AI時代の光インターネットに向けたデバイス、実装技術

2025年11月11日(火) 13:00-16:40 アネックスホール F206
【OAI-1 AI時代の光インターネットに向けたデバイス、実装技術

開催趣旨


AI時代の光ネットワークと光技術


VCSELトランシーバの最新動向


III-V族半導体/Si異種材料集積を利用したマッハツェンダ変調器

住友電気工業(株) 主査 田中 肇 氏
近年、ストリーミングサービスによる高画質動画(4K 8K)の普及と、Artificial Intelligence (AI)技術が急速に進展しており、我々の生活における利便性が大きく向上している一方で、それを支える通信システムにはさらなる伝送容量の増強と消費電力低減が求められている。

現在の通信モジュールに利用されている単一材料(Si, TFLN, InP)光デバイスの性能限界の打破とデバイス間光結合損失の低減のため、Si導波路の高屈折率差を利用した小型光回路上にInPによる光源や増幅機能を付与することや、高速・低電圧変調器を実現する異種材料集積の研究開発が活発に行われている。

InP/Si異種材料集積を利用したマッハツェンダ変調器(InP/Si MZ変調器)は、高速変調・低消費電力の実現に向けたキーデバイスになりうると考えている。本講演では、レーザ、変調器、受光器といったInP系能動素子をSi導波路上に直接接合するプロセスの紹介と、これを用いたSiフォトニクスプラットフォーム(SiPh)上のInP系変調素子の検討結果について報告する。

●中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

EA変調器の最新動向

三菱電機(株) 情報技術総合研究所 光技術部
先進フォトニクスグループ 主席研究員 内山 麻美 氏
数年前、生成AIのChatGPTリリースが大きなニュースとなったが、今では生活の中で生成AIを気軽に使えるようになった。AIシステムには光通信技術が用いられているが、AIの性能向上のために、光通信も高性能化が求められている。このような光通信システムに使用されている半導体光デバイスの1つが、電界吸収型 (Electro Absorption, EA) 変調器である。

EA変調器は光通信システムの中で信号の送信機能を担う。特に半導体レーザーとEA変調器を1チップにモノリシック集積したEA変調器集積レーザー  (Electro absorption Modulator integrated Laser diode, EML) は、小型で広帯域であるという利点を持っている。長年光通信に適用されており、現在は200 Gb/sという高速動作が可能なEMLも実用化されている。

最近はAIの普及拡大を背景に、更なる広帯域化と動作速度向上を目指し、多くのグループが研究開発に取り組んでいる。また、EA変調器による高密度集積も注目されている技術であり、複数のEMLを1チップにモノリシック集積する技術や、EA変調器とシリコンフォトニクスの異種材料集積技術に関しても、革新的な研究が報告されている。

本講演では、EA変調器の高性能化について、基礎的内容から最新技術動向までを紹介する。

●入門程度(大学一般教養程度)

メンブレンデバイスの最新動向


光電融合デバイスを実現する次世代3D/チップレット技術

横浜国立大学 半導体量子集積エレクトロニクス研究センター 副センター長/准教授
井上 史大 氏
半導体集積技術の進展に伴い、演算性能や電力効率に加えて光・電気の異種機能を融合したデバイスが強く求められている。その中でも、チップレットを活用した3D・2.5D実装は、異種材料や異種機能を柔軟に組み合わせるための最重要技術として注目されている。

近年は再配線技術、ハイブリッドボンディングを核としたダイ間接続、バックサイドパワーデリバリー(BSPDN)、高密度再構成ダイ・トゥ・ウエハ(Reconstructed D2W)技術などが相次いで開発され、光電融合デバイスに必要なインターポーザレス構造や小型・高効率実装に向けた道が拓かれつつある。一方で、低温プロセスでの接合信頼性、界面の熱・機械特性、さらには再利用可能なキャリアや環境負荷低減といった課題も顕在化している。

本講演では、これら最新の技術動向を俯瞰するとともに、光インターコネクトや光電融合モジュールへの展望を示し、次世代エッジAIやデータセンタ応用における意義を議論する。

●中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

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田中 肇

住友電気工業(株)

主査

2016年東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻博士課程修了。博士(工学)。同年住友電気工業(株)入社。現在、同社伝送デバイス研究所にてIII-V/Si異種材料集積技術の研究開発に従事。

内山 麻美

三菱電機(株)

情報技術総合研究所 光技術部 先進フォトニクスグループ 主席研究員

2010年3月 東京工業大学 (現・東京科学大学) 理学部 物理学科 学士課程を卒業。2012年3月 同大学 理工学研究科 物性物理学専攻 修士課程を修了。同年4月三菱電機株式会社入社。同社高周波光デバイス製作所 光デバイス部に所属し、光通信用半導体光デバイスであるEA変調器集積レーザー (EML) の研究開発に従事。事業化、国際学会発表、特許取得等を通じて、EMLの技術進展に貢献。2025年4月同社情報技術総合研究所 光技術部に異動し、現在、光通信用半導体光デバイスとその実装技術の研究開発に従事。

井上 史大

横浜国立大学

半導体量子集積エレクトロニクス研究センター
副センター長/准教授

2013年関西大学にて博士号取得、2011-2021年までベルギーimecにて3Dパッケージングの研究に従事、2021年より横浜国立大学、准教授。2024年4月より同大学、半導体量子集積エレクトロニクス研究センター副センター長に着任、2025年3月よりLSTC3Dパッケージング部門の副部門長。