レーザー基礎&応用技術セミナー

2026年04月22日(水) 09:30-12:25 2階 コンコース会議室 E26
【LE-1 レーザーの基礎

レーザーの基礎

京都大学 時田 茂樹 氏

化学研究所 教授
レーザー光の特性やレーザー装置の構造について全く知らない方を対象とした基礎セミナーです。

まず、光の波長、振幅、偏光といった基本的な概念を紹介し、自然光とレーザー光の発生原理とその特性の違いを説明します。その後、レーザー装置の基本構造や代表的なレーザーの種類を取り上げ、どのようにレーザー光が生成されるのかを理解できるようにします。さらに、レーザー光を扱う上で重要となるビーム光学の基礎として、レーザー光の集光、回折限界、ビーム品質などの概念についても解説します。

また、連続波(CW)レーザーとパルスレーザーの違いについて説明し、用途に応じた使い分けのポイントを紹介します。さらに、レーザー装置の仕様表の見方や、レーザーを安全かつ効果的に運用するために必要な基本知識についても触れます。

本セミナーは、「光は電磁波である」といった程度の一般的な知識をお持ちの方なら、どなたでも理解できるよう、数式を用いずに平易な言葉で説明します。レーザーを初めて学ぶ方にも、実例を交えながらわかりやすく解説し、実務や研究に役立つ基礎知識を身につけていただくことを目的としています。

●一般的(高校程度、一般論)

ファイバーレーザー事はじめ

名古屋大学 西澤 典彦 氏

大学院工学研究科電子工学専攻 教授
ファイバレーザーは、増幅媒質や共振器が光ファイバで構成されたレーザーで、空間的にずれる要素が無く、電源を入れるだけで容易に発振し、優れた空間的なビーム特性や安定性を得ることができる。また、放熱効率や励起効率に優れ、最も高い出力が得られるレーザーであり、レーザー加工を始めさまざまな用途に活用されている。

 本講演では、「ファイバーレーザー事はじめ」と題して、ファイバーレーザーの基礎から、超短パルスファイバーレーザーを中心とした最近の進展について、基礎的な面を中心に概説する。また、光周波数コムや光断層計測への応用展開等について紹介する。

●一般的(高校程度、一般論)

高出力ファイバーレーザーの基礎と最新動向

電気通信大学 白川 晃 氏

レーザー新世代研究センター 教授
ファイバーレーザーは現在、もっとも信頼性の高い高輝度高平均出力レーザーとして広く認識され、産業応用が進んでいる。ビーム品質が悪く集光特性に優れない高出力レーザーダイオード光を比較的大きな断面積をもつクラッドに注入・伝搬させ、希土類イオンを添加したコアで徐々に吸収させ高輝度のコアモードでレーザー発振させる、理想的な空間輝度増強器と言える。長手方向に分散して排熱するため冷却能力に優れ、自然空冷でkW動作が可能で、冷却器など余計な付帯設備が最小限で済むのは実用上極めて大きな利点になっている。

しかし既にその熱負荷限界に達していて高ビーム品質での平均出力の向上は停滞している。また小径コアと長い相互作用長により非線形光学効果が卓越し、高ピーク出力・エネルギーのパルス光を得るのは一般に困難である。熱負負荷限界、非線形限界、そして破壊閾値を超えた出力・エネルギースケーリングのためには、ファイバーレーザーの並列化(アレイ)が唯一の方法である。複数のシングルモードファイバーレーザーをビーム品質を維持したままビーム結合し出力・エネルギーを向上する研究が、世界中で盛んに行なわれている。

本講演では、高出力ファイバーレーザーの基礎について勉強し、高出力化、ビーム結合技術について、我々の研究も含めて最前線の研究を紹介し、将来を展望する。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月22日(水) 13:10-16:05 2階 コンコース会議室 E26
【LE-2 レーザー取り扱いの基礎

レーザー安全の基本

オフィス橋新 橋新 裕一 氏

元 近畿大学理工学部 教授
レーザーの発展・普及に伴い、レーザーによる事故・事件が多くなってきています。
これまでは教育機関、研究機関、製造会社のレーザー取扱者が傷害を被る事故でしたが、最近では一般消費者の事故や事件が頻発しており、看過できなくなってきています。レーザーに対する安全意識を高めて、適切な安全対策を施し、安心してレーザーと関わって頂くことを願っています。

レーザーの持つ性質を、太陽光や一般光源と比較して説明します。レーザーに対する危険感受性を高めるため、レーザーが目や皮膚に与える影響について解説します。レーザーの放射口と放射される方向を確認すること。反射物の位置を確認し、可能ならば、レーザー装置の周辺から遠ざけること。適切なレーザーストッパー(終端)を用いること。保護めがね着用は安全対策の最終手段です。

JIS C6802「レーザ製品の安全基準」は「レーザ製品の安全」に名称変更して、2025年8月20日に改正、発行されました。「使用者への指針」が充実されています。IECおよびISOを含めた標準化作業から、レーザー安全の考え方を説明します。

●一般的(高校程度、一般論)

レーザービームの基礎と評価

中央大学 庄司 一郎 氏

理工学部 電気電子情報通信工学科 教授
レーザーを利用するということはレーザービームを取り扱うことを意味するので、ビームの特徴や性質についての基本的事項について、レーザーに関わる仕事をするなら是非とも素養として身につけておきたいものです。
本セミナーでは最も重要なガウシアンビームを中心に、レーザービームの基礎とビームを特徴づける各種パラメータおよびその評価法について、以下の内容で解説します。

 1. ガウシアンビームとは?
 2. ビーム半径と測定法
 3. ビーム拡がり
 4. ビーム強度とパワー
 5. ガウシアンビームの波面
 6. 高次モードビーム
 7. ビーム品質(M2およびBPP)とその評価法

●入門程度(大学一般教養程度)

光学素子の選び方と取り扱い

元 レーザー技術総合研究所 本越 伸二 氏


受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月23日(木) 09:30-12:25 2階 コンコース会議室 E26
【LE-3 新世代のレーザー加工

高出力加工用レーザーと自動車応用

(株)タマリ工業 三瓶 和久 氏

特命プロジェクト フェロー
高出力加工用レーザーの自動車応用について、レーザー発振器、および周辺機器の進化について解説しながら、自動車生産への適用の事例を紹介する。

直近では、カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車のCO2排出量削減への要求は高く、EV化が急速に進むことが予測されている。パワートレーンの電動化に伴い2次電池、モーター等の電動化部品への対応で、溶接材料はこれまでの鋼材中心の構成から、銅アルミの比率が増加していく。また、その生産量が急増することになる。これらに対応するためには溶接の高速化、高品質化が必須であり、レーザー発振器、周辺機器の進化を伴いながら、生産ラインへの適用が広がりつつある。

また、PHEV、HEVに搭載するエンジンの高効率化の要望は高く、インジェクタの墳口の高精度微細孔加工や摺動面の摩擦低減を目的とした微細テクスチャリング加工のニーズが高まっている。超短パルスレーザによる微細加工はこれまでスループットが課題とされてきたが、高出力が急速に進み、実部品への適用が始まっている。

●一般的(高校程度、一般論)

次世代ものづくりを目指したスマートレーザー加工


高出力青色レーザおよびBlue-IRハイブリッドレーザを用いたレーザ加工

古河電気工業(株) 安岡 知道 氏

研究開発本部 エレクトロニクス研究所
近年、自動車の電動化が進んでおり、日本国内ではハイブリッド車の販売台数が乗用車全体の半数以上を占めるまでに成長している。また、カーボンニュートラル実現に向け、電動車は今後さらに需要が拡大すると予測される。

電動車に搭載されるモーター、インバータ、バッテリー、配線、バスバーには大量の電流が流れるため、主要導電材料として銅(Cu)が広く用いられている。それらの接続部は従来、ボルト締結やTIG溶接などによって接合されてきた。しかし、レーザ溶接を用いることで締結用ボルトの削減、設計自由度の向上、部品の小型化・軽量化といったメリットが期待できる。

一方、従来の赤外波長レーザによる銅溶接では、銅の低い吸収率と高い熱伝導性により溶融が不安定となり、欠陥抑制が難しいという課題があった。

これらの課題に対し、当社では青色レーザおよび Blue-IR ハイブリッドレーザを開発し、安定した銅溶接を実現するソリューションを提案してきた。本講演では、これらレーザの加工能力と具体的な加工事例を紹介する。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月23日(木) 13:10-16:05 2階 コンコース会議室 E26
【LE-4 半導体レーザーとその応用

フォトニック結晶レーザー(PCSEL)の最近の進展と応用

京都大学高等研究院 野田 進 氏

副院長・特別教授
レーザー技術は、スマートモビリティやスマート製造に代表されるスマート社会を実現するキーテクノロジーの一つである。

中でも、フォトニック結晶レーザー(PCSEL)は、半導体レーザーの小型・高効率・高制御性のメリットを維持しつつ、高輝度性(≧1GW/cm2/sr)と高機能性(外部光学系を用いずに任意形状のビームの出射が可能等)を有しており、スマート社会実現のためのキーデバイスとして期待されている。

本講演では、PCSELの最新動向(静的・動的特性、および各種応用等)について紹介するとともに、青色や光通信波長域への展開、また、宇宙通信に向けた最新動向についても紹介する。
さらに、社会実装に向けて、設立された橋渡し法人(一般社団法人:京都大学フォトニック結晶レーザー研究所)の活動についても紹介したい。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

有機発光分子の最先端―OLED・有機半導体レーザー材料―

九州大学 安達 千波矢 氏

最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長・教授 
有機発光分子は、ディスプレーや照明を支える有機EL(OLED)材料として飛躍的な発展を遂げてきた。とりわけ熱活性化遅延蛍光(TADF)の発明により、純有機芳香族化合物において三重項励起子を発光に利用する高効率化が実現し、赤・緑領域では実用水準に到達している。
近年は、多共鳴(MR)型TADFによる超高色純度深青色発光や、高放射速度化による高輝度・長寿命化が重要課題となっている。さらに、ハイパーフルオレッセンス(HF)やPSFなど新たな発光概念も進展している。
一方、次世代コヒーレント光源として期待される有機半導体レーザー(OSL)では、低閾値化、高利得化、三重項吸収の抑制、凝集消光の克服など、分子設計と光物理の融合的革新が求められる。

本講演では、ΔEST制御と放射速度定数の同時最適化、剛直骨格設計、ホスト–ゲスト戦略といった最新の分子設計指針を概説し、OLED研究で培われた知見をOSLへ展開する最前線の取り組みを紹介する。さらに、電流駆動有機レーザー実現に向けた課題と将来展望について議論する。

赤色/緑色/青色半導体レーザーとその応用

シャープ福山レーザー(株) 平野 恭章 氏

レーザー事業部 取締役 事業部長
本公演では、赤色/緑色/青色半導体レーザーについて、低中出力レーザ(Singleモード)と高出力レーザ(Multiモード)のそれぞれの、電気特性、光学特性及び寿命について説明を行う。さらに、これらの特性をもつ半導体レーザの適応商品の歴史と、今後の市場について紹介を行う。

低中出力用のレーザでは、AR/VR glassなどのモバイル機器に加えて車載への応用が見込まれる。この場合、低消費電力化、小型化が重要であり、その対策方法の一例を述べる。また、RGB レーザで使用されるケースが多いことから、特に赤レーザの温度特性の改善、信頼性改善の重要性と状況について述べる。さらに、高出力レーザでは、ProjectorやレーザTV、加工用レーザが今後、拡大する市場と想定される。

これらは、今後、高出力化が望まれ、効率の改善と信頼性の確保が重要とされる。特に加工用のレーザーにおいて、銅加等に有意な青色Laserの技術/PKGについての動向と特性改善の取り込みの最新情報について、紹介する。さらに、今後の展開として、新しい応用分野として、農業への応用についての取り組みに言及する。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月24日(金) 09:30-12:25 2階 コンコース会議室 E26
【LE-5 テラヘルツ分光・イメージングの基礎から産業応用まで

メタフォトニクスによる高度テラヘルツ波計測技術

理化学研究所 南出 泰亜 氏光量子工学研究センター チームディレクター

本講演では、我々のメタマテリアル・メタサーフェスによる波動制御技術と、非線形光学波長変換による高感度テラヘルツ波検出技術を紹介する。

スプリットリング共振器(Split Ring Resonator: SRR)を用いた二層金属構造のフィルム型メタマテリアルを開発し、フレキシブル樹脂基板上に形成した多層メタマテリアル構造によって高透過テラヘルツ波長板を実現した。これにより、共振モード結合と人工複屈折を利用した高効率偏光制御が可能となる。

また、誘電体メタサーフェスを用いたspin-decoupled phase control法を用いた動的位相(dynamic phase)と幾何位相であるPancharatnam–Berry(PB)位相を組み合わせることで、円偏光成分ごとに独立した位相制御を実現した。これによりテラヘルツ波の偏光多重化・分離や波面制御などの高度なメタフォトニクス機能が可能となる。さらに、MgO:LiNbO₃結晶を用いた非線形光学波長変換によりテラヘルツ波を光信号へアップコンバージョンする高感度検出技術についても解説する。

本講演では、これらのメタフォトニクス技術と非線形光学計測による次世代テラヘルツ波計測プラットフォームの可能性を議論する。

●中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

テラヘルツ波検出器の基礎とテラヘルツPMTの紹介

浜松ホトニクス(株) 里園 浩 氏中央研究所 第1研究部 部長

テラヘルツ波は光と電波のちょうど中間に位置する電磁波で、測定の困難さから、これまであまり活用されてこなかった領域です。近年、テラヘルツ波計測の技術は長足の進歩を遂げ、様々な領域に適用されるようになっています。 

本セミナーでは様々なテラヘルツ波検出方法について解説し、対応する検出器の概要とコマーシャルベースで入手可能なテラヘルツ波検出器の性能について紹介します。また新たなテラヘルツ波検出器として開発されたテラヘルツPMTの詳細についても紹介します。 

テラヘルツ波計測に興味のある方の参考になれば幸いです。 

●入門程度(大学一般教養程度)

テラヘルツ時間領域分光・エリプソメトリ ~測定原理から半導体評価まで~

大阪大学レーザー科学研究所 中嶋 誠 氏教授

テラヘルツ波は、電波と光の中間に位置する新しい電磁波である。この帯域の特性を活かし、電磁波の時間波形を直接観測することで物質の状態を探る「テラヘルツ時間領域分光法」が近年注目を集めている。本手法はオールオプティカルによる非破壊・非接触測定が可能であり、電極を形成することなく材料の伝導特性などを評価できるという大きな強みを持つ。 

本セミナーでは、テラヘルツ分光の初心者を対象に、基本的な測定原理から最新の応用例までを分かりやすく解説する。一般的なテラヘルツ時間領域分光に加え、我々が開発した高精度な「テラヘルツ時間領域エリプソメトリについても、実験系の概要から丁寧に紹介する。 

具体的な測定例として、液体や一般的な半導体に加え、近年需要が高まるワイドギャップ半導体(GaN、Ga2O3、SiCなど)の伝導特性評価や、ウェハーのイメージング測定(マッピング)を取り上げる。さらに、先進材料の評価例として、2024年にNature誌に掲載された「p型半導体 MgインターカレートGaN超格子」への適用結果など、最前線の研究成果も紹介する。
テラヘルツ波の応用や利用に興味のある方、新たな非破壊評価手法を導入したい方、半導体の材料評価に関わる技術者や研究者が、基礎から実践的な評価例までを一度に学べる場を提供する。 

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月24日(金) 13:10-16:05 2階 コンコース会議室 E26
【LE-6 光・レーザー給電:地上、空中、水中から宇宙まで

光無線給電システムの研究開発動向:IoT端末から移動体、水中まで

東京科学大学 宮本 智之 氏

総合研究院 未来産業技術研究所 教授
無線給電は、配線の敷設・接続・保守の負荷低減が可能なほか、バッテリー搭載量の大幅削減や充電作業・充電時間の負荷低減など、非常に多くの利点・利便性がある。このため無線給電は新たな機器や応用などを創出し、社会の大きな変革につながる基盤技術といえる。

光源から出射したビーム光を空間伝搬させて受光素子に照射することで発電する光無線給電は、既存の無線給電方式に比べて、数cmからkmクラスの長距離まで対応可能であり、また、高出力光源を用いることでkWクラスの電力まで対応可能、さらに電磁ノイズ干渉を起こさないといった優れた特徴がある。このため、屋内から屋外までの非常に多くの機器への無線給電を可能にすると期待される。この光無線給電は1970年前後に提案されていたが、最近になり、様々な技術や様々な応用に向けた取組が活発化し始めた分野である。

本講演では、屋内から屋外向けの IoT小型端末向けから、地上、空中などの移動体への移動中給電の可能性、また水中応用の検討状況などを著者らの取り組みを中心に解説する。

●入門程度(大学一般教養程度)/●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

光無線給電・光ファイバ給電用受光デバイスの基礎、特性、最新動向

千葉工業大学 内田 史朗 氏

工学部 先端材料工学科 教授
情報通信分野の急速な技術発展に伴い給電の無線化が普及しつつある。無線給電は電磁誘導方式がスマートフォン等で実用化されているが、給電距離が短いのが課題となっている。一方で、レーザによる光給電の場合、レーザ光が遠くまで送電できるだけでなく、受光素子の光電変換効率の向上も期待できるという利点がある。 

通常のシリコン太陽電池ではその光電変換効率は20~25%程度、化合物半導体太陽電池では25~35%程度であるが、レーザ光を受光した場合40~65%程度まで高効率化が可能である。光無線給電用受光素子は、従来の幅広い太陽光スペクトルを受光する太陽電池素子から単色光受光を活かした高効率光電変換素子へと進展している。 

本講演では、初学者にも分かり易いように太陽電池の基本的な構造、動作原理などを最初に説明し、太陽光とレーザ光を受光する違いについて解説する。更に、水中での給電、屋内屋外での空間伝送、光ファイバによる給電など様々な光給電の応用例に触れ、各光無線給電応用例に用いられる受光デバイスの材料、特性、最新動向について詳細に解説する。 

●入門程度(大学一般教養程度)

長距離レーザ無線給電の実証と宇宙応用に向けて

NTT(株) 落合 夏葉 氏

宇宙環境エネルギー研究所 研究員
レーザ無線給電は、レーザを用いて、電線を用いずに離れた場所にエネルギーを届ける技術である。
レーザ光の高い指向性を活かすことで、長距離伝送やシステムの小型化が可能となり、次世代のエネルギー伝送技術として注目されている。一方で、特に長距離伝搬時には、回折や大気の影響によるビームパターンの乱れが生じ、伝送効率の低下や出力変動が問題となる。

本講演では地上の強い大気影響下で実施した、長距離レーザ無線給電実証について紹介する。
本実証では、長距離ビーム整形技術や出力安定化技術を用いることでレーザ無線給電の高効率化を図り、約1 kWのレーザ光を距離1 km伝送し、約150 Wの電力に変換することに成功した。さらに、これらの知見を踏まえ、月面ローバ給電や宇宙太陽光発電といった宇宙応用に向けた可能性と技術的課題を示すとともに、将来の実装を見据えた、さらなる高効率化およびシステムの小型化に向けた研究開発の方向性について述べる。 

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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京都大学

時田 茂樹

化学研究所 教授

2006年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了,博士(工学).同年日本学術振興会特別研究員,12月より京都大学化学研究所助手(2007年より助教).2013年大阪大学レーザーエネルギー学研究センター講師(2017年よりレーザー科学研究所).2021年同准教授.2022年京都大学化学研究所教授.レーザー工学,プラズマ物理学を専門分野とし,高出力パルスレーザー,フェムト秒レーザー,中赤外高出力レーザー,高強度テラヘルツ波発生,レーザー加速電子ビーム発生などに関する研究実績をもつ.所属学会:レーザー学会、応用物理学会、日本物理学会.

西澤 典彦

名古屋大学

大学院工学研究科電子工学専攻 教授

1991年 名古屋大学工学部電子工学科卒業
1993年 同大学院工学研究科量子工学専攻前期課程修了
1995年 同後期課程修了・博士(工学)
1995年 古屋大学工学部助手, 2003年 サチューセッツ工科大学客員研究員,2005年 名古屋大学工学研究科助教授,2006年 大学発ベンチャーNUシステム(株)取締役兼務,2007年 大阪大学工学研究科准教授, 2010年 名古屋大学工学研究科准教授,2012年より現職
レーザー学会進歩賞,光学論文賞,応用物理学会論文賞,第1回文部科学大臣表彰若手科学者賞,バイオビジネスコンペジャパン優秀賞,産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞等受賞,等受賞

白川 晃

電気通信大学

レーザー新世代研究センター 教授

1999年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学博士)。同年電気通信大学レーザー新世代研究センター助手。2007~2008年英サウサンプトン大学光エレクトロニクス研究センター客員研究員を経て、2010年より電気通信大学レーザー新世代研究センター准教授、2020年より教授。同大大学院情報理工学研究科基盤理工学専攻併担。 レーザー学会奨励賞、同業績賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。

橋新 裕一

オフィス橋新

元 近畿大学理工学部 教授

博士(工学)。
1982年4月、近畿大学理工学部助手、1998年専任講師、2003年助教授、2007年准教授、2012年教授、2021年非常勤講師。
2023年同大学退職、2023年オフィス橋新(代表)。
レーザー学会(フェロー)、日本レーザー医学会(名誉会員)、光産業技術振興協会(IEC/TC76レーザ安全性標準化部会およびISO/TC172/SC9国内対策委員会・委員)。
2002年日本レーザー医学会総会賞、2009年国際レーザー医学・医療学会Good Speech Award、2013年IEC1906賞。
2025年経済産業大臣表彰(規格開発・認定・認証部門)

庄司 一郎

中央大学

理工学部 電気電子情報通信工学科 教授

北海道室蘭市出身
1992年東京大学工学部物理工学科卒
1994年東京大学工学系研究科修士課程物理工学専攻修了
1995年同博士課程中途退学
1995年東京大学工学部助手、1999年分子科学研究所研究員、2002年同助手を経て、2004年より中央大学理工学部専任講師。
2005年同助教授、2007年同准教授を経て、2010年同教授、現在に至る。
専門は固体レーザーおよび非線形波長変換材料とデバイス。
応用物理学会、レーザー学会、電子情報通信学会、OPTICA、SPIE各会員。
応用物理学会理事。
レーザ協会元会長・現理事。
第11回(2001年秋季)応用物理学会講演奨励賞、2016年度第40回レーザー学会業績賞(進歩賞)受賞。
OPTICAフェロー

三瓶 和久

タマリ工業

特命プロジェクト フェロー

1974.4 トヨタ自動車株式会社入社
    電子ビーム、レーザー等の高エネルギー密度熱源を利用した接合技術開発、システム開発に従事
  2009.3 株式会社 レーザックス入社 専務取締役
2010.6 IPGフォトニクスジャパン株式会社入社 理事
2010.9 前田工業株式会社入社 取締役 を経て
2015.9 タマリ工業株式会社入社 技術フェロー
現在に至る。
溶接学会フェロー、レーザ加工学会理事

安岡 知道

古河電気工業(株)

研究開発本部 エレクトロニクス研究所

2012年 東北大学大学院工学研究科応用物理学科専攻修了。
同年 古河電気工業株式会社入社古河電気工業株式会社入社
入社後、産業用レーザを用いた加工技術に従事。

野田 進

京都大学高等研究院

副院長・特別教授

1982年京都大学工学部卒. 1984年同大学院修士課程修了. 同年三菱電機中央研究所主員. 1988年京都大学助手. 1991年京都大学博士. その後, 1992年京都大学助教授, 2000年教授を経て, 2025年より京都大学高等研究院 副院長 / 特別教授. 2024年より,一般社団法人「京都大学フォトニック結晶レーザー研究所」代表理事をも併任. IBM科学賞(2000)、OSA Fraunhofer Award / Robert M.Burley Prize(2006)、ゲント大学名誉博士(2006)、文部科学大臣表彰(2009)、IEEE Nanotechnology Pioneer賞(2009)、江崎玲於奈賞(2009)、紫綬褒章(2014)、応用物理学会業績賞(2015)、日本学士院賞(2022)、英国ランク賞(2026)(受賞決定) 他.

安達 千波矢

九州大学

最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長・教授

九州大学大学院工学研究院教授、最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)センター長。 1991年に九州大学大学院総合理工学研究科博士課程を修了後、株式会社リコー化成品R&Dセンター、信州大学、プリンストン大学、千歳科学技術大学院大学を経て現職。 材料化学・物理工学・エレクトロニクスを融合した学際的研究を基盤に、新規有機発光分子の創製から薄膜光電子物性の解明、さらにはデバイス応用に至るまで、有機光エレクトロニクス分野を一貫して牽引してきた。 発表論文は770報を超える。 主な受賞歴に、2017年仁科記念賞、2023年紫綬褒章、2025年江崎玲於奈賞。 2018年以降、8年連続でHighly Cited Researcher (HCR)に選定されている。

平野 恭章

シャープ福山レーザー(株)

レーザー事業部 取締役 事業部長 兼 第一開発部長

1995年、法政大学大学院電気工学研究科博士課程卒業、「Si基板上へのβ-SiCの低温単結晶成長と不純物制御に関する研究」で博士号を取得。
1994年にシャープ株式会社に入社。
入社後、フラッシュメモリの設計開発に従事、2004年~2008年電子情報通信学会 集積回路学会ICD専門委員。
2009年~2017年LEDバックライ、LED照明、モバイル向けサイド発光LEDの開発責任者を経て、2018年より半導体レーザーの開発責任者、2021年11月より、シャープ福山レーザー株式会社レーザー事業部、取締役事業部長。
2025年12月よりフォックスコン福山テクノロジーズ開発統轄部部長兼第二開発部長を経て現在に至る。

南出 泰亜

理化学研究所

光量子工学研究センター チームディレクター

1999年に東北大学大学院工学研究科博士課程修了。同年から理化学研究所 研究員、2008年同所 副チームリーダー、2010年同所 チームリーダー。また、2020年理化学研究所テラヘルツ波研究グループ 長を兼務。研究テーマは、非線形光学結晶を用いたテラヘルツ波発生、非線形波長変換によるテラヘルツ波検出、テラヘルツ波応用など。
2016年より千葉大学 客員教授。2016年よりテラヘルツ技術フォーラム専務 理事。2019年より公益財団法人みやぎ産業学術振興財団 理事。2024年より日本光学会テラヘルツ科学技術・産学連携専門委員会 委員長。
電気学会優秀講演賞(1993年)、レーザー学会第24回大会優秀論文発表賞(2004年)、みやぎ科学技術振興基金研究奨励賞(2005年)、理化学研究所梅峰賞(2022年)、第16回近藤賞(技術貢献賞)(2022年)。
日本レーザー学会シニア会員。応用物理学会、電子情報通信学会、IEEE、OPTICA各会員。

里園 浩

浜松ホトニクス(株)

中央研究所 第1研究部 部長

1990年 信州大学大学院工学研究科修了。同年、浜松ホトニクス株式会社に入社
1994年 学位取得(工学博士)
2021年 大阪大学レーザー科学研究所 招へい教授(兼任)
2022年 日本学術振興会協力会 評議員(兼任)
2025年 信州大学工学部特任教授(兼任)
中央研究所 第1研究部 部長 現在に至る

中嶋 誠

大阪大学レーザー科学研究所

教授

2003年3月大阪大学工学研究科応用物理学専攻修了、博士(工学)取得。その後、東京大学物性研究所で助手・助教、千葉大学理学研究科および大阪大学レーザー科学研究所で准教授を経て、2025年より現職。テラヘルツ波パルスを利用した時間領域分光や世界で唯一の商業的なテラヘルツ時間領域エリプソメトリシステムの開発を実施。テラヘルツスピントロニクスの先駆的研究をはじめ、メタマテリアルを利用したテラヘルツデバイスの開発など、基礎から応用まで学術研究のみならず産業応用を目指した研究を実施。テラヘルツ超高速分光、テラヘルツエリプソメトリの開発より、日本赤外線学会より2024年に論文賞、2025年に業績賞を受賞している。また、テラヘルツテクノロジーフォーラムの理事、日本赤外線学会の執行役員、日本光学会連携専門委員会の幹事長を務めるなど、テラヘルツ波分野の学術・産業連携を推進している。

宮本 智之

東京科学大学

教授

1996年3月 東京工業大学博士課程修了、博士(工学)
1996年4月 東京工業大学 助手
1998年講師
2000年助教授(現在は准教授に職名変更)
(2024年に統合により大学名が東京科学大学に)
現在に至る
この間、2004年10月~2006年9月文部科学省学術調査官を兼務

研究分野は光エレクトロニクス・フォトニクスであり,以前は面発光レーザーを中心とした半導体光デバイスの研究を実施.2014年頃より光無線給電に関する研究を推進。

内田 史朗

千葉工業大学

工学部 先端材料工学科 教授

1990年ソニー㈱化合物半導体事業部、1996年カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校 客員研究員、1999年ソニー白石セミコンダクター開発センター、2007年同社製造部部長,2009年ソニー㈱ 主幹技師、2010年千葉大学産学連携・知的財産機構 非常勤講師,ソニーマテリアル研究所 主幹技師,2015年千葉工業大学工学部 教授、2010年 電気学会 パワー半導体レーザ及び発光ダイオード調査専門委員会 委員、応用物理学会会員、2014~2023年 応用物理学会 応用電子物性分科会 幹事

落合 夏葉

NTT(株)

宇宙環境エネルギー研究所 研究員

東京大学工学部電気電子工学科卒業。同大学院工学系研究科電気系工学専攻修了。NTT株式会社に所属し、レーザ無線給電および、レーザ伝送技術の研究開発に従事している。地上での長距離レーザ無線給電の高効率実証を中心に研究を進めている。近年は、ドローン給電や宇宙応用を見据えたシステム小型化・高機能化技術にも取り組んでいる。