赤外線技術セミナー

2026年04月22日(水) 10:00-12:55 2階 コンコース会議室 E22
【IR-1 赤外線技術の基礎

赤外線入門


赤外レンズ -設計と活用

(株)タムロン 茂木 修一 氏

光学開発センター 光学開発二部 部長
本講演では、当社が扱う交換レンズ以外の光学系のうち、特に赤外領域、なかでも遠赤外線光学系について概説する。

遠赤外線は監視、計測、産業用途などで近年需要が拡大しており、その性能を最大限に引き出すためには、材料特性を踏まえた適切な設計が不可欠である。まず、遠赤外線光学系で使用される材料の種類と特徴を整理し、屈折率や透過率、熱膨張係数、加工性といった赤外光学特有の設計パラメータを解説する。これらは可視光光学とは異なる制約を持ち、材料選定において重要な判断要素となる。

また、材料ごとに生じる課題として、加工リスク、コスト、耐環境性、加工プロセス、量産性の制約などを取り上げ、実際の製品開発で直面するポイントを紹介する。これらの要素を総合的に理解することで、遠赤外線光学系の基礎から応用までを俯瞰し、より適切な材料選定と設計判断につなげることを目指す。

本講演を通じて、赤外光学技術への理解を深め、今後の開発に役立つ知見を得る機会としていただきたい。 

●一般的(高校程度、一般論)

赤外線イメージング技術の動向

宇宙航空研究開発機構 片山 晴善 氏

研究開発部門センサ研究グループ 主任研究開発員
赤外線イメージングは、監視、セキュリティー、設備保全、工業計測など幅広い応用分野で活用されている。赤外線イメージング用の赤外線イメージセンサには、非冷却型と冷却型がある。 

非冷却型は、室温で動作する熱型検出器によって赤外線を検出するもので、熱コンダクタンスの小さい画素構造を実現できるMEMS技術を活用して性能向上が進められ、画素ピッチは10 µm以下、解像度はFull HDレベルに達している。 

冷却型は、半導体の光電効果を利用して赤外線を検出するもので、狭バンドギャップ半導体であるHgCdTeとInSbを用いたものが一般的であったが、最近、Type-II超格子検出器の性能も実用レベルに達している。 

本講演では、赤外線イメージセンサの基礎や開発動向及びその応用としてハイパースペクトルイメージングの宇宙応用等について解説する。 

●入門程度(大学一般教養程度)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月22日(水) 13:40-15:40 2階 コンコース会議室 E22
【IR-2 赤外線・量子技術の最新動向

メタマテリアルと赤外線センシング技術

理化学研究所 田中 拓男 氏

光量子工学研究センター チームディレクター
メタマテリアルは、波長より細かな人工構造を用いて物質の光学特性を制御した疑似材料である。
メタマテリアルそのものは構造体であるが、それを構成する構造を波長より細かく設計・加工することで、1つ1つの構造は光波に直接感知されずにメタマテリアル全体が1つの均質な物質として振る舞う。
メタマテリアルの特徴の1つは、その構造をうまく設計することで、自然界から直接得られる物質には無いような光学特性を物質に付与できることである。

メタマテリアルが実現する特異な光学特性の1つが、透磁率を制御した物質である。一般に光周波数においては自然界のほぼ全ての物質の透磁率の値は真空の透磁率と同じになる。
物質の透磁率を人工的に変化させることができると、誘電率と透磁率の比で定義される物質のインピーダンスも人工的に操作できることとなり、物質界面での光の反射を抑制して光を完全に吸収する物質もつくることができる。 

本講演では、メタマテリアルの概要について簡単に触れた後、光の伝搬を制御するメタマテリアルや、光を完全に吸収する光吸収メタマテリアルを中心にその原理と特性を述べる。
そしてメタマテリアルを用いたレンズであるメタレンズや、赤外光を吸収する赤外吸収メタマテリアルとそれを応用して赤外分光法の分子検出感度を飛躍的に高感度化する技術など、赤外光領域を中心にメタマテリアルの応用技術に関する最新の研究成果を紹介する。 

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

テラヘルツ・赤外量子フォトニクス技術


量子もつれ光子対を用いた光センシング

京都大学 向井 佑 氏

大学院 工学研究科 電子工学専攻 助教授
光量子センシングは、光の量子力学的性質を活用したセンシング手法であり、従来の計測手法の限界を打破する、あるいは新たな機能の創出を可能とする。

本講演では、量子もつれ光子対を用いた光量子センシングに関する研究成果を紹介する。一つ目の応用例は可視-赤外光子対を用いた「量子赤外分光」である。
本技術は可視の光源と検出器のみを用いて赤外分光を実行することができ、従来の赤外計測手法では見られない背景光ノイズ耐性を示す。また、もう1つの応用として、広帯域周波数もつれ光子対を用いた「量子光断層撮像(QOCT)」についても紹介する。

本手法は従来の光断層撮像(OCT)において高分解能化への障害となる媒質中の群速度分散の影響を受けないという特長を持つ。

●入門程度(大学一般教養程度)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月24日(金) 10:00-12:55 2階 コンコース会議室 E22
【IR-3 赤外線のアプリケーション

防衛分野における赤外線技術

防衛装備庁 工藤 順一 氏

新世代装備研究所 飯岡支所長
本講演では、防衛用光波センサにおいて特に重要な技術であります赤外線センサ技術について防衛装備庁新世代装備研究所での研究開発状況とその周辺状況等を踏まえながら発表する予定です。

公開情報が中心になりますが、将来への考え方や方向性が感じられるような構成と説明に努める予定です。

●入門程度(大学一般教養程度)

中赤外光を用いたヘルスケアモニタリング

東北大学 松浦 祐司 氏

大学院医工学研究科 教授
波長6ミクロン以上の中赤外光を用いたヘルスケア機器の現状と将来展望について報告する。

中赤外光を用いた分光法により、生体を構成するタンパク質、脂質、糖質などの高精度な分析が可能になる。この領域では最近、中赤外量子カスケードレーザや、室温動作の半導体検出器が登場し、小型かつ安価なヘルスケア機器の実現性が高まってきておおり、新しいアプリケーションの発現が期待されている。

そこで本講演では、中赤外減衰全反射(ATR)法に基づく血中コレステロール分析、さらにはATR法に代わる光熱変換分光法として、光音響分光法、光熱偏向分光法などの血中成分分析への応用例などについて報告するとともに、中赤外光を用いたヘルスケア機器の今後の展望などについて述べる。

●入門程度(大学一般教養程度)

LiDARとLidarの原理と応用 ―地上から宇宙までー

千葉大学 椎名 達雄 氏

大学院工学研究院 先進理化学専攻 物質科学コース 准教授
車の衝突防止、安全安心の技術としてライダー(LiDAR)の言葉が普及して久しい。その応用は車のみならず、産業応用や民生機器へも広がっている。技術は流行りのAIを含めて円熟し、価格競争に入っている。

他方、大気用ライダー(Lidar)においても産業応用のみならず、震災や事故のニュースを通して安全安心の日常への適用が声高に叫ばれるようになった。ニーズやシーズも大きく進展しており、気象計測の観点だけでなく、ダストやガス検出に関してもニーズに即した対応が図れるようになってきた。

本講演ではハードターゲットを対象したLiDAR とソフトターゲットを対象とした
Lidarの違いを原理や機器構成で明示し、今できることと期待される付加価値ついて述べる。その中でそれぞれの研究開発の進展と実証、実装の例を示す予定である。加えて、その産業適用への最適化から宇宙への適用例までを自身の研究開発や経験に即した内容で言及する。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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茂木 修一

(株)タムロン

光学開発センター 光学開発二部 部長

大学卒業後、光学メーカーにてコンパクトデジタルカメラ向けレンズの光学設計・評価に従事。
2017年より企業勤務と並行して大学院での研究を進め、コロナ禍を契機に博士号を取得。
2023年に株式会社タムロンへ入社、同社の精密レンズ加工技術を基盤とした光学製品開発に従事。遠赤外用光学系では構想設計から量産化まで参画し、製品化に寄与。
現在は先進光学技術を活かした新規事業創出を企業側で推進するとともに、2024年より東京理科大学にて非常勤講師として教育・人材育成にも取り組んでいる。

片山 晴善

宇宙航空研究開発機構

研究開発部門センサ研究グループ 主任研究開発員

2003年,大阪大学院理学研究科宇宙地球科学専攻博士後期課程修了(理学博士).同年,宇宙開発事業団 宇宙航空特別研究員,2006年, 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センターを経て、2016 年 先進光学衛星プロジェクトチーム。現在は、将来の地球観測衛星やセンサの開発に関わる。

田中 拓男

理化学研究所

光量子工学研究センター チームディレクター

968年3月28日生.1991年大阪大学工学部応用物理学科卒業,1996年大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻博士後期課程修了,博士(工学),1996年大阪大学基礎工学部電気工学科助手,1997年大阪大学大学院基礎工学研究科助手,2003年理化学研究所 研究員,阪大フロンティア研究機構 特任助教授,2005年理化学研究所 先任研究員,2008年理化学研究所 准主任研究員,2010年北海道大学電子科学研究所 客員教授,2010年埼玉大学 連携教授,2012年学習院大学 講師,2014年理化学研究所 チームリーダー(兼務),2014年東京工業大学 連携教授,2017年理化学研究所 主任研究員,2017年台湾国立清華大学 客員教授,2019年フィリピン大学ディリマン校 客員教授,2020年台湾国立中興大学 客座教授,2019年徳島大学特別招聘教授,2025年理化学研究所 チームディレクター

向井 佑

京都大学

大学院 工学研究科 電子工学専攻 助教授

2015年
 京都大学 大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻
 物理学第一分野博士後期課程修了 博士(理学)取得

2015年~2017年
 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 特定研究員

2017年~2019年
 ケルン大学(ドイツ)Physics Institute Ⅱ Research Associate

2019年~現在
 京都大学 大学院工学研究科
  特定研究員(2019年~2021年)
  特定助教(2021年~2023年)
  助教(2023年~現在)

工藤 順一

防衛装備庁

新世代装備研究所 飯岡支所長

1995年筑波大学大学院理工学研究科修了。1995年より防衛庁技術研究本部第2研究所(現防衛装備庁新世代装備研究所)にて、光波センサシステム、赤外線撮像装置等の研究開発に従事。2016年4月同庁電子装備研究所センサ研究部光波センサ研究室長、2024年4月より現職。工学博士。

松浦 祐司

東北大学

大学院医工学研究科 教授

1988年東北大学工学部通信工学科卒,1992年東北大学大学院工学研究科修了,博士(工学).1993年住友電気工業横浜研究所研究員,1994年米国ラトガース大学セラミック工学科研究員として勤務の後,1996年東北大学大学院工学研究科助教授.2008年東北大学大学院医工学研究科教授.X線から遠赤外にわたる電磁波伝送路とその医療応用に関する研究に従事.レーザー学会,電子情報通信学会,応用物理学会,電気学会、SPIE会員.平成17年度文部科学省若手科学者賞受賞.レーザー学会東北・北海道支部長.レーザー学会フェロー

椎名 達雄

千葉大学

大学院工学研究院 先進理化学専攻 物質科学コース 准教授

1998年3⽉ 東京理科⼤学 ⼤学院理⼯学研究科 博⼠(⼯学)
同年4 ⽉ 和歌⼭⼤学 システム⼯学部 光メカトロニクス学科 助⼿。
2003年8⽉ 千葉⼤学 ⼯学部 情報画像⼯学科 助⼿。
2008 年2 ⽉ 千葉⼤学 ⼤学院融合科学研究科 画像マテリアルコース 准教授
・低層⼤気・ガスモニタリングのための⼩型ライダーの研究開発
・産業⽤OCTスキャナーの研究開発
・⾼散乱媒質中の⾼効率な光伝搬過程に関する研究