オプティクスセミナー

2022年11月11日(金) 10:30-13:00 第3会議室
【OS-1 デジタル×光が拓く最先端イメージング技術

日本光学会

RGBカメラを利用した生体機能計測・イメージングと医療・ヘルスケア応用

東京農工大学大学院 生物システム応用科学府 准教授 西舘 泉 氏
拡散反射分光法(Diffuse reflectance spectroscopy, DRS)を利用した計測では、丸ごとの生体組織から得られる拡散反射スペクトルを生体内の光伝搬に基づき解析し、吸光・光散乱特性を評価することで、生体機能や生理学的変化に関する情報を把握することができる。

中でも、可視域の定常白色光源とRGBカラーカメラを用いた拡散光イメージングは簡易・安価な計測システムで実現可能であり、医療・ヘルスケア分野において様々な応用が期待できる。

本講演ではRGBカラーカメラを用いた生体内の種々の色素タンパク(酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、メトヘモグロビン、ビリルビンなど)の計測・イメージング法や非接触型の脈拍・呼吸・血中酸素飽和度モニタリング法など、医療・ヘルスケア分野への応用に向けた著者らのこれまでの研究を中心に紹介する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/ 中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

ホログラフィーを用いた新しい3Dイメージング技術 ~深層学習や光導波路との融合による展開~

電気通信大学 准教授 渡邉 恵理子 氏
ホログラフィーは1947年にGábor Dénes氏により発明され、1971年にノーベル物理学賞を受賞した3次元イメージング技術です。複素振幅分布を記録・再生可能な特性を活かし、今もなお様々な研究がおこなわれています。

本セミナーでは、はじめに、デジタルホログラフィなどの原理、近年のホログラフィーの研究動向に関して概説します。つぎに、我々の研究している平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡に関して紹介します。

デジタルホログラフィック顕微鏡(Digital Holographic Microscope: DHM)は、撮像したホログラムからサンプルの振幅と定量位相情報を取得することができるため、微小な物体に対する3次元イメージングが可能です。

我々は、従来のDHMよりも圧倒的な超小型化と高速化を実現可能な熱光学位相シフタを搭載した高速平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡を開発してきました。

さらにマルチスペクトルイメージングに向けた可視光アレイ導波路グレーティングを組み込んだ平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡を提案してきています。
これらの導波路型顕微鏡に関する技術概説とこの先の展望を提示します。

さらに、シングルピクセルイメージングと深層学習により、散乱や揺らぎ層を通した時間的に揺らぐ空間ノイズが除去できるイメージング技術や、シングルピクセルデジタルホログラフィによる新しい高速3Dイメージングに関しても紹介します。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

生体内部を可視化する散乱透視イメージング

神戸大学次世代光散乱イメージング科学研究センター 教授,センター長 的場 修 氏
散乱やゆらぎの現象は、生体内部の可視化から空間情報通信や天体観測までマルチスケールで現れ、必要な情報を見えなくする。

これらの課題を解決するために、生命内部のイメージングにおいては、蛍光を扱うことに特化して、相関処理と位相回復を組み合わせる方法や透過行列を用いる方法、機械学習を用いる方法等が提案されている。

本講演では、散乱体の内部及びその向こう側を高分解能に可視化する、散乱透視イメージング技術を紹介する。はじめに、散乱現象について説明する。
次に、散乱透視イメージングを実現する新しい取り組みとして、相関処理と位相回復を組み合わせる方法や透過行列を用いる方法、機械学習を用いる方法等を実験結果を交えて紹介する。最後に、全体を概観し、今後の展望を述べる。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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