紫外線

2017年04月21日(金) 09:30-12:25 会場:アネックスホール F204
【UI-5 コース】 紫外線技術の基礎、LED、レーザー

紫外線の基礎

東海大学 佐々木 政子
紫外線・可視光線・赤外線は“光”と総称される。可視光線の紫より短波長側にある眼には見えない400~100nmの電磁波が紫外線と呼ばれる。専門用語は紫外放射(ultraviolet radiation: UV)であり、略語UVが常用される。光は横波の性質を持つエネルギー粒子である。光子1個のエネルギー(ε)は、次式(1)で示される。
 ε=hν=hc/λ (1)

 ここで、hはプランク定数、νは振動数、λは波長、cは真空中の光速である。光子エネルギーの単位はkJで表す。アボガドロ定数(N)単位の光子エネルギーは、
 E =Nε=Nhν=Nhc/λ [kJ/mol]

となる。赤外線や可視光線 より波長の短い紫外線の光子エネルギーは大きく、物質に吸収されるとその電子状態を変化させ光化学反応を起こすことから化学線と呼ばれることもある。
 紫外線の光化学反応は、日々の生活を支援している多種・多様な産業に必要不可欠な要素技術を数多く提供している。 
 本講演では、1。紫外線とは、2。紫外線の放射源 太陽光と人工光源、3。紫外線の計測法、4。紫外線の人体作用、5。紫外線利用技術・産業応用について述べる。

 なお、紫外線の波長帯域区分用語:UV-A、UV-B、UV-Cは、1932年に光療法の普及の過程で提案され、現在は、国際照明委員会(CIE)の定義用語となっている。しかし、研究・産業分野によって同一用語を使いながら、帯域区分波長が異なる場合が多い。
 用語UV-A、UV-B、UV-Cを用いて紫外線を論ずるときには波長明記が必須と言える。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

殺菌用紫外LEDの開発と今後の展望

国立研究開発法人 理化学研究所 平山 秀樹
 波長が230-350nmの紫外発光ダイオード(DUV-LED)、レーザダイオード(LD)は、殺菌・浄水、医療、生化学産業、照明、公害物質の高速分解(ダイオキシン、PCB)、高密度光記録、紫外硬化樹脂応用など、さまざまな分野での応用が考えられており実用化が期待されている。
 最近、窒化物AlGaN系半導体を用いた紫外LEDの開発が盛んに行われており、すでに実用可能な出力も達成されている。殺菌用途(波長250-280nm)の100ミリワット以上出力LEDや最短波長220-250nm帯LEDの実現、DUV-LEDの高効率化などの開発は最近注目を集めている。
 本講演では、窒化物紫外LEDの最近の進展と実用化に向けた今後の技術開発のポイントについて、ワイドギャッップAlGaN系半導体の結晶成長、高効率化の素技術などについて概説し、今後の展望を述べる。
難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

固体レーザー、ファイバーレーザーを利用した産業用紫外線レーザー

国立研究開発法人 理化学研究所 和田 智之
 紫外線レーザーは、短い波長による高い空間分解と、大きなフォトンエネルギーによる
物質を構成している原子や分子間の統合エネルギーを直接切ることができるために、熱の影響が少なく加工精度が高い微細加工ができることが知られている。このような特徴を利用して、金属の微細加や、特殊な高分子材料の加工により、半導体産業、電子デバイス産業への新しい応用が期待されている。
 本講演では、物質と光との相互作用の立場にたった紫外線レーザーの加工の基礎から短パルスレザー加工との比較、さらに、固体レーザー、ファイバーレーザーによる高出力紫外線レーザーの基礎と現状を解説する。高出力紫外線発生では、非線形波長変換が必要であるその基礎についても概説する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1コース/税込)
  一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 学生
◎価格A ¥13,000 ¥10,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥3,000
2017年04月21日(金) 13:10-16:05 会場:アネックスホール F204
【UI-6 コース】 紫外線技術の応用~加工、水殺菌、医療への応用

真空紫外レーザー誘起光化学表面改質と周期的微細隆起構造形成

防衛大学校 大越 昌幸
 商用化レーザーの中で最短波長(157nm)のフッ素(F2)レーザーを用いて、化学的に安定な高分子材料の1つであるシリコーンゴム表面を、光化学的に炭素混入のないシリカガラス(SiO2)に改質する手法についてまず述べます。そして本手法を基にした、フレキシブルSiO2光導波路の作製、軽量・耐衝撃性自動車用プラスチック窓材の開発について紹介します。また、スマートウインドウ開発の観点から、シリコーンゴム表面に光化学的に周期的な微細隆起構造を形成する手法と、その結果発現する超撥水性についてもご説明します。この超撥水性シリコーンゴムは、窓材への応用とは別に、水中で機能するマイクロデバイスへの応用展開も期待できます。
 また、シリコーンゴムに代えて、アルミニウムや純鉄薄膜にF2レーザー誘起光化学表面改質を適用すると、結晶性を有する透明なAl2O3薄膜、ならびに疑似海水に浸漬しても錆びない純鉄薄膜が形成できることもお示しし、紫外レーザーの有用性の一端を紹介させていただきます。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

UVによる水殺菌

岩崎電気株式会社 岩崎 達行
 紫外線は誰もが聞いたことがあり、その内容も解っていると思われがちであるが、紫外線を発光する光源や紫外線を用いて殺菌を行なう時の基礎的な知識と技術は一般的にはあまり知られていない。
 本セミナーにおいては紫外線の基礎から殺菌メカニズムまで、また光源や実装置について幅広く述べる。特に装置の評価方法については、生物を使った生物線量計が主に用いられており、装置の性能評価における具体的な試験方法や問題点等詳しく解説する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

紫外線の医療への応用(安全な治療器開発をするために)

ウシオ電機株式会社/桐蔭横浜大学/名古屋市立大学 木村 誠
 痛みや副作用が少なく、患者の”Quality of Life (QOL)”の向上に有効な医療が求められている。従来の外科的な手術から、光・放射線・熱などを用いた、新しい治療方法が注目されている。
 本セミナーでは、安全な医療機器開発を行うために、最低必要な薬事法の基礎について、現状認可が取れている治療機器の解説を行い、「光」に着目し、光源についてと解説を加えるとともに「光治療」について、特に紫外線(UV-A、UV-B)を用いた治療機器の解説を行う。紫外線治療については、「紫外線によって免疫細胞を抑え、同時に皮膚への紫外線による副作用をどれだけ軽減できるか」という課題をもとに、乾癬に治療効果があるスペクトルを数値化、T細胞のin vitroの試験を経て薬事認可を取得、乾癬患者、白斑患者・アトピー性皮膚炎患者・掌蹠膿疱症患者、円形脱毛患者に臨床試験データを紹介する。
 また、紫外線のスカホールド作成プロセスについて説明し、再生医療への応用について解説を行う。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1コース/税込)
  一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 学生
◎価格A ¥13,000 ¥10,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥3,000
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