ポジショニング

2017年04月20日(木) 13:10-16:15
【-1 ポジショニングの基礎 ~静圧軸受、センサ、アクチュエーター~


静圧軸受

同志社大学 平山 朋子
  精密な搬送や位置決めを実現するためには、機械要素の高性能化、中でも案内面の摩擦摩耗の発生を緩和、抑制する軸受技術の開発がキーとなる。本講演では静圧軸受技術に焦点を当て、静圧軸受の仕組みや考え方、設計方法、応用事例に関して紹介する。
 静圧軸受の仕組みを理解するためには、軸受すきま内の流れの様態と「絞り」の物理的意味を理解する必要がある。また、静圧気体軸受においては、「ニューマティックハンマ」と呼ばれる自励振動の発生を抑制する設計を行う必要がある。それらの基礎的な考え方について述べた後、工作機械やアクチュエータへの応用事例の紹介を行う。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

位置決め装置のセンサ技術

東北大学 高 偉
 センサは精密位置決め装置において重要な役割を果たしている。
 本講演では精密位置決め用変位センサを中心にその原理、特性及び技術動向について紹介する。具体的にはレーザ干渉測長機、リニアエンコーダなどのデジタル型センサおよび静電容量型変位センサ、光ファイバー変位センサなどのアナログ型センサをそれぞれ取り上げる。
 また、光周波数コム測長技術、多軸変位・角度計測技術などの最新トピックスについても紹介する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

位置決め装置用アクチュエータ技術

一般社団法人電気学会 苅田 充二
 各種製造、検査装置を対象に超精密位置決めを目的として利用されているアクチュエータはその用途ごとに最適な形態が採用されている。特に非接触で直接駆動を特徴とするリニアモータは、高頻度運転、垂直駆動、完全非接触支持、軽量化、薄型化、長ストローク、特殊環境などの要求される条件に対し適したものとして開発利用されてきた。
 一方、多様な用途への適用が拡大しつつあるアクチュエータ技術は従来の汎用的な電磁アクチュエータを核とする技術にととどまらず、多様な駆動原理を有する新世代アクチュエータ(静電、圧電、磁歪、空気圧、機能性流体などの新原理駆動)研究が推進され評価されてきた。
 新原理の特徴を活かした多自由度アクチュエータはその典型と言える。本稿ではこのような産業用、特に位置決め用を目的とし、どのようなアクチュエータが研究開発、評価され、今後どのような展開するかを概観する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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2017年04月21日(金) 13:10-16:15
【-2 ポジショニングの実例 ~超精密工作、産業ロボット、ステージ~


超精密加工機の位置決め技術

東芝機械株式会社 福田 将彦
 超精密加工機は、高画質カメラレンズ用金型をはじめとして、高品質加工を要求されており、加工点におけるサブナノオーダの位置決め技術を確立し、50nmPV以下の形状精度と、0.5nmRa以下の面粗さを達成している。一方、自動車部品金型のような複雑形状を含む自由曲面に対しては、直線軸だけでなく、回転軸を含む高度な多軸同期位置決め制御が求められている。一見対極的にある市場要求だが、位置決めに必要な共通の機械技術を向上させることにより、両者を達成している。
 そこで、このような幅広い位置決め性能への要求に必要な機械技術を解説し、これらを生かした加工事例を紹介する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

産業用ロボットにおけるモーション制御技術の適用事例

株式会社安川電機 神谷 陽介
 近年の産業用ロボットに対するニーズは従来にも増して多様化、高度化が進み、例えば、レーザ光を使った金属ワークの板金加工(切断や溶接)や、3次元ビジョンを使ったばら積みワークのハンドリングなどの自動化のニーズが増えています。これらの作業をロボット化(自動化)するには、従来のロボットを超える軌跡精度や絶対値精度などの基本性能、あるいはビジョンでセンシングした結果(位置情報)に基づいて動作生成する機能が必要となります。
 本講演では、まず、これらのロボット用途のイメージ、要求されている性能や機能、更にはその実現に必要な技術を説明します。
 次に、必要な技術の中で適用しているモーション制御技術として、軌跡精度を改善するための非干渉化制御技術、動作中にリアルタイムでアームと周囲環境との干渉を回避する技術について、技術詳細を紹介します。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

高精度ロングストロークステージとフォトニクス用多軸ステージ

ピーアイ・ジャパン株式会社 我妻 将夫
 ポジショニング機器は高精度・高分解能を追求し発展を続けておりますが、それ以外にもスピードやストロークをはじめ多数の要求仕様が存在します。そのため全ての仕様を満たすことのできるオンリーワンの機器は存在せず、実務においては多岐にわたる選択肢から設計もしくは選定を行う形となります。さらに静的ポジショニングから動的モーションコントロール、また6軸以上の多軸制御を必要とする事例も増えております。そこで本セミナーでは、様々な精密位置決め機器に触れつつ、最新機器の一例としてエアベアリングとリニアモータを組み合わせたロングストローク・高精度ポジショニングステージと、最新用途の一つであるシリコンフォトニクス用の多軸・高精度アライメントステージに関してご説明させて頂きます。
難易度:入門程度(大学一般教養程度) ★これからポジショニング機器関連業務を開始される方向け

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