光学系によりどのような像になるかをわかりやすい形で予測することができるようになる。
 このセミナーでは、OTFの基本とその応用法を理解してもらうために、伝達関数、時間周波数と空間周波数、実空間と周波数空間、およびこれらをつなぐフーリエ変換についてわかりやすく講義する。インパルス応答や点像分布関数といった小難しい用語や、OTFとMTF、PTFといった紛らわしい略語も、恐るるに足らず、ということが理解していただければ幸いである。

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2017年04月20日(木) 09:30-12:20
【-3 レンズ設計・評価のための光学基礎(3) 光学ガラスとフォトニクスポリマーの基礎と応用


光学ガラスの基礎と応用(いかにうまく使うのか?)

株式会社みらい知的財産技術研究所 西澤 紘一
 ガラス材料の基礎的知識、特にアモルファス材料としての特性、なぜ結晶化しないのか?
 などのガラス特有の性質を学ぶ。
 次にガラスの透明性を利用した光学材料としての特性を解説。屈折率の由来、分散の意味、レーザ発光など工学にまつわる基礎を解説する。
 最後に、ガラスの光学応用について、光学レンズ、低分散ガラス、異常分散ガラス、波長変換ガラス、光ファイバ、光ファイバレーザ、分布屈折率レンズなどの応用分野について触れる。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

フォトニクスポリマーの基礎と最近の応用動向

旭硝子株式会社 青崎 耕
 光学、フォトニクス分野において有機ポリマーは、最近では「超高速光ファイバー」、「複屈折制御フィルム」、「ナノデバイス」などの、フォトニクスポリマーならではのガラス材を超える活用が実現されている。また、紫外線高透明ポリマーを利用した深紫外LEDの樹脂封止やレンズも注目されつつあり、フォトニクスポリマーは次世代のフレキシブルディスプレイ分野や照明・照射デバイスなどの環境・省エネルギー分野などにおいて、期待される役割は大きい。
 本講演においては、フォトニクスポリマーの材料や光学特性制御などの基礎をできるだけ分かり易く網羅的に解説し、さらに光学レンズ・光学フィルムをはじめとした最近の応用例や、3Dプリンター材料などの今後の新展開について注目すべき事例を紹介する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)~初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す) / 基礎知識的な事項は資料中にできるだけ分かり易く記載

ガラス材とポリマーの特長比較と使い分け

株式会社プライムネット 西澤 紘一 / 旭硝子株式会社 青崎 耕

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2017年04月20日(木) 13:10-16:00
【-4 レンズ設計・評価のための光学基礎(4) 光学薄膜の設計と成膜・測定


光学薄膜の理論と設計

株式会社ニコン 鎌田 剛忠
 単層ARコートに端を発する光学薄膜は、今日では映像機器、加工および計測機器、通信機器など種々の産業機器において無くてはならないものとなっている。また光学薄膜に求められる性能は、光学的な特性のみならず耐久性(レーザー照射耐性や耐環境性など)、機能性(防汚や撥水など)と多岐にわたり、製品を差別化する一因ともなっている。
 光学薄膜の基本的な内容の理解という点において、多くの名著が出版されているものの専門的な内容が多く、その敷居は決して低くないと思われる。
 本講演では、光学薄膜の理解の一助となるようその理論、設計についての基本的な内容を自身の経験を踏まえて概説する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

光学薄膜の成膜・測定

オプトグリーン株式会社/宇都宮大学 生水 利明
 光学薄膜はカメラレンズ等のARコート(反射防止膜)と共に発展したが成膜手法は真空蒸着が主体であった。しかし1990年代後半から光通信、プロジェクター、ライフサイエンス分野などで非常に高精度な多層膜フィルターが要求されるようになり成膜手法もIAD(イオンアシスト蒸着)、反応性スパッタ等の技術が確立された。
 本講演ではこれら真空成膜法を主体として、最近注目されているゾルゲル法についても各手法の特長を比較して紹介する。また光学薄膜の測定手法についても光学特性の評価を主体に説明する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

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2017年04月21日(金) 09:30-12:25
【-5 レンズの計測技術・微細加工・ELID研削技術


干渉計測の基礎

株式会社ニコン 玄間 隆志
 光学系の製造工程において用いられる干渉計測技術について、特に光学部品の面精度評価に用いられる干渉計を中心として解説する。
 干渉計測は高い感度を持つ優れた計測技術であるが、一方で振動などの外乱やノイズ光の影響を受け易く、使いこなしが難しい技術でもある。
 本講演では、平面や球面の面精度測定に用いられる基本的な干渉計の構成から、非球面の面精度を測定するための特殊な干渉計や、平面・球面の絶対形状計測の手法まで、光学部品の製造工程において役に立つ技術を紹介する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

マイクロレンズの作製・評価

自然科学研究機構 国立天文台 宮下 隆明
 マイクロレンズは、光通信用デバイスを始めとして液晶プロジェクタ用パネル、シャックハルトマンセンサなど多方面での応用が広がっており、活発に研究開発がすすめられている。通常のレンズに比べるとサイズが小さいだけでなく、製法も大きく異なっている。また、測定評価もそのサイズの制約で非常に難しい面がある。
 本講では、マイクロレンズ特有の作成方法とその特性評価法、さらにはユーザーとサプライヤが、マイクロレンズの特性についての共通の理解をすすめるための国際標準の開発動向など、マイクロレンズについて総合的に理解を深めていただけるよう解説する。
 また、最近実用段階に入ったと言える、ウェハレベル実装技術、およびそれを活用したデバイス作成についても紹介する。
マイクロオプティスクス開発に携わる、あるいはマイクロレンズを含むマイクロオプティクスの活用を検討中の方にもご理解いただけるように解説する。特に専門知識は不要。

電解インプロセスドレッシング(ELID)鏡面研削

国立研究開発法人 理化学研究所 大森 整
 半導体、光学、自動車、セラミックス、金型など他分野に亘り、超精密、鏡面研削を実現するELID法は、硬質、脆性材料に対するナノ精度加工を実現する方法として活用されている。
 本特別セミナーでは、ELID法の基本原理から、最近までの応用について事例を中心として、実生産への応用のご参考にしていただくべく解説する。
難易度:初心者でも問題ありません。
研削加工にかかわる業務、研究開発、製造などに携わる方にはお勧めですが、研磨や切削加工全般にかかわる方にもお勧めです。

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2017年04月21日(金) 13:10-16:05
【-6 ウエアラブル機器 ~VR、メガネ型端末~


VR 2.0の世界

東京大学 廣瀬 通孝
 昨今、VR技術が再び注目を集めている。VRという言葉がはじめて使われたのが1989年のことであるから、2周目のブームということになる。前回とでは技術的な環境が全く異なっており、その意味で現在のVRはVR2.0とでも呼ぶべきであろう。
 本講演では、我々の現実認識のループを変化させるというVR技術の本質について解説したうえで、この新しいVR2.0はどう進化していくのか、どう産業や社会に影響を与えていくのかについて考えていきたいと思う。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

ホログラム導光板方式シースルーメガネ型ウェアラブル端末

ソニー株式会社 中野 聡
 現実世界の視界と仮想世界の映像を重ねて表示するAugmented Reality(AR)デバイスとして様々なシースルーメガネ型ウェアラブルデバイスが提案されている。
 本講演ではこれらのデバイスの方式と特徴について概説したのち、ソニーの開発したホログラム導光板方式シースルーデバイス光学系の原理と開発課題、そしてその解決手段について解説する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

シースルー型スマートグラス

セイコーエプソン株式会社 小松 朗
 近年、情報機器を体に装着するウェアラブル機器が関心を呼び、様々な製品が上市されている。その中でも、情報を画像として表示するメガネ型の表示機器、スマートグラスに注目が集まっている。
 セイコーエプソンでは、両眼シースルータイプのスマートグラス MOVERIOシリーズを発売しており、今回、開発の経緯を振り返りつつ、その原理や使用シーンについて解説する。
難易度:一般的(高校程度、一般論)

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