2020年11月13日(金) 09:30-12:25 -アネックスホール F201
【-1 高出力青色・緑色レーザー開発と加工への応用展開(於:5F 特設B)

高輝度加工用青色半導体レーザーの新展開

大阪大学 塚本 雅裕 氏
一般的なレーザー溶接やレーザー切断など金属加工用に用いられているレーザーは、波長0.8-1.06μmの近赤外線レーザーである。しかし、難加工材料である銅は、近赤外線レーザーの波長域では吸収率が10%以下と低いため、高出力な近赤外線レーザーを用いても純銅の加工は難しい。一方で可視光である青色半導体レーザー(波長450nm)は金属に対する吸収率が高く、銅などの材料への加工に適しており、金属加工用次世代レーザー加工機の光源として応用が期待されている。そこでNEDOプロジェクト「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」(2016年度~2020年度)において、高出力かつ高輝度な青色半導体レーザーを実現するための研究を進めている。本プロジェクトでは高輝度高出力青色半導体レーザーの開発を行い、本レーザーを活用したLMD方式の3Dプリンティング技術開発を行なっている。開発したレーザー加工技術の社会実装としてLMD方式3Dプリンターを工作機械へ搭載した。また、本技術により不特定多数の人が触れる手すり・取っ手・ドアノブなどの金属部品へ、銅コーティングすることで、ウイルスによるリスクを低減する公衆衛生環境の実現への応用展開が期待できる。
本講演では高輝度青色半導体レーザー開発と3Dプリンティング技術開発をはじめとする青色半導体レーザーを用いた加工技術の適用事例について報告する。

高出力ブルー半導体レーザとその加工応用

レーザーライン(株) 皆川 邦彦 氏
近年自動車業界を中心に、モーター等を始めとした銅材料を使用した、電装部品の溶接技術の開発が活発化している。従来のIR帯でのレーザ波長では、その光をほとんど反射してしまうため、安定した加工条件を得ることは難しかったが、高出力なブルーレーザの登場により、その加工への応用が非常に期待されている。ブルーレーザの発振波長は450nmと従来のIR帯のレーザに比べ短波長側であるため、銅を始めとする高反射材料や、多くの金属材料において吸収率が大きく改善される。ブルーレーザは、様々な分野で適用が拡大しているGaN系の半導体レーザ素子を、レーザ光源として使用することで、従来のミラー共振器を持つレーザ光源とは全く異なり、通電することで簡単にレーザ発振する、電化製品のような産業用光源である。レーザーライン社はダイレクト半導体レーザ装置の専門メーカとして20年以上に渡り半導体レーザの高出力化、集光技術の技術開発を継続してきた。ブルーレーザについても、ドイツの国家プロジェクトに始まり、市販化に向け装置開発を進め、キロワットクラスのブルーレーザの販売をいち早く開始した。現在は既に出力2kW機のブルーレーザの販売が開始されており、 本講演では技術開発の進展が目覚ましい、レーザーライン社の高出力ブルー半導体レーザの最新動向と、その適用例を紹介していく。

高出力・高ビーム品質 緑色レーザーとその加工応用

トルンプ(株) 中村 強 氏
トルンプのグリーンレーザーはディスクレーザーの共振器内に波長変換用の非線形結晶を挿入した波長変換方式を採用している。それによりグリーンレーザーも基本波と同じ特性を有し、大出力・高ビーム品質が両立されており、1kWで50µm、2kWで150µmのコア径のファーバーに導入が可能で、標準で2光路仕様となっている。グリーン波長は基本波と比較し銅に対する吸収率が大幅に改善されるため、基本波では不可能であった銅の熱伝導型溶接や精密な溶融深さのコントロールが可能になる。さらに吸収率が高いため反射光が少なく、周囲に樹脂等の熱に弱い部品が配置されているような箇所の銅端子溶接も周囲に反射光によるダメージを与えず直接レーザーを照射して行うことが可能である。高ビーム品質であるためスキャナーの使用や3Dプリンターへの応用も可能で、純銅の複雑な3D形状の造形も可能である。このような多くの利点を有するグリーンレーザーに関して、基本的な装置の概要およびグリーンレーザーによる加工例を紹介する。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

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2020年11月13日(金) 09:30-12:25 -アネックスホール F201
【-1 高出力青色・緑色レーザー開発と加工への応用展開(Zoom聴講)

高輝度加工用青色半導体レーザーの新展開

大阪大学 塚本 雅裕 氏
一般的なレーザー溶接やレーザー切断など金属加工用に用いられているレーザーは、波長0.8-1.06μmの近赤外線レーザーである。しかし、難加工材料である銅は、近赤外線レーザーの波長域では吸収率が10%以下と低いため、高出力な近赤外線レーザーを用いても純銅の加工は難しい。一方で可視光である青色半導体レーザー(波長450nm)は金属に対する吸収率が高く、銅などの材料への加工に適しており、金属加工用次世代レーザー加工機の光源として応用が期待されている。そこでNEDOプロジェクト「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」(2016年度~2020年度)において、高出力かつ高輝度な青色半導体レーザーを実現するための研究を進めている。本プロジェクトでは高輝度高出力青色半導体レーザーの開発を行い、本レーザーを活用したLMD方式の3Dプリンティング技術開発を行なっている。開発したレーザー加工技術の社会実装としてLMD方式3Dプリンターを工作機械へ搭載した。また、本技術により不特定多数の人が触れる手すり・取っ手・ドアノブなどの金属部品へ、銅コーティングすることで、ウイルスによるリスクを低減する公衆衛生環境の実現への応用展開が期待できる。
本講演では高輝度青色半導体レーザー開発と3Dプリンティング技術開発をはじめとする青色半導体レーザーを用いた加工技術の適用事例について報告する。

高出力ブルー半導体レーザとその加工応用

レーザーライン(株) 皆川 邦彦 氏
近年自動車業界を中心に、モーター等を始めとした銅材料を使用した、電装部品の溶接技術の開発が活発化している。従来のIR帯でのレーザ波長では、その光をほとんど反射してしまうため、安定した加工条件を得ることは難しかったが、高出力なブルーレーザの登場により、その加工への応用が非常に期待されている。ブルーレーザの発振波長は450nmと従来のIR帯のレーザに比べ短波長側であるため、銅を始めとする高反射材料や、多くの金属材料において吸収率が大きく改善される。ブルーレーザは、様々な分野で適用が拡大しているGaN系の半導体レーザ素子を、レーザ光源として使用することで、従来のミラー共振器を持つレーザ光源とは全く異なり、通電することで簡単にレーザ発振する、電化製品のような産業用光源である。レーザーライン社はダイレクト半導体レーザ装置の専門メーカとして20年以上に渡り半導体レーザの高出力化、集光技術の技術開発を継続してきた。ブルーレーザについても、ドイツの国家プロジェクトに始まり、市販化に向け装置開発を進め、キロワットクラスのブルーレーザの販売をいち早く開始した。現在は既に出力2kW機のブルーレーザの販売が開始されており、 本講演では技術開発の進展が目覚ましい、レーザーライン社の高出力ブルー半導体レーザの最新動向と、その適用例を紹介していく。

高出力・高ビーム品質 緑色レーザーとその加工応用

トルンプ(株) 中村 強 氏
トルンプのグリーンレーザーはディスクレーザーの共振器内に波長変換用の非線形結晶を挿入した波長変換方式を採用している。それによりグリーンレーザーも基本波と同じ特性を有し、大出力・高ビーム品質が両立されており、1kWで50µm、2kWで150µmのコア径のファーバーに導入が可能で、標準で2光路仕様となっている。グリーン波長は基本波と比較し銅に対する吸収率が大幅に改善されるため、基本波では不可能であった銅の熱伝導型溶接や精密な溶融深さのコントロールが可能になる。さらに吸収率が高いため反射光が少なく、周囲に樹脂等の熱に弱い部品が配置されているような箇所の銅端子溶接も周囲に反射光によるダメージを与えず直接レーザーを照射して行うことが可能である。高ビーム品質であるためスキャナーの使用や3Dプリンターへの応用も可能で、純銅の複雑な3D形状の造形も可能である。このような多くの利点を有するグリーンレーザーに関して、基本的な装置の概要およびグリーンレーザーによる加工例を紹介する。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

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2020年11月13日(金) 13:10-16:05 -アネックスホール F201
【-2 中赤外~テラヘルツ光の新展開(於:5F 特設B)

中赤外ファイバーレーザーの進展と応用展開

大阪大学 時田 茂樹 氏
現在主流の高出力ファイバーレーザーは波長1 μmのYbファイバーレーザーであるが、近年、2 μmや2.8 μmといった中赤外波長域のファイバーレーザーが登場している。中赤外ファイバーレーザーは従来の近赤外ファイバーレーザーと同様に、高出力かつ高ビーム品質という特徴をもち、産業、医療、研究、計測などの用途への応用が始まっている。産業用途ではガラスや樹脂の加工、医療用途ではレーザーメスや非侵襲的診断、研究用途ではより長波長の赤外レーザーの励起や分光分析、計測用途では汚染物質の遠隔計測などの応用例がある。
本セミナーでは、波長2 μmのTmファイバーレーザーおよび2.8 μmのErファイバーレーザー等を取り上げ、レーザー発振の原理や光源としての特徴を解説し、これらの中赤外ファイバーレーザーとそれに派生する新しいレーザー光源について紹介する。また、具体的な応用例を挙げて中赤外レーザーへの理解を深め、将来展望について触れる。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

低融点ガラス高非線形微細構造光ファイバによる中赤外光波の発生

豊田工業大学 大石 泰丈 氏
波長2.5~25μmの中赤外領域は分子結合固有の吸収が多く存在しており、物質の特定や検出に適している。そのため、中赤外領域の分光計測を用いた医療・産業・先端計測分野などの新技術の開拓が期待されており、中⾚外領域の分光計測の実現に向けた中赤外広帯域光発生の研究が進められている。現在注目を集めている広帯域光の⼀つがスーパーコンティニューム光である。テルライトやカルコゲナイドガラスは石英ガラスより格段に高い非線形性(約数100倍)および広い光透過特性を持つ優れた素材であるが、高非線形光ファイバへの応用が困難であった。それは材料分散が大きいため、高効率非線形現象の発現に必要な波長分散値を低減できないためであった。ファイバ径がサブミクロンの所謂ナノファイバを使った分散制御が試みられているが限られた波長分散特性しか実現できないという課題がある。 光ファイバを用いると高い空間的・時間的コヒーレンスを同時に有するSC光の発生が可能である。光ファイバを⽤いたSC光発生の波⻑域は、年々長波長域に拡大し、2014年には1.4~13.3μmに広がるSC光発生も報告されているが、これまで高コヒーレント中赤外SC光の発生はなされていない。ここでは、光学⾮線形係数が大きく中赤外域の透過率が高いテルライトやカルコゲナイドガラス光ファイバを用いた高コヒーレント中赤外広帯域SC光の発生を中心に中赤外光波の研究について述べる。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

高強度テラヘルツ波パラメトリック光源の開発現状と将来応用

理化学研究所 南出 泰亜 氏

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2020年11月13日(金) 13:10-16:05 -アネックスホール F201
【-2 中赤外~テラヘルツ光の新展開(Zoom聴講)

中赤外ファイバーレーザーの進展と応用展開

大阪大学 時田 茂樹 氏
現在主流の高出力ファイバーレーザーは波長1 μmのYbファイバーレーザーであるが、近年、2 μmや2.8 μmといった中赤外波長域のファイバーレーザーが登場している。中赤外ファイバーレーザーは従来の近赤外ファイバーレーザーと同様に、高出力かつ高ビーム品質という特徴をもち、産業、医療、研究、計測などの用途への応用が始まっている。産業用途ではガラスや樹脂の加工、医療用途ではレーザーメスや非侵襲的診断、研究用途ではより長波長の赤外レーザーの励起や分光分析、計測用途では汚染物質の遠隔計測などの応用例がある。
本セミナーでは、波長2 μmのTmファイバーレーザーおよび2.8 μmのErファイバーレーザー等を取り上げ、レーザー発振の原理や光源としての特徴を解説し、これらの中赤外ファイバーレーザーとそれに派生する新しいレーザー光源について紹介する。また、具体的な応用例を挙げて中赤外レーザーへの理解を深め、将来展望について触れる。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

低融点ガラス高非線形微細構造光ファイバによる中赤外光波の発生

豊田工業大学 大石 泰丈 氏
波長2.5~25μmの中赤外領域は分子結合固有の吸収が多く存在しており、物質の特定や検出に適している。そのため、中赤外領域の分光計測を用いた医療・産業・先端計測分野などの新技術の開拓が期待されており、中⾚外領域の分光計測の実現に向けた中赤外広帯域光発生の研究が進められている。現在注目を集めている広帯域光の⼀つがスーパーコンティニューム光である。テルライトやカルコゲナイドガラスは石英ガラスより格段に高い非線形性(約数100倍)および広い光透過特性を持つ優れた素材であるが、高非線形光ファイバへの応用が困難であった。それは材料分散が大きいため、高効率非線形現象の発現に必要な波長分散値を低減できないためであった。ファイバ径がサブミクロンの所謂ナノファイバを使った分散制御が試みられているが限られた波長分散特性しか実現できないという課題がある。 光ファイバを用いると高い空間的・時間的コヒーレンスを同時に有するSC光の発生が可能である。光ファイバを⽤いたSC光発生の波⻑域は、年々長波長域に拡大し、2014年には1.4~13.3μmに広がるSC光発生も報告されているが、これまで高コヒーレント中赤外SC光の発生はなされていない。ここでは、光学⾮線形係数が大きく中赤外域の透過率が高いテルライトやカルコゲナイドガラス光ファイバを用いた高コヒーレント中赤外広帯域SC光の発生を中心に中赤外光波の研究について述べる。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

高強度テラヘルツ波パラメトリック光源の開発現状と将来応用

理化学研究所 南出 泰亜 氏

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