・STC2019 先端センサ・シンポジウム

2019年07月24日(水) 09:30-12:00
【ASS-1 医療・健康センシング


事前のお申込み受付は終了いたしました。
参加をご希望の方はセミナー会場の受付まで当日直接お越しください。

※当日は現金支払のみの受付


質量分析の医療応用を目指して -アルツハイマー病血液バイオマーカーの開発-

(株)島津製作所 関谷 禎規
世界の認知症人口は2050年までに1億3150万人に増加すると予測されており、診断・治療・予防の包括的な取り組みが急務となっている。アルツハイマー病(AD)は認知症の約60%を占め、原因物質とされるアミロイドβ(Aβ)タンパク質は認知機能障害が発生する20~30年前から脳内への蓄積が始まる。そのため、Aβを早期検出して予防・治療対策を行っていくことが重要となる。
我々は低侵襲・低コストなADの検査法を目指して、質量分析を用いて血液中の微量なAβ関連ぺプチドを検出する方法を開発し、脳内Aβの蓄積量を反映するバイオマーカーを見出した。
本講演ではAD血液バイオマーカー開発の取り組みについて紹介する。

センシングデータを用いた“疾患ゼロ”へのチャレンジ

オムロンヘルスケア(株) 芦田 尚人
当社は、高精度の健康医療機器をグローバルに提供しており、医学会から高い信頼を獲得しています。その特性を活かし、循環器及び呼吸器疾患の領域で、「脳・心血管疾患の発症ゼロ」「小児喘息の患者の重症化ゼロ」に向けて、センシングデバイスで測定されたデータが、本人の許可の元、あらゆるサービスで活用される世界の実現を目指しています。実現に向けては、測定した個人のデータを保存、自社や他社サービスへのデータ提供、更には医療・ヘルスケアサービスをシステムとして実現する必要があります。
本講演では、データヘルスケアの将来を見据えた測定データの活用に向けて、各国の規制やエリア毎に異なるサービス要件への対応などの取り組みを、データを活用するシステム面からお話させていただきます。

バイオヘルスケアにおけるセンシング技術

大阪大学 民谷 栄一
診断マーカーとなる特定のバイオ分子を測定するバイオセンサーでは、電気化学、フォトニクスなどに基づくナノデバイスの開発や微量試料や生体反応を制御するマイクロ流体デバイスとの連携がバイオセンサーの機能化を進める上で極めて有用である。応用分野としては、医療診断分析や細胞機能解析などが中心となるが、ヘルスケア、食の安全、環境保全などへに貢献している。Soceity5.0を意図したIT技術との連携も有用でIoTバイオセンサーとしての発展も期待できる。このようにバイオセンサーは、ナノテク、MEMS、バイオ医療、分子テクノロジー、ITなどとの融合もさらに進み、実用化へと貢献するであろう。本講演では、これらについて概説する。

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2019年07月24日(水) 14:00-16:30
【ASS-2 安全・安心センシング


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センシング技術を活用した安心・安全なサステイナブル社会の実現

東京工科大学 天野 直紀
近年の技術進歩に伴い、新たな安心・安全が実現されつつあります。ここで安心・安全はサステイナブルであることが必要です。
その実現には環境負荷やプライバシーといった多様かつ時代とともに変化する条件があります。これらの条件を持続的に満たすためには、センシング技術の使用方法・インターネットやAIといった他の技術との組み合わせ方が重要です。
講演者は近年、インフラにおける点検・監視向けのIoT・非破壊検査に関する研究を行っています。その事例を通じて、どのようにセンシング技術を活用することができるのか、その一つの方向性を示すことができれば、と考えています。

IoTにおける新たなセンシングソリューション ~安心・安全・快適社会の実現に向けて~

オムロン ソーシアルソリューションズ(株) 張 海虹
近年、世界中にIoT(Internet of Things)化が急速に進み、産業界の構造や人々の暮らしなど社会全体が大きく変化している。そのカギを握る技術の一つが、リアルな世界とサイバー空間との接点を創るセンシング技術である。
一方、いま企業をとりまく社会環境は、これまで以上に安心・安全・快適を求めるように変化してきている。我々は社会システム事業で長年培ってきたセンシング技術を生かし、様々なセンサをIoTプラットフォームと繋いで現場から必要な情報(データ)を取り出している。さらに、蓄積した大きいデータと人間の知見(AI技術)をあわせ、現場ソリューションを提供し、「世界中の人々が安心・安全・快適に生活できる社会を創造する」ことを目指してチャレンジし続けている。
本講演では、オムロンソーシアルソリューションズ(株)のIoTにおけるセンシング技術の取り組み、および安心・安全・快適社会実現のソリューション事例を紹介する。

デジタル・アンサンブルによる地震・津波・洪水・土砂複合災害のシミュレーション

(国研)理化学研究所 大石 哲
自然災害に対して強靱な社会の構築のためには、社会基盤施設マネジメントが必要になるので、デジタル・ツイン・コンセプト、すなわち、計画している都市と同じものを計算機内に構成して災害発生時の状況を総合的に理解する必要がある。
一方で、想定外に対応するためには、複合的な災害に帯する対処が不可欠になる。南海トラフ地震では地震の規模が強くて大規模・広範囲に堤防が破壊され即座に全ての堤防を修復できない状態が続くことは容易に理解でき、修復までの期間に巨大台風に襲われることはあり得ることである。
そのため、私たちはデジタル・アンサンブル・コンセプトを打ち出し、複合災害に対して大規模数値シミュレーションを実施している。

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2019年07月25日(木) 09:30-12:00
【ASS-3 自動運転


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自動運転とセンサ

(一社)次世代センサ協議会 室 英夫
近年自動運転に関する話題が多く取り上げられるようになり、政府が推進する将来目標とする社会Society-5.0においても自動運転は重要なシステムとして位置づけられている。但し、自動運転を実現するための車載センサについては現在もいろいろな検討が行われており、様々な構成が考えられている。
本講演ではこれまで行われてきた先進安全自動車(ASV : Advanced Safety Vehicle)プロジェクトで検討された安全システム及びそれに用いられているカメラ/レーダなど外界環境認識用センサをレビューし、今後の自動運転実現に向けたセンサの方向性について議論する。

自動運転を支える高速車載イーサネット通信 ~電気/光通信技術とIEEE/ISO/IEC規格化動向~

名古屋工業大学 各務 学
自動運転時代に向け、高感度/高解像度センサの増加、V2X通信拡大、ドメイン間通信容量の増大と車載通信要件が急展開している。厳しい車載環境下で高速/高信頼通信を実現するために、電気および光通信が競合し、安価な物理層を用いたDSPリッチな通信規格提案が相次いでいる(特にIEEE802.3委員会)。IEEE規格は欧米のLSIメーカが主導しているが、日本は部品レベルの提案/標準化でプレゼンスを出している。
詳細な規格はISO/TC22、IEC/TC86、およびIEC/TC47で規定しており、現在、日本の主戦場はこれらの国際規格になっている。さらにネットワーク層規格(802.1委員会)や5G(802.11委員会)との連携議論が始まった。今後これらの規格群に対して日本の良い技術をより多く戦略的に盛り込む活動が重要。本公演ではこれらの状況を紹介する。

次世代センシング技術実現への取り組み 2次元可視情報と3次元距離情報の融合 - Imaging LiDARの開発 -

パナソニックセミコンダクターソリューションズ(株) 島田 直人
産業分野や車載分野での利用を想定した新しいセンシングシステムを開発中である。
「2次元可視情報」と「アクティブ測距による距離情報」の融合を一つのイメージセンサーで実現する事で、両情報が視差及び時差なく取得できることを特徴とし、これは機能安全の観点からも有効である。
具体的なユースケースとして屋内での人の見守り、AGV(Automatic Guided Vehicle)などの自律走行ロボットや高機能自動駐車用センサーなどを想定しており、使われ方のイメージを動画も含めて紹介する。

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2019年07月25日(木) 14:00-16:30
【ASS-4 社会インフラ


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3次元マッピング技術による道路・構造物などの可視化と土木分野への応用

日本大学 佐田 達典
3次元マッピング技術はレーザスキャナを搭載した車両で道路を走行しながら道路や周辺の構造物の形状を点群(Point Cloud)データとして計測して3次元地図やモデルを作成する技術であり、使用するシステムをモバイルマッピングシステム(MMS)と呼んでいる。MMSの車輌には他にも衛星測位(GNSS)受信機、慣性計測装置(IMU)、走行距離計(DMI)などが搭載され、多様なセンサが統合されて用いられている。講演ではMMSの構成と機能を説明するとともに、3次元マッピング技術により道路や構図汚物を可視化した事例、土木分野での応用例を紹介する。

センサ /IoTによる土木構造物の維持管理プラットフォームの構築に向けて ~「スマートインフラセンサ利用研究会」の活動紹介~

(一財)関西情報センター 澤田 雅彦
高度成長期から50年余が経過し、橋梁やトンネルなどの土木インフラ構造物の経年劣化や自然災害が多発しており、一方で予算不足や少子高齢化による人手不足があり、センサやIoT、ロボット等による点検効率化や予防保全での長寿命化を目指す急ぐことが喫緊の社会課題となっている。
(一財)関西情報センターでは、マルチステークホルダによる「スマートインフラセンサ利用研究会」(座長:矢吹信喜 大阪大学大学院 教授)を平成27年度に立上げ、社会インフラの維持管理に資する土木インフラ構造物用センサの各種情報・データの共同利用を可能にする維持管理プラットフォーム(スマートインフラIoTプラットフォームセンサポータルを検討・プロト作成・実証実験および、標準化提案を進めてきた。その活動と、センサ/IoTの取組み事例も紹介する。

モニタリング技術としての赤外線応用の実際

神戸大学 阪上 隆英
赤外線カメラを応用した非破壊評価・モニタリングを社会インフラ構造物の維持保全に適用した事例を紹介する。
まず、本四架橋のような長大橋の維持管理への適用として、近赤外線域での赤外線計測による塗膜劣化評価、中赤外線域での温度計測によるき裂検出ならびに作用応力分布の評価事例を紹介する。次に、プラント設備の維持保全への適用例として、赤外線分光吸収の可視化によるプラントでの漏洩ガス検知技術や石油タンク底部の健全性評価技術を紹介する。

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関谷 禎規

株式会社島津製作所

田中耕一記念質量分析研究所 アプリケーショングループ長(課長)

1999 年 京都工芸繊維大学繊維学部 応用生物学科 卒業
2001 年 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科 博士前期課程 応用生物学専攻 卒業
2002 年 株式会社島津製作所入社
ライフサイエンスビジネスユニット ジェノミックリサーチ室に配属。
後に同ビジネスユニット プロテオーム解析センターへ転属。
2003 年 田中耕一記念質量分析研究所へ転属
主にタンパク質・糖鎖などの生体高分子のMALDI質量分析技術の研究開発に従事。現在はアプリケーショングループ長として、質量分析を用いたバイオマーカー開発や微生物分析技術、糖鎖分析技術の開発に取り組む。
     現在に至る。

芦田 尚人

オムロンヘルスケア株式会社

新規事業開発統轄本部 データシステム本部 システム開発部 部長

国内でのシステム開発を行うSIerから国内システムコンサル会社を経て、オムロンヘルスケアにおけるサービス事業を実現するシステムの開発部門で従事。
現在、グローバルでのデータの蓄積や提供、及びデータサービスを実現するシステムの部門を担当。
外部の活動として、過去より、XML、Window、オープンソースなどのコンソーシアムにてエバンジェリスト、運営委員として活動。また、システム開発におけるカンファレンスのコンテンツ委員を数年務めた繋がりから、非常勤で大学の講師を担当する。

民谷 栄一

大阪大学

大学院工学研究科 教授

1985年東京工業大学大学 博士課程修了(工学博士)
東京工業大学 助手、講師を経て1988年から東京大学 先端科学技術研究センター助教授、1993年から北陸先端科学技術大学院大学教授を経て2007年から現職。2017年から大阪大学フォトニクスセンター長、産総研—阪大オープンイノベーションラボラトリーのラボ長を兼務。

日本化学会進歩賞(日本化学会,1989年)
中小企業長官賞、中小企業優秀技術・新製品賞(2001年)
Biosensors and Bioelectronics Award (2004年)
市村学術賞貢献賞(新技術開発財団)(2005年)
文部科学大臣発明奨励賞(発明協会) (2010年)
大阪大学総長懸賞(研究部門) (2014年)
中谷賞(大賞)(中谷医工計測技術振興財団)(2016年)
など受賞。

天野 直紀

東京工科大学

工学部 電気電子工学科 准教授

東京工科大学 工学部 機械制御工学科 卒業
東京工科大学大学院 工学研究科 修士課程 修了、同博士課程、単位取得の上退学
博士(工学)取得
東京工科大学 メディア学部 助手、講師、准教授
現在、東京工科大学 工学部 電気電子工学科 准教授

土木学会、計測自動制御学会などの会員
日本e-Learning学会理事

近年はインフラにおけるIoT、点検や監視に関する産学共同研究に従事。

張 海虹

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社

1997年 中国上海交通大学工学科卒
1999年 同大学大学院工学研究科卒 Biomedical Engineering専攻
2004年 大阪市立大学工学研究科卒、博士(工学)情報処理専攻
2004年 立命館大学ベンチャー(株)三次元メディア(現 京都ロボティックス)研究員
 物体3次元形状復元、計測、ロボットセンシングの研究開発に従事
2010年 オムロン株式会社入社
2011年 オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 転籍
 顔認識、人体検出トラッキング技術開発に従事。
近年はAI解析、DeepLearningによる画像センシングの研究開発を担当している。

所属学会:IEEE、IEICE
専門委員:PRMU、BioX研究会
発表(共著含め):SSII、FG、ACCV、ECCV、CVPR、PAMI、etc.

大石 哲

国立研究開発法人 理化学研究所

計算科学研究センター 総合防災・減災研究チーム チームリーダー

1991年 京都大学工学部土木工学科卒業
1993年 京都大学大学院工学研究科土木工学専攻修了
1993年 京都大学助手
2000年 山梨大学助教授・准教授
2009年 神戸大学教授(都市安全研究センター,工学研究科,現在に至る)
2016年 神戸大学都市安全研究センター長(2018年3月まで)
2017年 理化学研究所計算科学研究センター チームリーダー(兼任,現在に至る)

室 英夫

一般社団法人 次世代センサ協議会

理事 技術委員会委員長

1976年 東京大学工学部電子工学科卒業
1978年 同大学院工学系研究科電子工学専攻 修士課程修了
1981年より日産自動車(株)中央研究所において自動車用半導体デバイス・MEMSセンサの研究開発に従事
1997年 東京大学より博士(工学)の学位取得
2006年 千葉工業大学工学部教授
 SOI-MEMS技術を用いた共振形センサ、熱式マイクロセンサ、磁歪膜積層型磁気センサなどの研究に従事
2019年 同定年退職
2008年より一般社団法人次世代センサ協議会理事 技術委員会委員長

各務 学

名古屋工業大学

特任教授

三菱レイヨン株式会社、株式会社豊田中央研究所を経て2019年4月より名古屋工業大学・産官学金連携機構の特任教授として勤務。専門は通信およびセンサ用光デバイス。現在は主に高速・高信頼化ネットワークの研究開発と国際標準化に従事しており、ISO国内審議団体である自動車技術会・光通信分科会長、IECエキスパート、IEEE802.3委員会ボータとして日本技術の国際標準化に貢献中。

島田 直人

パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社

半導体ビジネスユニット システムソリューション部 先行開発課 課長

2001年4月 旧 松下電器産業株式会社入社
       化合物半導体、光学モジュール開発担当
2012年6月 パナソニック株式会社デバイス社
       事業企画担当
2013年4月 Panasonic Industrial Devices Europe 駐在
       半導体技術マーケティング担当
2018年9月 現職

佐田 達典

日本大学

理工学部 交通システム工学科 教授

1984年 東京大学工学部土木工学科卒業、1986年 東京大学大学院工学系研究科土木工学専門課程修士課程終了。博士(工学)。1986年 三井建設株式会社(現 三井住友建設株式会社)入社。土工事における衛生測位利用技術の開発、写真・レーザ計測利用技術の開発等に従事。2007年 日本大学理工学部社会交通工学科教授、2013年 日本大学理工学部交通システム(学科名称変更)。研究分野は衛星測位、レーザ地形計測、モバイルマッピングシステム等。

澤田 雅彦

一般財団法人 関西情報センター

事業推進グループ 部長

1982年 大阪大学大学院 光学研究科電子工学専攻 博士前期課程修了
同年 住友電気工業株式会社 入社
 CADによるLSI、プリント基板の設計・シミュレーション環境の構築に従事
1999年 (住友電工初ベンチャー)シムデザイン・テクノロジー株式会社 出向
 シミュレーション技術を駆使した組込機器開発ビジネスの立上・運営に従事
2014年 関西情報センターに出向
 土木構造物の維持管理の効率化・高度化を目指した「スマートインフラセンサ利用研究会」、2030年の未来社会のイメージづくりを行う「破壊的イノベーションがもたらすデジタル社会研究会」、「AI活用研究会」等、IoT・AI関係の調査研究を担当。

阪上 隆英

神戸大学

大学院工学研究科 機械工学専攻 教授

1988年 大阪大学大学院博士課程修了 工学博士
1988年~1994年 大阪大学基礎工学部助手
1994年~2009年 大阪大学工学部助教授・准教授
2009年~ 神戸大学大学院工学研究科教授