紫外線セミナー

2023年11月07日(火) 10:30-13:00 アネックスホール F206
【UV-1 深紫外光源の最新動向

紫外線研究会

AlN基板を用いた深紫外LEDの開発とその応用

旭化成(株) 先端技術研究所 化合物半導体領域統括 シニアフェロー 久世 直洋 氏
旭化成の米国子会社Crystal IS社で開発・製造を行っている昇華法による窒化アルミニウム(AlN)単結晶成長技術とその大口径化基板(4インチ)の開発状況を紹介する。
さらに、AlN単結晶基板を用いた深紫外LEDの開発とその殺菌用途への応用について報告する。

主な講演内容は以下の通り。

1.AlN単結晶基板の開発状況
   1)高品質化
   2)大口径化(4インチAlN基板の実現)
2.AlN基板を用いた深紫外LEDの開発
   1)265nm帯深紫外LED
   2)短波長(230nm以下)深紫外LED
3.深紫外LEDの応用
   1)小型流水殺菌モジュール
   2)表面殺菌、空気殺菌への応用
●入門程度(大学一般教養程度)

生体無害ウイルス不活化220-230nmLEDの開発

理化学研究所 平山量子光素子研究室 主任研究員 平山 秀樹 氏
ポストコロナ・ウィズコロナ社会において、ウイルス不活化用の光源として深紫外線が期待されている。

230nm、270nm帯の深紫外線は、殺菌・ウイルス不活化、浄水、空気浄化作用に優れており家庭や公共の空間におけるウイルス感染拡大の防止、除菌に役立つと考えられる。

特に230nmより短波の紫外線は、人体の皮膚や目の表面で吸収され内部の細胞に影響を及ぼさないことから、生体無害ウイルス不活化ができる光源として注目されている。

230nm帯LEDは、人の活動する空間における利用が可能であるため、その応用範囲も広がると考えられる。

AlGaNを用いた230nm帯の短波長LEDの開発は、短波長化とともに効率が急に低下することから課題が多い。

当研究室では、分極ドープ効果を用いて電子の注入効率を高め、230nm帯LEDの高出力化を行っている。さらに、AlN結晶の高品質化による高効率発光の実現に加え、光取り出し効率の向上で飛躍的な高出力化を目指している。

最近は230nm帯LEDを用いて200mWクラスLEDパネルを作製し、コロナ不活化の実証試験を行っている。
●一般的(高校程度、一般論)

サファイア基板上高品質AlNテンプレート作製と深紫外光デバイス応用

三重大学 大学院工学研究科(兼任)半導体・デジタル未来創造センター 教授 三宅 秀人 氏
新型コロナ禍で、手軽で効率的な殺菌やウイルス不活性化の手段として深紫外LEDは期待され、市場は急速に拡大しています。深紫外LEDの普及の鍵となる低コスト化と高出力化技術を三重大学のグループが開発しました。

スパッタ法と高温アニールで世界最高品質のサファイア上AlN膜を作製し、それを基板とすることで、世界最高レベルの発光出力と効率の達成に成功しました。

本セミナーでは、高品質で低コスト化を可能にしたサファイア上のAlNテンプレート作製技術から深紫外LED作製技術を説明し、さらに深紫外LEDを用いた殺菌等の社会実装の試みを紹介します。
●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

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久世 直洋

旭化成株式会社

先端技術研究所 化合物半導体領域統括 シニアフェロー

1982/3  京都大学工学部 卒業
1982/4  旭化成工業入社
1989/8-1991/9 米カリフォルニア工科大 客員研究員
2002/9  京都大学大学院工学研究科 博士(工学)
2011/4  旭化成エレクトロニクス 研究開発センター センター長
2012/4   同上 執行役員
2014/4   同上 (兼)旭化成 UVCプロジェクト長
2017/4   同上 取締役常務執行役員
旭化成 執行役員 エグゼクティブフェロー
2022/4  旭化成 先端デバイス技術開発センター センター長
2023/7   同上 先端技術研究所 化合物半導体領域統括

平山 秀樹

国立研究開発法人 理化学研究所

平山量子光素子研究室 主任研究員

【経歴】
1994年 東京工業大学電子物理工学専攻博士課程修了(工学博士)
1994年 理化学研究所入所、研究員
2005年 テラヘルツ量子素子研究チーム、チームリーダー(現職)
2012年 平山量子光素子研究室、主任研究員(現職)
(兼務)埼玉大学連携教授、東京理科大学客員教授、徳島大学招聘教授

【公職歴】
応用物理学会理事、JJAP/APEX誌編集長、NPO法人日本フォトニクス協議会理事・紫外線研究会委員長、NPO法人皮膚光線治療促進の会理事

三宅 秀人

三重大学

大学院工学研究科(兼任)半導体・デジタル未来創造センター 教授

1988 三重工学部電気工学科 助手
1994 博士(工学)(大阪大学)
1997 三重工学部電気電子工学科 助教授
2001 オットフォンゲーリケ大学マグデブルグ 客員研究員
2001 カルフォルニア大学サンタバーバラ校 客員研究員
2007 三重大学大学院工学研究科 准教授
2015 三重大学大学院地域イノベーション学研究科 教授
2017-2020 三重大学大学院地域イノベーション学研究科 研究科長
2022 三重大学大学院工学研究科 教授
2023 三重大学 半導体・デジタル未来創造センター 半導体部門長を兼任

応用物理学会フェロー「AlGaN系窒化物半導体のエピタキシャル成長と光デバイス応用」