光できらめく理系女性たち

2026年11月12日(木) 13:00-16:00 展示ホール内特設会場1
【OW-1 】 光できらめく理系女性たち - 研究、キャリア、そして未来

共催:日本光学会コンテンポラリーオプティクス研究グループ

光とともに~理工系女性の教育・研究・人材育成~

日本女子大学 名誉教授 小舘 香椎子 氏

 偶然にも、まばゆいばかりのコヒーレント光、赤いレーザ光に出会ったのは1966年、東京大学工学部電子工学科の助手のポストを得た時でした。この幸運な出会いから、私が教育者・研究者として「光とともに」歩む日々が始まりました。
 1992年、私立女子大学初の理学部設立に参画し、「光は面白い」と興味を抱く学生と一緒に行う研究や教育、それは子育てにも似て、新しい発見の連続でわくわくする充実の時間でした。そして、2002年、応用物理学会の男女共同参画委員会や、学会間を繋ぐ男女共同参画学協会連絡会も立ち上げて、科学技術振興機構の男女共同参画主監として、また2006年からは、理学部の文部科学省支援事業「女性研究者マルチキャリアパス支援モデル」のプロジェクトリーダーを務めるなど、理工系女性の活躍のための、学内外での環境作り、意識改革を牽引してきました。
2007年にオプトロニクス社が刊行した『光できらめく理系女性たち~理想のワークライフバランスをざして~』は、当時、容易には見つけにくかった理系女性の多様なキャリアパスが具体的に示されていると、高い評価を頂きました。
いま再び、理工系女性に脚光が当たっています。そこで、光分野から育った女性たちの20年後の現状や女性リーダーたちの活躍の様子、未来をどのようにとらえているかなどをまとめた続編を来年5月に出版します。
本講演では、女子大学の研究室から育った17名の博士の学位取得者や企業や各界で生き生きと活躍する卒業生たちの様々な活動、そのバイタリティのルーツは何かなどを紐解きながらお話しします。
一般的(高校程度、一般論)

AI・量子科学時代の男女共同参画とダイバーシティ -20年の歩みとこれから-

山口東京理科大学 学長補佐・特任教授/日本工学アカデミー 理事 塩満 典子 氏

我が国の女性研究者の比率は、2025年3月末現在19.0%(総務省「科学技術研究調査」)となっています。2005年度に閣議決定された「男女共同参画基本計画(第2次)」および「第3期科学技術基本計画」を契機として、2006年度から女性研究者の活躍を後押しする施策が本格的に予算化され、大学や研究機関では環境整備や支援制度の充実が着実に進められてきました。一方で、理工系の一部分野では女性研究者の比率がなお低く、女子学生が情報学や工学を将来の進路として選択する際に、心理的なハードルを感じる状況も残されています。また、職階が上がるにつれて女性比率が低下する傾向も、分野を超えた共通の課題です。
本講演では、科学技術・イノベーション分野における男女共同参画・ダイバーシティ推進について、これまでの政策と取組の歩みを振り返ります。その上で、AIや量子科学をはじめ研究環境が大きく変化する時代に、より多様な人材が能力を発揮し、新しい知と価値を生み出していくために何が必要かを考えます。制度を整えるだけでなく、成果を確かめながら次の取組につなげるPDCAのあり方にも目を向け、これからの20年に向けた可能性と展望を共有します。
入門程度(大学一般教養程度)

光コンピュータから広帯域イメージングへ ― 研究、起業、これから

電気通信大学 副学長 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻 教授
渡邉 恵理子 氏

研究のスタートは、光コンピュータ(光相関)でした。像そのものを使って光で計算する技術です。その原点は、学部3年で出会ったホログラフィーです。光コンピュータの事業化をめざして小舘香椎子先生とともに会社を立ち上げましたが、実際に事業として育ったのは、その過程で生まれたソフトウェアでした。そこから、光とは異なるコンテンツ業界との新たな出会いも生まれています。現在は、対物レンズのいらない超小型ホログラフィック顕微鏡や、可視から波長2.5 μmまでをカバーする面分光カメラの開発に取り組んでいます。研究が思いがけない形で社会に出ていく道のり、日本女子大学から起業、物質・材料研究機構(NIMS)を経て電気通信大学へ、という歩みと転機、そしてこれからの展望をお話しします。
一般的(高校程度、一般論)

見えないものを測る、見えないものを診る -すばる望遠鏡の分光素子設計から設備のAI予兆診断まで-

(株)日立製作所 環境・エネルギーネクサスイノベーションセンタ 環境システム研究部
主任研究員 岡 恵子 氏

大学では光学を専攻し、ハワイのすばる望遠鏡に搭載する分光素子の設計研究に取り組みました。設計した分光素子が実際に望遠鏡へ搭載され、その成果が観測データとして得られた経験は、研究成果を実社会で活かすことの喜びと意義を実感する原点となりました。
その後、企業研究所において光学設計技術の研究開発を経て、現在は空調設備を対象としたAI予兆診断技術の研究開発に携わっています。予兆診断では、設備の運転データから正常状態を学習し、故障や性能低下の兆候を早期に検出する技術の開発に取り組んでいます。本技術により、フロンガス漏洩の早期検知による温暖化防止、設備の突発故障に伴う事業損失の抑制、および保守人材不足の解消が可能となり、環境・経済・社会の各側面で価値を創出できると考えています。また、技術を社会実装するためには、研究所だけでなく、製品開発、設計や製造など多様な部門との連携が不可欠です。
一見すると、天体観測を支える光学素子の設計と設備の予兆診断は全く異なる分野に見えます。しかし、どちらも限られた情報から現象を理解し、モデル化し、見えない状態を明らかにしようとする点で共通しています。
本講演では、すばる望遠鏡に搭載された分光素子の開発から、空調設備の予兆診断サービスの実用化までを題材に、研究成果が社会で価値を生み出すまでの道のりと、その過程で得られた学びを紹介します。

AIは物理の壁をどう越えるか -光学設計×AIが拓く3D空間認識-

(株)東芝 総合研究所 エキスパート 柏木 正子 氏

AI技術の進展により、カメラ画像から実空間を認識・理解するコンピュータビジョンは大きく発展しています。一方で、単眼カメラの画像には距離情報が直接含まれないため、奥行きを高精度に推定することは依然として本質的な難しさがあります。
本講演では、表示デバイス向けレンズ設計で培った光学設計の知見を応用し、レンズ収差を積極的に利用した単眼距離計測の取り組みを紹介します。被写体距離に応じて変化するボケや色収差などの光学的特徴をAIに学習させることで、単眼カメラによる被写体までの距離情報の推定を実現した原理と開発プロセスを解説します。また、近年急速に進展する3D環境認識技術の動向や最新の研究事例を交えながら、実世界認識技術の今後の展望について紹介します。
初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

ホログラム、半導体、そしてAR -キャリアはあとからつながっていく

大日本印刷(株) ファインデバイス事業部 第1ビジネスユニット 第1営業本部 営業第1部
副部長 関根 啓子 氏

技術者としてキャリアを積むなかで、研究から離れたり、異なる職種や事業に携わったりすると、「これまで培ってきた専門性は、この先も役に立つのだろうか」と感じることがあります。しかし振り返ってみると、一見つながりのない経験が、思いがけないところで次の仕事につながることがあります。
大学でホログラムの研究に出会い、企業では光学フィルムの研究開発に従事しました。その後、経営企画など研究とは異なる仕事を経験し、現在は半導体フォトマスクの営業として市場の最前線に立っています。さらに、半導体分野で培った微細加工・原版技術を応用し、ARグラスの導光板製造に用いるナノインプリント用モールドの拡販にも携わっています。
研究、経営企画、営業。一見ばらばらに見える経験も、技術を理解し考える力、事業を見る視点、顧客と向き合う力として、今の仕事につながっています。本講演では、決して最初から描いていたわけではないキャリアを振り返りながら、理系で学んだことが職種や事業領域を越えてどのように生きてきたのか、技術者のキャリアの可能性についてお話しします。
入門程度(大学一般教養程度)

理系女性のキャリアをつなぐ -高校・大学、そして社会へ①

日本女子大学附属高等学校  理科(物理) 専任教諭 藤井 恵子 氏

本講演では、研究職から高校の理科教員となった経緯にも触れながら、日本女子大学附属高等学校で行っている教育活動について紹介します。東京工業大学大学院で医療データから新たな知識を見いだすための解析手法に関する研究に取り組み、学位取得後は研究職に携わりましたが、その原点となったのは、日本女子大学で光学分野の研究に取り組んだ経験でした。大学での学びが、その後の進路や職業を選択する大きなきっかけとなったことを踏まえ、附属高等学校では、生徒自身が主体的に考え、試行錯誤する経験を大切にしています。こうした経験を通して理科への興味や関心を育み、理系分野を将来の進路や活躍の場として選択する可能性を広げるための具体的な教育実践についてお話しします。また、附属高等学校では、早い段階で文系・理系を分けることなく、幅広い分野を学ぶ教育を大切にしています。文系・理系という枠を越えて学ぶことの意義について、卒業後の学びやキャリアにも触れながらお話しします。
一般的(高校程度、一般論)

理系女性のキャリアをつなぐ -高校・大学、そして社会へ②

日本女子大学 理学部 教授、学長補佐 小川 賀代 氏

本講演では、日本女子大学での学びを原点に、他大学での研究経験を経て母校の教員となった自身のキャリアを振り返るとともに、現在取り組んでいる学生の研究指導や人材育成について紹介します。
研究者としての原点は、学部3年次に小舘先生の勧めで取り組んだ学園祭でのホログラフィの制作や、卒業研究の成果を学会で発表した経験にあります。こうした挑戦を通して得た自信は、早稲田大学大学院に進学し、修士・博士課程、さらに助手として研究を続ける中で、大きな支えとなりました。
その後、母校に教員として戻り、ホログラフィや光情報処理を基盤に、近年は光無線通信・光無線給電などへと研究領域を広げながら、20年以上にわたり研究・教育に携わってきました。自らが学生時代に与えていただいたように、学生一人ひとりが研究を通して成長し、自信を持って次のステージへ進めるような人材育成を大切にしています。現在は毎年、学部生・大学院生合わせて10名程度の研究指導を担当し、学部生の国内学会発表や大学院生の国際会議発表にも積極的に取り組んでいます。学生たちはこうした経験を通して成長し、学会での受賞などの成果も上げています。
自身のキャリアと学生たちの挑戦・成長の事例を交えながら、研究を通して自信と専門性を育む本学の理系教育と、これからの理系女性の育成についてお話しします。
一般的(高校程度、一般論)

名刺交換会


併催イベント一覧へ

元のページに戻り選択を続ける
選択済セッション

申し込み手続きへ
よくあるご質問

お支払方法
●クレジットカード(領収書発行)

※クレジットカード決済後、件名「【ZEUS】決済完了メール(自動送信)」が届いた時点でお申し込み受付完了となります。




※有料セミナー キャンセル規程:
お客様のご都合による受講解約の場合、11/5までは受講料の50%、11/6以降につきましては受講料の全額を解約金として申し受けます。
但し、申込者が既定の人数に達しない場合、中止とすることがあります。その場合には、申し受けた受講料は返金致します。

※学生料金:
個人もしくは学校からのお支払いで、30歳未満の方が対象となります。

※月刊OPTRONICS定期購読者割引:
月刊OPTRONICS定期購読につきましては【こちら】をご確認ください。
購読者割引は読者番号(送本時の宛名ラベルに記載)とお申込み者のお名前が一致している方が対象となります。

受講申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。申し込み後、受講者のご都合で欠席となる場合でも受講料は申し受けます。テキスト(pdf)は事前に参加者全員にメールにてお送りいたします。
なんらかの不可抗力により該当セミナー、及び付帯するイベントの開催が不可能となった場合、主催者は受講のキャンセルの受け付け致しません。また、受講料の返金を含む、これにともなった損害の補填・補償は行いません。

【不可抗力】台風、洪水、地震を含む天災、あるいはそれらを原因とする様々な事態、疾病や伝染病の蔓延、労働争議、主催者の合理的なコントロールを超えた会場設備の使用制限や講師の欠席等を含むもの


[ 特定商取引法に基づく表記 ]



小舘 香椎子

日本女子大学

名誉教授

1963年日本女子大学家政学部家政理学科一部(物理専攻)卒業
1966年 東京大学工学部電子工学科助手、工学博士(東京大学)
1975年 日本女子大学一般教育課程助教授
1992年 日本女子大学理学部教授
2001年 日本女子大学理学部研究科委員長
2006年 日本女子大学学長特別補佐
2009年 日本女子大学名誉教授
2015年 電気通信大学特任教授
専門:マイクロオプティクス 情報フォトニクス
役職:日本学術会議会員、総務省電波監理審議会 副委員長、日本科学技術振興財団(JST)男女共同参画主幹、内閣府総合科学技術会議評価専門委員、日本学術振興会 特別研究委員会委員、日本工学アカデミー理事、応用物理学会副会長・功労会員、SPIEフェロー、
浜松ホトニクス(株)社外取締役 他。
受賞:「ナイスステップな研究者2007」、文部科学大臣表彰 科学技術賞、応用物理学会業績賞、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰 受賞、「桜井健次郎記念賞受賞 他。

塩満 典子

山口東京理科大学/日本工学アカデミー

学長補佐・特任教授/理事

1984年、東京大学理学部卒業後、科学技術庁に入庁。
文部科学省、内閣府において科学技術・イノベーション政策に携わるとともに、内閣府男女共同参画局では男女共同参画・ダイバーシティ推進政策の企画・推進に従事。
人事院留学によりハーバード大学ケネディ行政大学院公共政策学修士課程(MPP)修了。
科学技術振興機構(JST)では研究プロジェクトの審査・評価等を担当。
奈良先端科学技術大学院大学、お茶の水女子大学、広島大学、JAXA、RIKEN等において、研究推進・研究資金獲得支援に携わる。
現在、山陽小野田市立山口東京理科大学学長補佐・特任教授、中部大学フェロー、日本工学アカデミー理事、ライフサイエンス振興財団評議員。
2007年日本女性科学者の会功労賞、2021年日本原子力学会ダイバーシティ推進貢献賞優秀賞、2024年日本工学アカデミー「会員が選ぶ事業貢献賞」を受賞。

渡邉 恵理子

電気通信大学

副学長 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻 教授

電気通信大学 教授、副学長。
2000年日本女子大学理学部卒業、2005年同大学院博士課程修了、理学博士。
JSTさきがけ専任研究員を経て2008年、光コンピュータの事業化をめざして株式会社Photonic System Solutionsを設立(現・非常勤取締役)。
物質・材料研究機構MANA独立研究者、2010年電気通信大学特任助教、2015年准教授を経て2023年より教授。
2024年より副学長(ダイバーシティ担当、2026年より研究担当)。
日本知財学会理事、日本光学会・応用物理学会等で活動。
専門は光情報処理、光計測。
対物レンズのいらない超小型ホログラフィック顕微鏡や広帯域面分光カメラの開発に取り組む。

岡 恵子

日立製作所

環境・エネルギーネクサスイノベーションセンタ 環境システム研究部 主任研究員

2005年 日本女子大学大学院理学研究科 数理・物性構造科学専攻博士課程後期修了。
博士(理学)。
2005年 株式会社日立製作所 生産技術研究所(現 横浜研究所)入所。
2026年 株式会社日立製作所 日立研究所に在籍中。
現在 異常検知・診断技術の研究開発に従事。電気設備学会会員。

柏木 正子

東芝

総合研究所 エキスパート

2006年、株式会社東芝に入社。
裸眼立体ディスプレイ向けレンズの研究開発に従事し、IDW'08およびSID 2013にて論文賞を受賞。
2019年から2021年にかけてカメラ収差を利用した単眼距離計測の研究開発に従事。
2022年より研究所の技術管理部門にて研究マネジメント業務を担当。
2024年からは3D認識・自律行動生成AIグループのリーダーを務め、現在に至る。

関根 啓子

大日本印刷(株)

ファインデバイス事業部 第1ビジネスユニット 第1営業本部 営業第1部 副部長

1997年、大日本印刷株式会社 中央研究所に研究者として入社。研究開発、経営企画などを経て、現在は半導体用フォトマスクの営業を担当。
最近では、半導体分野で培った微細加工・原版技術の新たな用途展開
として、ARグラスの導光板製造に用いるナノインプリント用モールドの市場開拓・拡販にも取り組んでいる。

藤井 恵子

日本女子大学附属高等学校

理科(物理) 専任教諭

日本女子大学家政学部理学科一部物理専攻卒業。
在学中は光学分野の研究室に所属。
東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報工学専攻修士課程および博士課程修了。
博士(工学)。
大学院では医療データ解析に関する研究に従事。
総務省認可法人通信・放送機構赤坂リサーチセンター招聘研究員を経て、日本女子大学附属高等学校理科(物理)専任教諭として勤務し、現在に至る。
物理教育において、生徒が主体的に取り組む探究活動を実践し、理系分野で活躍する女性の育成に取り組んでいる。

小川 賀代

日本女子大学

理学部 教授、学長補佐

1993年 日本女子大学家政学部家政理学科卒業
1995年 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修
1999年 早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程満期退学
1999年 早稲田大学理工学部助手
2001年日本女子大学理学部助手を経て、2005年同専任講師、2008年 同准教授、2015年同教授、現在に至る。
光無線通信、光無線給電の研究に従事。
電子情報通信学会、応用物理学会、SPIE各会員。博士(工学)。