光学薄膜セミナー

2023年11月09日(木) 13:30-15:50 アネックスホール F206
【TF-1 光学薄膜業界を支える技術

光学薄膜研究会

各種光学薄膜の材料選定や注意点

メルクパフォーマンスマテリアルズ(同) 山口 尚暁 氏
真空蒸着法は薄膜の生産に使用され、多くの工業分野で採用されています。

光学分野では、レーザーミラー、干渉フィルター等の製造に100層を越えるような高度なコーティングが用いられ、反射防止膜コーティングは眼鏡レンズ、高機能サングラス、カメラ双眼鏡等に応用されています。

また最近ではアプリケーションによって、様々な耐久性が求められております。特に紫外や赤外領域では材料の選択が限られ、高耐久な膜を作成するために、蒸着材料や蒸着手法の選定が重要です。

本講演では、反射防止膜や各種フィルターの基礎について述べ、それを基に設計例、設計上顧慮すべき各種薄膜の応力挙動や、注意点について、各種混合物材料の使用例を含めてご紹介致します。
●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す) 光学薄膜コーティング業務に携わって1~2年程度の知識のある方

EB蒸着での不具合事例とその対処法

日本電子(株) 高島 徹 氏
弊社は1960年にカラービデオカメラレンズ向け高性能反射防止膜の作製を目的に電子ビーム蒸着装置の開発に着手し、1962年に電子ビーム蒸着装置の販売を開始しました。

また、その数年後には電子銃(直進銃、偏向銃)のコンポーネント販売も開始し現在に至っています。
電子銃は販売開始当時から真空蒸着での蒸着材料の加熱源として万能と考えられていました。
しかし、EB蒸着を利用する用途が広がり、蒸着材料の種類も増えてくるとEB蒸着固有の様々な問題が表面化し、その対策技術が求められてきています。

本講では、近年、膜の要求仕様が厳しくなる中で表面化してきたEB蒸着による成膜での課題を解説し、その解決方法を紹介します。

効果的な利用のための光学薄膜の基礎知識

(株)導波技術研究所 代表取締役 渡邊 正 氏
光学薄膜を効果的にご利用いただくための基本的な事柄について、広く解説します。

光学機器に無くてはならない光学薄膜ですが、「どうして光の反射・透過を操作できるのか」や、「利用における注意点は何か」など正しく理解されていない事柄が多いように思います。

本講では、光学薄膜の様々な応用例と共に光学薄膜の原理・仕組みを出来るだけ簡易に(数式を使わずに)解説し、光学薄膜を効果的にご利用いただくための基本的な知識を解説したいと思います。

これらの知識は、光学薄膜を利用した光学系を設計する方々は勿論、光学薄膜を学ぶ学生、技術者、または販売に関わる方々にも役立つものと思います。
●入門程度(大学一般教養程度)

光学薄膜の分光特性の評価方法と事例紹介

(株)日立ハイテクサイエンス 堀込 純 氏
近年、光学薄膜はスマートフォンのカメラやディスプレイ、車載センサーの性能向上など光エレクトロニクス製品の発展に必要不可欠な技術となっています。
光学薄膜は光学部材に様々な機能を施しますが、重要な光学特性の一つに分光特性が挙げられます。

分光光度計は、入射した光に対して試料の透過光を計測し波長毎に透過した割合(透過率)を表示する透過スペクトルと試料の反射光を計測し波長毎に反射した割合(反射率)を表示する反射スペクトルのデータを得ることができます。
透過測定や反射測定用のアタッチメント、様々な検出器を選択することで目的に応じた測定が可能となります。

今回は光学薄膜の分光特性検査の測定方法の基礎や測定目的に応じた応用事例、アタッチメントの選択方法について紹介します。
●入門程度(大学一般教養程度)

併催イベント一覧へ

元のページに戻り選択を続ける
お申込み受付は終了いたしました。


お支払方法
●クレジットカード(領収書発行)

※有料セミナー キャンセル規程:
お客様のご都合による受講解約の場合、10/31(火)までは受講料の50%、11/1(水)以降につきましては受講料の全額を解約金として申し受けます。
但し、申込者が既定の人数に達しない場合、中止とすることがあります。その場合には、申し受けた受講料は返金致します。

なんらかの不可抗力により該当セミナー、及び付帯するイベントの開催が不可能となった場合、主催者は受講のキャンセルの受け付け致しません。また、受講料の返金を含む、これにともなった損害の補填・補償は行いません。

【不可抗力】台風、洪水、地震を含む天災、あるいはそれらを原因とする様々な事態、疾病や伝染病の蔓延、労働争議、主催者の合理的なコントロールを超えた会場設備の使用制限や講師の欠席等を含むもの


[ 特定商取引法に基づく表記 ]



山口 尚暁

メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社

サーフェスソリューションズ 工業用材料営業部 アカウントマネージャー

2004年 東海大学理学部化学科卒業。同年、メルク株式会社(現 メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社)に入社し、顔料事業部に配属。入社後、真空蒸着材料、イオン液体、エッチングペースト等の国内営業に従事。2014年から2019年は、技術営業としてアジア全域を担当。2019年より真空蒸着材料、フッ素系界面活性剤、ポリシラザン、パール顔料等の国内営業に従事し現在に至る。 対外活動としては、光学薄膜研究会運営委員会 事務局長や、ISO/TC 172/SC 3/WG2委員会、「光学コーティング」JIS作成委員会などを務める。

高島 徹

日本電子株式会社

IE事業ユニット ユニット長

1987年3月 東海大学 工学部電子工学科 卒業
1987年4月 日本電子株式会社 入社
以降、産業機器部門の技術開発部に所属し、各種電子銃、プラズマ源、イオン源、真空表面処理装置などの開発に長期にわたって従事。

渡邊 正

株式会社導波技術研究所

代表取締役

■学歴
1993年3月東京大学 物理工学科 卒業
1995年3月東京大学大学院 物理工学修士課程 修了

■職歴
1995年4月 オリンパス光学工業(株)(現オリンパス(株))入社
広く光学薄膜の開発に従事、中でも顕微鏡向け光学薄膜の生産技術開発および設計業務に長く注力し、成果を得た。
ほか、医療用部品関連のプロジェクトリーダー、通信関連部材の開発などにも従事

堀込 純

株式会社日立ハイテクサイエンス

■学歴
2003年 :中央大学 理工学部 応用化学科 卒業
2005年 :中央大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 前期課程修了
2005年 :中央大学大学院 理工学研究科 ナノテクノロジー副専攻修了

■職歴
2005年 (株)日立ハイテクノロジーズ 入社
2013年~(株)日立ハイテクサイエンス 入社