応用物理学会フォトニクス分科会主催セミナー

2025年04月25日(金) 13:15-16:00 展示ホール内特設会場2
【APP-1 量子コンピューティング・量子ネットワークの最前線

応用物理学会フォトニクス分科会

挨拶

東京大学/フォトニクス分科会 幹事長 小西 邦昭 氏

量子インターネット実現に向けた光と物質量子系の研究開発

LQUOM(株) 堀切 智之 氏

量子インターネットは、量子通信により量子ビットで世界中を結び付ける。その構築により分散量子コンピュータや量子暗号等の基盤になる期待がされている。

本講演では、量子インターネット実現に向けた研究開発、特に量子中継を構成するハードウェア(量子メモリや量子光源)やそれらの統合技術開発に関して紹介する。また、あわせて当時国内ではおそらく例が無かった量子ハードウェアスタートアップを立ち上げた経緯や、社会実装を目指した取り組みについてもお話する。

光量子コンピュータ超入門 ~基礎から事業化まで~

OptoQC(株) 高瀬 寛 氏

近年、量子コンピュータは夢の情報処理技術として注目を集めていますが、その実現方法にはさまざまなアプローチがあります。本講演では、異なる方式の量子コンピュータを比較しながら、なぜ「光」を用いる方式が有望なのかを解説します。

この分野のブレイクスルーを振り返りながら、どのような技術が使われているのか、近年の飛躍的な進歩の理由は何なのかを紐解きます。

また、OptQCのビジョンや、どのような経緯で設立されたのか、そして現在進めている研究開発や事業展開についてもご紹介します。

大規模超伝導量子計算機に向けた超伝導・磁性ハイブリッド量子技術

東北大学 山下 太郎 氏

超伝導体を用いた量子計算機の研究開発が加速しています。米国IBMが1,121個の量子ビット(量子ビットは量子計算機の基本素子)を実装した超伝導量子プロセッサを報告するなど大規模化が本格化しています。

本講演では主にハードウェアの観点から、超伝導量子ビットの動作原理や量子計算機開発の動向、今後の大規模化に向けた技術課題について説明します。そして、課題を克服するための世界的な取り組みに加え、私達が推進している超伝導と磁性を融合した新しい量子技術について紹介します。

なるべく平易に解説する予定ですので、超伝導量子計算機に少しでも興味がある方はお気軽に参加ください。

コヒーレントイジングマシン

日本電信電話(株) 武居 弘樹 氏

デジタル計算機の進展が飽和しつつある現在、物理系のダイナミクスを用いて従来のデジタル計算機が苦手とする問題を効率よく解く計算機を目指した研究開発が盛んとなっている。

中でも、組合せ最適化問題をイジングモデルの基底状態探索問題に変換し、物理系を用いて構築された人工スピン系による物理学実験によりこの問題を解く「イジングマシン」が近年注目されている。

NTTでは、相互に結合した縮退光パラメトリック発振器(DOPO)を人工スピン系として用いてイジングモデルを模擬するコヒーレントイジングマシン(CIM)の研究開発を行っている。

本講演では、CIMの原理とNTTで開発した大規模CIMの現状を報告し、組合せ最適化問題への応用の現状と今後の展開について議論する。

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堀切 智之

LQUOM(株)

最高科学責任者

横浜国立大学

教授

2006年~2007年 日本学術振興会特別研究員
2007年 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。
2007年 米国スタンフォード大学ギンツトン研究所visiting scholar。
2008年 国立情報学研究所特任研究員。
2014年 横浜国立大学大学院工学研究院 准教授。
2017年 科学技術振興機構 さきがけ研究員(兼任)
2020年 LQUOM株式会社創業。
2024年 横浜国立大学大学院工学研究院/総合学術高等研究院 教授。

高瀬 寛

OptoQC(株)

代表取締役CEO

1994年兵庫県生まれ。自然豊かな環境で育ち、科学に興味を持つ。2013年東京大学入学、英語演劇に没頭。2016年古澤研究室に配属され、優秀卒業論文賞を受賞。2017年より同研究室で光量子コンピュータの研究に本格的に取り組み、2019年修士号取得(田中昭二賞受賞)、2022年博士号(工学)取得。同年助教に着任後、2024年にOptQC株式会社を設立し、代表取締役CEOに就任。

山下 太郎

東北大学

大学院工学研究科 教授

2005 東北大学大学院理学研究科博士課程後期修了, 博士(理学)
2004 日本学術振興会特別研究員
2006 株式会社ケンウッド
2009 国立研究開発法人 情報通信研究機構 研究員/主任研究員
2016 科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者(兼任)
2018 名古屋大学大学院工学研究科 准教授
2022 東北大学大学院工学研究科 教授、現在に至る

専門:超伝導エレクトロニクス、超伝導スピントロニクス

武居 弘樹

日本電信電話(株)

物性科学基礎研究所 上席特別研究員

1996年3月に大阪大学大学院で修士課程修了後、同年4月日本電信電話株式会社入社。同年8月から2003年7月までNTTアクセス網研究所において、光周波数計測、光アクセス網の研究に従事。2003年からNTT物性科学基礎研究所に異動し、以来量子光学、量子通信、光計算の研究を行っている。2004年~2005年スタンフォード大学客員研究員、2014年米国NIST客員研究員。博士(工学)(2002年、大阪大学)。