2020年11月12日(木) 09:30-12:25 -アネックスホール F201
【-1 赤外線の基礎(於:5F 特設B)

赤外線の基礎入門

静岡大学 廣本 宣久 氏
赤外線は、光と電波の間の波長領域の光子・電磁波です。真空中では、赤外線は光・電波と本質的に同じで、光速で伝搬する波です。またテラヘルツはほとんど遠赤外線と同じです。
赤外線と光・電波の性質の違いがなぜあるかというと、物質との相互作用の仕方が異なるのです。すなわち物質の性質に起因しています。この相互作用から、赤外線~テラヘルツの光源、検出器、光学素子および装置に、どのような物質を使用するのか、センシングにおいてどのようなものを対象とするのが有効なのか、を理解することができます。
赤外線は近年、検出器や光学素子の性能向上、小型化、低価格化によって、利用分野が急速に増大し、新型コロナウィルスの感染対策では、非接触の体温検査のために、なくてはならない技術となっています。また、テラヘルツも研究が進み、さまざまな可能性が広がっています。
本講演では,新しい応用展開に必要な、赤外線の科学・技術の基礎をやさしく説明します。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

赤外センシングの基礎 ― イメージングを中心に ―

(株)富士通システム統合研究所 中里 英明 氏
可視光に隣接した波長の電磁波で、イメージング(画像化、撮像)において最も特徴的な情報収集をもたらす赤外線を用いたセンシングの基礎とその開発動向を解説します。
赤外線の波長は0.75μmから1 mmまでの広範囲に及びますが、全般に亘る代表的な応用事例を紹介した後、関心の高いNIR(Near Infra-Red、近赤外)、SWIR(Short-Wave Infra-Red、短波長赤外)、MWIR(Mid-Wave Infra-Red、中波長赤外)およびLWIR(Long-Wave Infra-Red、長波長赤外)の「大気の窓」を利用している12μm辺りまでの技術に重点を置いて説明します。
イメージングの主要構成品として赤外光学系、赤外線検知器および画像・信号処理に着目し、複数の大気の窓を通して得られる多様な特性の情報を取得、組合せてより高度な情報を抽出するためのマルチスペクトル関連、より広い範囲を一度に、かつより精細な画像を取得するための多画素・小画素化、主としてレーザを用いたアクティブ・イメージングによる3次元画像生成、低コスト化に向けた取組み等を紹介します。
赤外線検知器は大別して光量子として検知する量子型(冷却型)と熱エネルギーとして吸収、材料特性の温度変化として検知する熱型(非冷却)があり、前者は通常、極低温に冷却して動作させる必要から高コストとなる代わりに高性能・高速性を追及し、後者は極低温冷却の必要性を除くことによってロー・エンドでの広範な普及を目指す傾向がありますが、そうした通念に囚われない取組みにも言及します。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

紫外から中赤外までの単一光子を受信できる超高感度超伝導検出器と その応用

(国研)情報通信研究機構 寺井 弘高 氏
光子検出器は、通信分野(量子暗号通信、長距離空間光通信等)、バイオ・医療分野(各種蛍光観察ツール、陽電子放出断層撮影(PET)等)、産業分野(半導体欠陥診断装置等)、計測分野(LIDAR等)等で必要不可欠な基盤技術であり、より高感度な光子検出器に対するニーズは非常に高い。超伝導ナノワイヤを利用した単一光子検出器(SSPD)は、紫外から中赤外の光波長に対して感度を持ち、高検出効率、高計数率、低暗計数率(低ノイズ)、低ジッタという特長を持ち、特に通信波長帯(1.55 mm)で80%を超える検出効率を実現できるため、量子情報通信分野の研究開発で不可欠なツールとなりつつある。情報通信研究機構(NICT)では、通信波長帯(1.55 mm)で80%を超える検出効率を持つSSPDの開発に成功し、水冷不要、100V電源で駆動可能な小型冷凍機に複数個のSSPDを実装したマルチチャンネルSSPDシステムとして国内外の多くの研究機関に提供している。
本講演では、SSPDの動作原理、素子作製技術、冷凍機実装技術、評価技術を解説し、SSPDシステムを活用した様々な応用研究事例についても紹介する。また、より高速・大面積なSSPDを実現するための多ピクセル化技術、SSPDを利用した大規模イメージングアレイを目指した研究等、最先端の研究開発動向についても紹介する。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

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2020年11月12日(木) 09:30-12:25 -アネックスホール F201
【-1 赤外線の基礎(Zoom聴講)

赤外線の基礎

静岡大学 廣本 宣久 氏
赤外線は、光と電波の間の波長領域の光子・電磁波です。真空中では、赤外線は光・電波と本質的に同じで、光速で伝搬する波です。またテラヘルツはほとんど遠赤外線と同じです。
赤外線と光・電波の性質の違いがなぜあるかというと、物質との相互作用の仕方が異なるのです。すなわち物質の性質に起因しています。この相互作用から、赤外線~テラヘルツの光源、検出器、光学素子および装置に、どのような物質を使用するのか、センシングにおいてどのようなものを対象とするのが有効なのか、を理解することができます。
赤外線は近年、検出器や光学素子の性能向上、小型化、低価格化によって、利用分野が急速に増大し、新型コロナウィルスの感染対策では、非接触の体温検査のために、なくてはならない技術となっています。また、テラヘルツも研究が進み、さまざまな可能性が広がっています。
本講演では,新しい応用展開に必要な、赤外線の科学・技術の基礎をやさしく説明します。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

赤外センシングの基礎 ― イメージングを中心に ―

(株)富士通システム統合研究所 中里 英明 氏
可視光に隣接した波長の電磁波で、イメージング(画像化、撮像)において最も特徴的な情報収集をもたらす赤外線を用いたセンシングの基礎とその開発動向を解説します。
赤外線の波長は0.75μmから1 mmまでの広範囲に及びますが、全般に亘る代表的な応用事例を紹介した後、関心の高いNIR(Near Infra-Red、近赤外)、SWIR(Short-Wave Infra-Red、短波長赤外)、MWIR(Mid-Wave Infra-Red、中波長赤外)およびLWIR(Long-Wave Infra-Red、長波長赤外)の「大気の窓」を利用している12μm辺りまでの技術に重点を置いて説明します。
イメージングの主要構成品として赤外光学系、赤外線検知器および画像・信号処理に着目し、複数の大気の窓を通して得られる多様な特性の情報を取得、組合せてより高度な情報を抽出するためのマルチスペクトル関連、より広い範囲を一度に、かつより精細な画像を取得するための多画素・小画素化、主としてレーザを用いたアクティブ・イメージングによる3次元画像生成、低コスト化に向けた取組み等を紹介します。
赤外線検知器は大別して光量子として検知する量子型(冷却型)と熱エネルギーとして吸収、材料特性の温度変化として検知する熱型(非冷却)があり、前者は通常、極低温に冷却して動作させる必要から高コストとなる代わりに高性能・高速性を追及し、後者は極低温冷却の必要性を除くことによってロー・エンドでの広範な普及を目指す傾向がありますが、そうした通念に囚われない取組みにも言及します。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

紫外から中赤外までの単一光子を受信できる超高感度超伝導検出器と その応用

(国研)情報通信研究機構 寺井 弘高 氏
光子検出器は、通信分野(量子暗号通信、長距離空間光通信等)、バイオ・医療分野(各種蛍光観察ツール、陽電子放出断層撮影(PET)等)、産業分野(半導体欠陥診断装置等)、計測分野(LIDAR等)等で必要不可欠な基盤技術であり、より高感度な光子検出器に対するニーズは非常に高い。超伝導ナノワイヤを利用した単一光子検出器(SSPD)は、紫外から中赤外の光波長に対して感度を持ち、高検出効率、高計数率、低暗計数率(低ノイズ)、低ジッタという特長を持ち、特に通信波長帯(1.55 mm)で80%を超える検出効率を実現できるため、量子情報通信分野の研究開発で不可欠なツールとなりつつある。情報通信研究機構(NICT)では、通信波長帯(1.55 mm)で80%を超える検出効率を持つSSPDの開発に成功し、水冷不要、100V電源で駆動可能な小型冷凍機に複数個のSSPDを実装したマルチチャンネルSSPDシステムとして国内外の多くの研究機関に提供している。
本講演では、SSPDの動作原理、素子作製技術、冷凍機実装技術、評価技術を解説し、SSPDシステムを活用した様々な応用研究事例についても紹介する。また、より高速・大面積なSSPDを実現するための多ピクセル化技術、SSPDを利用した大規模イメージングアレイを目指した研究等、最先端の研究開発動向についても紹介する。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

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2020年11月12日(木) 13:10-16:05 -アネックスホール F201
【-2 赤外線の応用技術(於:5F 特設B)

量子カスケードレーザと量子型・赤外光検出器の最新動向と応用事例

浜松ホトニクス(株) 秋草 直大 氏
量子カスケードレーザ(QCL)は、「分子の指紋領域」と呼ばれる波長4 µm~15 µmに発振波長を持つ半導体レーザです。ppbレベルの微量ガスの検出など、次世代のガス計測用光源として普及しています。近年では、1 µm を超える波長スキャンが可能な外部共振器型のQCLも製品化されており、非侵襲のグルコース計測や、食品や農作物の味覚の評価、有機化合物の表面残渣の遠隔分析など、FTIRに代わる次世代の赤外分析装置への応用展開が急速に進んでいます。また、プラスチックやフィルムなどの加工用途として高出力化の進展も目覚ましく1Wを超える高出力化が達成されています。さらに、テラヘルツQCLを更に長波長化することでギガヘルツ帯でのレーザ発振も実現されており、事務所やデータセンター内などでの短距離の高速大容量通信への応用も期待されています。光検出器においては、TypeⅡ超格子構造を用いた14.3 µmまでの感度を有する量子型・化合物光半導体素子が製品化されるなど、QCLを中心にした中赤外デバイスは新たな局面を迎えています。
本セミナーでは、量子カスケードレーザおよび量子型・赤外光検出器の基礎と特徴を、応用例と将来展望を織り交ぜながら概説します。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

放射温度計とその応用

(株)堀場製作所 辰巳 浩規 氏
 一般的な温度計測方法は2種類に分類されます。センサそのものが測定対象物に接触することにより生じる熱起電力や素子の特性変化から温度を求める接触式温度計測方法(代表例:熱電対式温度計、サーミスタ)と、測定対象物から放射される電磁波を検出して温度を求める非接触温度計測方法(代表例:放射温度計)があります。
本講座で紹介する放射温度計は、対象物に触れることなく、接触式温度計測より高速な温度計測が可能です。さらに、非接触であるため移動物や回転物の温度を測定できるメリットがあります。しかし、放射温度計の測定原理から起因するノイズや非接触式特有の放射率といった測定者が設定すべきパラメータがあり、測定者を悩ませています。そのため、接触式温度計と比べ、放射温度計の使用者には十分な測定原理への理解が求められます。
そこで、本講座では放射温度計の測定原理から放射温度計を実際に使う上での留意点について紹介します。 そして、放射温度計を用いて、正しく測定を行う上でのコア技術とアプリケーション例の紹介をします。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

赤外線カメラとその応用

日本アビオニクス(株) 奥田 雄飛 氏
赤外線の歴史は、1800年W. Herschel(英)が発見したことから始まり、その後多くの研究がなされ、現在では広い分野でその技術が応用されている。その一つに赤外線カメラがあり、「全ての物体からは、その温度に関係付けられるエネルギー(プランクの放射則)の赤外線が放射される」という原理から、その赤外線を画像化する暗視カメラや、定量化し温度計測カメラなどに利用されている。
 近年、非冷却二次元赤外線センサ(UFPA)が開発され、MEMS技術の向上などにより、狭ピッチ・多画素化、高性能化、低価格化が進み、赤外線カメラの様々な分野で利用が拡大している。その種類は使用目的により、保守保全用ハンディタイプ型、研究開発用高性能多機能型、特殊計測用光学フィルタ内蔵型、計測システム用固定設置型など多岐にわたる。
本稿では、赤外線カメラの動作原理、特徴、性能・機能を有効に活用するための技術、更にその応用例について紹介する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

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2020年11月12日(木) 13:10-16:05 -アネックスホール F201
【-2 赤外線の応用技術(Zoom聴講)

量子カスケードレーザと量子型・赤外光検出器の最新動向と応用事例

浜松ホトニクス(株) 秋草 直大 氏
量子カスケードレーザ(QCL)は、「分子の指紋領域」と呼ばれる波長4 µm~15 µmに発振波長を持つ半導体レーザです。ppbレベルの微量ガスの検出など、次世代のガス計測用光源として普及しています。近年では、1 µm を超える波長スキャンが可能な外部共振器型のQCLも製品化されており、非侵襲のグルコース計測や、食品や農作物の味覚の評価、有機化合物の表面残渣の遠隔分析など、FTIRに代わる次世代の赤外分析装置への応用展開が急速に進んでいます。また、プラスチックやフィルムなどの加工用途として高出力化の進展も目覚ましく1Wを超える高出力化が達成されています。さらに、テラヘルツQCLを更に長波長化することでギガヘルツ帯でのレーザ発振も実現されており、事務所やデータセンター内などでの短距離の高速大容量通信への応用も期待されています。光検出器においては、TypeⅡ超格子構造を用いた14.3 µmまでの感度を有する量子型・化合物光半導体素子が製品化されるなど、QCLを中心にした中赤外デバイスは新たな局面を迎えています。
本セミナーでは、量子カスケードレーザおよび量子型・赤外光検出器の基礎と特徴を、応用例と将来展望を織り交ぜながら概説します。

放射温度計とその応用

(株)堀場製作所 辰巳 浩規 氏
 一般的な温度計測方法は2種類に分類されます。センサそのものが測定対象物に接触することにより生じる熱起電力や素子の特性変化から温度を求める接触式温度計測方法(代表例:熱電対式温度計、サーミスタ)と、測定対象物から放射される電磁波を検出して温度を求める非接触温度計測方法(代表例:放射温度計)があります。
本講座で紹介する放射温度計は、対象物に触れることなく、接触式温度計測より高速な温度計測が可能です。さらに、非接触であるため移動物や回転物の温度を測定できるメリットがあります。しかし、放射温度計の測定原理から起因するノイズや非接触式特有の放射率といった測定者が設定すべきパラメータがあり、測定者を悩ませています。そのため、接触式温度計と比べ、放射温度計の使用者には十分な測定原理への理解が求められます。
そこで、本講座では放射温度計の測定原理から放射温度計を実際に使う上での留意点について紹介します。 そして、放射温度計を用いて、正しく測定を行う上でのコア技術とアプリケーション例の紹介をします。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

赤外線カメラとその応用

日本アビオニクス(株) 奥田 雄飛 氏
赤外線の歴史は、1800年W. Herschel(英)が発見したことから始まり、その後多くの研究がなされ、現在では広い分野でその技術が応用されている。その一つに赤外線カメラがあり、「全ての物体からは、その温度に関係付けられるエネルギー(プランクの放射則)の赤外線が放射される」という原理から、その赤外線を画像化する暗視カメラや、定量化し温度計測カメラなどに利用されている。
 近年、非冷却二次元赤外線センサ(UFPA)が開発され、MEMS技術の向上などにより、狭ピッチ・多画素化、高性能化、低価格化が進み、赤外線カメラの様々な分野で利用が拡大している。その種類は使用目的により、保守保全用ハンディタイプ型、研究開発用高性能多機能型、特殊計測用光学フィルタ内蔵型、計測システム用固定設置型など多岐にわたる。
本稿では、赤外線カメラの動作原理、特徴、性能・機能を有効に活用するための技術、更にその応用例について紹介する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

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