オープンセミナー『NTTによるIOWNセミナー』

2023年04月19日(水) 13:15-15:55 展示会場内特設会場2
【IW-1 NTTによるIOWN構想と光技術の開発動向

IOWN構想(仮)

日本電信電話(株) IOWN総合イノベーションセンタ 大石 哲矢 氏

All Photonics Network(APN)の実現にむけた研究開発の取り組み

日本電信電話(株) NTTネットワークサービスシステム研究所 主任研究員 岡田 真悟 氏
NTTではIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想において既存ネットワークよりもはるかに大容量・低遅延かつ低消費電力を実現可能な基盤ネットワークとしてAll Photonics Network (APN) の研究開発・技術確立に取り組んでいる。
これはネットワークに接続されるあらゆるデバイスを対象として、すべての情報伝送と中継処理をフォトニクスベースへ転換することで光の広帯域性 ・ 柔軟性を十分に活用し、端末 ・ ユーザ ・ サービスごとに、多地点間にフルメッシュ接続された光パスを波長単位で提供することを目指したネットワークである。

現在の通信システムでは、網内において複数回の光信号と電気信号の変換が必要だが、APNでは電気信号を用いることなく光信号だけで通信を確立することを最終的なターゲットとしている。情報ごとに異なる波長を割り当てることで、例えば8K120P非圧縮映像のような高精細なコンテンツを大量に送りながら、自動運転や遠隔手術などミッションクリティカルな通信を同時かつ超低遅延に提供することが可能となる。
また、従来の伝送ネットワーク・光パスのような固定的な運用ではなくSDN制御を利用した動的な運用とすることで任意の地点に柔軟な光パスを提供可能となる。

本講演ではAPNのアーキテクチャや要素技術の研究開発の取り組み及び今後の推進の方向性についてご紹介する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

デジタルコヒーレント光トランシーバー向け光電融合デバイス

日本電信電話(株) NTTデバイスイノベーションセンタ フォトニックネットワークデバイスプロジェクト プロジェクトマネージャ 亀井 新 氏
IOWN構想の基盤の1つであるオールフォトニクス・ネットワークの実現に向け、デジタルコヒーレント通信に適用する、光電融合型の超小型光送受信デバイスの開発を行っている。

デジタルコヒーレント光トランシーバーの小型化・高速化のトレンドとともに、シリコンフォトニクス技術を活用した超小型光送受信回路と電子回路のコパッケージ化による、光インターフェースの超小型化および経済化技術について、最近の進展状況を紹介する。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

短距離光インターコネクションに向けたメンブレン光デバイスの研究

日本電信電話(株) NTT先端集積デバイス研究所 主幹研究員 グループリーダ 工学博士 瀬川 徹 氏
IOWN構想の実現に向け、長距離通信で培った光技術を短距離通信にも適用する光電融合技術の研究開発を進めている。現在までに光通信技術は国際間の長距離通信や国内のメトロ・アクセス網に適用され、近年ではデータセンタ間の通信に、さらにはデータセンタ内のラック間やボード間の通信に適用されている。
一方、ボード内の通信には電気配線が用いられているが、電気配線は、データの速度や伝送距離の増加に伴い伝送損失が大きくなるというデメリットがある。

一方、光配線は、速度が増大しても損失は一定であり消費電力の増加は小さいという特徴がある。NTTでは、ボード内の短距離通信に光技術を適用し、データの処理や伝送にかかる電子機器の高速化と低消費電力化をめざす光インターコネクションの研究開発を進めている。

光インターコネクションの短距離化は、利用される素子数の増大につながるため低コストに大量の光送受信素子を1チップ集積することが重要である。そのためにはシリコンフォトニクス技術の利用が必要不可欠である。これまでに、シリコンフォトニクス技術を用いて高性能な光フィルタなどが実現されているが、一方で、シリコンではレーザや高効率な変調器が作製できないため化合物半導体の異種材料集積が課題である。

本講演では、NTTで進めている化合物半導体のメンブレン光デバイスの研究開発状況について講演する。メンブレン光デバイスはコア層への光閉じ込めが大きいことにより高効率な変調が得られるのが特長である。また、シリコンフォトニクスデバイスとの集積においてもシリコン基板上への直接接合と化合物半導体の結晶成長で作製可能であるという特長も有する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

ナチュラルフォトニクスを実現する光デバイス技術

日本電信電話(株) NTT先端集積デバイス研究所 上席特別研究員 橋本 俊和 氏
光は、通信において情報伝達媒体として用いられ現在の情報社会を支えています。IOWN構想においてはAll-Photonics Networkのみならず、IOWNによりもたらされる多様でナチュラルな世界を実現する上でも大きな果たす役割を担うものとして期待されています。

NTTでは、光ファイバ通信向けに長年培ってきた光デバイス技術を基に、ナチュラルな世界を実現する光の技術=ナチュラルフォトニクスの研究開発を進めています。

本講演では、光に含まれる情報から価値を生み出し、光を通じてよりナチュラルなコミュニケーションを実現するために、NTTで研究開発を進めている、光を操る最先端の光デバイス技術として

 1)網膜投影型ディスプレイ向けのめがねのつるに入る超小型光源を実現する光回路
 2)イメージセンシングを高度化する、超薄型薄膜光学素子 光メタサーフェス

を紹介します。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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