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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2009.4 vol.28 No.328
期待されるフェムト秒レーザー研究

総論

(財)レーザー技術総合研究所 藤田 雅之

フェムト秒レーザーパルスの特徴はなんと言っても,超高速性と高ピークパワーであろう。1 秒間に地球を7周半する光が100 フェムト秒の間にはわずか30μm(髪の毛の直径の約1/3)しか進まないのである。また,同じ1GWのピークパワーを発生するのに,10ナノ秒のパルスでは10J 必要なところが,100フェムト秒パルスだと0.1mJ で済むのである。このような極めて短い時間に光エネルギーが物質に吸収されたら何が起こるのか?どんなレーザー加工の可能性があるのか?をテーマに特集号を企画した。・・・(続きは本誌で)

レーザー誘起圧力波の観察から見るフェムト秒レーザー加工の特長

京都大学 坂倉 政明,平尾一之,三浦 清貴

フェムト秒レーザー駆動衝撃波による凝縮物質高圧相の合成

大阪大学 佐野智一, 廣瀬明夫

物質に圧力を負荷すると,結晶構造や電子構造が変化することがある。その高圧下で安定に存在する相を,その物質の高圧相と言う。馴染み深い例はダイヤモンドであり,ダイヤモンドは炭素の高圧相である。自然界に存在するダイヤモンドは地中深くに存在しその成因は未だ謎が多いが,人工的にはグラファイトを高温高圧にすることによってダイヤモンドを合成することが可能である。物質に圧力を負荷する方法としては,ダイヤモンドアンビルセルを用いるような静圧縮法と,衝撃銃や高強度レーザーを用いるような動圧縮法に大別される。・・・(続きは本誌で)

基礎医学のためのフェムト秒レーザー応用:マイクロ津波による細胞接着力測定

奈良先端科学技術大学院大学 細川 陽一郎,東京大学 伊藤 彰彦

近年の遺伝子解析技術の急激な進歩の結果,細胞内の機能発現のメカニズムが分子レベルで明らかになろうとしている。例えば体細胞のiPS 化技術が最たるものであり,遺伝子解析技術がなしえた最大の成果の一つであると言える。今後は,このような細胞内機能の理解と制御の次として,細胞同士の相互作用(コミュニケーション)を分子レベルで理解し遺伝子レベルで制御することが,研究の主座を占めていくものと推測される。その場合基礎生物学の立場で細胞同士の相互作用の本質を遺伝子レベルからボトムアップ的な理解だけでは片手落ちであり,解剖学的な位置関係や組織構築に基づくトップダウン的な理解も同時に進め,互いの間に整合性を見いだすことが不可欠である。・・・(続きは本誌で)

フェムト秒レーザー照射によるTiO2膜の電気抵抗制御

大阪大学 塚本 雅裕

フェムト秒レーザーパルスによるシリコンの超高速相転移

大阪大学 井澤 友策,(財)レーザー技術総合研究所 藤田 雅之

空間光変調器を用いた高強度フェムト秒レーザー光波面制御

浜松ホトニクス(株) 伊藤 晴康,大林 寧,田中 博,原 勉

近年,光波形成形,光パルス波形整形,光波面補償,光計測,光相関等の技術が適用される光情報処理分野において,“光波の位相”を2 次元的に制御するための空間光変調器(SLM: Spatial Light Modulator)の必要性が高まっている。そして,レーザー加工,顕微鏡,光ピンセット,眼底カメラなどの具体的な応用分野が示され,空間光変調器の性能に対する要求も具体化し,実応用が検討されるようになった。一方,ナノテクノロジー分野において,光集積回路向けの微細加工技術として,高強度フェムト秒レーザーによる透明材料内部局所加工が注目され,光導波路,光メモリー,回折格子,ビームスプリッター,光カプラー等の光学素子へと展開されつつある。・・・(続きは本誌で)

特別企画

レーザーEXPO2009/レンズ設計・製造展2009/光ファイバ応用技術展2009 各社出展製品

原点に戻って学ぶレーザー原論 第1回 電磁波から見た光入門

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

1917年にアインシュタインが発表した「誘導放出の可能性」の理論に端を発し,それからおよそ40年以上経った1960年にレーザーが発明された。それまでの光と言えば,太陽からの自然光か,ガス灯,電球,蛍光灯の人工的な光であった。どちらも,原子の中の電子が持っている余分なエネルギーを光として放出したものである。では,レーザーとこれらの光とどこがどう違うのか?レーザー光は広がらない(指向性),なめらかな(コヒーレンス),鮮やかな(単色性),そして輝く(高輝度)光である。しかしながら,レーザー光の持つ最も大きな特徴は波動としての「光の制御性」である。光波の振幅,パワー,波長,位相,周波数,偏光を人為的に操ることができることである。ラジオやTVの放送には電波が使われている。音声や画像の信号を電波に乗せて遠くまで運び,家庭などで再現している。この電波と同じことを光でできるようになったのがレーザーの発明に始まる。太陽の光や電球ではこれができない。このように便利な光であるレーザーの基礎と実用を中心に,光の発生,性質,物質との係わり,そしてレーザー光を自在に操る技術の基礎である非線形光学についてお話しする。読んで,理解して,興味を持つことを主眼に記事を書いていくつもりである。原点に戻ってレーザーの科学,光の原理からレーザー光を操る技術までを詳しく勉強するつもりで読んでください。・・・(続きは本誌で)

連載・シリーズ

IT市場ウォッチング 第96回 進むオーバーテクノロジー

(株)野村総合研究所 藤浪 啓

価格帯5万円前後のネットブックの躍進が著しい。PC市場は90年代前半から台数ベースで15%程度の成長を遂げてきた。製品タイプ別ではデスクトップPCの比率が高かったが,2008年にはノートPCがデスクトップPCを抜いた。ノートPCの構成比は今後も継続して上昇するものと推測される。ネットブックの出荷台数の伸長はこの勢いを加速するであろう。かつてノートPCはデスクトップPCと比較して価格帯が高かったが,2008年にはついに平均単価が1000ドルを切った。ノートPCの価格は2000年前半以降年率10%で下落しており,デスクトップPCの価格下落率が2%前後であるのと比較すると価格破壊が進んでいるといえる。2007年後半に登場したネットブックの2008年の出荷台数は1200-1400万台程度に達したと推計され,ノートPCの価格下落率は2008年には15%程度と更に勢いを増した。・・・(続きは本誌で)

発明・特許のこぼれ話 第16回 発明の日に因んで

SMK(株) 鴫原 正義

4月18日は発明の日です。1885(明治18)年のこの日,特許法の前身となる「専売特許条例」が公布されたのを記念し,産業財産制度の普及・啓発を図ることを目的として1954(昭和29)年に制定されました。今回はあらためて産業財産権に関する歴史と話題を追ってみました。そもそも知的財産権とは,知的創造活動などによって創出された無形の資産を保護するもので,産業財産権と呼ばれる特許・実用新案・意匠・商標に関する四つの権利の他に,著作権や営業秘密,商号などが含まれます。なお,「特許」は技術的な創作の中で“高度で且つ産業上利用できる発明”であり,「実用新案」は特許に対し“小発明”と位置付けられ,物品の形状や構造に限る発明になります。更に,「意匠」は物品の外観形状・模様もしくは色彩などとの組合せによるデザインで,「商標」は商品やサービスに使用されるマークなどが対象となります。・・・(続きは本誌で)

USA Today 第16回 LED照明の時代がやってくる!

Optomarketing USA 中島 和宏

カリフォルニア州シリコンバレーはサンタクララ市のコンベンションセンターで,Strategies in Light − Lightingthe Future with LEDs−が開催された。副題でお解かりのように,高輝度LEDと同技術を利用した電灯製品市場と技術の学会・展示会であり今回十周年を迎えた。主催は,フォトニクス市場リサーチをグローバルに展開しているStrategies Unlimited社と,各種メディアArchitectural SSL(Solid State Light),LEDs MagazineおよびPennWell社が名を連ねている。学会参加者数は38ヶ国から2,000人,展示70社と規模は比較的小さなイベントであるが,欧州で成長,米国でもいよいよ動き出しているLED照明市場の活気が感じられる集まりであった。・・・(続きは本誌で)

光の研究コミュニティ-技術進展を支える光関連研究会/グループ- 第68回 (社)照明学会 光放射の応用・関連計測研究専門部会

埼玉大学 谷治 環

当学会には,「光関連材料・デバイス」,「光の発生・関連システム」,「光環境」,「視覚」及び当「光放射の応用・関連計測」専門部会があります。これらの専門部会と連携した研究調査委員会(平成20年度は11委員会)が時限的(2〜3年間)に組織され,その時代のニーズに適合した研究分野について研究調査をしています。当専門部会は文字どおり,“光(波長400〜780nmの電磁波)”だけでなく,“光放射(波長1nm〜1mmの電磁波)”を扱っているところに特徴があります。最近のLEDに関する研究は別として,全般的に“光”に関する応用・計測技術は成熟した実用的な技術になっています。一方,紫外及び赤外放射については未だ十分に確立されていないため,当専門部会の中心的な分野となっています。・・・(続きは本誌で)

光学技術者のための電磁場解析入門 第4回 光導波路デバイス内での光波伝搬解析(1)

アイディ(株) 岡本 勝就

ガラスやポリマーを導波路とする平面光波回路(PLC: Planar Lightwave Circuit)および半導体光集積回路(PIC: Photonic Integrated Circuit)は,基板上に作製されるために安定性および量産性に優れており,光通信システムを構築する上で重要な光部品である。また,PLC,PICは理論設計との整合性が高く,光の位相や空間的・時間的な多光束干渉を利用した複雑で高度な機能を有する種々の光デバイスが研究開発されている。さらに,近年注目が高まっているシリコンフォトニクスは,CMOSとの適合性が高くWDM技術等の光の利点をLSIに組み込むことが出来るために今後非常に重要な光回路である。今回および次回は,これらの光導波路デバイスに対する光波伝搬解析および設計において非常に重要な等価屈折率法とビーム伝搬法の二つについて詳しく説明する。・・・(続きは本誌で)

光技術者のための基礎数学 第4回 行列

職業能力開発総合大学校 河合 滋

複数のベクトルで表される一組の量を行列(Matrix)と呼ぶ。行列もベクトルと同様に,変数は太文字で表記する。ベクトルと行列を区別するために,この講座では,ベクトルを小文字,行列を大文字で表すことにする。ベクトルは,スカラを成分(要素)として,次のように記述できる。
・・・(続きは本誌で)

技術士PLAZA 第16回 技術士の論点

吉田健二CE事務所 吉田 健二

毎月1回「技術士の論点」という研究会に出ている。この研究会はいろいろな分野の技術士やフェローが,集まって科学技術を切り口に,時事問題,社会問題をワイワイ議論しようという集いである。メンバーには,機械,電気電子,建設,化学,水道,情報工学など,それぞれの分野で一家言を持つ経験豊富な独立自営の技術士が多い。その昔,アスベストの有害性を技術者として指摘できたら,多くの人が無益に亡くなるのを防げたかもしれない。また,国民総背番号制の導入にその技術的必要性を主張していたら,いま世間を震撼させている社会保険庁の年金記録改ざんを防げたかもしれない。このように政治的社会的に,どちらかといえば,沈黙を金とする技術者の世界であるが,社会正義,公共の福祉のためにその禁を破り,むしろ積極的に社会に提言することが必要な場合がある。・・・(続きは本誌で)

21世紀を切り開く機能性単結晶の基礎と応用 第23回 強誘電体フッ化物単結晶を用いたQPMデバイスによるSHG-UV/VUV発光

(独)物質・材料研究機構 島村 清史,EncarnaciO G. VIlora,日立化成工業(株) Senguttuvan Nachimuthu,青嶌 真裕,住谷 圭二

紫外・真空紫外(UV/VUV)領域におけるレーザー光源は光リソグラフィー用のステッパー,あるいは視力矯正手術といった加工・医用など,様々な分野で開発が待たれている。従来,フッ化物系のガスを利用したKrF(248nm),ArF(193nm)などのエキシマレーザーがこうした光源として利用されているが,取り扱いが煩雑,寿命が短い,有毒,ビーム品質が悪いなどの問題点が指摘されてきた。そのため,光源を全固体化することでこれらの問題を解決しようという試みがあり,これまでβ -BaB2O4(BBO),CsLiB6O10(CLBO),LiB3O5(LBO)といった酸化物の非線形光学結晶を利用した研究がなされてきた。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第136回 偏光手段を持つ立体映像装置

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

立体映像装置は,「立体視または他の3次元効果を生ずるもの」(G02B27 / 22)が中心で,そのほか,「反射プリズムと反射鏡のみを含むもの」(G02B27 / 24)と,「偏光手段を持つもの」(G02B27 / 26)が知られている。その中で「偏光手段を持つもの」(G02B27 / 26)の国際特許分類をみると,特許出願公開は,12 年間に367 件となっている。特許出願公開件数を年次別にみると,1997年(平成9年)に31件,98年に14件,99年に15件,2000年に17件,01年に33件,02年に36件,03年に26件,04年に58件,05年に51件,06年に41件,07年に21件,08年に24件となっていて,12年間合計367件となっており,参入企業は124 社となっている。・・・(続きは本誌で)

PRODUCTS INFORMATION

▼光産業国内生産額,2008年度見込みは1.3%減,2009年度予測は2.6%減

光産業技術振興協会では,1980年度以来調査を続けている光産業国内生産額統計について,2007年度(2007年4月〜2008年3月)の実績と2008年度の見込み,および2009年度の予測を発表した。調査対象となったのは,各分野における有力企業286社で,2008年10月から2009年1月末にかけて116社から回答を得ており,他の業界団体の調査結果も加味して作成された。2007年度の実績は,8兆705億円(成長率2.6%)と2年連続の増加となった。デジタルカメラとフラットパネルディスプレイが成長の伸びを支えたほか,情報通信とレーザ加工も堅調で,シリコン不足が解消した太陽電池も復調した。昨年度見込みの8兆1,795億円(同4.0%)には届かなかったものの,2006年度実績の7兆8,648億円から2.6%成長し,8兆円台に乗る結果となった。・・・(続きは本誌で)

▼進む実用化! 注目の非シリコン系太陽電池

世界的な不況の中においても,太陽電池市場は活況を呈している。日本における太陽電池出荷量の推移を見ると,2004年頃に世界的なシリコン不足による一時的な減速はあったものの,主力のシリコン多結晶系太陽電池と,大量生産が可能になったシリコン薄膜系太陽電池は増産傾向にある。特にシリコン薄膜系太陽電池は,製造装置さえ導入すればすぐに生産が始められるターンキービジネスが実現しており,世界中のあらゆる業種から参入が相次いでいる。シリコン系太陽電池が市場をリードする一方,非シリコン系太陽電池も研究開発が盛んに進められている。今のところ研究段階のものが多いが,シリコン系太陽電池には無い特性を活かして,従来には無かった応用も期待されており,本格的な製品化によって新たな市場を創出する可能性も秘めている。今回は実用化を目前にした,非シリコン系太陽電池の現状を調査した。・・・(続きは本誌で)

▼LED照明,本格普及へのカウントダウンが始まる! 追走する有機EL照明

次世代照明として普及拡大が期待されているLED照明。市場は「環境」,「省エネ」といった社会的要因を背景に前途が有望視されている。特に大きな市場と言われているのが店舗など商業施設や住宅といった一般照明分野だ。この3月に開催された国際総合照明展『ライティング・フェア2009』でも,出展社の多くが一般照明分野向けのLED照明を発表し,実用化に向けたアプローチを展開していた。LED照明推進協議会がまとめた『白色LEDの技術ロードマップ(2008年4月改訂版)』では,2010年以降に商業施設向け,2015年頃から住宅・オフィス向けにそれぞれ普及が進むと予測されている。しかし,この予測は早まるものと考えられている。・・・(続きは本誌で)

▼量産適用に期待が高まるナノインプリント装置

ナノメートルオーダの超微細加工を可能にするナノインプリント装置。その適用分野は光学デバイスやバイオチップ,半導体デバイス,情報ストレージ・メディア,機能性フィルムなど幅広い。現在,市場はこうした分野における研究開発向けが大勢を占めている。一方,量産対応機の開発も進んでいて,量産向け装置市場拡大の期待も高まってきている。実際,一部の量産現場への導入も始まっている。高輝度LED の製造がその一つだ。装置はLED の輝度向上のキーファクタとなるフォトニック結晶構造の形成プロセスに利用されている。また量産向けでは今後,次世代HDDやバイオデバイスなど創薬分野への適用も見込まれている。さらには,来る線幅22nm 世代の半導体デバイスの量産ツールとしての導入も期待されている。このような分野の量産プロセス技術の開発とともに進展しているナノインプリント装置だが,果たして,その本格的な普及期が訪れるのは何時か。今回,主要メーカに見るナノインプリント装置の開発と市場動向を追った。・・・(続きは本誌で)


HEADLINE NEWS

DATA ROOM

▼CD-ROM装置輸出金額,9ヶ月連続のプラス
▼光コネクタの生産実績,12ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比91.1%の1,668億円

PRODUCTS INFORMATION

▼展示会場は楽観的ムード
▼PerkinElmer,LEDメーカを買収

CALENDAR

EVENTS

▼第130回結晶工学分科会研究会:ディスプレイを目指す三原色レーザ光源〜最新動向と結晶工学の課題〜
▼第112回微小光学研究会:みらい微小光学
▼埋もれた界面のX線・中性子解析研究会 第3回講習会:X線反射率による薄膜・多層膜の解析
▼第43回光波センシング技術研究会講演会
▼オプトロニクスセミナー フェムト秒レーザー用光学薄膜フィルター チャープミラー セミナー
▼第8回日本−フィンランド ジョイントシンポジウム(OIE’09)
▼MOC’09(15th Microoptics Conference)

今月のコメント

フェムト秒レーザは,従来のCO2レーザやYAGレーザとは違って,非常に短い時間内にレーザエネルギーを集中できるという特徴を持っています。これによって熱的でない物質加工ができ,またピークパワーも高いので非線形現象を利用した特殊な加工も可能です。その応用は半導体材料や金属材料はもちろん,透明材料の加工や医療・バイオ分野など,幅広い分野にブレークスルーをもたらすと各方面から注目を集めています。

今月号の特集はフェムト秒レーザとその応用の最新動向を取り上げました。企画していただいたのはレーザー技術総合研究所の藤田雅之主任研究員です。総論でも述べられているように,フェムト秒レーザを用いた加工研究のトレンドは,これまでのアブレーション加工から,材料の外形を変えずに性質を変える表面改質にシフトしつつあるということです。各ご執筆者の方々にはフェムト秒レーザが持つ短パルスと高ピークパワーという特徴を利用した夫々の最新研究事例を紹介していただきました。

今月号のフォーカルポイントにも掲載しましたが,光産業技術振興協会の光産業国内生産額統計2007年度実績,2008年度見込み,2009年度予測が発表されました。注目の結果は2007年度実績が8兆705億円(成長率2.6%)と2年連続の増加となったものの,2008年度見込みは7兆9,644億円(同マイナス1.3%)と8兆円台を割り込み,昨年度予測の8兆7,041億円(同6.4%)を大幅に下回りました。また2009年度予測は引き続き市場が縮小する見通しで7兆7,579億円(同マイナス2.6%)と,厳しい数字になっています。

2008年度の見込みを分野別に見ると入出力分野が9.4%減になったものの,その他の情報通信,ディスプレイ,光ディスク,センシング・計測分野は頑張っています。ただし,レーザ加工分野が21.5 %減と急激に落ち込みました。CO2レーザが22.2%減,固体レーザ5.4%減,エキシマレーザも25.8%という大幅減少です。救いは太陽電池分野で26.2%増(5,073億円),グリーンテクノロジー関連は期待が持てそうです。統計は2008年10月から2009年1月末にかけ116社から回答を得て,他の業界団体の調査結果も加味して作られましたが,今後2008年度の数値が下振れしないか,さらに2009年度の数値がどうなるか,気になるところです。

3月8日は「光の日」でした。制定したのは日本学術振興会光エレクトロニクス第130委員会(後藤顕也委員長),光の速さが真空中でほぼ3×108m/sであることに由来しているそうです。毎年この日の近辺には「光の日」公開シンポジウムが開かれているのですが,今年は3月9日(月),東京・神楽坂の東京理科大学・森戸記念館で行われました。

委員会では会員を募集中だそうです。普段はクローズドな四つの部会において厳選したテーマのもと議論を交わしていますが,オフレコであるがゆえに本音の討論ができ,研究開発の芽などを探索するには格好の場を提供してくれます。

編集長 川尻 多加志

■次号(5月号)の予定

「自動車と光技術」

自動車用LEDヘッドランプ:(株)小糸製作所 佐々木 勝
安全走行を支援するHIRシステム:名古屋大学 谷本 正幸
適応型広ダイナミックレンジカメラ:(株)オクト映像研究所
竹村 裕夫
マイクロレーザとエンジン点火への応用:自然科学研究機構
平等 拓範

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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