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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
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2011.10 vol.30 No.358
10月号 特集
イメージセンサのバイオ医療応用最前線

総論 ―イメージセンサのバイオ医療応用―

奈良先端科学技術大学院大学 太田 淳

 5人に1人が65歳以上の高齢者,9人に1人が75歳以上の後期高齢者1)という世界に類を見ない本格的な高齢社会の我が国において,バイオ医療分野はますますその重要性を増している。これまでバイオ・医療分野において,イメージング技術は組織観察や蛍光検出等をはじめとして主として観察手段として多用されており,CCD(Charge Coupled Device)カメラ等が主に用いられてきた。本格的な高齢社会を背景として,最近,バイオ・医療用に特化した高性能化・高機能化を目指したイメージセンサの研究開発が活発化している。通常のCCDイメージセンサとは異なる構造や,あるいは機能集積化が容易なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ2)をベースとした新しい構造のイメージセンサの開発が進められている。以下では,バイオ・医療応用を目指したイメージセンサについて,高性能化と高機能化の観点から現状について本特集「イメージセンサのバイオ医療応用最前線」の各内容について触れながら概説する。・・・(続きは本誌で)

バイオ・医療応用を目指したイオンイメージセンサ

豊橋技術科学大学 澤田 和明

 最近身近な病気になっているアルツハイマー病は,神経細胞からのアセチルコリンの分泌に深く関係していると言われており,様々な薬剤に対する神経細胞からのアセチルコリン分泌の様子をリアルタイムに観察できれば新薬の開発などに貢献できる可能性がある。脳には膨大な数の神経ネットワークがあり,神経細胞を介した情報伝達が行われている。神経細胞を伝わる電気信号はシナプス間隙で信号量に応じた神経伝達物質に変換されることで隣の神経への情報伝達が行われている。同様に様々な細胞も化学的な刺激によりイオンチャネルの開閉し細胞内外のNa+,K+,Ca2+が変化することが知られている。・・・(続きは本誌で)

超高感度HARP撮像デバイスの医療応用

NHK放送技術研究所 久保田 節

 現在,放送用ハイビジョンカメラに用いる撮像デバイスとしてはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)が一般的となっており,これらのデバイスは通常の照明条件下での撮影に対しては十分な感度と画質を有している。しかし,夜間の緊急報道や夜行性動物の撮影など照明条件が制限された状況下では必ずしも感度が十分とは言えず,我々は,アモルファスセレン(a-Se)内でのアバランシェ増倍現象を利用した超高感度HARP撮像デバイス1)の研究開発に取り組んできた。HARP撮像デバイスは,低ノイズ,広ダイナミックレンジ,高解像度など,他の超高感度撮像デバイスにはない特長を有しており,その利用分野は放送用途以外へと広がりをみせている。本稿では,HARP撮像デバイスの概要と医療分野での応用例について述べる。・・・(続きは本誌で)

マウス脳内イメージング

奈良先端科学技術大学院大学 小林 琢磨,野田 俊彦,笹川 清隆,徳田 崇,塩坂 貞夫,太田 淳

 我々動物の行動を規定し,情動もたらす脳活動を明らかにするため様々な計測機器が開発されている。例えば,放射性トレーサーを生体内に投与し,放出される陽電子が代謝量や血流量に随伴した変化を検出するポジトロン断層法(positron emission tomography;PET)がある。特に神経活動に応じて変化する脳血流動態の測定を目的として,近赤外線照射により血中ヘモグロビン酸素飽和度などを測定する近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy;NIRS)や内因性光計測法(intrinsic optical signal imaging;ISOI),電磁波のパルス照射により常磁性体の脱酸化ヘモグロビンなどを測定する機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging;fMRI)などがある。また,神経の電気的な活動を測定するための方法として脳電図(electroencephalogram;EEG),脳磁図(magnetoencephalography;MEG)などがある。・・・(続きは本誌で)

複眼撮像システムTOMBOの医療応用

大阪大学 谷田 純,山田 憲嗣,香川 景一郎

超高速高感度イメージセンサ

近畿大学 江藤 剛治,吉田 繁

 165,000画素で最高撮影速度が1,600万コマ/秒(16 Mega frames per second, 16 Mfps)の裏面照射イメージセンサを開発した1)。開口率は100%である。ただし連続撮影枚数は117コマである。
 開発プロジェクトの主たる目的はバイオサイエンス分野における超高速度撮影を可能にすることであった。超高速度撮影では撮影速度もさることながら,イメージセンサの感度や,入射光量の不足が律速となり望みの撮影ができないことが多い。一方,強力な照明光は細胞等の生物試料に損傷を与える。したがって生きた細胞を光の損失を最小限に抑えて観察できる特殊顕微鏡や,特殊ストロボ等も併せて開発した。生物試料や撮影機器に損傷を与えない限界照明強度と撮影時間の関係について調べておくことも重要である。本稿では,イメージセンサだけでなく,これらの技術についても紹介する。・・・(続きは本誌で)

特別企画 PIF設立10周年記念講演会レポート

基調講演「PIF10年間の活動と今後の展開」

慶應義塾大学 青山 友紀

招聘講演「Optical Burst Switch (OBS): review and prospect」

(株)KDDI研究所 吉兼 昇

招聘講演「Optical Internet Technologies and Applications in Korea」

NTT未来ねっと研究所 大原 拓也

招聘講演「Optical Communication Research in Europe」

大阪大学 北山 研一

「総務省におけるフォトニックネットワーク技術に関する研究開発の取り組みとPIFへの期待」

総務省

連載・シリーズ

発明・特許のこぼれ話 第46回 ゼロの発見・・・ゼロの発明

鴫原 正義

 発明と発見は全く異なるものですが,人類の文化史上に大きな功績を残した「ゼロの発見」はある意味では「ゼロの発明」とも言えるのではないでしょうか。そしてその発明によって数の概念が大きく変わり更に新たな世界を創り上げてもいるのです。今回は,全ての“原点”であり“無”でもある「ゼロ」の世界を覗いてみました。
 古来,数を使い出した人類はいろいろな形でそれを表現してきましたが,現在の世界共通となる表記法は“1,2,3・・・・”と書かれるアラビア数字です。このアラビア数字の源は“0”が含まれるインド数字で,アラビアを経由して西欧に伝わり現在に至ります。因みに,「アラビア数字」とは欧州の人達が付けた名称であり,アラビアでは当然ながら「インド数字」と呼んでいるそうですから,何か,玉突きにも似た状態です。・・・(続きは本誌で)

USA Today 第40回 シリコンバレー・ドリーム

Optomarketing USA 中島和宏

 先月,米アップル社のスティーブ・ジョブズ氏がCEO/最高経営責任者を電撃退任した。その日は数日ぶりに朝から晴天「今日は暑くなるぞ」というシリコンバレー特有の夏の日,同氏退任のアナウンスが流れるや否や,ニュースは世界中を駆け巡った。米国シリコンバレー・ドリーム物語のひとつの終焉である。
 所謂「ガレージ」から生み出されたApple I,当時手にした日本人はいるのだろうか,僅か200台程が作製されたと言う。同社の共同創業者であるスティーブ・ウォズニアック氏の手による,ほとんど手作りの作品だ。そしてマーケターとしてのジョブズ氏の物語が始まった。・・・(続きは本誌で)

光通信技術の基礎 −原点を見直し,将来を考える− 第10回 光ファイバ通信システムの安全基準の動向と今後の展開

高良 秀彦,猿渡 正俊

 近年,光ファイバ通信システムの高速・大容量化,長スパン化による高パワー化への流れに伴い,光放射の安全基準の重要性が増加している。国際的なレーザ安全に関する標準化は,国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)のTC76(OPTICAL RADIATION SAFETY AND LASER EQUIPMENT)が責任を持っており,その中の作業グループ:WG5において光通信の安全関連の規格を審議している。一方,日本においても,レーザ安全及び光通信の安全に向けた積極的な取り組みをしており,JISの制定及び改訂を行っている。

光技術者のための基礎数学 最終回 むすび

職業能力開発総合大学校 河合 滋

 2009年1月号から2年10ヶ月の間連載して参りました「光学技術者のための基礎数学」は,今月号をもって終了とさせていただきます。このような連載を始めようとしたきっかけは,最近の学生の数学に関する能力に大きな疑問を感じているからです。例えば,空間周波数について説明しようとしても,フーリエ変換の概念を理解していないので,数学の説明から始めなければなりません。数学の先生に,この辺りの事情を聴くと,三角関数の計算も怪しいというコメントが返って来ます。これでは,フーリエ変換を理解できるはずがありません。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第166回 化合物系CIGS太陽電池

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

 銅,インジウム,ガリウム,セレンを組み合わせた化合物系CIGS系太陽電池は,外国企業も注目しており,国別に注目企業を見ると次のようになっている。
 ドイツでは「シーメンスAG」(特開平8−222750:CIGSからなるカルコパイライト吸収層を有する太陽電池の製造法),「ショットAG」(特開2010−267967:薄膜太陽電池)が見られる。
 フランスでは「エレクトリシテ・ド・フランス」(特表2006−512764:電着によって化合物CIGSの薄膜を製造する方法であって,ガリウムのCIGS膜への取り込みを促進するために,ドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性化合物が電解浴溶液に加えられている)が見られる。
 米国では「イー・アイ・デュポン・デュ・ヌムール・アンド・カンパニー」(特開2011−122132:薄膜太陽電池)が見られる。・・・(続きは本誌で)

分光装置の注目市場はリチウムイオン電池

 研究・開発の現場において物質の特性を調べるプロセスの重要度は高い。物質が持つ固有の性質を定量・定性的に分析,評価することは,最終製品の品質・安全性の確保につなげるためにも必要不可欠とされているからだ。分析・評価手法は様々なものがあり,関連装置も多様なものが製品化され,市場に供されている。
 日本分析機器工業会によると,2010年度の分析機器生産額は対前年比107.7%の3,941億6,815万9,000円だった。また,輸出額は同115.7%の2,180億2,457万8,000円。分析機器市場は2008年下期の世界不況により悪化したものの,2009年を底に回復に転じている。
 分析機器の中には光やレーザを応用したものが含まれており,紫外・可視分光光度計や近赤外・赤外分光装置,光電測光式発光分光分析装置,ラマン分光装置,偏光分散計などが製品化されている。・・・(続きは本誌で)

その他 

NEWS FLASH

▼北海道大学,数nmの加工分解能を持つ光リソグラフィ技術を開発
▼物材研,高均一な赤色量子ドットレーザを開発
▼海洋研究開発機構,レーザ式海中距離測定システムの海域基礎試験に成功
▼国立情報学研究所,ディスプレイの盗撮防止技術を開発
▼物材研,色素増感太陽電池で光電効率を5年ぶりに更新
▼東芝,日立製作所,ソニー,中小型ディスプレイ事業を統合し,新会社設立へ
▼シャープ,壁掛けが可能な液晶テレビ8機種を発売
▼ソニー,タブレット端末4機種を発売へ
▼民生用3Dメガネの標準規格に東芝,シャープなどが参画
▼ソニー,有機ELディスプレイ搭載の3D HMDを発売へ
▼パナソニック電工,有機EL照明パネル/モジュールを出荷
▼シャープ,高い省エネ性能のLEDシーリングライトと,明るさ820 lmのLED電球を発売
▼Philips,オフィス・家庭向けLED照明事業で国内市場に参入
▼LED照明事業を手掛けるロームグループの丸善電機が社名変更へ
▼グリーンテック,太陽光発電LED街灯を宮城県へ寄付
▼赤崎勇名城大学教授,日本人2人目のエジソン賞を受賞
▼植田憲一電気通信大学教授が紫綬褒章を受賞

MARKET WATCH

▼DWDM装置世界市場,2011年第2四半期の販売額は19億ドル
▼光ファイバ融着接続機市場,アジア太平洋地域における2015年までの年複利成長率は21.4%となる見通し
▼2011年における世界のOLED市場は30億ドルの見通し
▼太陽光発電システム設置数は下期に増加するが,モジュールの年間売上げは昨年並み
▼LED市場,2014年に照明用がバックライト向けを逆転
▼監視カメラ世界市場,2010年は前年比9.2%増の747万台
▼発光ダイオード輸出数量,20ヶ月連続のプラス
▼太陽電池モジュールの生産実績,27ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比116.9%の3,355億円

CALENDAR

EVENTS

▼産総研オープンラボ
▼第6回色素増感・有機太陽電池に関するアジア会議
▼月刊OPTRONICS特別セミナー インプリントリソグラフィ技術の最新動向と実用化展望
▼募集:8th International Conference on Optics-photonics Design & Fabrication(ODF'12)

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

 バイオ医療分野における研究・開発の進展は,今後ますます重要になると注目を集めています。高齢化が急速に進む我が国の医療への貢献の他にも,有効な治療法がない病気の診断・治療や新薬の開発などにおいても,大きな進展をもたらすと期待されています。
 今月号の特集では,バイオ医療分野におけるイメージセンサ応用の最新動向を取り上げました。バイオ医療分野では今,高性能・高機能化を目指した新しいイメージセンサの研究・開発が活発化しています。これらのイメージセンサにはこれまで主にCCDが用いられてきましたが,最近の研究・開発では従来のCCDとは異なる新しい構造を採用したり,様々な機能を集積化できるCMOSを用いたものが注目を集めています。特集では,これらの最新動向にスポットライトをあててみました。
 特集を企画していただいた奈良先端科学技術大学院大学・物質創成科学研究科の太田淳教授をはじめ,最新研究をご紹介いただいたご執筆者の皆様,有り難うございました。これらの研究・開発がもとになり,日本のバイオ医療ビジネスの競争力が強くなる事を願っています。

 先月号でも話題にした我が国の産業空洞化について,経済産業省が9月1日「現下の円高が産業に与える影響に関する調査」の結果を発表しました(対象:大手製造業61社,輸出製造業を中心とした中小企業93社)。それによれば1ドル=76円台が今後6ヶ月以上続いた場合,大手製造業の46%が工場や開発拠点の海外移転を検討していて,50%を超える企業が部品や原材料の海外調達比率を増やすと回答しています。
 中小企業でも17%が工場や開発拠点の海外移転を検討,20%超が海外調達や生産比率を増やすとしています。1ユーロ=110円が続いた場合も,対ドルに比べれば数値は低いものの,大手製造業では31%が海外移転を検討しており,40%超が海外調達比率を増やすと回答しています。
 諸外国による日本企業への誘致も活発化していて,大手製造業の18%が誘致を受けており,中小企業においても13%が誘致を受けているとのことでした。誘致国は中国や韓国,ASEANが上位を占めているとのことです。
 調査では政府に求める対策として,法人実効税率の引き下げ(87%),継続的な為替介入(63%),経済連携の推進(58%),安定的な電力供給(50%),生産工場や研究開発施設に対する補助(47%),金融緩和(37%),電力コストの低減(27%)などが挙げられています。
 新政権がようやく発足しました。実現可能かどうかは考慮に入れず個人的な「思い」を発し,結果として具体化は先送りというのではなく,これらの声を真摯に受け止め,震災復興とともに国内産業の競争力向上による雇用創出を具体的に実行して欲しいと思います。もちろん企業にも,本当に移転すべきなのか,どこが適切なのか等,冷静かつ総合的な判断が求められます。
 世界経済フォーラム(ダボス会議の主催組織)が発表した2011〜2012年版の国際競争力ランキングでは,日本の競争力は6位から9位になりました。今回の報告書では東日本大震災の影響は殆ど反映されていないそうです。

編集長 川尻 多加志

■次号(2011年11月号)の特集予定

レーザー精密加工の最新動向(仮)

▼総論‥‥(独)産業技術総合研究所 新納 弘之
▼3次元マイクロ・ナノ光造形法の開発と応用‥‥横浜国立大学 丸尾 昭二
▼ホログラフィックフェムト秒レーザー加工‥‥宇都宮大学 早崎 芳夫
▼インサート材を用いたレーザ接合‥‥岡山県工業技術センター 水戸岡 豊
▼積層型薄膜シリコン太陽電池のレーザ加工応用の現状‥‥三洋電機(株) 篠原 亘
▼ステルスダイシングの最新動向‥‥浜松ホトニクス(株) 奥間 惇治

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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