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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2010.3 vol.29 No.339
3月号 特集 話題の立体映像技術

立体映像の基礎技術と利活用分野の展望

本田ひかり技研 本田 捷夫

ここ数年,立体映像がまたブームになりつつある。その理由としては,?液晶,プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP と略)に代表される大画面フラット・パネル・ディスプレイ(FPD と略)製品化の次の研究開発ターゲットとして,奥行きを感じさせるディスプレイが検討されており,その一つとして立体映像を考えていること,? 3 次元コンピュータ・グラフィックス(3D −CGと略)の急激な発展により,立体画像が作りやすくなったこと,?従来の映画フィルムを使わないデジタル・シネマに付随してハリウッドを中心に展開されつつある立体映画が多く封切りされつつあること,?大容量光ディスクであるBlu-ray ディスクに適しているコンテンツの一つとして,3D 映画のパッケージメディアがこれから販売されることが予想されること,?それに伴い,今年(2010 年)にソニー,パナソニックから立体テレビが販売される予定である,こと等がある。・・・(続きは本誌で)

パナソニックのフルHD3Dの取り組み

パナソニック(株) 末次 圭介

今年1月7〜10日米国ラスベガスで行われたCES2010では,当社のみならず,各社からの3Dの出展が相次いだ。それらは,観客を驚かせるためだけの飛び出し映像中心のアトラクション的なものとは一線を画し,映画やスポーツ,自然の映像をより高い臨場感溢れる高品位な体験として視聴者に提供しようとするものであり,各社はこれら3Dテレビの商品発売を次々に発表しており,2010年は家庭用3D元年ともいえる年になることが期待できる。すでにハリウッドを中心に高品位な3D映画製作が活発化し,2008年ころからその上映本数は増加中で,映画会社や民生電機メーカーのこのような動きにより,さらに多くの業界関連企業の3D事業参入が活発になってきている。その背景には,2009年にHDMI,ブルーレイにおける3D方式の規格化が完了し,異なるメーカーの機器間であっても互換性が確保でき,業界標準品としての3Dテレビシステムを提供できる環境が整備されたことが大きいと考える。・・・(続きは本誌で)

シャープの3D液晶ディスプレイ

シャープ(株) 山田 祐一郎,井上 明彦

2010年1月,米国ラスベガスにて開催されたInternational CESでは世界各国の大手家電メーカーから3Dディスプレイのデモ展示があり,まさに2010年が3D元年という賑わいであった。過去何度も3Dのブーム(?)が訪れたが,ハード,ソフト両面の不十分さからユーザーには受け入れられなかった。しかしながら今回はハードであるディスプレイの高画質化,大型化のみならず,ソフト面,即ち,コンテンツも映画,スポーツ,アニメとその適用分野を広げており,映画会社を含めたメーカー側のビジネスチャンスを拡大したいという要望とユーザーの3Dを鑑賞したいというニーズが一致しており,急速に普及してゆくものと考えられる。3Dディスプレイを実現する方法は色々提案されているが,本報告では当社の3Dディスプレイ技術についてその概要を解説する。・・・(続きは本誌で)

ドーム型スクリーンを用いた内視鏡外科手術向け立体映像提示システム

パナソニック電工(株) 澤田 一哉

医用分野において,人体内の3次元構造を正確に把握することは,医療診断・治療の重要な要素の一つである。そのため,3次元情報の活用は,CT,MRI,超音波データによる画像診断など,急速に拡大している。立体ディスプレイについては,期待は大きいものの,技術的な課題もあり,実用化されている例は一部に過ぎず,大半は2次元ディスプレイでの3 次元情報提示に留まっている。立体ディスプレイは,2次元ディスプレイと比較して課題がある一方で,明らかに優れている点が存在する。空間表現,奥行き感表現などである。2次元ディスプレイでの3次元情報の提示は,奥行き方向の距離の把握や位置の弁別に個人差が大きく,正確さは保障されない。立体ディスプレイは,このような優位性が求められる領域においては,必然的に普及が進むと考えられる。・・・(続きは本誌で)

光学的測定結果に基づく2眼&多眼式3Dディスプレイの立体視可能範囲の評価

エプソンイメージングデバイス(株) 濱岸 五郎

裸眼立体視に適する視認可能空間(Qualified ViewingSpace, QVS)の基本概念として,2 種類の空間QBVSとQSVS が提案されている。QBVS(Qualified BinocularViewing Space)は,3Dディスプレイにより誘起される視覚疲労を生じること無く,許容できる品位で画像を両眼で観察可能な空間である。視覚疲労の直接的原因として,眼間に生じる視差のクロストーク,輝度差,色度差,コントラスト,更にモアレなどが検討されており,加えて逆視の領域をQBVS空間から排除することが必須である。視覚疲労が基本概念であるので,ここでは光線の広がりにより2D画像が観察される領域は対象外となる。QSVS(Qualified Stereoscopic Viewing Space)はQBVSと同様であるが,特に,表示画面全面に渡って立体像を許容できる品位で観察できる空間を想定している。したがって,QBVSとQSVS の領域は,前述したように観察される画面内に2D画像が発生するか否かを考察すれば判別できる。・・・(続きは本誌で)

3Dが眼に与える影響を考慮したコンテンツ制作への取り組み

オリンパスビジュアルコミュニケーションズ(株) 藤井 透,小阪 将也,小沼 達郎

オリンパスビジュアルコミュニケーションズ株式会社(以下,OVC)では,独自開発した3D立体映像製作技術「OLYMPUS POWER3DR」を用いた3D立体コンテンツの企画・制作・販売事業とデジタル写真のインターネットサービス事業を中心としたコンテンツ・サービス事業を行っている。ここでは特に,当社の3D関連事業の取り組みを,コンテンツ制作,ハードウェアへの対応の両面から解説していきたい。OVCの3D関連事業は,眼に疲労感を与えずに眼前から無限遠までの幅広い空間を表現可能な製作技術「OLYMPUS POWER3DR」を用いた特定用途向けコンテンツの制作・販売がコアであり,3Dを視聴するディスプレイ等のハードウェアについては,基本的には市場にあるもの,普及しているものに対応する姿勢であり,特定視聴ハードを販売することが中心ではない。・・・(続きは本誌で)

連載・シリーズ

USA Today 第26回 サンフランシスコにやってきたPW

Optomarketing USA 中島 和宏

北米最大の光学系イベントであるSPIE主催のPhotonics Westが,従来開催されていたサンホゼを離れ,今年は同じベイエリアの大都市,サンフランシスコにやってきた。不況知らず(?)に年々拡大してきたPhotonics Westにとって,サンホゼ市のコンベンション・センターでは手狭を越えて窮屈となっていたからだ。サンホゼ市周辺,いわゆるシリコンバレー在住の関連分野の方々から(私個人も含め),不便になる等々の声も囁かれていたが,米国では珍しくここ数年拡大基調にある同イベントが大都市の大型会場に移転するというのは,止むを得ないことだろう。ちなみに,サンホゼ市とサンフランシスコ市の位置は,日本地図に重ねてみると概ね東北の福島市と郡山市の南,須賀川市辺りの位置関係となり,車での移動距離は約50マイル(約75キロメートル),東京-成田空港間程度である。・・・(続きは本誌で)

原点に戻って学ぶレーザー原論 第12回 レーザーの原理(4)連続発振とパルス発振

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

レーザーの発振の仕方には,大きく分けて連続発振(CW: Continuoes Wave Operation)とパルス発振(PulseOperation)の2つがあり,それぞれCWレーザー,パルスレーザーとなる。図1に描いてあるように,連続発振は一定の出力を連続して発振し,パルス発振はパルス状の出力を一定の周波数で発振する。単一パルスを出力するものもある。大抵のレーザーでは,反転分布を限られた時間しか維持することができないために,パルス発振でしか動作しない。連続発振をさせるためには,レーザー媒質と励起方法などに工夫が必要である。パルスレーザーには,広範囲にわたる時間幅と繰り返し周波数を持つパルスを出力するものがあり,精密加工から光通信などに広く利用されている。連続発振はレーザーディスク,レーザープリンターなどの光でトレースする装置などや,単純形状の切断や加工に使われている。今回は,主にパルスについて,作り方から性質までを詳細に勉強する。ただし,極端に時間幅の短い超短パルスレーザーやピークパワーが非常に高い高強度レーザーなどについては回を改めてお話しすることにする。・・・(続きは本誌で)

発明・特許のこぼれ話 第27回 特許取得ランキング

SMK(株) 鴫原 正義

毎年,今頃の時期になると前年の各種統計データが少しずつ見えてきます。特許においては,Wolters Kluwer社の特許関連情報サービス部門IFI Patent Intelligenceが毎年1月に米国特許取得件数のランキングを公表しており,今年は1月12日に2009年における上位50社が公開されました。今回の発表によると特許取得総件数は167,350件で,過去最高だった2006年の173,773件にまでは至りませんでしたが,前年から6.1%増加していると報じています。なお,上位15位までの出願者の状況を,10年間の推移を含め表1に示しました。IBM社が連続して1位を維持していますが,17年連続トップの記録を更新しました。・・・(続きは本誌で)

光技術者のための基礎数学 第15回 フーリエ変換( I )

職業能力開発総合大学校 河合 滋

(1)フーリエ級数
連続な周期T の周期関数は,周期の異なる正弦波の和として記述することができる。これをフーリエ級数(Fourier Siries)と呼ぶ。

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第147回 太陽電池セル

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

太陽電池の基本といわれる太陽電池セルは,厚さ数ミリで10cm角の小さな形状に形づくられており,セルによる発電は,ほぼ0.5ボルトで,電圧を上げるために直列状につなぎ,上側のマイナス極と下側のプラス極をつなぐことで直列回路として電圧を上げるようにしている。特許出願の内容を見るに,安全性の向上やエネルギー効率向上を中心に新分野対応の技術も見られるようになった。太陽電池セル関連で,2008年〜2009年の2年間に公開・公表された注目特許公開は,23件に達し,顔を出した特許出願人(国内企業,外国企業)は次の通りである。・・・(続きは本誌で)

電子ペーパーは新たなディスプレイとしての潮流に乗れるか

新たな表示デバイスとして注目されている電子ペーパー。米国・Amazon.comの『Kindle』やソニーの『Reader』といった電子書籍端末に搭載され,その好調ぶりを背景に関心が高まっている。電子書籍を巡っては,米国・Googleが参入,また同じく米国のAppleが表示デバイスにLCDを採用した『iPad』を発表するなど,今後一段と活気づく見通しだ。こうした電子書籍市場の幕開けにより,電子ペーパーの市場拡大に対する期待も大きい。米国調査会社のディスプレイサーチによると,2009年の電子ペーパーの世界市場は出荷台数が2,200万台,同金額が4億3,100万ドルとなった。さらに2010年は5,900万台/10億9,500万ドルと予測,今後は年率40%で成長し,2018年には18億3,300万台/96億1,600万ドルになると見込んでいる(図1)。 電子ペーパーは他の表示デバイスと比べて,最もペーパーライクな表示設計が可能だ。現在開発のトレンドはモノクロからカラー,さらにフレキシブル化へとシフトしてきている。電子ペーパーはどこまで進化し,どれほど普及するのか。参入メーカ各社の技術力と電子ペーパーならではのアプリケーションの開拓がそのカギを握っている。・・・(続きは本誌で)

光ビジネスの再生・発展を目指し,日本フォトニクス協議会が設立

日本における光ビジネスの創成・展開を図ることを目的とした特定非営利活動法人「日本フォトニクス協議会」(Japan Photonics Council:JPC)が昨年10月27日に設立され,これを記念した設立記念フォーラムが1月15日,早稲田大学理工学部において開催された。半導体や薄型ディスプレイなど,近年の技術や産業の発展は光技術無しには考えられない。中でも日本は卓越した技術とノウハウによって,これらの分野においてリーダーシップを発揮してきた。しかし,その後は東アジア勢をはじめとする諸外国の猛追によって,国際的なポジションを大きく後退させただけでなく,最近では金融危機の追い打ちもあって,産業自体の疲弊も大きい。しかし,日本にはまだまだ他国には負けない人材や企業,システムといった資源が残っており,これらに関わる人々が専門分野を問わず集結し,改めて光技術全体を俯瞰し,新たな光ビジネスの創成・展開を図る場が求められている。JPCはこうした場の提供を通じ,光技術立国としての日本を再生し,延いてはグリーンフォトニクス等を通じて人類や地球環境への貢献を目指すとしており,今後の活動に対して各方面より期待と注目が集まっている。・・・(続きは本誌で)


HEADLINE NEWS

DATA ROOM

▼レーザー加工機輸出数量,17ヶ月ぶりのプラス
▼通信用光ファイバ・ケーブルの生産実績,7ヶ月ぶりのプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比126.0%の4,394億円

CALENDAR

EVENTS

▼Global COE International Symposium -Photonics Breakthrough toward Next-generation ICT-
▼応用物理学会埋もれた界面のX線・中性子解析研究会 第4回講習会「X線反射率による薄膜・多層膜解析」
▼日本電気学会 光・量子デバイス研究会 「バイオメディカルフォトニクス応用」
▼7th International Conference on Optics-Photonics Design and Fabrication(ODF2010)

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

パナソニックが3D対応のプラズマテレビの発売を発表しました。
サイズは50型と54型の2種類、液晶シャッタ方式のメガネを使用して、世界初のフルハイビジョン3D映像を鑑賞できるというものです。
同時に、同社はこれも世界初というブルレイディスクレコーダとプレーヤの発売を発表しています(3日後にはソニーもブルレイディスクプレーヤの発売を発表)。

ソニー、シャープ、東芝などの国内勢の他、サムソンやLGといった韓国勢も3Dテレビの市場投入の準備を進めています。
ラスベガスで開かれたインターナショナルCESや国内のシーテック等、関連する展示会では会場が3D一色に染まった感もありました。
3Dブームは過去にも何回かありましたが、今年はどうも3D元年という言葉が当てはまりそうです。

映画の世界では、ジェームズ・キャメロン監督の3D映画「アバター」が大ヒット、これまでの興行収入記録を塗り替え、記録を更新中です。
この映画はストーリーはもちろんですが、3D映像技術の完成度が非常に高いと評判になっています。
米国ではデジタル・シネマの普及に伴って3D映画を上映できる劇場が多くありますが、これを機会に日本でも増えていくことが期待されています。
また「アバター」以外にもジョージ・ルーカス監督やスティーヴン・スピルバーグ監督が3D作品を手掛けると表明していますので、今後が楽しみです。

劇場で3D映像の素晴らしさを体験した人達が、家庭でもその映像を見てみたいと思うのは自然の流れでしょう。
家庭で3D映像を視聴するニーズは着実に高まると期待されています。
今月号の特集では、いま話題の立体映像技術を取り上げました。
企画していただいたのは、千葉大学名誉教授の本田捷夫先生です。
各ご執筆者には立体映像に関する最新の情報を提供していただきました。

本田先生が総論で指摘されているように、立体技術は映画や放送・通信分野だけでなく、メディカル・バイオ分野、デジタル・アーカイブ分野、アミューズメント・公共施設分野、アーケード・ゲーム分野、コンシューマ・ゲーム分野、設計・製造・メンテナンス分野、訓練・教育分野、広告・宣伝分野等々、幅広い分野での利用が期待されています。

なかでも3Dテレビに関しては、韓国や台湾メーカーに奪われたディスプレイ市場を取り戻す絶好のチャンスと、日本メーカーの期待には大きいものがあります。
優れた技術を上手くビジネスに繋げてほしいと思います(なお、本特集に載せたかったテーマの幾つかは、残念ながら執筆辞退で掲載できませんでした)。

日本経済研究センターが、各国の2009年潜在競争力の調査結果を発表しました。
50か国中、日本は順位を二つ下げて14位に後退してしまったそうです。
潜在競争力とは、今後10年間に一人あたりの国内総生産をどれだけ増加させる素地があるかを測る指数。
日本の強い分野は「科学技術」や「企業」で、弱い分野は「政府」「インフラ」「金融」ということです。
成長戦略としての経済政策の基本が、節約と埋蔵金だけでないことを期待しています。

編集長 川尻 多加志

■次号(4月号)の予定

「電子・光デバイスの超精密・マイクロ加工技術と計測技術(仮)」(敬称略)

・今後も応用が広がる超精密・マイクロ加工技術と計測技術:中部大学 鈴木浩文
・最新の超精密・マイクロ機械加工技術およびその応用:大阪大学 竹内芳美
・WLC(ウェハ・レベル・カメラ)のレンズ測定:(株)菱光社 松岡伸夫,片桐健男
・最新の超精密加工機と加工事例:東芝機械(株) 福田将彦
・最新のマイクロ加工用切削工具とその加工事例:(株)アライドマテリアル 小畠一志
・超音波振動応用の超精密加工技術とその事例:多賀電気(株) 浜田晴司
・結晶系太陽電池ウエハの切断加工技術:金沢工業大学 諏訪部仁

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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