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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2007.5 vol.26 No.305
5月号 特集 農業に貢献する光技術

地球環境の変動と食料安全保障

アミタ(株)持続可能経済研究所 嘉田 良平

2006年は原油価格の高騰で世界経済が大きく揺れ動いた一年であったが,食の世界においても,なにやらきな臭い匂いが漂いはじめている。需給逼迫を背景として,価格上昇の大きな波が私たちの台所にじわりじわりと押し寄せつつある。ひとつの大きな要因は,米国が大量のトウモロコシをエタノール原料として利用し始めたからである。世界の食料安全保障はこれから一体どうなるのか。小論では,その展望と課題について地球環境の変動,エネルギー資源との競合,そして食品安全面のリスクという視点から検討してみたい。・・・(続きは本誌で)

植物工場の現状と動向

東海大学 高辻 正基

わが国では近年,食品の安全・安心,高付加価値化が叫ばれているが,一方で韓国や中国などからの輸入野菜が急増している。2006年5月29日から残留農薬ポジティブリスト制度が施行され,安全・安心な食品の供給が義務化されている。残留農薬が多く検出される中国や台湾の農産物のいくつかは漸次,輸入禁止されつつある。また野菜の硝酸態窒素過多の問題も注目されている。もっぱら人工光のみを使用する完全制御型植物工場は消費者に無農薬,新鮮,清潔,安全な作物を安定供給することができるために,今後ますますその重要性が高まると思われる。・・・(続きは本誌で)

光触媒の農業への応用

(独)産業技術総合研究所 垰田 博史

近年,シックハウス症候群や環境ホルモンの問題に象徴されるように有害化学物質による環境汚染が地球規模で進行しており,人類の生存を脅かす深刻な問題となっている。住宅に使用される畳やじゅうたん,カーテン,建材,家具,壁材,床材,日用品などからはホルマリンなどの防腐剤,防虫剤,防ダニ剤,有機溶剤,可塑剤,VOC(揮発性有機化合物)など,さまざまな化学物質が放出されている。さらに,壁に塗料が塗られ,床下に白アリ駆除剤がまかれ,室内で芳香剤や消臭剤,衣類の防虫剤が使用され,タバコが吸われたりすることによって室内の空気が汚染される。・・・(続きは本誌で)

黄色ランプによる害虫防除

岩崎電気(株) 田澤 信二

近年,わが国の農業分野(果樹園の他,花や野菜の施設園芸や一般露地作物など)において,環境問題や健康問題などから農薬使用や散布量の低減が希求され,有機栽培やフェロモンによる害虫防除(交信攪乱)が行われ始めている。しかしながら,有機栽培では管理問題や販売価格への懸念,フェロモンによる害虫防除も雄のみを誘引するため,とくに交尾後の雌の対応など決定的な方法とされない面もある。そこで,比較的容易に実施できる黄色ランプ・人工光による物理的防除法が見直され,各地で利用されつつある。以下に黄色ランプの種類,効果,実施例やUVカットランプの低誘虫効果などを紹介する。・・・(続きは本誌で)

オプティカルファーミング

三重大学 亀岡 孝治

農業における意思決定問題を適切に解くためには,まず,圃場(フィールド)の作物の生育状態など,現状に関する正しい認識が必要となる。この認識を得た上で,将来の外乱などの不確定要素を予測し,最終的な決定を行うことになる。現状に関する認識の適正性は,必要なデータをいかに適切かつ迅速に計測し収集するかというデータセンシングの問題に依存する部分が極めて大きい。すなわち,営農者の営農成果の向上と安定化を図るためには,データセンシングに関する基盤整備に注力することが効果的である。・・・(続きは本誌で)

農業リモートセンシング

(独)農業環境技術研究所 石塚 直樹
東北大学 斎藤 元也

典型的なリモートセンシング衛星として,1972年7月に米国がLandsat1 号衛星を打ち上げ,その後1986年2月にフランスがSPOT1号衛星を打ち上げており,このLandsatとSPOT衛星は,後継機が打ち上げられ継続した観測が行われている。日本は,経済産業省が1999年12月に打ち上げた米国の「TERRA」という衛星に,Advanced SpaceborneThermal Emission and Reflection radiometer(ASTER)を搭載し,宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,2006年1月にAdvanced Land Observing Satellite(ALOS)というリモートセンシング衛星を打ち上げている。本論文においては,リモートセンシングの解説,農業分等での利用の歴史,ASTERでの農地把握,ALOSでの水田状況把握,時系列SPOTデータによる作付け作物判定について記述する。・・・(続きは本誌で)

欧州のRoHS指令発布で広がる環境規制の波

地球環境保全の動きが活発だ。地球温暖化防止や資源の有効活用が叫ばれるようになり,環境規制の波は世界各国に広がりを見せている。地球温暖化防止に関して言えば,2005 年に発効された温暖化ガス排出削減の目標を定めた『京都議定書』を受け,わが国では『地球温暖化対策の推進に関する法律』の一部が改正され,2006 年4 月に施行された。また,同年7 月にはEU によって電気・電子機器における特定有害化学物質の使用禁止を定めた『RoHS(Restriction ofthe use of certain Hazardous Substances in electrical andelectronic equipment)指令』が発布された。・・・(続きは本誌で)

応用展開の光が見えてきた!? フォトニック結晶ファイバ

本格的なFTTH時代を迎えた現在,動画や音声を多用したリッチコンテンツの急増に伴ないネット上のデータ転送量が飛躍的に増加している。今後もユビキタス社会の実現に向け,通信インフラに更なる負荷がかかることが予想されており,光通信関係のシステムや部品の性能向上が急務となっている。このうち光ファイバにおいては「フォトニック結晶ファイバ」の研究開発が進められている。このファイバは,従来の石英系光ファイバには無かった様々な優れた特徴を持っており,次世代の光ファイバとしてその実用化が期待されている。今回は,このフォトニック結晶ファイバの現状と見通しについてレポートする。・・・(続きは本誌で)

進む研究開発! 注目の2光子造形技術

光硬化型材料などにレーザを照射させることで,任意の形状物を作り出すという光造形法。この技術は日本で発明されたもので,現在では自動車(ボディや部品)や家電製品,各種工業用品などの様々な産業分野における試作モデリング用途で実用されている。この技術を用いた光造形システムは,3 次元構造物を高精密に,かつ容易に作製することが可能なので,最終製品の事前評価やプレゼンテーション向けの試作モデル作製に導入されるケースが多い。光造形法には,レーザ照射により薄膜硬化させて積層させていく「薄膜積層法」と,粉末材料を用いる「レーザ焼結法」がある。・・・(続きは本誌で)

緊急事態! 枯渇する金属資源

(財)物質・材料研究機構は,G6諸国(日,英,仏,伊,独,米)とBRICs(ブラジル,露,印,中)における,各種金属の累積使用量の将来予測を発表した。その結果,2050年までの使用量が埋蔵量の数倍にのぼる金属があるなど,金属資源を巡る状況は,今後深刻な事態を迎える可能性が高いことがわかった(図1)。特に金,銀,鉛,錫の累積使用量は,2020年時点で現有埋蔵量を超えてしまう恐れもあると指摘している。これまでもレアメタルと呼ばれる希少金属については,その確保の重要性が言われてきたが,一般的な金属までもが枯渇の危機に瀕している事実に対し,我々はどう対処すべきか。・・・(続きは本誌で)

特別レポート

フォトニクス国際会議 OFC/NFOEC2007参加報告

(有)グローバル・ファイバオプティックス 梶岡 博

21世紀を切り開く機能性単結晶の基礎と応用 第2回
ボレート系非線形光学結晶を用いた高出力紫外レーザ発生

三菱電機(株) 小島 哲夫,桂 智毅,西前 順一,黒澤 満樹

近年のデジタル産業の進展に伴い,レーザビーム本来の性質である微細なスポットに集光できることを利用した微細加工分野が拡大しつつある。携帯電話のプリント基板の穴あけは,携帯電話の軽量化を実現したキー技術であり,レーザ加工がデジタル産業における製造のキーツールと見なせる好例である。特に波長の短い紫外レーザはより微細な加工に適しており,近年の出力の増大に伴い,固体レーザの波長変換による紫外レーザもレーザ加工の実用的な光源として利用されるようになってきた。・・・(続きは本誌で)

進め!! 日本のイノベーション 第9回 イノベーションに思う

東北大学 原山 優子

まるわかり非線形光学 第9回 屈折光学素子と非線形光学

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

前回の「波長板」よりもっと簡単で,基礎的な光学素子である「レンズ」について勉強しましょう。今更,レンズなんて,といわずに,聞いてください。レンズの基本は「屈折」です。屈折率が異なる媒質の中では,光の進む速度が異なります。その結果,媒質の中へ入る角度によって光の進行方向が変わります。これがレンズの原理です。この現象を,非線形光学効果で実現します。レンズは,ガラスの材質で決まる屈折率しか利用できません。これでは,レーザー光を制御することはできません。そこで登場するのが,非線形光学効果の中の「光強度依存屈折率」です。光の強度によって屈折率が変化する現象です。とても面白い現象ですし,役に立つ現象です。・・・(続きは本誌で)

基礎からの量子光学 第17回 量子テレポーテーション

カリフォルニア工科大学 青木 隆朗

前々回「EPR パラドックス」および前回「量子もつれ光子の発生と検出」では,量子もつれ(量子エンタングルメント)の不思議な性質,すなわち,空間的に離れた系の間に起こる量子力学的な相関(非局所相関)について詳しく解説した。この非局所相関をうまく使った例の一つに,量子テレポーテーションがある。これは,量子もつれを共有する送信者と受信者の間で,送信者の持つ量子状態を一旦壊した上で,量子もつれと古典情報を用いて受信者のところに再生する操作であり,1993 年にBennett らによって提案された1)。・・・(続きは本誌で)

シリーズ

ワン・ポイント結像光学 第50回 幾何光学的な瞳関数

朝枝 剛

レンズを通る光束は開口絞りによって制限され,見える範囲は視野絞りによって制限されます。写真レンズにはレンズを通る光の量を調節するためにちょうど人間の眼の虹彩のように大きさを変えられる絞りがつけてあります。光を制限する絞りは物理的な“もの”ですが,この絞りより前側にある(つまり光が入ってくる側にある)レンズ(あるいはレンズ群)が作る像を入射瞳といい後側にあるレンズが作る像を射出瞳といいます。レンズが作る像の良し悪しを調べる場合に結像に与る光の瞳上での状態を用いると便利です。幾何光学的な結像では物点から出てくる光を光線として取り扱います。・・・(続きは本誌で)

IT市場ウォッチング 第74回 オープンイノベーションの潮流

(株)野村総合研究所 藤浪 啓

フラットパネルTV,DVDプレイヤ,携帯電話などに代表されるデジタル情報家電の市場は数量ベースでの市場拡大が進む一方で破壊的な価格下落により金額ベースでの市場拡大が思ったように進んでいない。一方で,ハイテク製品の過去の経験則から言えるように上位グループのポジションを失うことは収益を確保できないことを示すため,積極果敢な投資を継続しなければならないという宿命を負っている。設備投資負担とならび負担が重くのしかかってきているのがソフトウェア開発投資である。携帯電話のソフトウェア開発規模(プログラム行数)は2000 年前後に比較し5 倍以上まで増大した。・・・(続きは本誌で)

光の研究コミュニティ-技術進展を支える光関連研究会/グループ- 第45回
日本表面科学会 放射光表面科学部会

東京大学 尾嶋 正治

X線の発見から1世紀以上,そしてシンクロトロン放射光が1947年に米国の円形加速器(シンクロトロン)で加速される電子から放出されてから半世紀以上が経過します。この間に,円形加速器施設(例えば東大核研INS-SOR)に間借りしていた第1世代の放射光,放射光専用の第2世代放射光(例えば高エネルギー加速器研究機構のフォトン・ファクトリー),そして高輝度の放射光リング(例えばSPring-8)からの第3世代放射光と発展してきました。「夢の光」としていろんなサイエンスやテクノロジーの分野に使われ,そのすばらしい威力を十分に発揮してきました。そして,昨年暮れに(定義が難しいのですが)第4世代放射光と言われているX線自由電子レーザーの建設計画が承認されました。・・・(続きは本誌で)

※シリーズ「光技術の研究開発・特許動向 II/技術別に見る最新情報」はしばらくのあいだお休みします。


HEAD LINE NEWS

DATA ROOM

▼ガラス製光ファイバケーブル輸出数量,14 ヶ月連続で増加
▼PDP モジュールの生産台数,25 ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比116.9 %の2,063 億円
▼FTTH の加入数,800 万に迫る

PHOTONICS SPECTRA

▼米国FTTH協議会「100メガビット国家」を提唱

CALENDAR

EVENTS

▼第68回レーザ加工学会講演会
▼レーザー学会第360回研究会「固体・半導体レーザー」
▼東京大学駒場リサーチキャンパス公開
▼第39回光波センシング技術研究会講演会
▼第6回ボリュームホログラフィックメモリ技術研究会
▼第32回光学シンポジウム「光学システム・光学素子の設計,製作,評価を中心として」

Zoom in USA 第45回 OFC/NFOEC 2007 速報版

東門 元二

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

 CO2をはじめとする温室効果ガスの増加で地球の温暖化が進み,それに伴って生じる様々な環境への悪影響が心配されています。国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告によれば,大気中のCO2は1750年には280ppmだったものが2005年には379ppmに上昇,このまま行くと2100年には540ppmから970ppmに達するとされています。平均気温のほうも,この100年間で0.6℃上昇しており,1990年から2100年にかけては1.4℃から5.8℃の幅で上昇すると予測されています。

 このまま温暖化が進めば洪水や熱波,干ばつといった異常気象が今よりさらに多発すると指摘されています。砂漠化の進行も一層進むということです。それにより農産物が影響を受け生産量が減少すれば,世界的な食糧危機が起こると危惧されています。一番大きな影響を受けるのがアフリカなどの開発途上国だと言われていますが,我が国にとっても対岸の火事ではありません。というより相当大きな影響を受けると思われるのです。

 我が国の農産物自給率(カロリーベース)は1960年には80%あったものが2000年には40%までに減少しています。水産物に関しても60%を割っている状況です。今や我々の食生活は輸入がなければ成り立たないというのが現実の姿です。一方で,中国をはじめとしたBRICs諸国は急速な経済発展を遂げており,それに伴って食料消費も増え続けています。食料輸出国だった中国は既に輸入国となっています。

 資源ナショナリズムという言葉をよく耳にしますが,近年ロシアは価格値上げに応じないウクライナやベラルーシに対し原油供給を停止するといった強硬な手段を取ったり,既に契約を交わしている原油・天然ガス開発プロジェクト,サハリン2に対し,あえて環境破壊問題を持ち出しプロジェクト停止をちらつかせ,自国企業に経営権を譲らせるなど,強引なやり方を進めています。一方,中国も東シナ海のガス田を外交的配慮もなく一方的に開発したり,尖閣列島付近での軍事的示威行為を行なったり,さらには人権抑圧国家と非難されている国家までを含め,ODAと引き換えにアフリカ諸国から資源を獲得するなど,自国権益を最優先する資源獲得政策を進めています。

 このようなナショナリズムが食料資源にも使われないという保証はありません。もしそうなれば,農産物がスムーズに我が国に回ってこないという状況が現実問題となってきます。食糧を輸入に頼っている我が国は今後,安全保障という観点から農業を考えなくてはならなくなったのかも知れません。食糧輸入のための資金は確保できるのか,そのための産業競争力を維持できるのか。いや,いくら資金があっても輸入できない状況も考えられるのです。

 今月号の特集では,ますます重要性を増す農業に光技術は如何に貢献できるかという観点で,その現状と動向を探ってみました。さらに環境と資源がらみで,FOCAL POINTでは欧州のRoHS指令と金属資源の枯渇問題にも焦点をあててみました。

編集長 川尻 多加志

今後の特集予定(敬称略)

6月号 特集 『青紫色レーザを用いた光ディスクの注目技術(仮題)』

▼総論 関西大学 沖野芳弘
▼BD用光ヘッド 三菱電機(株)篠田昌久
▼HD DVD用光ヘッド 船井電機(株)松井 勉
▼互換レンズ コニカミノルタオプト(株)大利祐一郎
▼ディスクの多層化 松下電器産業(株)宮川直康
▼光ディスク製造プロセス メモリーテック(株)湯本 誠司
▼光ディスク信頼性試験の標準化の現状 大阪産業大学 入江 満

7月号 特集 『NGNと注目の光デバイス(仮題)』

▼10Tbpsを超える超大容量光トランスポート技術の現状 日本電信電話(株) 宮本 裕
▼高機能プレーナ光波回路デバイス 日本電信電話(株) 高橋 浩
▼広帯域波長可変レーザ 日本電信電話(株) 大橋 弘美
▼半導体光変調器 日本電信電話(株) 八坂 洋
▼高速通信用半導体レーザ (株)日立製作所 牧野 茂樹
▼メトロ用光トランシーバ (株)富士通研究所 森 和行

8月号 特集 『テラヘルツ分光・イメージングの計測への応用(仮題)』

▼テラヘルツ分光・イメージング応用の展望 名古屋大学 川瀬 晃道
▼テラヘルツ時間領域分光の応用 大阪大学 谷 正彦
▼テラヘルツ時間領域分光法による気体分子の分光:水蒸気スペクトルの圧力広がり係数測定 (独)理化学研究所 保科 宏道
▼ラスター走査型テラヘルツイメージング装置 大阪大学 斗内 政吉
▼金属メッシュの分光・イメージング応用 (株)アドバンテスト 加藤 英志

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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