
月刊OPTRONICS
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光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。 技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください! |
2005.8 vol.24 No.283 |
超高速光デバイスの最新動向と次世代フォトニックネットワークへの応用
総論
東北大学 中沢 正隆,産業技術総合研究所 桜井 照夫,小林 直人
超高速モード同期半導体レーザとそれを用いたOTDM光パルス信号源
沖電気工業(株) 荒平 慎,小川 洋
160Gb/sを超える伝送技術
日本電気(株) 鈴木 明
次世代フォトニックネットワーク用超高速光スイッチ
産業技術総合研究所 石川 浩
SMZ型全光スイッチによる超高速全光信号処理
日本電気(株) 中村 滋,橋本 陽一,栗林 亮介,小倉 一郎
次世代フォトニックネットワークに向けた半導体四光波混合による超高速波長変換技術
(株)富士通研究所 鍬塚 治彦,渡辺 茂樹,大坪 孝二,秋山 知之,菅原 充
超高速光デバイス作製のためのナノテクノロジー
筑波大学 浅川 潔
半導体可変光パルス圧縮デバイス
(株)日立製作所 李 英根
GaN系量子井戸中のサブバンド間遷移を利用した超高速光スイッチ
(株)東芝 鈴木 信夫,飯塚 紀夫,金子 桂
II-VI族半導体量子井戸のサブバンド間遷移を利用した超高速光スイッチ
産業技術総合研究所 秋本 良一
半導体多層薄膜型二光子共鳴光ゲートデバイス
三菱電機(株) 金本 恭三,秋山 浩一,西村 哲也,冨田 信之,井須 俊郎
FBGを用いた広帯域可変分散補償デバイス
松下電器産業(株) 若林 信一
エクストリームフォトニクス
理化学研究所 緑川 克美 氏
OFC/NFOEC2005に見る光ビジネスの現状と動向
職業能力開発総合大学校 西澤 紘一
光学部品のABC 第15回
平面ミラー
昭和オプトロニクス(株) 相田 善明
光物性の基礎と応用 第17回
物質・現象・新技術(6)フォトニック結晶
大阪府立大学 石原 一
IT市場ウォッチング 第51回
転換期を迎える日本の情報サービス産業
(株)野村総合研究所 藤浪 啓
技術者・研究者のためのマネジメント学入門 第23回
中国における電力事情
横浜国立大学 鈴木邦雄,周佐喜和
ワン・ポイント結像光学 第27回
干渉(3)
朝枝 剛
光の研究コミュニティ ―技術進展を支える光関連研究会/グループ― 第25回
映像情報メディア学会 情報ディスプレイ研究委員会
(株)日立製作所 大沢 通孝
光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第94回
モード変換器
嶋本国際特許事務所 嶋本久寿弥太
InterOpto '05 開催のご案内
中国ウォッチング
「Global IPv6 Summit in China 2005」に参加して
NTTコミュニケーションズ(株) 榎島 卓哉
BUSINESS & MARKET
▼光ディスク装置輸入数量の対前年比,9カ月連続のプラス
▼液晶テレビ生産の対前年比,19カ月連続のプラス
▼FTTHの回線加入数,2期連続で対前期比15%以上の成長
▼光ファイバ出荷数量の対前年比,3カ月ぶりにマイナス
▼FTTHの月間純増数,2005年度初頭にDSLを逆転の見込み
▼米国通信業界を騒がせたMCI買収合戦,MCIはVerizonとの合併を選択
▼Exar,Infineonの光ネットワークIC事業資産を買収
▼日立コミュニケーションテクノロジーと日立製作所,Salira Optical Network SystemsのGE-PON開発資産を買収
▼ソニーと東芝,Blu-ray DiscとHD DVDの統一規格策定合意報道にコメント
▼民生用電子機器の2004年度総出荷金額,対前年比113.7%の2兆4,277億円と3年連続プラス
▼テレビの世界出荷台数,2009年には2億1,550万台に
▼シャープと三協,液晶テレビの特許をめぐる訴訟が激化
▼S-LCD,第7世代アモルファスTFT液晶モジュールを出荷開始
▼東北パイオニア,携帯電話用の新型有機ELパネルを来年度投入
▼半導体製造装置世界販売の対前年比は2カ月連続マイナス
▼アマダと三菱電機,レーザ加工機で戦略的事業提携
NEWS FLASH
▼情報通信研究機構,FSK光信号からPSK光信号への直接変換に成功
▼日本板硝子,一次元フォトニック結晶導波路の実証実験に成功
▼光コム研究所,導波路型光コム発生器によるWDM通信用多波長光源を開発
▼ファイバーラボ,屋外設置が可能なOバンド光増幅器を開発
▼日東電工,低損失で高フレキシブル性の光導波路用感光性エポキシ材料を開発
▼TDK,4層の追記型Blu-ray Discで2倍速書き込みを実現
▼日本ビクター,DVD-RWの片面2層化技術を開発
▼東京大学,超短パルスレーザで光ポーリング現象の効率制御に成功
▼富士通,32型ワイド液晶ディスプレイをパソコンに搭載
▼東芝,裸眼で3D表示可能な立体ディスプレイの新技術を開発
▼ニコン,第7〜第8世代サイズに対応した液晶ディスプレイ用露光装置2機種を開発
▼凸版印刷,有価証券偽造を防止する最新ホログラム技術を開発
▼分子科学研究所と浜松ホトニクス,理化学研究所,マイクロチップレーザ励起テラヘルツ波パラメトリック発生器を開発
▼横河電機と産業技術総合研究所,日本国外から時間周波数国家標準の遠隔校正実験に成功
▼静岡県浜松市に,光産業創成大学院大学が開学
▼2005年度『オットー・ショット研究賞』,日本からは2名が受賞
PHOTONICS SPECTRA
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総務省統計によると,我が国のFTTH加入者数が2004年12月末時点で243万に達した。9月比で約40万加入の増加,伸び率は19.55%に達している。また,このほど発表になった矢野経済研究所の報告書によれば,FTTH加入の月間純増数が2005年度の初頭にはDSLを逆転するとも予測されている。
加入者系の光化が進めば,ライブドアによるニッポン放送買収騒動の時にも話題となったインターネットと放送の融合も,そう遠くない将来,現実のものとなるだろう。もちろん現状のインターネットでもニュースを含め動画情報はもはや珍しくもない。となれば,今後の幹線系やメトロ系通信ネットワークにおけるトラフィックの急増は明らかで,さらなる高速・大容量光通信ネットワークの構築が求められる。
今後の光通信ネットワークはOTDMとWDMの組み合わせになると言われている。中でも高速化では160 Gb/sを超える技術に注目が集まっており,その研究・開発も活発に行なわれているのが現状だ。一方で,実際運用されている光通信ネットワークの立場で見ると,もう160 Gb/s?という印象を受けるかもしれない。確かにビジネスという領域で考えた場合には,その意見にも一理ある。民間企業が目前の利益を追求するのは当然の事だろうし,特にスピードが命と言われる昨今の企業経営においては余計そうである。しかし将来の競争力を考えた時には,やはり目の前のターゲットを押さえるだけでは不十分と言わざるを得ない。将来を見据えた不断の研究・開発が不可欠であろう。ところが革新的技術の研究開発は,それが革新的であればあるほど民間企業が単独で担うには荷が重過ぎる場合が多い。ナショナルプロジェクトを行なう意義はそこにある。
次世代産業基盤技術を創出するためにフェムト秒領域の光技術を研究開発するフェムト秒テクノロジープロジェクトが,この3月で終了した。先導研究のスタートが1993年,正式なプロジェクトスタートが1995年からという事は実に10年,昨今では珍しい長期プロジェクトであった。本プロジェクトからは既に先駆的な研究成果も数多く出ている。また諸外国,特にヨーロッパでは,このプロジェクトに刺激され超高速光通信に関する多くのプロジェクトが進められているという。
キャッチアップの時代とは違い技術予測がより難しくなっているのは事実であるが,日本の競争力確保を見据えた長期プロジェクトが継続的に行なわれる事を期待したい。「今は後塵を拝していますが,実は日本も意外と早くから素晴らしい研究を行なっていたのです」などと述懐しなくても済むように。今月号の特集は,超高速光デバイスの最新動向と次世代フォトニックネットワークへの応用にスポットライトを当ててみた。
編集長 川尻 多加志
特集「期待を集める多層光メモリ(仮題)」
▼総論
▼層選択多層光ディスク
▼2光子吸収を用いた超多層高密度光メモリ
▼粘着剤を利用した多層記録媒体の作製
▼半導体レーザを用いたフォトクロミック材料への2光子吸収記録
▼超小型産業用フェムト秒レーザ
▼高効率2光子吸収化合物の開発
(都合により,内容に変更のある場合があります。)