書籍/雑誌

お問合せ
(株)オプトロニクス社
販売部
booksale@optronics.co.jp
TEL(03)5225-6614
FAX(03)5229-7253

※間違い電話が多くなっております。番号をよくご確認の上ダイヤルをお願いいたします。

月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2009.9 vol.28 No.333
9月号 特集 注目の無極性面・半極性面発光デバイス

総論−注目の無極性面・半極性面発光デバイス−

京都大学 川上 養一

窒化ガリウム(GaN)のpn伝導度制御が実証されてから約20年が経ち,現在この材料系の発光ダイオード(LED)およびレーザダイオード(LD)の開発は日々進化を続けている。GaNはバンドギャップ(禁制帯幅)が3.4eVであり,発光波長360nmの近紫外発光が得られるが,窒化インジウム(InN,禁制帯:0.65eV)との混晶であるInGaN を用いることで,可視全域(380nm〜780nm)から1.9μmの赤外までをカバーすること原理的に可能である。とりわけ,In組成15%程度のInGaN系量子井戸は青色LEDとして,発光波長445nmにて外部量子効率75.5%という極めて高い値が報告されており,そのときの内部量子効率(ηext)は約90%台近くに達しているものと予想される。しかしながら,In組成をさらに増加させ530nmの緑色LEDを作製すると,最高値はηext=28.6%に留まっており,これは青色LEDの4割弱程度のレベルである。また,最近,極性(polar)面上に515nmの緑色LDが開発されて注目されているが,まだ閾値が高く高出力化には課題が残されている。・・・(続きは本誌で)

無極性・半極性面上窒化物半導体発光デバイスの偏光特性の理論解析

金沢工業大学 山口 敦史

GaN,AlN,InNおよびこれらの混晶である窒化物半導体は,深紫外から赤外までの波長に対応できる光材料として盛んに研究されている。既に実用化されている青紫色・青色のレーザ,青・緑・白色などの発光ダイオードはすべてGaNの(0001)結晶面(c面)上に素子が作製されている。しかしながら,緑色発光素子の高品質化などを行っていく上で,c面上での素子作製には限界も見えつつあり,近年,c面とは異なる結晶面上の素子作製が注目されている。c面上に作製した歪み量子井戸の活性層にはピエゾ効果(圧電効果)のために数MV/cmオーダーの非常に大きな電界が生じ,この電界によって電子と正孔が引き離され,発光再結合の遷移確率が落ちてしまう。特に,緑色発光素子では活性層に大きな歪みがかかるため,この効果が顕著に現れ,発光効率の大幅な低下を引き起こす。これに対し,別な面方位の基板を用いると活性層内部に生じる電界を大きく低減でき,発光効率を飛躍的に増大できる可能性がある。・・・(続きは本誌で)

窒化ガリウム系半導体の無極性面及び半極性面を利用した光デバイスの研究

カリフォルニア大学 増井 久志,中村 修二

GaNにおける径恩胸辧Ga)とV族原子(N)の結合はイオン性が強く共有結合性は弱い。このためGaは+に,Nは−に帯電していると考えてよい。ウルツァイト鉱におけるc軸に沿った電荷の発生は,c軸にそった結晶のゆがみによって起こる。幾何学的に理想となる六方晶単位格子の縦横の格子定数の比(c/a比)は1.633である(球体を細密充填構造にすれば計算できる)。実際の結晶では様々な理由でこの比からずれており,例えば標準状態(1気圧,25℃)におけるGaNでは1.627とc軸方向にわずかにつぶれている。この理想比からのずれのために結晶のイオン性結合成分の+電荷と−電荷の重心が一致しなくなり,これが原因で分極電荷が生じる。これを自発分極(spontaneous polarization)と呼ぶ。均質な材料においては分極電荷は両端面のみに現れることになるが,このような分極電荷は現実的には結晶内の電子の移動や外部からの不純物イオンなどによって完全に中和されるため,通常は考慮するに及ばない。極性軸の方向にヘテロ接合などを形成した場合には,その界面における分極電荷の不連続性によって材料内の一部に電界が生じる。InGaN/GaN系量子井戸では量子閉じこめシュタルク効果(QCSE)と呼ばれる光デバイスにとっては好ましくないと考えられている現象を引き起こす原因となる。・・・(続きは本誌で)

注目の無極性面・半極性面窒化物半導体発光デバイス

名城大学 岩谷 素顕,上山 智,天野 浩,赤 勇

オプトエレクトロニクス産業は,半導体発光デバイスの高性能化・多様化にともない,その市場規模は数兆円まで拡大している。その中で,窒化物半導体(GaN,AlN,InNおよびその混晶)による発光デバイスは,高輝度青色・緑色発光ダイオード(LED),青色LEDと蛍光体による高効率白色LED,さらにはハイパワー青紫色半導体レーザなど市場の発展に大きく貢献している。今後さらなるオプトエレクトロニクス産業の発展のためには,光の3原色の1つである緑領域LEDの高効率化が重要である。図1にこれまでに報告されているLEDの外部量子効率の波長依存性を示す。この図から分かるように光の3原色のうち赤・青色に関しては,AlGaInP系半導体および窒化物半導体により,外部量子効率が50%を超えるLEDが実現されている。その一方で緑色領域に関しては,最大で28.6%と半分程度の物しか得られていない。緑領域の高効率な発光デバイスを実現するためには,バンドギャップエネルギーが2.4eV程度の材料で,且つバンド構造が直接遷移型である必要がある。このような材料は限られており,窒化物半導体が最適であり高輝度緑色LEDが実現されている。しかしながら,この高輝度な理由は,緑色の視感度が高いためであり,LEDの外部量子効率としては低く青色LEDの半分程度の物しか得られていない。・・・(続きは本誌で)

半極性面上InGaN系緑色LDの可能性

京都大学 船戸 充,川上 養一

半導体発光素子の外部量子効率が青色領域と赤色領域で向上するに従い,緑色領域での効率の低さが顕在化している。この原因として,緑色領域では,発光層であるInGaN量子井戸(QW)中のInの含有量が増え,母体材料であるGaNとの格子不整合が大きくなるため,(1)欠陥が導入されて結晶性が劣化することや,(2)分極効果によって輻射再結合確率が低下することが指摘されている。特に(2)の解決に向け,無極性面や半極性面上のInGaNQWが,この10年ほど精力的に研究されている。当初は結晶欠陥の低減が難しく高品質な発光デバイスを得ることができなかったが,GaN基板を用いるようになった2006年以来,開発が加速し,2009年2月には500nmに近い波長で発振する(1-100)面(m面)上レーザダイオード(LD)が報告された。ただし,m面ではInが取り込まれにくいとの報告もあり,それが,発光の長波長化へ向けた障害になることが懸念される。その意味で,今後も,無極性面だけでなく,半極性面も含めた,非c面発光素子の検討が進められると予想される。・・・(続きは本誌で)

特別企画

出展各社の見どころ


連載・シリーズ

発明・特許のこぼれ話 第21回 プリーストリーの発見と発明

SMK(株) 鴫原 正義

英国のジョセフ・プリーストリー(1733〜1804)は,宗教家でありながら,酸素をはじめ当時知られていなかったガスを数多く発見した化学者です。更に彼は,光合成の発見につながる実験をしている他に,電気の本をはじめ英文法書や言語論まで書いており,また「消しゴム」の発明者でもあるのです。今回は,酸素の発見者として知られながらも,アントワーヌ・ラボアジェ(1743〜1794)の影で薄くなってしまったプリーストリーの業績を追ってみましょう。プリーストリーは1733年に英国北部のリーズ市の郊外で厳格な家庭に生まれています。7歳の時に母を亡くし,父の再婚時に伯母に預けられて育ちます。1755年に市の非国教派教会の牧師になり,宗教的には進歩的な思想を持ちます。神学校で自然科学も教えていましたが,1766年にアメリカのベンジャミン・フランクリン(1706〜1790)が英国に滞在していた際に会う機会があり,二人は意気投合しています。フランクリンが凧の実験での成果を挙げた後のことです。・・・(続きは本誌で)

USA Today 第21回 ナトリウムからLED街灯へ

Optomarketing USA 中島 和宏

カリフォルニア州シリコンバレーに位置するサニベール市では,隣接するクパティーノ市にあるデアンザコミュニティ・カレッジ環境学科の学生たちが,現在,新規LED照明による街灯の評価比較フィールド試験を六ヶ月間に渡って実施している。サニベール市の計画では,市内の9,000ヶ所の街灯を,一般的に幅広く使用されている黄味がかったナトリウム灯から白色LED照明にする予定である。これに先立って,LED照明三社のいずれの製品が,温室ガスや電力消費の削減などに最大の効果を発揮するか調査中で,これに地域の学生らが協力している。同市では,市民に対してもオンラインを通じたアンケート調査を実施中だ。試験としては,街灯の垂直方向,水平方向の照度,周辺温度と色温度の関係,被写体の見え方等の正確な写真記録等が実施されている。・・・(続きは本誌で)

原点に戻って学ぶレーザー原論 第6回 光波の干渉

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

光は電磁波であり,空中を伝搬するときは波としての性質が顕著である。波の特徴は重ね合わせができることであることは,第2回(2009年5月号)で詳しくお話しした。ところで,シャボン玉に虹色の縞模様が現れたり,濡れたアスファルトの路面に油膜があると虹色の縞模様が見られるのが干渉現象である。一方,障害物がある場合,その影絵を詳しく見ると障害物の端に明暗の縞が見えるのが回折現象である。回折は音波や電波でも見られる現象であり,電波塔を直接見ることができない場所でもテレビやラジオが受信できるのはこの回折のお陰である。では,この2つの現象とは,どのようにして起こるのかを見るのが今回と次回のテーマである。結論から言うと,2つ以上の光波が重ね合わされて強めあったり弱めあったりし,空間的・時間的に合成波の強度が規則的に変化する。この波の重ね合わせが干渉と回折の原因であり,実を言うと干渉と回折に明確な物理的な区別はない。・・・(続きは本誌で)

光学技術者のための電磁場解析入門 第9回 フォトリソグラフィー分野での光電磁場解析

大日本印刷(株) 森川 泰考

半導体の微細化はとどまることなく,国際半導体技術ロードマップ(ITRS)によると,2010年にDRAMの最密パターンの半分のピッチ(ハーフピッチ;hp)が露光波長193nmに対して1/4以下(hp=45nm),MPUのゲート寸法がレジスト寸法で1/6以下(CD=30nm)の量産化が検討されている。このような微細化を推進しているのがリソグラフィー技術であり,露光装置やレジストプロセス(材料,プロセス装置),および回路原版であるフォトマスクで構成されている。微細化を進めるべくこれら装置,材料の改善や最適化を行なうために,リソグラフィーシミュレーション技術を活用して結果を予測しながら効率良く開発を進めることが重要となっている。光電磁場解析は,このようなリソグラフィーシミュレーションの中で,フォトマスクパターンからの透過回折光の厳密解を求めるところで活用されている。つまり,マスクの構造を立体的な3次元モデルとして定義し処理を行う。・・・(続きは本誌で)

光技術者のための基礎数学 第9回 不定積分I

職業能力開発総合大学校 河合 滋

関数f(x)に対して,F'(x)=f(x)となるような関数F(x)が存在する時,F(x)をf(x)の不定積分と呼び,次式で表す。

ここで,cは積分定数と呼ばれる定数である。定数の微分が0であることから,不定積分には定数項分の自由度がある。今後,この積分定数は,省略することとする。f(x)の不定積分を求めることを,f(x)を積分するという。

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第141回 太陽電池モジュール(三洋電機)

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

太陽電池セルを数十枚集めて一つの単位とした「太陽電池モジュール」は,2009年7月15日現在で,特許出願公開件数が3409件(特許庁データ)に達し,主要企業のシャープ株式会社が392件,京セラ株式会社が320件,三洋電機株式会社が231件の特許出願公開が記録されている。太陽電池モジュールの国際特許分類は,H01L31/04,H01L31/08で,2005年(平成17年)から2008年(平成20年)にかけての三洋電機株式会社の特許出願公開で見ると,2005年に9件,2006年に16件,2007年に19件,2008年に40件となっていて,合計84件となっている。三洋電機の太陽電池モジュールの発明者を見ると,2005年に9人,2006年に18人,2007年に16人,2008年に36人となっていて,4年間に51人の発明者が登場している。・・・(続きは本誌で)

日本経済復活のカギを握るICT産業の復興

総務省は7月10日,平成21年版情報通信白書を発表した。今回の特集テーマは「日本復活になぜ情報通信が必要なのか」。平成19年の名目国内生産額は全産業の9.7%となる約98兆円と,今や情報通信産業は国内最大規模の産業となっている。今回の白書は情報通信産業が国際競争力と密接な関連を持つことを具体的なデータを基に検証し,直面する問題点をあぶりだすと共に今後の政策に反映し,日本経済の再生に貢献しようというものだ。ここでは情報通信白書が指摘する,日本と世界の情報通信産業の現状と動向,今後の課題について要点を整理する。・・・(続きは本誌で)

レーザがRP技術の進展を支える!

CADや3Dスキャナなどで作成した3次元データを基に,任意の立体形状物を作り出すというラピッドプロトタイピング(RP)技術。その適用分野の裾野は広く,自動車のボディや各種関連部品,家電製品,各種電子デバイス,工業用品,金型・鋳造産業,ホビー・玩具,医療器具など多岐にわたる。RP装置は,こうした分野の試作・モデリング用途で採用されている。主な工法には光造形法,レーザシンタリング(レーザ溶融粉末造形)法,インクジェット法,シート積層法,溶融樹脂押出法などがある。このうち,レーザを用いるRP法が光造形法,レーザシンタリング法,シート積層法だ。光源として使用されるレーザは光造形法では主にLD励起固体レーザ,レーザシンタリング法ではCO2レーザやファイバレーザ,シート積層法ではCO2レーザとなっている。こうしたレーザを用いるRP装置に対して,市場が求めるのは如何に短時間のうちに高精度・高品質な3次元構造物を作製できるかだ。市場ニーズとともに進化するRP装置。現在そのトレンドはどのような傾向にあるのだろうか。今回はレーザを用いるRP装置のうち,光造形装置とレーザシンタリング装置にスポットライトを当て,その市場と開発動向に迫ってみた。・・・(続きは本誌で)

NEWS FLASH

DATA ROOM

▼液晶テレビ輸入数量,7ヶ月連続のプラス
▼光コネクタの生産実績,3ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比94.9%の2,514億円

CALENDAR

EVENTS

▼レーザー学会第391回研究会「レーザー応用」
▼第10回情報フォトニクス研究グループ研究会(秋合宿)
▼募集:第15回光集積回路欧州会議(ECIO 2010)
▼募集:OPTRONICS WORLD 2010 レーザー EXPO / レンズ設計・製造展 / 光ファイバ応用技術展

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

青色LEDと青色LDの登場によって,例えばLEDを使用した屋外用大型フルカラーディスプレイは,もはや珍しいものではなくなりました。
最近ではLED照明も普及し始めましたし,光ディスク分野ではハイビジョンクラスの高精細な動画像を記録・再生できるBlu-ray Discを実現して,これも家庭では当たり前のものになりつつあります。

しかしながら,緑色のLEDやLDとなると,波長を含めて現状ではまだ実用的に十分な特性を達成できていないというのが正直なところで,いわゆるグリーンギャップ問題が急務の課題となっています。
このことは例えば,より高品質な液晶ディスプレイのバックライト用LEDや赤・緑・青色のLDを用いたプロジェクタを開発する際の障害となっています。
この問題を解決しようと,いま緑色発光デバイスの研究・開発が内外で活発に進められています。

既に弊誌のニュース・フラッシュでもお伝えしているように,日亜化学工業は波長515nmのInGaN系CW緑色LDの開発に成功したと発表しました(応用物理学会・英文レター誌『APEX(Applied Physics Express)』より)。
この緑色LDはGaN結晶の極性面であるC面を成長軸に作製したものです。
515nmでのしきい値電流は53mAで,しきい電圧は5.2Vだそうです。
510-513nmでの寿命は5,000時間で,出力は5mW(温度25℃時)を確認したということですが,一方では,まだしきい値が高く,高出力化に課題が残されているという見かたもあります。

そのしばらく後になりますが,今度は住友電気工業が室温パルス発振する波長531nmの純緑色LDの開発に成功したと発表しました(同じくAPEXより)。
純緑色領域での発振は世界で初めてとのことです。
開発にあたっては,発光層に発生する内部電界の影響を弱めるため,結晶成長の方向を変えるとともに発光層の品質も高めたそうです。
結晶の成長面や出力,しきい値電流・電圧など詳細は非公表のようですが,半極性面を使用しているもようです。
同社によれば,発光層を制御することで緑色全波長領域をほぼカバーでき,これにより緑色LDにおける最適な波長が選択できるといいます。
また電流を増加させても発振波長の変化が殆ど無いため,高電流下での高出力化にも対応するとしています。

今月号の特集は,研究・開発が活発化する緑色発光デバイスのうちでも,特に注目の無極性面や非極性面を用いた発光デバイスを取り上げてみました。
特集を企画していただいたのは京都大学・大学院工学研究科の川上養一教授です。
特集では,各ご執筆者に最新の研究を発表していただきました。
各研究のさらなる進展を期待しています。

編集長 川尻 多加志

■次号(10月号)の予定

特集「情報セキュリティと光技術」

総論
大阪大学 谷田 純光
暗号の原理に基づく生体認証技術
東京工業大学 山口雅浩,鈴木 祐之
視覚暗号型暗号によるセキュアディスプレイ
徳島大学 山本 裕紹
デンタルメモリー本人認証のための歯への情報記録
宇都宮大学 早崎 芳夫
文書鑑定における技術
科学警察研究所 赤尾 佳則
フォトニックスマートメディアによる個人認証・情報記録
神戸大学 的場 修

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

ページトップへ
Copyright (C) 2014 The Optronics Co., Ltd. All rights reserved.