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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2009.10 vol.28 No.334
10月号 特集 情報セキュリティと光技術

総論

大阪大学 谷田 純

光暗号の原理に基づく生体認証技術

東京工業大学 鈴木 裕之,山口 雅浩

視覚復号型暗号によるセキュアディスプレイ

徳島大学 山本 裕紹

情報通信技術による社会活動や情報機器の日常生活への浸透とともに,情報のセキュリティの確保がますます重要になっている。情報システムにおいて,記録媒体中やネットワーク上の多くの情報がディスプレイを介してユーザーに伝達される。これまで,ビットデータとして存在する情報の安全性確保には各種の暗号化が用いられている。さらに,本特集でも解説されるように,先端的な個人認証技術の開発が進んでいる。しかしながら,図1に示されるように,復号後の情報が観察者の網膜に伝達されるまでの過程のリスクが残る。たとえば,表示画像の覗き見,復号後のデータの解読,ならびに映像信号の傍受のリスクがある。従来の暗号技術は通信データや保存データを保護するが,表示データを保護できない。最近では,不正に設置されたカメラによる暗証番号の盗み見が問題になるなど,情報機器とユーザーのインターフェース部分において利用者に信頼感を与える技術の開発が求められている。安心して情報をやりとりできる情報環境を構築するためには,情報表示に関するセキュリティ技術が必要である。・・・(続きは本誌で)

デンタルメモリー ―本人認証のための歯への情報記録

宇都宮大学 早崎 芳夫,徳島大学 市川 哲雄

地震や津波といった大規模な自然災害において,多くの人が被害にあった。このような大規模な災害の際には,多数の被害者の身元確認が必要となる。身元確認には,歯科的特徴や指紋を用いた認証方法が用いられる。これらの方法は,事前に登録された情報と比較を行うため,不特定多数の身元確認において,多くの時間と費用を要する。近年,DNA鑑定は精度の高い認証方法として使用されているが,認証時間・費用の面から不特定多数の身元確認を行うことは難しい。これらの問題を解決する1つの方法として,人体もしくは人体にとりつける補助物への情報の記録がある。補助物に個人情報を記録できれば,被害者の特定にかかる時間や費用を大幅に低減できる。RF-ICタグの個人認証への適用が試験的に実施されているが,実用化のためには個人情報保護のためのセキュリティやルールを必要とする。・・・(続きは本誌で)

文書鑑定における光技術

科学警察研究所 赤尾 佳則

文書鑑定は,犯罪に関係する文書を解析し,その真偽,作成方法,改ざんの有無等を識別するものであり,犯罪鑑識の一分野である。文書鑑定で扱う資料には,筆跡,印影,印刷物,コピーされた複写文書,プリンタで出力された文書,偽造通貨など,様々な種類がある。文書鑑定では,資料の形状,色,内部構造,材質,状態,変化の履歴等の情報を抽出するために,光技術が幅広く用いられている。光のさまざまな性質,たとえば直進性,吸収・反射,干渉,回折・散乱,偏光,分光・色彩を利用することにより,それらに対応する物理量や,測定試料の特性に関する情報を得ることができる。光計測には,高感度性,遠隔性,並列性,大容量性,高速性,安全性,電気的無誘導性,耐電磁ノイズなどの特長があり,高精度・高品質の計測が可能である。・・・(続きは本誌で)

フォトニックスマートメディアによる個人認証・情報記録

神戸大学 的場 修

連載・シリーズ

発明・特許のこぼれ話 第22回 ジョージ・イーストマンの発明

SMK(株) 鴫原 正義

去る6月22日に米国のコダック社が74年の歴史を誇る“KODACHROME”フィルムを今年限りで販売終了すると発表しました。多くのファンに限らず時代の変遷を感じさせるニュースでした。光学式のカメラは,デジタル化の流れにとり残され,すっかり霞んでしまいましたが,かつてはプロだけが扱うカメラの世界から誰もが使えるカメラにしたのはジョージ・イーストマン(1854〜1932)だったといえるでしょう。今回はイーストマンの話題を中心にカメラの世界を追ってみましょう。カメラの原理は紀元前のアリストテレス(BC384〜BC322)が語ったとか,レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)のメモに書かれているとか,様々な説があります。しかし,具体的な形として現れたのは16世紀の画家達が風景画の輪郭を描くのに利用していた「カメラ・オブスキュラ」(ラテン語で「暗い箱」の意味)と呼ばれたピンホール・カメラでした。・・・(続きは本誌で)

USA Today 第22回 WiMAXに勝算はあるのか!?

Optomarketing USA 中島 和宏

次世代無線通信のBWA(Broadband Wireless Access)が本格的に動き出している。米インテル等が推進してきたWiMAXがその代表格にあたり,W-CDMAの後継であるLTE(Long Term Evolution)や,日本ではウィルコム社のXGP(次世代PHS)もそのひとつである。技術的に見れば,いずれの方式も同一線上にあると言えるだろう。主に建物内部の通信に使うことを想定して規定され,現在一般的となっているWi-Fi無線LAN(IEEE 802.11a/g/n)や,ケーブル,地上波デジタル放送等で利用されているOFDM(Orthogonal Frequency- DivisionMultiplexing 直交周波数分割多重)を多数アクセス可能とした方式OFDMA(Orthogonal Frequency- DivisionMultiple Access 直交周波数分割多元接続)をベースとしているからだ。・・・(続きは本誌で)

原点に戻って学ぶレーザー原論 第7回 波の回折

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

光は波であり,重ね合わせることができる。この性質によって干渉現象が起こり,干渉計や反射防止膜,多層膜反射鏡などができる。同じ重ね合わせの原理に基づき,回折現象が起こる。干渉と回折の間に明確な区別がないとはいえ,光学において回折現象は波としての重要な性質の一つであり,この原理に基づいて望遠鏡や顕微鏡などのレンズ系の原理的な分解能が決まったり,あるいは分光目的に利用される回折格子ができあがっている。波は,障害物によってその進路がさえぎられると,その背後の影になる領域にも回り込んでいく性質を持っている。これは光にもかぎらず,水面における波であっても,音波であっても現れる現象である。現に,港に防波堤をもうけ,船の出入り用に狭い水路を開けてあっても,海の波が湾内にも入ってきている。あるいは,物陰に隠れた人の話し声が聞こえるのも回折現象のおかげである。ただし,回折は波長に依存した現象であり,光の波長領域では回折による曲がりはごくわずかであり,普段目にする機会も多くはない。例えば,太陽の大きさによる広がりは視覚にして32分程度あり,1m先で9mm程度ぼやけているが,回折による回り込みは1mm程度と小さいので,回折を認識することは難しい。今回は,このような回折に焦点を当て,その原理,分解能,回折格子について,できるだけ数式を使わずに解説する。・・・(続きは本誌で)

光学技術者のための電磁場解析入門 第10回 波面整合法による光導波路設計とその応用

日本電信電話(株) 高橋 浩

光技術者のための基礎数学 第10回 不定積分II

職業能力開発総合大学校 河合 滋

関数f(x)を積分するということは,y'=f(x)を満たすxの関数yを求めることである。このことは,x,y,y'に関する方程式g(x,y,y')=0が成り立つようなxの関数yを求める問題と考えることもできる。このような方程式を微分方程式と呼び,yに関する1階微分のみが含まれている方程式を1階微分方程式,n階微分までが含まれている方程式をn階微分方程式と呼ぶ。また,独立変数が一つである微分方程式を常微分方程式,独立変数が二つ以上の偏導関数を含む微分方程式を偏微分方程式と呼ぶ。この節では,基本的な常微分方程式と簡単な偏微分方程式の解き方について述べる。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向?/技術別に見る最新情報 第142回 太陽電池モジュール(京セラ)

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

2006年3月27日,京セラ株式会社(京都市伏見区)中央研究所の永田 優,清原敏史が,三重伊勢工場(三重県伊勢市)の西 浩二と共同開発した「太陽電池モジュール及びその製造方法」(特開2008-53681)は,太陽電池素子の製造工程中に基板に印加される最大主応力を低減させることができ,クラックを減らすことができるもので,その後のラミネート工程においても,太陽電池素子が割れたり,クラックが発生したりすることが低減するものである。技術の内容は,太陽電池モジュールの製法において,基板上に形成されたバスバー電極2a,3aに接続される接続タブ7の短辺側の側面に接続タブ7の高さまで半田フィレット19を形成する。半田フィレット19の形状を,そのくぼみ量が半田フィレット19の高さの0〜54%,又は膨らみ量が半田フィレット19の高さの0〜10%を満たすように調節するものである。・・・(続きは本誌で)

光ディスクは長寿命メディアたりうるか!?DVD 寿命試験法がISOを取得

CDやDVDといった光ディスクメディアは,データの保存に広く利用されているが,これまで寿命について明確なデータが存在せず,経年変化による記録内容の消失や,読み出しが不可能になる可能性が懸念されてきた。この問題については小欄も2007年2月号でお伝えしているが,当時は複数の団体や機関が光ディスクの劣化についての評価方法の策定を巡り,試行錯誤を繰り返している状況であった。しかし2008年1月,光ディスクやドライブの製造メーカを中心に構成する団体「CDs21ソリューションズ」(以下CDs21)が提案したDVDの寿命検査法「光ディスク寿命推定試験法」が,他に先駆けて「ISO/IEC 10995」として正式に国際規格として承認された。これを受け,CDs21は2009年4月にNPO法人「アーカイヴディスクテストセンター」(ADTC)を光ディスクの試験機関として設立し,稼働を始めている。・・・(続きは本誌で)

新たな市場を求めるCCFL

LCDのバックライトとして活躍する冷陰極管(CCFL)だが,その役割はLEDに取って代わられつつあるようだ。調査会社のDisplaybankによれば,2008年第4四半期の大型パネル用CCFLの出荷本数は不況のあおりを受け,前期比17%減の5億3,000万本となったものの,需要は急速に回復しており,2009年第4四半期には前期比11%増の7億1,000万本になると予測している。だが,長期的に見ると必ずしもCCFLの将来は明るくないようだ。同社はCCFLの替わりにLEDをバックライトに用いたLCDテレビ市場の調査も行なっており,それによれば市場は2009年から本格的に立ち上がり,2012年にはLCDテレビ出荷数の1/4強を占める25.9%に達するとしている。LEDは点灯用の高電圧インバータや高電圧によるノイズ対策が不要なほか,電力消費量が少なく水銀も使用しないなど,環境性にも優れるという利点を持つ。同じく調査会社のDisplaySearchによれば,10インチ以上のディスプレイにおけるLEDバックライトは,既にノートPCで主流となっており,2009年には52%のノートPCが搭載するだけでなく,その割合は2010年には81%に達すると見ている。・・・(続きは本誌で)


HEADLINE NEWS

DATA ROOM

▼液晶テレビ輸入数量,8ヶ月連続のプラス
▼デジタル一眼レフカメラの生産実績,3ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比99.9%の2,643億円

CALENDAR

EVENTS

▼15th MICROOPTICS CONFERENCE(MOC'09)
▼第130委員会発足50周年記念
  先端光エレクトロニクス国際シンポジウム
▼ナノフォトニクス工学推進機構ナノフォトニクス塾
▼第114回微小光学研究会 創エネ・省エネと微小光学
  -微小光学は地球を救えるか-

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

日本人はかつて「水と安全はタダ」と思っていました。
ところが,今やミネラルウォーターをコンビニで買うことなど珍しくもなくなり,一方これまでには考えられなかった凶悪犯罪がずいぶん起きるようになったと感じる人も多いのではないでしょうか。

日本人の場合,お人好しというか,基本的に性善説に立っている人が多いようで,犯罪に対する警戒心が外国人に比べてかなり希薄です。
海外旅行に行くと,それがよく分かると言いますね。
実際,ちょっと油断していた隙に置き引き等の被害に遭ったという人も多いようです。

一方,外国人にとっては,財布やパスポートをタクシーに忘れても後から戻って来ることが信じられないようです。
電車の中で居眠りをしていたり,女性が夜一人歩きするなど,日本では珍しいことではありませんが,彼らの目には何とも牧歌的と映っているかも知れません。

でも,最近では事情が変わって来ました。
人々のモラルも下がって来たのか,騙す人間より騙される方が悪いという風潮も一部では見受けられるようですし,何の恨みもない無関係の人を平気で殺してしまうなど,信じられないような犯罪もかなり起きています。

インターネット絡みの犯罪も急増しています。
パスワードやクレジットカードの暗証番号を盗まれたり,パソコンやサーバの中の情報を改竄されたり盗まれて悪用されるなどといった犯罪が実際に多発しています。
つい最近では,入国審査に使われている指紋認証システムが,特殊なテープを人さし指に貼って指紋を変造する方法で簡単に破られてしまったという事件もありました。

情報セキュリティに対する関心とその重要性はますます高まっています。
その期待に応えるには,現行の情報暗号技術だけでは不十分で,そこに光技術を絡めてより信頼性の高いセキュリティ・システムを確立して行こうという研究が注目を集めています。
そこで今月号の特集は,光技術を用いた情報セキュリティの研究最前線を大阪大学・大学院情報科学研究科の谷田純教授に企画していただき,本分野の第一線で活躍中の方々に,その最新研究を紹介していただきました。

そう言えば,外国では当たり前の国家機密に関するスパイ防止法への関心が日本では低いように思えてなりません。
改正不正競争防止法や改正外為法は今年成立しましたが,諸外国に比べると,その対策もまだまだ不十分のようです。

例えば米国,韓国,英国,ドイツでは不正取得が未遂でも加罰対象になりますし,米・韓・独に加え中国では,外国政府を利する目的の場合には罰則を重くもしています。
国が安全保障上必要と判断すれば,企業の出願特許を非公開にもできるといいます(2009年4月22日付け読売新聞社説)。

日本では核兵器開発に絡むような先端技術装置の不正輸出に対する処罰も甘く,核物質関連の情報を漏洩しても懲役が1年以下では抑止力にも何にもならないと思うのですが。

編集長 川尻 多加志

■次号(11月号)の予定

「ここまで来た2光子吸収多層メモリ」

2光子光メモリの現状と展開:静岡大学 川田 善正
タイトル未定:The Centre for Micro-Photonics Min Gu
高機能超短パルスファイバレーザーの開発:大阪大学 西澤 典彦
手のひらサイズ超短パルス固体レーザ:富士フイルム(株) 笠松 直史
ロール型多層光メモリの開発:静岡大学 川田 善正
ここまで進んだニ光子吸収化合物:山口大学 川俣 純
2光子多層メモリの進展:(独)理化学研究所 田中 拓男

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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