2020年11月13日(金) 10:00-12:55 -アネックスホール F201
【-1 紫外線の最前線(於:4F 特設A)

深紫外LED高出力化の現状とロードマップ

丸文(株)/理化学研究所 鹿嶋 行雄 氏
ワット級の高出力化を実現する方法として、p-GaNコンタクト層反射フォトニック結晶による低駆動電圧化、LED素子の発光面積増大化、無機コーテイング膜付きパッケージへの実装による熱効率ドループ対策などに取り組んでいる。

UVC-LEDによる樹脂硬化

大阪府立大学 岡村 晴之 氏
光硬化樹脂は、その速乾性、溶剤レスといった特徴を活かして塗料、インク、接着剤等幅広く用いられており、さらに現在では強度、耐熱性、力学的性質などの高機能化の研究が活発に行われている。一方、光硬化によく用いられる紫外領域の光源として、近年ではエネルギー効率に優れるLED光源が普及し始めており、従来の高圧水銀ランプからの代替のみならず、LEDの特徴を活かした応用に対しても注目が集まっている。深紫外LED (UVC-LED) 光源はセンサーやLED封止剤に関する報告例があるのみであり、光硬化樹脂作製への取り組みは筆者らの報告のみである。従来の光源である高圧水銀灯により作製された光硬化樹脂と同等以上、もしくはそれと異なる新たな機能を有する光硬化樹脂が作製できる可能性を有しており、また、新たな光硬化系として未開拓の波長域の利用可能性を見出し、それを利用した応用開発の基礎が構築されることが期待される。 光硬化樹脂は多様なタイプがあるものの、多量に用いられているアクリル樹脂およびエポキシ樹脂を検討した。シリコン板上に光開始剤を含むアクリルおよびエポキシ光硬化樹脂の塗膜を作製し、265 nm光、 285 nm光、もしくは300 nm光を放射するLEDランプを用いて光硬化を行った。波長、光開始剤の種類、膜厚、雰囲気の影響について検討した。ラジカル光硬化系によるアクリルの光硬化では酸素阻害を軽減できること、また、カチオン光硬化系によるエポキシの光硬化では100 mm以下の薄膜作成において有用であることが分かった。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

高品質AlN結晶の進展と深紫外発光素子への応用

三重大学 三宅 秀人 氏

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2020年11月13日(金) 10:00-12:55 -アネックスホール F201
【-1 紫外線の最前線(Zoom聴講)

深紫外LED高出力化の現状とロードマップ

丸文(株)/ 理化学研究所 鹿嶋 行雄 氏
ワット級の高出力化を実現する方法として、p-GaNコンタクト層反射フォトニック結晶による低駆動電圧化、LED素子の発光面積増大化、無機コーテイング膜付きパッケージへの実装による熱効率ドループ対策などに取り組んでいる。

UVC-LEDによる樹脂硬化

大阪府立大学 岡村 晴之 氏
光硬化樹脂は、その速乾性、溶剤レスといった特徴を活かして塗料、インク、接着剤等幅広く用いられており、さらに現在では強度、耐熱性、力学的性質などの高機能化の研究が活発に行われている。一方、光硬化によく用いられる紫外領域の光源として、近年ではエネルギー効率に優れるLED光源が普及し始めており、従来の高圧水銀ランプからの代替のみならず、LEDの特徴を活かした応用に対しても注目が集まっている。深紫外LED (UVC-LED) 光源はセンサーやLED封止剤に関する報告例があるのみであり、光硬化樹脂作製への取り組みは筆者らの報告のみである。従来の光源である高圧水銀灯により作製された光硬化樹脂と同等以上、もしくはそれと異なる新たな機能を有する光硬化樹脂が作製できる可能性を有しており、また、新たな光硬化系として未開拓の波長域の利用可能性を見出し、それを利用した応用開発の基礎が構築されることが期待される。 光硬化樹脂は多様なタイプがあるものの、多量に用いられているアクリル樹脂およびエポキシ樹脂を検討した。シリコン板上に光開始剤を含むアクリルおよびエポキシ光硬化樹脂の塗膜を作製し、265 nm光、 285 nm光、もしくは300 nm光を放射するLEDランプを用いて光硬化を行った。波長、光開始剤の種類、膜厚、雰囲気の影響について検討した。ラジカル光硬化系によるアクリルの光硬化では酸素阻害を軽減できること、また、カチオン光硬化系によるエポキシの光硬化では100 mm以下の薄膜作成において有用であることが分かった。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

高品質AlN結晶の進展と深紫外発光素子への応用

三重大学 三宅 秀人 氏

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2020年11月13日(金) 13:40-16:35 -アネックスホール F201
【-2 紫外線による殺菌、ウィルス不活化などへの応用(於:4F 特設A)

人体無害殺菌を目指したAlGaN220nm帯深紫外発光の高効率化

京都大学 川上 養一 氏

※会場外からのリモートによる講演

ウイルス不活化効果を有する222nm紫外光の人体への安全性

神戸大学 錦織 千佳子 氏
254nm-UVは殺菌灯として使用されるが、皮膚発がんリスクや眼の障害の観点から人体への照射は認められていない。一方、222nm-UVは254nm-UVと同等の殺菌とウイルス不活化効果を有するが、生体皮膚への単回照射では、代表的な紫外線DNA損傷であるピリミジン二量体を形成しないとされる。我々は222nm-UVの生体への長期照射による皮膚がん発症リスクについて、野生型マウスならびに紫外線発高発がん形質を示すXpa-KOマウスを用いて222nm-UVの長期繰り返し照射により検証した。222nm—UVによる殺菌効果が約0.1 kJ/m2/回であることを勘案して、野生型は5 kJ/m2/回を週3回、Xpa-KOマウスは1.0 kJ/m2/回と0.5 kJ/m2/回の2群ともに週2回、計10週間照射した後15週間の観察期間を設けた。陽性対照群としてXpa-KOマウスにUVBを0.5 kJ/m2で週2回照射した。陽性対照群では全個体に皮膚腫瘍形成を認めたが、222nm−UV照射群では野生型、Xpa-KOマウスともに全個体で皮膚腫瘍は形成されなかった。この長期照射実験に用いたマウスの眼の角膜、水晶体、網膜の障害の程度を観察したが、222nm—UV照射群ではいずれも有意な所見は得られなかった。以上より、222nm-UVは生体表面への細菌、ウイルスの不活化を目的とした照射条件では極めて安全性が高いことが示唆された。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

UVC-LEDの技術とウイルス対策製品の開発

ナイトライドセミコンダクター(株) 村本 宜彦 氏
深紫外線(以下UVC)-LEDは、窒化物半導体の一種で、短波長化のためにアルミニウムの含有量を増やす必要性から、結晶欠陥が増加、クラックが多く発生するため、良質な結晶を得ることが困難でした。弊社は、Gaのドロップレットによって組成揺らぎの増大を図ることで問題を解決。この技術は今やUVC-LED製造には必要不可欠な技術になっています。弊社は、仙台医療センターウイルスセンターとの共同研究で、大気中の浮遊インフルエンザウイルスの不活化検証、レジオネラ菌の水中殺菌、ノロウイルスの不活化、そして、コロナウイルス229Eの不活化は当然のことながら、ウイルスを医療現場の実態に則して、N95マスクに付着させて、安全に不活化できること等を実証しました。 2020年以降、水俣条約により、UVランプの製造、取引が制限されますが、相変わらず、殺菌灯としてUVランプが、殺菌Boxや、自走ロボットに使用されています。今後、タフ、長寿命、低消費電力、オンオフ制御が容易といったUVC-LEDの特長を生かして、 様々な機器への応用が期待されています。
本講演では、その一端を、ご紹介致します。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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2020年11月13日(金) 13:40-16:35 -アネックスホール F201
【-2 紫外線による殺菌、ウィルス不活化などへの応用(Zoom聴講)

人体無害殺菌を目指したAlGaN220nm帯深紫外発光の高効率化

京都大学 川上 養一 氏

※会場外からのリモートによる講演

ウイルス不活化効果を有する222nm紫外光の人体への安全性

神戸大学 錦織 千佳子 氏
254nm-UVは殺菌灯として使用されるが、皮膚発がんリスクや眼の障害の観点から人体への照射は認められていない。一方、222nm-UVは254nm-UVと同等の殺菌とウイルス不活化効果を有するが、生体皮膚への単回照射では、代表的な紫外線DNA損傷であるピリミジン二量体を形成しないとされる。我々は222nm-UVの生体への長期照射による皮膚がん発症リスクについて、野生型マウスならびに紫外線発高発がん形質を示すXpa-KOマウスを用いて222nm-UVの長期繰り返し照射により検証した。222nm—UVによる殺菌効果が約0.1 kJ/m2/回であることを勘案して、野生型は5 kJ/m2/回を週3回、Xpa-KOマウスは1.0 kJ/m2/回と0.5 kJ/m2/回の2群ともに週2回、計10週間照射した後15週間の観察期間を設けた。陽性対照群としてXpa-KOマウスにUVBを0.5 kJ/m2で週2回照射した。陽性対照群では全個体に皮膚腫瘍形成を認めたが、222nm−UV照射群では野生型、Xpa-KOマウスともに全個体で皮膚腫瘍は形成されなかった。この長期照射実験に用いたマウスの眼の角膜、水晶体、網膜の障害の程度を観察したが、222nm—UV照射群ではいずれも有意な所見は得られなかった。以上より、222nm-UVは生体表面への細菌、ウイルスの不活化を目的とした照射条件では極めて安全性が高いことが示唆された。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

UVC-LEDの技術とウイルス対策製品の開発

ナイトライドセミコンダクター(株) 村本 宜彦 氏
深紫外線(以下UVC)-LEDは、窒化物半導体の一種で、短波長化のためにアルミニウムの含有量を増やす必要性から、結晶欠陥が増加、クラックが多く発生するため、良質な結晶を得ることが困難でした。弊社は、Gaのドロップレットによって組成揺らぎの増大を図ることで問題を解決。この技術は今やUVC-LED製造には必要不可欠な技術になっています。弊社は、仙台医療センターウイルスセンターとの共同研究で、大気中の浮遊インフルエンザウイルスの不活化検証、レジオネラ菌の水中殺菌、ノロウイルスの不活化、そして、コロナウイルス229Eの不活化は当然のことながら、ウイルスを医療現場の実態に則して、N95マスクに付着させて、安全に不活化できること等を実証しました。 2020年以降、水俣条約により、UVランプの製造、取引が制限されますが、相変わらず、殺菌灯としてUVランプが、殺菌Boxや、自走ロボットに使用されています。今後、タフ、長寿命、低消費電力、オンオフ制御が容易といったUVC-LEDの特長を生かして、 様々な機器への応用が期待されています。
本講演では、その一端を、ご紹介致します。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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【不可抗力】台風、洪水、地震を含む天災、あるいはそれらを原因とする様々な事態、疾病や伝染病の蔓延、労働争議、主催者の合理的なコントロールを超えた会場設備の使用制限や講師の欠席等を含むもの


[ 特定商取引法に基づく表記 ]