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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2006.11 vol.25 No.299
11月号 特集 材料からのブレークスルー

アンチモン系量子ドットレーザ

情報通信研究機構 赤羽浩一,山本直克,土屋昌弘

 各家庭への光ファイバーの施設が進み,ファイバー・トゥ・ザ・ホーム(Fiber to the home:FTTH)が拡大しつつある現在,光ファイバー通信網で使用される光デバイスの高性能化,低価格化が求められている。これに加えていつ,どこにいても情報通信網とやり取りのできる「ユビキタス情報社会」が21世紀において目指すべき社会像として掲げられており,より大きな量の情報伝達,情報処理が求められつつある。これらの情報通信の担い手は光ファイバー通信だけでなく,無線通信等様々な形態が考えられるが,その基幹部分はその高速性,広帯域性に特徴を有する光ファイバー通信となっている。前述のFTTHの浸透により光ファイバー通信用のデバイスに求められていた性能の方向性は変わりつつあるものと考えられる。すなわち,これまで幹線系のみに用いられてきた光ファイバー通信用のデバイスは,使用者や使われる場所が限定されていたため,高性能,高信頼のものであれば多少高額なものであっても許されてきた。・・・(続きは本誌で)

有機半導体レーザーへの挑戦 -低閾値レーザー色素材料の開発-

九州大学 安達 千波矢,中野谷 一

 発光性の有機色素分子を有機溶媒に溶かし,光で強励起することによりレーザー光が得られることは,1966年にSorokin, Lankard, Schaferらによって初めて報告された。この有機色素を用いたレーザ(Dye laser)は,紫外から赤外領域に渡る幅広い波長可変特性を有することから,幅広い用途に応用され,現在に至るまで目覚しい発展を遂げてきた1〜5)。一方,溶液の取り扱いの煩雑さや溶液中での色素の劣化が早いことから,溶液に代わり有機色素を固体中に分散した有機固体レーザーの研究に近年注目が集まっている。有機固体薄膜からのASE(Amplified Spontaneous Emission: 自然放射増幅)や共振器構造を有する有機薄膜からのレーザー発振は,高分子や低分子媒体中にレーザー色素をドープした薄膜において報告されている6〜10)。これらの研究から,有機色素は高い誘導放出係数を有しており,特に,固体薄膜導波路の形成により低閾値化が可能なことが明らかにされてきた。・・・(続きは本誌で)

窒化アルミニウムを用いた210nm遠紫外LED

日本電信電話(株) 谷保 芳孝,嘉数 誠,牧本 俊樹

 これまでに,窒化ガリウム(GaN)による青色発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)が実用化されているが,GaNにより得られる最も短い発光波長は近紫外域の365nmである。最近,我々は,世界に先駆け,窒化アルミニウム(AlN)のn型およびp型ドーピングを成功した。このn型およびp型ドーピング技術を基に,pn接合型AlN LEDを試作したところ,波長210nmの遠紫外発光を観測した1)。210nmは従来の半導体発光デバイスの中で最も短い発光波長である。本稿では,まず,遠紫外光源の現状とAlNの特徴について述べた後,AlN遠紫外LEDの実現に結びつけた結晶成長技術,ドーピング制御技術,デバイス作製技術を紹介する。
 紫外光の内,波長300〜400nmの領域は近紫外,波長200〜300nmの領域は遠紫外,波長200nm以下の領域は真空紫外と分類される(図1)。真空紫外光は大気で吸収されるため,遠紫外光が我々の生活環境下で利用できる最も波長が短い光といえる。・・・(続きは本誌で)

表面プラズモンアンテナを用いたシリコンナノフォトダイオード

日本電気(株) 西 研一,藤方 潤一,石 勉,大橋 啓之

 表面プラズモンは,金属微粒子を用いた光(波長)の制御技術として,中世の頃より応用され,例えば美しいステンドグラスの着色などとして応用されてきている。近年では,近接場光と結びついた新しい物理現象や,その応用が注目されている。特に,導体の表面近傍に局在した表面プラズモンのモードは,波長として可視域の光から,テラヘルツ域を含む広い波長範囲の電磁波と結合し,表面プラズモンポラリトンとして光を伝搬することが可能である。この表面プラズモンと光の共鳴的な作用は,近接場光学と融合しつつ,計測から半導体デバイスまで,多くの分野で応用されつつある。
 一方,現在の半導体デバイスにおいては,スケーリングによる基本素子(トランジスタ等)の小型化が進み,その集積回路においても,構成素子の小型化,低消費電力化が求められている。・・・(続きは本誌で)

圧電磁石を用いた光の制御 - ガリウム鉄酸化物結晶における光学的電気磁気効果とその増幅

科学技術振興機構 貴田 徳明,有馬 孝尚,十倉 好紀

 物質の電気分極(P)などの電気的性質,または磁化(M)などの磁気的性質によって光を制御した数々のデバイスの実現は,我々の生活をより豊かにしてきた。例えば,光の偏光面の変化を巧みに利用した読み出し技術は,光磁気(MO)ディスクに応用されている。また,物質の屈折率の異方性を利用することで,直線偏光の光を円偏光に変換するなど,物質の電気的性質を利用して光の状態を制御出来ることが知られている。このように我々は,光と物質の電気的及び磁気的な相互作用を理解し,それらを制御することで,現代の生活に必要不可欠なデバイスを数多く生み出してきた。
 このような光の制御は,主に光の偏光状態を変化させることで行われてきた。しかしながら,偏光状態によらずに,光の反射率や透過率の大きさを自由自在に磁場や電場等の外場によって制御することが出来れば,多くの新規な光デバイスへの応用が期待される。・・・(続きは本誌で)

単層カーボンナノチューブにおける非線形光学効果と超高速光スイッチング

東京大学 岡本 博

 インターネットをはじめとする最近の情報通信網の急速な発展の中で,次世代型の超高速光通信や大容量高速光記憶等を実現するための新しい光機能性材料の開拓が望まれている。その柱の一つと考えられているのが,三次の非線形光学材料である。三次の光学非線形性を利用すると,光で光の経路を切り替える光スイッチ,光で光をオン−オフする光ゲートなど,全光型の高速信号処理デバイスが実現できる可能性がある。そのための非線形光学材料に求められる条件は,低い光強度で動作できるために三次非線形感受率c(3)が大きいこと,高繰り返しでのスイッチング動作を実現するために光励起状態の緩和が高速であること,通信波長帯1.55 mmで動作することなどである。
 一般に,低次元系では,電子が閉じ込められることによって大きな三次の非線形光学特性の発現が期待される。これまで,半導体の量子閉じ込め構造や,p共役ポリマー,シリコンポリマーなどの一次元物質において,三次の非線形光学効果に関する研究が盛んに行われてきた。・・・(続きは本誌で)

有機TFT駆動によるフレキシブル有機ELディスプレイ

日本放送協会 中嶋 宜樹,武井 達哉,山本 敏裕,時任 静士

 今年4月から地上デジタル放送の携帯端末向けサービス,「ワンセグ」がスタートした。このようなデジタル放送やインターネットの急速な普及に伴い,「いつでも・どこででも,だれでも」が高画質の映像を見たり,必要な情報を入手できるユビキタス社会が放送・通信の世界で現実化している1)。このような背景から,携帯性や収納性に優れた新しいモバイルディスプレイの実現が強く望まれている。
 筆者らは,超薄型・軽量で見たい時に大きく広げられ,使わない時には丸めて持ち運ぶことのできる「動画対応フレキシブルディスプレイ」の研究に取り組んでいる2)(図1)。
 このようなディスプレイを実現するため,基板材料には,透明で柔軟性のあるプラスチックフィルムを用いるとともに,発光材料にはフルカラー動画表示に適したディスプレイを目指して,自発光型の有機EL(Electroluminescence)素子を用いて研究を進めている。・・・(続きは本誌で)

高輝度発光する半導体ナノ粒子分散ガラス蛍光体

産業技術総合研究所 李 春亮,村瀬 至生

 蛍光体は,情報家電やバイオ研究など幅広い分野で利用されている。照明やディスプレイに用いられる蛍光体としては,遷移金属イオンや希土類イオンを添加した酸化物が知られている。しかし,遷移金属イオンと希土類イオンにおける遷移は,禁制遷移の性格を持つため,発光寿命はたとえば約1ミリ秒と長く,励起光を強くしても輝度飽和が起こり,効率よく蛍光に変換できないといった問題がある。また,発光波長を制御するためには,材料の組成を変更する必要がある。一方,近年,省エネルギー型の照明や高輝度高精細ディスプレイへの要求が高まり,より明るくて演色性の良い蛍光体の出現が待ち望まれている。また,バイオ応用では有機色素が主に用いられていた。しかし,光照射による退色が起こりやすい。また,励起波長と蛍光波長が近く,発光スペクトル幅が広いため,励起光の選択自由度が低いという欠点がある。
 我々は,直径数nmの超微粒子とその周りの構造を制御することにより,半導体ナノ粒子をガラス中に分散固定して長期安定性を付与した種々の蛍光色を発するガラスの研究開発を行っている。・・・(続きは本誌で)

まるわかり非線形光学 第3回 数式で理解する非線形光学(1)

科学技術振興機構 黒澤 宏

 今までで,レーザー光から新しい波長のレーザー光を創るのに非線形光学が非常に役に立つことを理解していただけたと思います。新しい波長のレーザー光の発生には,強いレーザー光の電界によって作られた非線形媒質中の分極が関与すること,そして非線形光学効果によって発生した分極の新しい周波数成分が,新しいレーザー光の発生源となっていることを簡単にお話ししてきました。今回と次回は,分極から発生する光を数式を使って説明します。そして,非線形光学において最も重要な概念である「位相整合」について詳しくお話しすることにします。数式が出てきますが,怖がらずに「そんなものかー!」程度に読み進んでください。次回の終わりまで読んでいただいた後で,もう一度読み返していただければ,理解が深まるものと思います。・・・(続きは本誌で)

進め!! 日本のイノベーション 第3回 専有可能性と技術機会

政策研究大学院大学 井田聡子,隅藏康一

 イノベーションの源泉やその担い手に関する議論については,連載第1回目で述べた。今回は,イノベーションの決定要因と考えられている「専有可能性」と「技術機会」という2つの概念に関する研究を中心に解説する。
 はじめに,専有可能性の概念から説明する。企業は,新製品の開発(製品イノベーション)や新工程の導入(工程イノベーション)を目的として,研究開発を行っている。企業が研究開発を行うためには,そのための設備投資や人件費等,多大な研究開発投資が必要である。しかし,企業が研究開発投資を行った結果,イノベーションを実現することができたとしても,その利益をすべて手にすることは難しい。・・・(続きは本誌で)

基礎からの量子光学 第11回 光子数揺らぎを制御する:光子数スクイーズド状態

慶應義塾大学 神成文彦

 光のコヒーレンスを量子論でいかに扱い記述するか,そして一般のレーザーをコヒーレント状態として扱う議論およびその記述方法は,すでに本誌8月号において解説された。さらに,量子揺らぎを標準量子限界以下に押しつぶした光の状態については本誌9月号において説明されている。
 スクイーズド光を理解するために,単一放射モードの電磁波が2つの独立な成分で表されることを思い出そう。つまり,振幅と位相成分である。あるいは,代わりに2つの直交する振動成分(sine成分とcosine成分)のそれぞれの振幅でもいい。量子力学的には,ヒルベルト空間内の交換しない2つの演算子である。これら2つの演算子の不確定性の積は,ハイゼルベルグの不確定性原理により,ある値よりも小さくはならない。・・・(続きは本誌で)

シリーズ

IT市場ウォッチング 第68回 変化が期待される照明市場

(株) 野村総合研究所 藤浪 啓

 白色LED市場に変化が出始めている。当該市場の雄であり6割強の市場シェアを握っている日亜化学工業が05年12月の決算で12年ぶりの減収減益を記録した。白色LEDの主要市場である携帯電話バックライト用途では単価下落が加速し,年率40%で下落している。これに伴い,白色LED市場は金額ベースではマイナス成長となっている。携帯電話バックライトでは高輝度化の結果LEDの1台当たり搭載個数が減少しており,単価下落ともあいまって市場の縮小傾向に拍車がかかっている。また,2005年から台湾や韓国のベンダが市場でのシェアを徐々に伸ばしてきており,業界構造も徐々にではあるが変化しつつある。・・・(続きは本誌で)

ワン・ポイント結晶光学 第44回 カラーOTF(2)

朝枝 剛

 図1はテレビのシステムを模式的に表しています。被写体はカラーTVカメラで撮影します。カラーTVカメラには図2のように三つの撮像管が用意されています。被写体の像はプリズムなどを用いた三つに分割されてそれぞれの撮像管の光電面上に結像されます。それぞれの撮像管の前の光学系にはフィルターがあってその特性は人の眼が色を感じる場合の三つの分光特性(スペクトル三刺激値)にあわせてあります。・・・(続きは本誌で)

光の研究コミュニティ −技術進展を支える光関連研究会/グループ− 第39回
精密工学会 メカノフォトニクス専門委員会

埼玉医科大学 吉澤 徹
富山県立大学 野村 俊
関西大学 新井泰彦
東京農工大学 大谷幸利

 本研究会は,社団法人・高分子学会の研究会として1990年代初めに発足しました。現在21を数える高分子学会の研究会の中では,最も古くからある研究会の一つです。研究会が発足してから15年余り,この間に電子・情報関連技術はすさまじい発展を遂げ,多くの科学技術分野の中でも例外的なスピードで,その科学技術トレンドが移り変わってきたことは敢えて述べるまでも無いでしょう。本研究会はこのような移り行くトレンドを,高分子学会の会員のみでなく,高分子材料と光反応・電子材料への応用分野にかかわるさまざまな研究者に広く紹介する活動を精力的に行ってきました。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向/技術別に見る最新情報 第111回 干渉フィルタ

嶋本国際特許事務所 嶋本久寿弥太

 干渉フィルタは,基板上に交互に積み重ねた薄膜の干渉効果を利用した光学フィルタで,干渉膜(薄膜層)によって生ずる光の干渉を利用している。
 基板上に形成する膜の厚さ,膜形成物質の屈折率,膜の層数,各層の厚さ等の組み合わせによって,帯域通過フィルタ(BPF・バンドパスフイルタ),短波長帯通過フィルタ(SWPF),長波長帯通過フィルタ(LWPF)などを作成してい・・・(続きは本誌で)

リアプロTVは大画面テレビ市場を生き残れるか

 北米や中国などで人気が高いリアプロジェクションテレビ(リアプロTV)。その理由の一つに,低価格が挙げられる。40型以上の大画面領域では,液晶・プラズマテレビに比べるとその差は明白だ。
 一方,日本では液晶・プラズマテレビの人気が圧倒的で,リアプロTVの知名度が低いのが現状だ。・・・(続きは本誌で)

CMOSはCCDを凌駕するか?

 デジタル一眼レフカメラの売り上げが好調だ。工学メーカに加え,ソニーや松下電器産業といった家電メーカが参入したほか,1000万画素超のイメージセンサを搭載する製品の価格が下がり,レンズとのセットで10万円台前半の製品が登場するなど,手頃感が出てきたためであろう。・・・(続きは本誌で)

CATVの将来とFTTH化の可能性

総務省は2006年6月におけるブロードバンド回線加入者数を公表した。それによると,FTTHが順調な伸びを見せる一方で,これまで日本のブロードバンドを支えてきたDSLが絶滅に転じている。今後はますますFTTHが勢力を強め,DSLを代替していくことは間違いないであろう。・・・(続きは本誌で)

ファイバレーザは加工用のレーザの急先鋒になれるのか

高出力化の進展が目覚しいファイバレーザ。その実用化開発は欧米などが先行しており,現在ではキロワット級の高出力化を実現したものが登場,すでに実用化にも至っている。国内ではマーキングなど精密加工分野を中心に,数十Wから数百ワットタイプのファイバレーザを搭載した加工機が実用化されており,その需要は増加傾向にある。・・・(続きは本誌で)


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PHOTONICS SPECTRA

▼Intel,光事業を1億1,500万ドルで売却
▼PerkinElmer,Avalon Instrumentsを買収

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EVENTS

▼第8回先進レーザー応用技術セミナー レーザープロセッシングの最前線
▼TAOS2006 国際シンポジウム
▼フォトニクスイノベーション・シンポジウム
▼第102回微小光学研究会 レーザーイメージングと微小光学
▼21世紀のバイオメディカルフォトニクス −光デバイスのポテンシャル−
▼能開大 研修講座 ブロードバンドネットワークと光ビジネス

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第40回 100Gb イーサーネットへの道

東門 元二

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

 先端技術の分野では,従来とは違う新しい材料を用いたデバイスの出現によって,一気に形勢が逆転してしまうといったケースがあります。もちろん実際にはそれほど単純ではなく,いろいろな要素が複雑に絡んで来るのでしょうが,まぁそのくらい材料は重要というわけです。

 典型的な例が青色LEDと青色半導体レーザではないでしょうか。1990年代の初頭,LEDは赤色が実用化されていましたが,高輝度な青色を発光する材料はなかなか見つからず,20世紀中は実現が困難とまで言われていました。

 そんな中で当時,青色を発光する材料としては主にセレン化亜鉛と窒化ガリウムの名前が挙げられていました。ところが,窒化ガリウムには格子定数がうまく合う基板がありませんでした。最も近いとされたのがサファイアと炭化珪素で,価格の事を考えるとサファイアを選択したいのですが,きれいな結晶薄膜ができないため,そんなものは光らないと評判はよくありませんでした。

 一方のセレン化亜鉛は研究開発が進んで1991年,−196℃という低温下で青色レーザの発振に成功して,さらに1993年には室温での青緑色レーザの発振にも成功しました。残された課題は寿命で,その解決も時間の問題といった雰囲気になって,セレン化亜鉛は俄然本命視され,学会等でも圧倒的な多数派になっていました。

 しかし,ここから先は有名な話です。日亜化学工業の中村修二氏はツーフローMOCVD法などの開発によって,1993年に窒化ガリウムとサファイア基板を用いた1カンデラという従来の約100倍という明るさの青色LEDを実現して,その後の1995年には青色半導体レーザの開発にも成功しました。形勢は逆転しました。青色発光素子の領域は窒化ガリウムの独壇場となり,日亜化学工業も圧倒的なシェアを獲得しました。ただし,今は強い立場の窒化ガリウムなのですが,価格の安い酸化亜鉛を用いた青色LEDも開発され注目を集めています。この先どうなるのか,興味深いところです。

 材料の研究開発は地道で息の長い忍耐強さが求められます。そういう点では短期間で収益を上げる,いま流行りのビジネス手法には馴染みにくいのかもしれません。しかし,一旦実現できれば流れを大きく変えてしまう,まさに一気に形勢逆転を起こせるほどのパワーを持っているわけです。

 今月号の特集では,これまでの主流とは違う新しい材料を用いた光デバイス研究を取り上げてみました。もちろん,今回掲載したもの以外にも注目すべき材料はたくさんあって,その研究開発も活発に行なわれているのですが,ページ数の関係で全てを取り上げる事ができませんでした。次の機会にぜひご紹介できればと思っています。

 それから,おかげ様で月刊オプトロニクスは来月号で創刊300号を迎えます。特別企画も予定していますので,ご期待のほどを。

編集長 川尻 多加志

次号(12月号)の予定

特集「進化する観察技術 -顕微鏡を中心に-(仮題)」

▼総論
▼高速・高画質3次元眼底カメラ
▼非線形光学顕微鏡
▼近接場光学顕微鏡
▼チャネルドスペクトルを利用した鉛筆サイズの小型分光偏光計
▼高出力発光ダイオードを用いた蛍光顕微鏡とレシオイメージングへの応用
▼反射率測定を用いた微小表面温度計測
▼高分解ブリュースター角顕微鏡
▼波長走査干渉法による形状計測

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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