TACMIコンソーシアム主催オープンセミナー

2023年04月21日(金) 13:00-16:15 展示会場内特設会場1
【TCM-1 第6回TACMIコンソーシアムシンポジウム ― 半導体を支えるレーザー技術 ー

TACMIコンソーシアムシンポジウム

開会のあいさつ

東京大学 小林 洋平 氏

来賓挨拶

理化学研究所 五神 真 氏

来賓挨拶

経済産業省 金指 壽 氏

日本の半導体戦略と東大の取り組み

東京大学 大学院工学系研究科 教授 黒田 忠広 氏
エネルギー危機の解決なくしてデータ駆動型社会の持続可能な発展はない。そのために、生産効率の高い汎用チップからエネルギー効率の高い専用チップに時代が移る。

汎用チップの時代はデバイス製造の競争であったが、専用チップの時代は設計の競争になる。より多くの人が専用チップを開発できること、すなわち半導体の民主化で世界を変える技術が生まれる。
専用チップを従来の1/10の期間と費用で実現するAgile開発プラットフォームを創り、半導体の民主化を推し進め、世界の頭脳を惹きつけることが重要である。

日本の財産である素材・製造装置産業と人材を高度化することが日本の半導体戦略である。これからはMore MooreとMore than MooreによるナノテクとMore Peopleによる民主化が知価を生む。
日米連携が日本の半導体復活の大きな追い風となる。アカデミアの役割は人材育成。人材こそが資本であり未来を拓く。

東京大学は、半導体の将来像をオープンに議論するd.labと半導体の民主化を推進するAgile-XプラットフォームでMore Peopleを目指す。それに加えて、産官学連携をクローズドに行う技術研究組合RaaSは、国際連携でMore Mooreを追究し、国内に点在する優れた技術を結集してMore than Mooreのチョークポイント技術を研究開発する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

半導体後工程に資する紫外レーザー

スペクトロニクス(株) 代表取締役社長 長岡 由木彦 氏
・スペクトロニクス紹介
・当社独自開発LD-GS方式ピコ秒短パルスレーザの概要説明
・当社ピコ秒深紫外レーザの特色、High Powerと長期信頼性
・半導体後工程のトレンド、微細化、新材料、直描レーザのニーズ
・ピコ秒深紫外レーザが貢献可能なアプリケーション
・加工事例
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

半導体量産用前工程プロセスにおけるレーザー技術の応用

九州大学 溝口 計 氏
最先端リソグラフィはDUV領域からEUV領域へ長足の進歩を遂げつつある。

真打と言われながらもボトルネックになっていたEUV(極端紫外線)波長でのEUV光源の性能改善がようやく進展し、2018年頃から半導体製造現場での250 W運転の成功も報告されるようになった。これによってロジックデバイス製造メーカを中心にEUV露光装置の本格導入がすでに始まっている。最先端リソグラフィのフラグシップが一律に切り変わっていた時代から、

 (1)ロジックデバイス、DRAMはEUV+ArF液浸または液浸多重露光(前工程1)
 (2)KrFを使い3D構造化し階層数が増加するNANDフラッシュメモリ(前工程2)
 (3)パッケージング工程の微細化の進展(従来は後工程と呼ばれていたが、最近の微細なものは中工程の名称で呼ばれる)

これと軌を一にして半導体製造技術(中間層、高密度実装)も最先端で大きく変貌しつつある。

本講演ではその動向について解説する。さらに従来は前工程、後工程と分類されてきた半導体製造プロセスに最近挿入されつつある中工程(Middle End Process)へのDUVエキシマレーザの適用による最先端高密度実装への挑戦について報告する。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

半導体パッケージ用レーザー穴あけ加工機

三菱電機(株) 先端技術総合研究所 駆動制御システム技術部 技術顧問 西前 順一 氏
2000年前後、半導体の微細化に対応する高密度実装基板の工法としてビルドアップ工法が進展し、ビルドアップ基板のビア穴を形成する手段として、CO2レーザーを光源とするビア用レーザー穴あけ加工機が開発された。

本講演では、まずCO2レーザーを光源とするビア用レーザー加工機の進展について紹介する。
また現在、EUV露光の実用化によって半導体チップのさらなる微細化が進むとともに、IoTや自動車(CASE)等による多用途・多品種要求に対応するための新たな半導体パッケージ製造手段が求められている。
この要求に応える可能性を有する手段として、深紫外ピコ秒レーザーを光源とするレーザー穴あけ加工機の開発を行っている。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

最先端半導体パッケージを支えるABF

味の素ファインテクノ(株) 藤原 祥雅 氏
味の素ファインテクノ(株)は、1999年より半導体パッケージ用層間絶縁材料Ajinomoto Build-up Film®(ABF)を上市、20年以上にわたり半導体パッケージの進化を支えてきた。

近年、とりわけ2020年以降の半導体市場の急速な拡大に伴い、データセンターのサーバー用途、及び通信ネットワーク用途を中心に半導体パッケージ基板の需要も拡大している。

サーバーおよび通信ネットワーク向け半導体パッケージでは、高速信号に対応するため、伝送損失の少ない低誘電正接の層間絶縁材料へのニーズが高まっている。高速通信用半導体では誘電特性のコントロールが重要であり、当社としても低誘電正接ABFの積極的な開発を進めている。
また、半導体プロセスノードの進化の陰り、製造コストの上昇など諸問題を解決する手段としてChipletが提案された今、後工程の重要さも増している。その実現においても層間絶縁材料は重要な役割を果たしている。

本講演では、最先端半導体パッケージの市場トレンドを紹介するとともに、半導体パッケージに求められるABF、特に高周波対応の低誘電正接材料に関して発表を行う。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

閉会のあいさつ

東京大学 田丸 博晴 氏

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黒田 忠広

東京大学

大学院工学系研究科 教授

1982年東京大学工学部電気工学科卒業。工学博士。同年(株)東芝入社。1988年~90年カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員。2000年慶應義塾大学助教授、2002年教授、2019年名誉教授。 2007年カリフォルニア大学バークレイ校MacKay Professor。2019年東京大学大学院教授、d.labセンター長。2020年RaaS理事長。60件の招待講演と30件の著書を含む300件以上の技術論文を発表。200件以上の特許を取得。IEEE SSCS監理委員会メンバー、IEEE上級講師、IEEE/SSCS Region10代表、A-SSCC委員長を歴任。IEEEフェロー。電子情報通信学会フェロー。VLSIシンポジウム委員長。

長岡 由木彦

スペクトロニクス株式会社

代表取締役社長

日本ビクター株式会社(現JVCケンウッド)、JVC Company of America、株式会社ミスミグループ本社、MISUMI Europa GmbH、アマゾンジャパンを経て2021年2月にスペクトロニクス株式会社顧問、同年4月より現職。 欧米通算14年にわたる勤務、経営経験を活かしてスペクトロニクスの事業変革・経営体制強化・成長戦略を担う。

溝口 計

九州大学

大学院システム情報工学科 光量子プロセス研究開発センタ 客員教授

九州大学大学院システム情報工学科光量子プロセス研究開発センタ客員教授。元ギガフォトン㈱副社長、CTO、シニア・フェロー。SPIEフェロー。工学博士。日本レーザー学会会員。日本応用物理学会会員。
1982年九州大学総合理工学研究科、村岡研究室修了。コマツ入社。マックスプランク研究所客員研究員(1988-1990)1994年工学博士。1990年以来、リソグラフィ用KrF、ArF、F2レーザ、LPP-EUV光源、ハイブリッド・エキシマレーザの研究開発に従事。2000年ギガフォトン社創設のメンバ。要素開発部長、カスタマーサポート事業部長、研究部長、CTO,代表取締役副社長を歴任し2023年3月定年退職。 2002年、2016年、レーザー学会論文賞(DUVレーザー、EUV光源)受賞。2009年および2019年日本レーザー学会産業賞(装置部門)受賞(ギガフォトン社:GT62AおよびGT6XAシリーズ)。2018年光振興協会桜井賞受賞。2020年IAAM Scientist Awardを受賞.

西前 順一

三菱電機株式会社

先端技術総合研究所 駆動制御システム技術部 技術顧問

1984年東京大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、三菱電機株式会社に入社。
CO2レーザー発振器および増幅器の開発、LD励起固体レーザー発振器および波長変換レーザーの開発、ならびに各種光源を用いたレーザー加工システムの開発に従事し、現在に至る。
2000年前後のビルドアップ基板の立ち上がり時に、ビア穴形成用のパルスCO2レーザーの開発を手掛け、現在、次世代半導体パッケージ加工用の深紫外ピコ秒レーザー加工機の開発に従事。

藤原 祥雅

味の素ファインテクノ株式会社

電子材料事業部 ABFグループ マネジャー

2007年 味の素㈱入社 研究開発に従事 2015年 味の素ファインテクノ㈱電子材料事業部にて事業開発に従事 2019年 味の素㈱化成品部にて電子材料事業管理に従事 2022年 現職