可視化技術セミナー

2023年11月07日(火) 13:30-16:00 アネックスホール F206
【VZ-1 可視化技術の最前線 ーテラヘルツからイメージングまで

テラヘルツ技術の応用可能性と動向・展望

理化学研究所 光量子工学研究センター テラヘルツイメージング研究チーム チームリーダー 大谷 知行 氏
テラヘルツ(THz)波は、赤外線と電波の中間に位置する電磁波である。
テラヘルツ波はソフトマテリアルに対する物質透過性を有しており、工業製品の非破壊検査への利用が期待される。また、近年では、6G無線通信のキャリアとしての利用が期待され、世界的に研究開発が活発に行われている。

本講演では、テラヘルツ波の基本的な特徴について述べるとともに、筆者が関わってきた研究開発例も交えながら幅広い応用可能性を紹介し、さらに技術動向や今後の展望についても述べる。
●入門程度(大学一般教養程度)/ 初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

光コヒーレンストモグラフィー(OCT)による高分解能非破壊内部計測

名古屋大学大学院 工学研究科電子工学専攻 教授 西澤 典彦 氏
光コヒーレンストモグラフィー(通称OCT)は、広帯域光を光干渉計に用いて、被測定対象の内部構造を非接触・非破壊で、µmの分解能で観測する技術である。応用範囲は広く、眼科を中心とした医療の分野から、製品の非破壊検査、表面形状検査など、広く活用が進んでいる。

筆者らは、超短パルスファイバレーザーをベースにOCT用の超広帯域講演を複数の波長で開発し、更にそれを用いた高分解能なOCTやその波長依存性の研究を進めてきた。

本講演では、OCTの基礎や原理から、広帯域光を用いたリアルタイムな高分解能OCTの進展までを、講師の研究をベースに概説する。
●一般的(高校程度、一般論)

光コムを用いた新奇イメージング

徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 最高研究責任者 安井 武史 氏
光コムは、非常に多くの光周波数モード列が櫛(comb)の歯状に等間隔で立ち並んだ光スペクトル構造を有している。

このよう特徴は、レーザー制御を介して電気周波数標準の不確かさを光コムの全モードに転送することにより「光周波数の物差し」として利用出来る一方で、超離散マルチ・スペクトル光キャリア特性に次元変換を適用することにより「物理量の物差し」として利用できる。
これの光コムの特徴がイメージングに拡張できれば、可視化技術の更なる高度化が期待できる。

本講演では、そのような取り組みとして、「デュアル光コム顕微鏡」と「デュアル光コム・シングル・ピクセル・イメージング」について紹介する。
●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

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大谷 知行

国立研究開発法人 理化学研究所

光量子工学研究センター テラヘルツイメージング研究チーム<br />チームリーダー

石川県出身.1990年京都大学理学部卒業.1995年東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了.博士(理学).同年,理化学研究所宇宙放射線研究室基礎科学特別研究員.X線天文学,超伝導X線検出器の研究に従事.2002年同川瀬独立主幹研究ユニット研究員.2005年より同テラヘルツイメージング研究チームリーダー,現在に至る.2007年より東北大学大学院理学研究科物理学専攻客員准教授,客員教授.テラヘルツ波の検出と応用に関する研究に従事.テラヘルツテクノロジーフォーラム副会長,応用物理学会,電子情報通信学会,IEEE,SPIE各会員.

西澤 典彦

名古屋大学

大学院工学研究科電子工学専攻 教授

1991年 名古屋大学工学部電子工学科卒業
1993年 同大学院工学研究科量子工学専攻前期課程修了
1995年 同後期課程修了・博士(工学)
1995年 名古屋大学工学部助手, 2003年 サチューセッツ工科大学客員研究員,2005年 名古屋大学工学研究科助教授,2006年 大学発ベンチャーNUシステム(株)取締役兼務,2007年 大阪大学工学研究科准教授, 2010年 名古屋大学工学研究科准教授,2012年より現職
レーザー学会進歩賞,光学論文賞,応用物理学会論文賞,第1回文部科学大臣表彰若手科学者賞,バイオビジネスコンペジャパン優秀賞,産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞等受賞,等受賞

安井 武史

徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所

最高研究責任者

1997年徳島大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。2013年奈良県立医科大学大学院医学研究科・論文博士、博士(医学)。
1997年徳島大学サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー博士研究員、同年通産省工業技術院計量研究所博士研究員、1999年大阪大学大学院基礎工学研究科助教を経て、2010年より徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授、2019年より徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所(pLED)所長(現、最高研究責任者/CRO)。2007年および2012年仏ボルドー大学招聘教授、2010年仏リトラル・コート・ド・パール大学招聘教授。主な研究テーマは、テラヘルツ計測、光コム計測、非線形光学顕微鏡。