-メディカル・イメージング

2017年04月19日(水) 09:30-12:25
【-1 先端画像技術の医療応用


8Kスーパーハイビジョン技術とその医療応用

メディカル・イメージング・コンソーシアム 谷岡 健吉
 スーパーハイビジョンともよばれる8Kは、次世代放送メディアとしてNHKによって提案・開発された画素数約3,300万の超高臨場感テレビである。この画素数は2Kハイビジョン(HDTV)の16倍に相当することから、8Kは超高精細度テレビであるともいえる。
 筆者らが設立したメディカル・イメージング・コンソーシアム(MIC)では、2013年より8Kのイメージング技術を内視鏡(腹腔鏡)手術に応用する研究を進め、新開発の医療用小型8Kカメラを用いて同年12月に動物(ブタ)の内視鏡手術の公開実験を行った。この実験から、従来の2Kハイビジョンの内視鏡では鮮明な映像として見ることが困難であった体内の微小な血管や神経、臓器の境界部が8K内視鏡ではクリアに捉えられることを確認した。MICと杏林大学医学部とは動物実験で得られた知見を基に共同で臨床応用の準備を進め、2014年11月10日に世界初の8K内視鏡カメラによるヒトの胆のう摘出手術に成功した。
 本講演では8K技術を概説するとともに、その医療応用での数々の利点と普及のための技術面での課題、展望などについてMICの最新の活動情報を基に述べる。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

医療応用3D技術の最新動向

カイロス株式会社 山下 紘正
 3D技術、特に立体視技術の医療応用においては、硬性内視鏡および手術顕微鏡への応用が以前より行われている。硬性内視鏡では、2Dでの観察に比べ体内の凹凸形状や奥行きを直感的に把握しやすく、ディスプレイを見ながらであってもより安全に手技を行なえるようになる。2つの光学レンズ系と2つのカメラを用いた2眼2カメラ方式から、2眼1カメラ方式、そして1眼1カメラ方式へと、イメージセンサ技術や映像処理技術の向上に伴い、より最適な形態に進化しつつある。いずれも3Dディスプレイに表示された立体画像を見ながら内視鏡手術を行う、というのが一般的なスタイルであるが、近年では従来より大幅に小型軽量・高解像度化されたヘッドマウントディスプレイタイプも登場してきた。一方で手術顕微鏡は、光学レンズ系を2系統備え、両目で接眼レンズを覗きこみながら立体的な視野を得つつ精密な手技を行う、というMicro Surgeryに特化してきた。従来の手術顕微鏡ではディスプレイはあくまで補助的に使用されるのみであったが、近年では接眼レンズを覗きこむのではなく、高精細のディスプレイを見ながら手術を行うHeads-up Surgeryというスタイルが広まりつつある。
 本講演では具体例を紹介しながら、医療応用における3D技術の最新動向と将来への期待について述べてみたい。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

超音波診断装置の最新技術

GEヘルスケア・ジャパン株式会社 八幡 努
1. 超音波診断装置とは
 1.1 超音波プローブ
 1.2 超音波画像

2. 最新の産婦人科向け超音波診断装置技術
 2.1 最新の3D/4D技術
 2.2 レンダリング技術

3. 最新の循環器領域向け超音波診断装置技術
 3.1 新しいプラットフォーム
 3.2 イメージクオリティー
難易度:一般的(高校程度、一般論)

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2017年04月19日(水) 13:10-16:05
【-2 医療光技術の新展開 ~OCT、テラヘルツ、光音響イメージング~


OCTの原理・現状と新規波長掃引光源によるOCTの試み

東京大学 山下 真司
 OCTは光のコヒーレンスを用いて生体の断面断層画像を非侵襲で測定できる技術であり、高度先進医療の中でも画期的な画像診断技術として注目されている。光による測定であるため非破壊・非接触での画像取得が可能であり、従来のX線CTのような放射線被曝の心配もない。また空間分解能はµmオーダーと非常に高分解能にできることも大きな特長である。眼科・歯科・皮膚科での検査、内視鏡と組み合わせての消化器系の腫瘍検査、カテーテルと組み合わせての冠動脈中のプラークの測定など、様々な適用分野に向けての研究が進んでいる。特に動きの激しい網膜や血流を止める必要がある動脈内部の断層計測ではできるだけ短時間での画像取得が要求されている。
 OCTには第一世代のタイムドメインOCT (TD-OCT)、第二世代のフーリエドメインOCT(FD-OCT)に分類でき、FD-OCTはさらにスペクトルドメインOCT (SD-OCT)とスウェプトソースOCT (SS-OCT)に分けることができる。特に近年研究が盛んなのは高速かつ高分解能な断層イメージングが可能なSS-OCTで、その性能は光源の特性に多くを負っている。
 本講演では上記のOCTに関する原理および現状をまとめるとともに、我々のグループでSS-OCT用光源として研究を進めてきた波長掃引光源についての成果を報告する。通常の波長掃引光源は光フィルタを機械的に動かすことで実現しているため、高速化に限界(通常は数kHz程度)があり、また線形性にも問題がある。我々は光フィルタを必要としない「分散チューニング」の原理を用いている。これは波長分散の大きな光ファイバレーザのモード同期周波数が波長依存性をもつことを逆に利用し、モード同期周波数を掃引することで波長を掃引するというものである。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

テラヘルツ技術によるバイオ・医用科学と診断への展望

大阪大学 斗内 政吉
 近年、周波数300GHzから30THzに位置するテラヘルツ電磁波に関する研究開発が精力的に取り組まれている。テラヘルツ技術が拓く新産業分野の中で、バイオ・医用応用は、まだ途についたばかりで多くの困難待ち受けているが、将来大きなマーケットが期待され、先進国として取り組むべき課題である。テラヘルツ帯では、大きな分子の分子間相互作用、DNAなどの水素結合、生きたタンパク質の水和ダイナミクス、癌イメージング、非侵襲血糖値測定など様々な、研究が進められている。
 本講演では、テラヘルツ技術の基礎と展望を概説し、多くに国で取り組まれている、本課題に対する最先端研究開発状況を紹介するとともに、我々が取り組んでいる、バイオ分析イメージング技術の開発状況を報告する。我々は、独自に、メタアトム(メタマテリアルの構成原子)を組み合わせることで、テラヘルツ分析の欠点を克服する、」微量・高感度センシング、高分解能・高速イメージングなどの技術開発におり組んでおり、その開発現状と、血糖値計測、高感度水分析などの応用について解説する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

光音響イメージングの現状と展望

防衛医科大学校 石原 美弥
 光音響イメージングは、光音響分光法(Photoacoustic Spectroscopy; PAS)の原理に基づく現象を利用する。光吸収に伴って発生する超音波を検出してイメージングする技術、すなわち光と超音波の複合技術である。すなわち、超音波イメージングで出来ないが光イメージングの利点を活用することで機能イメージングができるようになり、光イメージングで到達できない深部を超音波イメージングの利点を生かすことで到達できる技術である。現在のところ、医療機器としての応用、バイオイメージングツールとしての応用、その他、様々な応用が検討されている。
 基本原理、技術的な特徴と、幅広く研究されている応用について、最新の研究動向を中心に解説する。

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