紫外線技術セミナー

2026年04月23日(木) 10:00-12:55 2階 コンコース会議室 E22
【UV-1 紫外線の基礎と最先端応用

紫外線入門 光源からアプリケーションまで

理化学研究所 和田 智之 氏

光量子工学研究センター 光量子制御技術開発チーム チームディレクター
紫外線領域は、高い空間分解能が取れること、光子エネルギーが高いことから赤外線や、可視光と比較して特徴的な物質との相互作用が起こる。この基本的な性質を利用して半導体産業、加工、計測、ウイルスの不活化等新しい応用が開発されている。

本講演では、紫外線の基礎、光源、材料さらには、最先端の光源を利用した新しい応用について述べる。

●一般的(高校程度、一般論)

生体無害ウイルス不活化220-230nm Far-UVC LEDの最近の進展

理化学研究所 平山 秀樹 氏

平山量子光素子研究室 主任研究員
殺菌・ウイルス不活化用の光源として深紫外線が期待されている。
230nm、270nm帯の深紫外LEDは、殺菌・ウイルス不活化、浄水、空気浄化の作用に優れ、ウイルス感染拡大の防止、除菌用の光源として期待される。特に波長が230nmより短波長の紫外線は、人体の皮膚や目の最表面で吸収され内部の細胞に影響を及ぼさない事から、生体に安全で人の活動する空間での殺菌・ウイルス不活化が可能である。

人に安全で殺菌効果が強い230nm帯Far-UVC LEDはその応用範囲も拡大すると考えられ、注目が集まっている。最近の開発で230nm帯LEDの高効率化が盛んに行われており、その飛躍的な高出力化が実現している。

今回の講演では、220~230nm帯LEDの高効率化開発の最近の進展を紹介し、また、230nm帯LEDを用いた高出力LEDモジュールの進展と、それを用いたウイルス不活化実証試験などを紹介する。 

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

光格子時計の開発と日本標準時への実装

情報通信研究機構 井戸 哲也 氏

電磁波研究所 時空標準研究室 室長
光格子時計は、2001年に東京大学の香取秀俊准教授(当時)によって提案されて以来、飛躍的な発展を遂げてきました。原子を光の定在波格子に捕獲し、多数の原子を同時に観測することで、従来のセシウム原子時計を1桁以上凌駕する周波数安定度と精度を実現する点が大きな特徴です。この性能は、2030年に予定される秒の定義改定に向けて、光格子時計が有力候補とされる根拠となっています。

現在、国際度量衡委員会時間周波数諮問委員会では「単一の原子遷移に基づく定義」と「複数の遷移の加重平均に基づく定義」という2つの方式が議論されていますが、いずれの方式においても光格子時計は最有力候補の一つとして位置付けられています。 

本講演では、まず光格子時計の誕生から今日までの発展の歴史を振り返り、その原理と技術的特徴を解説します。その後、光格子時計が既に日本標準時(JST)に導入され、従来の水素メーザーと組み合わせて時刻系の安定性を高めている、世界でも先駆的な実例を紹介します。

実際、日本に在住する皆さんは、放送・通信・インターネットなどを通じて配信される日本標準時を介して、既に光格子時計の高精度の恩恵を日常生活の中で享受しているとも言うことが出来ます。さらに、将来の可能性として、相対論効果に基づく高精度測位、社会インフラのGNSS過依存を脱却するための時刻アンカーとしての活用、等幅広い展開について議論します。 

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
¥20,000¥18,000 ¥17,000¥15,000 ¥5,000

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2026年04月23日(木) 13:40-16:35 2階 コンコース会議室 E22
【UV-2 紫外線の半導体製造技術

EUVリソグラフィ応用にむけた光源開発の現状

九州大学/元ギガフォトン(株) 溝口 計 氏

九州大学 プラズマナノ界面工学センター アドバイザ/客員教授
EUV光を使った日本発のリソグラフィ技術は、欧米主導で半導体量産工場への導入が進められている。日本では約10年遅れでラピダス社の工場に昨年複数台のEUV量産露光装置が導入され、ようやく本格的EUVリソグラフィ時代が日本にもやってきた。

 本稿では、まず初めに先端半導体製造のキー技術であるEUVリソグラフィ技術開発の国内外での経緯について解説する。次に、EUV露光装置用光源装置の構造と必要性能について述べた後、今後のEUV光源開発に求められる課題について示す。また、同時に発展中のEUVフォトマスク検査装置の動向についても述べる。
次に昨年7月にはEUVを利用するため不可欠な材料開発の支援を目的とした『EUVフォトン社』を九州大学が立ち上げた。これらの活動の最新状況についても報告する。

 また最後に、最近のトピックスとして九州大学チームは国内光源メーカと連携して「レーザを使ったプラズマ生成・分析実験技術:九州大学」、「EUVプラズマの解析技術(Thomson 散乱計測)北海道大学」、「EUVプラズマ高効率化の可能性を予測するシミュレーション技術 大阪大学・Purdue大学」を10年以上継続してきた。これら3つの技術の組み合わせで、EUV光源の改良の可能性とその実現の新プロジェクトを理化学研究所や他研究機関と連携し準備を進め、昨年4月に「Kプログラム」としてスタートすることとなった。このプロジェクトでのEUV光源プラズマの開発の狙いについて紹介する。

レーザー生成プラズマEUV光源と短波長化などの動向

宇都宮大学 東口 武史 氏

工学部 基盤工学科 情報電子オプティクスコース 教授
極端紫外(Extreme ultraviolet, EUV)光によるリソグラフィーが稼働し始めてから、CPU、GPU、DRAMの高性能化が急速に進み、省電力で高速処理ができるスマートフォンやPersonal Computer(PC)が登場した。最近は生成AI向けのGPUが活況である。

半導体デバイスの製造にEUV露光装置が用いられている。EUV露光装置が我が国に設置されることになった。

EUV露光装置はオランダのASML社のみが製造できる唯一の最重要装置であり、EUV露光装置に限ってはASML社の独占状態にある。現在のEUV露光機のEUV光源の出力は1.2MWの電力で約500Wである。フィードバックを行わない制御方式(オープンループ)で、100kHzの繰り返しにする試行で740Wの出力が達成されている。この高出力化を図るため、繰り返し周波数を50kHzから100kHzにあげ、Sn液滴ターゲットの間隔を拡げる必要があり、液滴ターゲットを押し出すタンクの背圧を700気圧にしている。

一方、消費電力は非常に大きい(1MW級)ため、省エネ化(グリーン化)やエネルギー効率を高効率化する必要がある。EUV光源の高出力化とともに消費電力も増大するものの消費電力を削減する方策は見いだされていないのが現状である。EUV光源の省電力化にはレーザーからEUV光へのエネルギー変換効率を高めることなどが必要である。

ここでは、CO2レーザー生成プラズマEUV光源の高効率化の数値解析(シミュレーション)を通して高効率化への条件や、低出力レーザーを複数組み合わせるマルチビーム照射法などの方法の有効性など、短波長化への可能性も含め、最近の動向を示す予定である。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

フォトマスク検査機へのEUV光源適用技術

レーザーテック(株) 宮井 博基 氏

執行役員 技術五部長
半導体デバイスの高機能化や高速動作、低消費電力化を背景に、EUV露光を用いた回路パターンの微細化が進展しています。

近年はHigh NA露光の導入により、これまで以上に微細なパターン形成が可能となり、フォトマスク検査においても、より高い欠陥検出性能と処理能力が求められるようになっています。

フォトマスク検査では、ウェハ上に転写され得る欠陥を確実に検出する特性が求められるため、露光と同一波長であるEUV光を用いた検査技術が不可欠です。EUV光は大気中で大きく減衰するため、光路を真空とする必要があり、反射型ミラーを用いた特殊な光学系など、従来の検査技術とは異なる課題を伴います。

また、検査性能と処理能力の向上のためEUV光源の高輝度化は欠かせません。加えて、検出された欠陥の特性を解析する欠陥解析技術も進展しており、EUVフォトマスク検査を支える基盤技術として重要性を増しています。

本講演では、これらの技術的背景と最新の動向について解説します。

●初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社/月刊オプトロニクス定期購読者 学生
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和田 智之

理化学研究所

光量子工学研究センター 光量子制御技術開発チーム チームディレクター

1992年、東京理科大学大学院理学研究科博士課程修了。 理学博士。 同年、理化学研究所基礎科学特別研究員を経て、2001年より研究室を主宰し、グループディレクター等を歴任。 2018年より現職。 2007年、産学官連携功労者表彰 文部科学大臣賞を受賞。 光科学・レーザー科学を基盤としたシステム研究を展開し、医療・農業・環境計測・エネルギー・宇宙分野における社会課題解決に向け、基礎研究成果の深化と応用研究、社会実装に取り組んでいる。

平山 秀樹

理化学研究所

平山量子光素子研究室 主任研究員

1994年 東京工業大学電子物理工学専攻博士課程修了(工学博士)
1994年 理化学研究所入所
2005年 テラヘルツ量子素子研究チーム、チームディレクター
2012年 平山量子光素子研究室、主任研究員(現職)
(兼務)埼玉大学連携教授、東京理科大学客員教授、徳島大学招聘教授
(公職歴) 応答物理学会理事(’21-22)、JJAP/APEX誌編集長(‘22)、NPO法人日本フォトニクス協議会理事・紫外線研究会委員長、NPO法人皮膚光線治療促進の会理事

井戸 哲也

情報通信研究機構

電磁波研究所 時空標準研究室 室長

東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程を修了後、JST-ERATO研究員、米国NIST/コロラド大学JILAのResearch Associateを経て、2006年にNICTに着任。黎明期から光格子時計の研究に携わり、着任後は光格子時計および精密光計測技術の研究開発を推進するとともに、それらを標準時システムへ導入する取り組みを主導してきた。国際度量衡委員会時間周波数諮問委員会(CCTF)の秒の再定義タスクフォースにおいては、再定義条件充足判定委員会の共同議長を務めている。さらに近年は、時刻・周波数標準技術をモバイル通信分野へ応用する活動にも注力し、XGMFなどを通じて時空間同期技術の普及と発展に貢献している。博士(工学)。

溝口 計

九州大学/元ギガフォトン(株)

九州大学 プラズマナノ界面工学センター
アドバイザ/客員教授

現在、九州大学客員教授: 元ギガフォトン社CTO。
SPIEフェロー。工学博士。日本レーザー学会会員。日本応用物理学会会員。
1982年九州大学総合理工学研究科、村岡研究室修了。
1994年工学博士(1994年九州大学工学部)。
1990年以来、リソグラフィ用KrF、ArF、F2レーザ、LPP-EUV光源、ハイブリッド・エキシマレーザの研究開発に従事。
2023年3月ギガフォトン社退職。九州大学客員教授として現在に至る。
2002年、2016年、レーザー学会論文賞(DUVレーザー、EUV光源)受賞。
2009年および2019年日本レーザー学会産業賞(装置部門)受賞(ギガフォトン社:GT62AおよびGT6XAシリーズ)。
2018年光振興協会桜井賞受賞。

東口 武

宇都宮大学

工学部 基盤工学科 情報電子オプティクスコース 教授

宮崎大学助手、宇都宮大学助教、准教授を経て、教授.現在、工学部基盤工学科情報電子オプティクスコース(電気電子分野)。 これまで、米国ブルックヘブン国立研究所、英国オックスフォード大学、 アイルランド国立大学ダブリン校、チェコ科学アカデミー物理学研究所で客員教授、客員研究員。 EUV光源、高繰り返し薄ディスクレーザー、ファイバーレーザー、光計測、医用生体工学などの研究に従事している。

宮井 博基

レーザーテック(株)

執行役員 技術五部長

1999年 横浜国立大学大学院修士課程を卒業
2002年 レーザーテック株式会社に入社以降、半導体検査装置の開発に従事
2009年にEUVマスクブランクス欠陥検査機の開発を開始。2013年 のPhotomask Japanでは同装置の発表でベストプレゼンテーションを受賞。2018年にはEUVマスク検査技術の開発がマスク業界に貢献したことから、SPIEよりBACUS Awardを受賞。
2019年にはEUVマスクパターン検査機の開発に世界で初めて成功し、国際学会SPIE Photomask Technology + EUVLにてベストプレゼンテーションを受賞。