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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2009.2 vol.28 No.326
ナノフォトニックデバイスの挑戦

総論:先端ナノフォトニクスの展開

東京大学 荒川 泰彦

光通信用量子ドットレーザ

(株)富士通研究所,(株)QDレーザ 菅原 充

量子ドットとは直径10-20nm程度の半導体微結晶であり,閉じ込めた電子のエネルギ準位を完全に量子化するという特徴を持っている。1982年に東京大学の荒川らは,この結晶を活性層に搭載した半導体レーザを理論的に考察することによって,レーザの動作特性が温度によらなくなることを予言し,量子ドットレーザと名付けた(当事は量子箱レーザと呼んでいた)。量子ドットレーザは,NEDOの支援と東京大学・富士通の産学連携の下でその開発が進められ,従来の半導体レーザと一線を画する低消費電力・小型の画期的デバイスとして注目されている。・・・(続きは本誌で)

量子カスケードレーザ

浜松ホトニクス(株) 山西 正道

半導体量子井戸構造における電子のサブバンド間遷移による光増幅の可能性は,1971年Kazarinov とSurisによって理論的に指摘された。その後,20年以上の時を経て,1994年Faist らはInGaAs/InAlAs多重量子井戸/超格子構造を用いて,4.3μm帯のレーザ発振に成功した。その多段のカスケードポンプによるユニポーラデバイスは,量子カスケードレーザ(QuantumCascade Laser: QC Laser)と名付けられた。観測されたレーザ動作は,驚くべきことに,レーザ発振時には「誘導放出レートが,2次元系に特有なLOフォノン散乱による超高速(ピコ秒)の非発光緩和レートと同程度に成りうる」ことを示唆していた。・・・(続きは本誌で)

第一光子発生素子

東京大学 臼杵 達哉

フォトニック結晶による究極的な発光制御

京都大学 浅野 卓, 山口 真, 高橋 和, 冨士田 誠之, 野田 進

フォトニック結晶とは周期的屈折率変化をもつ光材料であり,特定の方向あるいはすべての光に対して状態密度が0となる波長帯域,すなわちフォトニックバンドギャップをもつことを特徴とする。フォトニック結晶においては発光制御をはじめとする様々な効果が期待されている。例えば,自然放出は光の状態密度がなければ生じ得ないため,発光体をフォトニック結晶中におくことで特定あるいはすべての方向への発光を抑制することが可能になる。また,フォトニック結晶内にその周期性を局所的に乱した領域(点欠陥)を人為的に導入すると,その領域にはフォトニックバンドギャップ帯域の光が局所的に存在可能になり,局在光モードが形成できる。・・・(続きは本誌で)

ナノプラズモニクス:どこから来てどこへ行くのか

大阪大学,(独)理化学研究所 河田 聡

スピントロニクスによる量子メディア変換デバイス

東北大学  小坂 英男

連載・シリーズ

USA Today 第14回 米国年末商戦,予想を超えた賑わい

Optomarketing USA 中島 和宏

米国ではサンクスギビング翌日のブラック・フライデー,その週明けのサイバー・マンデーを皮切りに,ホリデー・ショッピングシーズンが始まった。景気減速に伴う一般消費の低調が懸念されていたが,販売店の店頭集客数も,オンライン販売数も予想を超えた賑わいだったようだ。WEBサイトトラフィックモニターの調査によると,120店のオンラインショップへのインターネット・トラフィックは,昨年同時期より10%増となり,3,170万件のビジターを記録した。同様に,日本の価格.comに相当するサイト,プライスグラバーへのアクセスも11%増という結果であった。まずは欲しいものの価格をチェックしてから,最安値のサイトに向かうという流れを反映している。・・・(続きは本誌で)

IIT市場ウォッチング 第94回 理工系人材不足問題

(株)野村総合研究所 藤浪 啓

金融危機がグローバルレベルで実体経済に深刻な悪影響を与えている。世界に冠たるものづくりの最高峰であるトヨタ自動車が昨年度の最高益から一挙に赤字に転落したことは各メディアにおいてトップニュースで取り上げられた。エレクトロニクス業界でもグローバルカンパニーの代表格であるキヤノンやソニーの人員削減が連日取りざたされている。今回の不況,というよりも恐慌がどこまで深く,長いのかは現段階では見えないが,製造業がひとつのパラダイムシフトを迎えたとの指摘がなされつつある。・・・(続きは本誌で)

発明・特許のこぼれ話 第14回 ハニカム構造

SMK (株) 鴫原 正義

飛行機に乗って窓から主翼を見ていると翼がしなっているのが見えます。このしなやかさは,独立分割されたコアと呼ばれる構造の集合体であるハニカム構造によるものでしょう。ハニカム構造は軽量化と同時に強度が求められる構造物だけでなく,その特異な特長の故に様々な分野で適用されています。今回はこのハニカム構造の世界を見てみましょう。ハニカム構造は1920年代にドイツの技術者ヘルベルト・ワーグナー(1900〜 1982)が薄板における殻材理論を打ち出した時に発するとも言われています。・・・(続きは本誌で)

光学技術者のための電磁場解析入門 第2回 FDTD法による3次元電磁場解析(1)

愛媛大学 市川 裕之

時間領域差分法(以下FDTD法)は,1966年にYeeによって提案され,コンピューターの能力の十分な進歩に伴い,1980年代後半から急速に普及が進み,現在,アンテナや電波伝搬の分野では,最も標準的に使用されている電磁場の数値解析法であると言っても過言ではないだろう。すでに,(マイクロ波領域の応用に重きを置いた)FDTD法の全体像をカバーするような詳細な教科書が洋の東西から出ている。光学の分野では筆者が解説を執筆した1998年頃からFDTD法の存在が知られ始め,利用者も増加してきたため,それに伴い,光学分野での応用に特化した入門的な解説等を送り出してきた。・・・(続きは本誌で)

光技術者のための基礎数学 第2回 三角関数II

職業能力開発総合大学校 河合 滋

三角関数の計算は,複雑になる場合が多いので,種々の公式を覚えておくと便利である。
(1)倍角の公式
式(1.18)においてx = y とおくと,次式が得られる。


これらを倍角の公式(Double Angle Formula)と呼ぶ。・・・(続きは本誌で)

事例に学ぶ光・電子分野の知的財産 第14回 知的財産法と民法

諏訪東京理科大学 西澤 紘一,(独)雇用・能力開発機構 千葉センター 櫻井 博行

六法全書とは何ぞや。六法全書とは,六法などの主な法令を収録した書物のことである。六法全書の文言中,六法とは現行成文法のうち,代表的な憲法,刑法,民法,商法,刑事訴訟法,民事訴訟法をいう。また,全書とはある分野に関する事項や文献,あるいは個人の著述のすべてを集めた書物をいう。今日において六法全書とは上記の六法を含む主な法令を収録した書物を指す。基本六法中,憲法とは国家の組織や統治の基本原理・原則を定める根本規範(法)を,刑法とは犯罪と刑罰に関する法律を,民法とは市民生活における市民相互の関係を規律する私法の一般法を,商法とは商人を対象とし,その活動を規律する法律を,刑事訴訟法とは刑事訴訟の手続きを定めている法律を,そして民事訴訟法とは民事訴訟の手続きを定めている法律をいう。・・・(続きは本誌で)

光の研究コミュニティ-技術進展を支える光関連研究会/グループ- 第66回 (社)日本写真学会 カメラ技術研究会

カメラ技術研究会 長 倫生

カメラ技術研究会は1992 年10 月7日,当時の(社)日本写真学会副会長,内田康男氏の提言でカメラメーカー8 社の代表が集まり設立されました。当時競争相手メーカーの技術,開発関係者が一同に会する事は規格委員会等の日本写真機工業会の委員会以外有りませんでしたが,本研究会の設立により新たな交流の場が与えられました。近年,カメラの主役はフイルムカメラからデジタルカメラへと移り,業界再編等による脱会が相次ぎ存続の危機にも見舞われました。しかし会員の熱意により変わること無く活動が維持されて来ました。更に現在では新たな仲間も得,7社の代表により運営されています。・・・(続きは本誌で)

技術士PLAZA 第14回 我ら機械屋気質(かたぎ)

日本オートマチックマシン(株) 五十嵐 伸一

18世紀に始まった産業革命は、機械化による生産性向上運動でもあった。ただし、生産性向上のみを目的とした、ものづくり革命では、けっしてなかったはずである。その当時、機械を設計・製造していた機械屋たちを奮い立たせていたものは、「作業している人たちの体を少しでも楽にしてあげたい」という思いが多分にあったからだと思う。「体が楽になる機械が発明されたおかげで、大量生産につながり、そして生産性向上が図られた。」と考えてみるのが、正しいのかもしれない。当時の機械屋が持っていた気質は、そんな作業者を思いやる気持ちが根底にあったればこそ、細部にこだわった機械が作られ、それが作業者に受入れられ発達してきたのだと思う。機械屋は、顧客から機械化の仕事があれば、勇んで顧客のところに営業と出かけていき、現状の手作業を見ながら機械の仕様決めをする。設計の段では、作業者が喜ぶ顔を思い浮かべながら、設計しているものである。もっと作業しやすい方法はないか、段取り換え時にその隙間に手は入るのか、操作手順はこれで安全かなどと昼夜を問わず、考えている。機械屋は、機械という無機物なものにその想いを吹き込み、その想いがお客様に伝わり、喜んでもらえれば、この上もなく幸せを感じる輩(やから)なのである。それが、「機械屋の気質」なのだと思う。・・・(続きは本誌で)

21世紀を切り開く機能性単結晶の基礎と応用 第21回 フォトニック結晶ナノ共振器を利用した光と物質の相互作用制御

東京大学 岩本 敏, 野村 政宏, 荒川 泰彦

フォトニック結晶は波長程度の屈折率の周期構造を有する人工光学結晶である。屈折率が周期的に変調されたフォトニック結晶内部では,ポテンシャルが周期的に変化する結晶内での電子と同様に,光は特有の伝搬特性(バンド構造)を示すとともに,結晶内に存在できない光の周波数領域(フォトニックバンドギャップ)が形成される。特異なバンド構造を利用して,負の屈折率およびスーパーレンズなどの関連現象が盛んに研究されている。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第134回 核医学分野での放射線強度の測定技術

嶋本国際特許事務所 嶋本久寿弥太

核医学分野での放射線強度測定は,核医学診断・検査装置において,画像の精度や減弱補正などのほか,データの位置分解能の向上,放射線投影データの補正,SPECT画像の散乱線補正,癌組織等の判定,半導体の空間分解能の保持に利用されている。放射線強度測定技術の国際特許分類をみると,「放射線強度の測定」は,G01 T1/16 で,「核医学の分野における応用(例:生体内計数)」はG01T1/161 となっている。「核医学分野での放射線強度の測定技術」の特許出願公開は,15年間に171社(うち外国企業56社,個人9名)が参入し,特許出願公開件数は1120件に達している。・・・(続きは本誌で)

レアメタルをリサイクルせよ!!

ここ数年の金属資源価格の高騰や資源ナショナリズムの高まりを受け,天然資源に乏しい我が国では,電気製品等の廃棄物からレアメタルをはじめとする金属資源を回収しようとする動きが高まっている。こうした金属を含む廃棄物や退蔵品(使用せずに貯蔵している製品)を称した「都市鉱山」という言葉も,ここ1,2年で広く浸透したが,実際にこの鉱山を資源として再利用する具体的なシステムは,残念ながらまだ明確に見えていないのが現状だ。レアメタルはハイテク産業と係わりが深く,光関連産業においても光触媒からレンズ,光ファイバ,半導体レーザ,LED,ディスプレイ等に至る多くの製品に利用されているため,その供給に支障が生じれば,産業の存在自体が左右されかねず,一刻も早い対策が求められている。ここでは様々な試みが始まった,レアメタルの回収とリサイクルに関する最新動向をレポートする。・・・(続きは本誌で)

需要拡大に期待!気になる医療用LCDの開発動向

現状の世界的な景気後退が様々な産業分野の生産活動に大きな影響を与えている。ディスプレイ分野も例外ではなく,中でも民生用テレビパネルは市況の急速な冷え込みが懸念されていて,パネルメーカは生産体制の見直しを余儀なくされている。米国調査会社のDisplaySearchが昨年12月に発表した2009年の世界のテレビ市場によると,ブラウン管を含めたテレビの販売金額は前年比18%減の880億ドルになると予測。そのうち,液晶テレビの販売金額は前年比16%減の640億ドルと,初めて前年割れになると予測している。・・・(続きは本誌で)

広がる応用,ハンディタイプの光応用計測機器

光が様々な計測に利用されていることはご存じのとおりだ。波長ごとに異なる特性を応用し,医療や先端産業から農業や漁業に及ぶ多くの分野において,様々な光計測が用いられている。昨年11 月に開催された,全日本科学機器展にも多くの光を利用した計測機器が展示されたが,中でも目を引いたのが片手で操作が可能なハンディタイプの計測機器だ。「安心・安全」がキーワードとなることが多い現代社会において,現場での素早い測定・検査を可能にする小型計測機器は,あらゆる分野で需要が高まっている。本稿では,展示会場で見られた製品を中心に,注目されるハンディタイプの光応用計測機器を紹介する。・・・(続きは本誌で)


HEADLINE NEWS

DATA ROOM

▼発光ダイオード輸出量,10ヶ月連続のプラス
▼コンパクトデジタルカメラの生産実績,9ヶ月連続のマイナス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比87.4%の2,573億円

PHOTONICS SPECTRA

▼Obama次期大統領,ノーベル物理学賞博士を指名
▼Corningの売上,減速

CALENDAR

EVENTS

▼多元技術融合光プロセス研究会 第5回研究交流会「レーザマクロ加工の新潮流」
▼OFC/NFOEC 2009
▼2009 Optical Data Storage Topical Meeting(ODS)
▼CLEO/IQEC 09
▼月刊オプトロニクス新春特別セミナー「光エレクトロニクス産業の最新市場動向」
▼第43回光波センシング技術研究会講演会

今月のコメント

今月号の特集は,東京大学・ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構長でいらっしゃる荒川泰彦教授にナノフォトニックデバイスの最新動向を切り口とした特集を企画していただきました。

特集総論で荒川教授が指摘されているように,ナノフォトニックデバイスはエネルギー効率が高く,地球環境に優しいグリーンIT社会実現の担い手として発展することが期待されている今注目のデバイスです。今回の特集では量子ドットレーザや量子カスケードレーザ,単一光子発生素子,さらにフォトニック結晶やナノプラズモニクス,スピントロニクスを用いた期待の光デバイスに関する最新の研究成果を,この分野のトップランナーの方々に紹介していただきました。

なお,たまたま偶然なのですが,連載「21世紀を切り開く機能性単結晶の基礎と応用」でも今月号は「フォトニック結晶ナノ共振器を利用した光と物質の相互作用制御」を取り上げていますので,こちらも併せてお読みいただけたらと思います。

ノーテルが破産法の適用を申請して経営破綻しました。同社はITバブル時代には時価総額が2,500億ドルを超え,市場でも高いシェアも誇っていました。ところがバブル崩壊後,800ドルを超えていた株価は何と4ドルにまで急落,95,000人もいた従業員はたったの2年で三分の一に減ってしまいました。

その後の経営は一進一退という感じだったそうですが2007年後半以降再び業績が悪化,さらにリーマン・ブラザース破綻に端を発した金融危機が追い討ちをかけ,資金調達が不可能となって経営破綻してしまったということです。企業が競争で淘汰されるのは仕方のないことですが,今回の金融危機の実体経済への深刻な影響を見ると,無秩序・無責任に暴走した金融資本主義の罪の深さをつくづく感じます。

米国のオバマ新政権が打ち出す大型財政出動の効果に期待する声も大きい一方で,他力本願ではなく我が国自らがどうするのかが重要なわけですが,政局優先で国会が機能不全に陥っている今の状況を見ていると,その危機意識の低さに不安を感じざるを得ません。

ところで,ウォン安,円高でいま韓国にブランド品などを買いに行く人が増えているそうです。日頃は格差社会を嘆いて派遣切りを糾弾するマスコミは,その一方でブランド品がお買い得と盛り上げ,現地で買い物に勤しむ日本人を面白可笑しく取り上げる。職を失った人との間に存在するこの格差をどう感じているのだろう。格差社会肯定派に寝返ったのでしょうか。よく分かりません。

日本で得たお金は日本国内で,それも国産品を買ったほうが景気対策や雇用対策になるのではないでしょうか。政府が打ち出した定額給付金など役に立たないと言いますが(そういう面もあるのかも知れませんが),ではどれだけの人が受け取りを拒否するのでしょう。興味深いところであります。

編集長 川尻 多加志

■次号(3月号)の予定

「光配向制御技術とその応用」

巻頭言
光配向材料とネマティック液晶配向制御
強誘電性液晶の配向技術
 -フィールドシーケンシャルディスプレイへの応用-
光配向技術のインセル位相差板への応用
光配向技術の有機半導体への応用
光配向装置

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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