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月刊OPTRONICS

月刊オプトロニクス表紙 光技術関連業界の最新情報が満載の月刊OPTRONICS。
技術者,研究者の方はもちろん,光に携わる方は是非ご購読ください!
 
2011.3 vol.30 No.351
3月号 特集 光変調技術・最新動向

光変調技術の最新動向と新展開

(独)情報通信研究機構 川西 哲也

半導体光変調器

東北大学 八坂 洋

 半導体光変調器は,小型・低駆動電圧の特長を有し,光通信システムの小型化,消費電力低減に大きく貢献する光素子である。また,半導体レーザなどの光半導体デバイスとの集積により高機能半導体光集積デバイスを実現できる可能性を有する光素子である。ここでは,各種半導体光変調器の原理と特性,及び最新動向を解説する。まず,電気信号による半導体材料の光吸収係数及び屈折率制御法(用いる効果)について記述する。その後,それらの効果を用いた半導体光変調器に関して記述する。・・・(続きは本誌で)

位相変調方式の要となるLN変調器

富士通オプティカルコンポーネンツ(株) 杉山 昌樹

 近年,インターネットでの動画配信など通信トラフィックが急増しているが,光通信システムではこれに対応するために従来の10Gb/s伝送に代わる40Gb/s,100Gb/s伝送の導入が進められている。
 従来の光通信では,2値の信号を光のオン-オフに割り当てる「強度変調方式」が主流であり,通信の高速化はシステムを構成する光コンポーネントの帯域を広げることで行われていた。しかしながら,40Gb/s以上になると各コンポーネントの広帯域化が難しくなり,また,伝送時の信号の歪など新たな問題が生じるため,変調方式を変えていく必要がある。・・・(続きは本誌で)

分極反転電気光学変調器

大阪大学 村田 博司

 ニオブ酸リチウム(LiNbO3, LN)を用いた電気光学変調器は,100 GHzにもおよぶ超高速動作が可能であり,広い波長範囲においてチャープの少ない良好な光変調特性を示す。安定性や信頼性にも優れており,光ファイバー通信システムにおいて広く用いられている1)。また,近年,光ベクトル変調(光IQ変調)を可能にする2重マッハツェンダー(MZ)型LN光変調器が開発された2)。光ベクトル変調器は,光通信システムのみならず,マイクロ波フォトニクス分野等においても重要な高速信号処理デバイスとなっている。
 一方,LNは強誘電性光学結晶であり,自発分極を持っている。・・・(続きは本誌で)

高精度光変調技術の超高速信号合成への応用

(独)情報通信研究機構 菅野 敦史,川西 哲也

 近年の電気・電子技術や高速デジタル信号処理の急速な進展により10 GHzを超える超高速信号の合成が現実となりつつある。シリコンCMOS技術に代表される電子技術によるマイクロ波帯無線信号の合成・受信のみならず,更に高速な60 GHzミリ波帯を利用するフルハイビジョン映像無線伝送機器がすでに実現されている1)。しかしながらより高速・広帯域な信号合成には電子技術のみでは未だ困難である。それは信号帯域幅がプロセスルールにより決定される電子の走行時間などに律速されるためである。光変調技術は光の原理的な広帯域性に立脚するため電子技術の限界を超える高速信号の合成が可能である。・・・(続きは本誌で)

光変調技術の電波天文応用

国立天文台 木内 等 

 光変調技術の開発はデジタル光通信の分野で盛んである。この技術を通信以外のアナログ応用の分野から眺めてみると,「位相安定性」,「偏波特性」,「耐外乱特性」,「運用の容易性」,などアナログ応用への優位性が見えて来た。今回は電波天文への光変調技術の応用を通じ,光変調技術の高位相安定アナログ信号への応用の可能性を紹介する。位相安定性を測定する過程で,「マイクロ波逓倍器よりも位相雑音が低い」,「位相雑音が白色位相雑音である」などの新たな面も見えて来たので報告する。また,最新の論文の中で特に天文分野への応用が期待される光変調技術を文献を引用しながら紹介する。・・・(続きは本誌で)

連載・シリーズ

光通信技術の基礎 −原点を見直し,将来を考える− 第3回 フォトダイオード:研究開発の歴史と今後の展開

日本電信電話(株) 児玉 聡,NTTエレクトロニクス(株) 石橋 忠夫

光通信技術発展の原点は,3大要素である光源,光検出器,そして伝送媒体の発展にある。1970年は,その後の光通信技術の急速な進展のひとつ目のターニングポイントとなる年であり,光源である半導体レーザの室温発振1)や伝送媒体である光ファイバの低損失化(20 dB/km)2)が発表された年である。半導体レーザや光ファイバは,1950年代には提案されており,その進展については,本連載において既に解説済み3, 4)であり,詳細はそちらを参照されたい。・・・(続きは本誌で)

原点に戻って学ぶレーザー原論 第24回(最終回) 高パワーレーザー応用と新しいレーザーへの挑戦

(独)科学技術振興機構 黒澤 宏

 前回は,照射した物体に大きな変化を与えない程度の低パワーレーザーの応用例として,情報の読み取り,書き込み,そして干渉を利用した計測とホログラムについてお話しした。今回は,照射した物体に大きな変化を与える高パワーレーザーの応用例についてお話しする。
 この応用で最も多く利用されているのが材料の加工で,工業における鉄板などの切断,溶接,穴開け,マーキング,エレクトロニクス素子の製造現場における特殊な作業,さらには各種医療現場における手術や治療に使われている。これをひとまとめにして材料加工(マテリアルプロセッシング)としよう。もう一つの応用例はレーザー核融合が上げられる。まだ,実用にはなっていないが,40年以上の研究の結果,実証試験にまで到達しそうな核融合であり,今後,目が離せない応用例として取り上げる。・・・(続きは本誌で)

発明・特許のこぼれ話 第39回 錠と鍵の世界

SMK(株) 鴫原 正義

 冒頭から物騒な話ですが,警察庁の統計によると侵入窃盗の認知件数は全国で14万件を超えているそうです。その内の6割が住宅への侵入で空き巣の比率が非常に大きいのです。そして,一戸建て住宅では67%がガラス破り,24%が無締りのようです。因みに,これらの対策として“ピッキングに強いシリンダー錠と補助錠の設置,更に破壊に強いガラス”が薦められています。今回はこの錠と鍵に関する話題です。
 通常「カギ」と呼んでいますが,正確には「錠(Lock)」と「鍵(Key)」に分けられ,扉などを固定するための「錠」と,穴に差込み開閉する「鍵」に区別されます。・・・(続きは本誌で)

光技術者のための基礎数学 第27回 幾何学(V)

職業能力開発総合大学校 河合 滋

11.11 光学分野における幾何学
 幾何光学は,光線の伝搬を幾何学的に解析する学問である。平面や曲面によって構成されている光学部品に光線が入射する際,屈折によってその進む方向が変化する。光線が屈折する際,スネルの法則にしたがうので,曲面では,その入射点における接平面を考え,その接平面に対して入射点における法線を立て,その法線を基準にしてスネルの法則を考えることになる。2次元の場合は,比較的分かりやすいが,3次元の場合には,かなり複雑になる。・・・(続きは本誌で)

光技術の研究開発・特許動向II/技術別に見る最新情報 第159回 太陽電池(京セラ)

嶋本国際特許事務所 嶋本 久寿弥太

 京セラ株式会社(以下京セラ)の太陽電池の特許出願公開(国際出願・再公表を含む)の特許庁データを見ると,2010年(12月10日)にかけての特許出願公開は,1461件に達しており,2000年以降だと1341件,2005年以降だと897件を記録し,最近では年平均149件となっている。
 京セラの太陽電池の開発組織と開発グループの発明者を見ると次の技術者たちがいる。・・・(続きは本誌で)

USA TODAY 第36回 今年もやはりアップルな話題!?

Optomarketing 中島 和宏

 一年は早いものだ。あのPhotonics Westが今年もサンフランシスコにやってきた。早速BiOS(バイオメディカル・オプティクス)展示会に足を運んでみた。南ホール1/3程度の規模で,展示団体数は約180強,参加者数は約2,000人と発表されている。つい時間を費やしてしまう,ユニークな展示社がいくつもあることが特徴で,結局のところ半日を費やした。規模は小さいが,継続して欲しい企画である。1月22日〜27日の全会期中を通した内容については本誌の報告をご参照いただきたい。・・・(続きは本誌で)

特別レポート

フォトニクス国際会議 ― Photonics West 2011参加報告

(有)グローバル・ファイバオプティックス 梶岡 博

開催告知

光業界のための光技術総合展『OPTICS & PHOTONICS International 2011』いよいよ開催

中小型パネルが好調! レーザアニール/露光装置の受注増にも期待が高まる

編集部

 新興国の旺盛な需要や内需の改善を受け,中小型FPD市場が活況を取り戻している。ディスプレイサーチによると,2010年における出荷数量は対前年比19%増の18億3,700万枚,出荷金額は同17%増の1兆7,300億円としている。
 アプリケーション別出荷動向を見ると,携帯電話向けが堅調に推移したほか,デジタルフォトフレームやデジタルカメラ向け,車載用などが高い伸びを示した(表1)。2011年も多くのアプリケーションで増加が見込まれており,数量ベースで21億8,851万枚になると予測している。
 中でも今後市場をけん引していくと見られているのが,スマートフォンやタブレット端末向けだ。国内では昨冬から米国Apple社の『iPhone』に対抗するスマートフォンが相次いで投入され,またタブレット端末でも『iPad』に続き,シャープが『GALAPAGOS』,韓国サムスン電子が『GALAXY Tab』を発表するなど,市場は盛り上がりを見せている。・・・(続きは本誌で)

その他 

NEWS FLASH

▼東北大学,512値の超多値コヒーレント光伝送に成功

▼玉川大学,Y-00暗号の強い安全性の根拠「ランダム暗号性」の検証実験に成功

▼次世代光ブロードバンドアクセスネットワーク技術の標準化が進展

▼NTT Com,アジア地域を結ぶ光海底ケーブルを建設へ

▼北陸先端大,液体Siを用いた塗布プロセスで高性能太陽電池を作製

▼APDC,薄型テレビなどの動画表示性能を評価する新測定方式を開発

▼NICT,200インチの裸眼立体ディスプレイを開発

▼SCE,携帯ゲーム機「PSP」の後継機を発表

▼シャープ,AUOを液晶特許侵害で提訴

▼住友金属鉱山と東北大学,新たな白色LED用蛍光体を開発

▼三菱化学メディア,調色/調光可能な有機EL照明を発売へ

▼産総研,暗視カラー撮像技術を開発

▼3Dビデオカメラ,ソニーと日本ビクターが市場投入へ

▼ソニー,レンズ交換式一眼カメラのマウントの基本仕様を無償開示

▼JIIA,マシンビジョン・画像処理用途向け照明規格の標準化を承認

▼オリンパスメディカルシステムズ,新たな内視鏡手術統合システムの提供を開始

▼OSA,OIDAと戦略的パートナーシップを締結

▼第11回材料科学技術振興財団山崎貞一賞候補者募集

MARKET WATCH

▼アジアLED市場,成長が続く
▼2010年国内家電市場,販売結果取りまとまる
▼発光ダイオード輸出数量,13ヶ月連続のプラス
▼太陽電池モジュール生産実績,20ヶ月連続のプラス
▼民生用電子機器国内出荷金額,対前年同月比116.4%の5,116億円
▼3D対応BDレコーダ/プレーヤの出荷台数構成比,20.8%の90万2,000台に

CALENDAR

EVENTS

▼第7回レーザーディスプレイ技術研究会「スマートレーザーディスプレイ−要素技術とTVへの展開−」
▼月刊OPTRONICS特別セミナー「ナノ秒,ピコ秒,フェムト秒パルスレーザーを用いた微細加工の基礎」
▼第1回超高速光エレクトロニクス研究会「超高速顕微分光とテラヘルツ電磁波」
▼日本学術会議公開シンポジウム「第2回先端フォトニクスシンポジウム」
▼第24回量子情報技術研究会(QIT24)
▼ISOM/ODS'11
▼募集:第47回光波センシング技術研究会講演会「光ファイバセンシングの最新動向」−基礎から新応用まで−

PRODUCTS INFORMATION

今月のコメント

 光ファイバ通信が持つ特長の一つに,伝送帯域が非常に広いという点が挙げられます。そのため,初期の光ファイバ通信においては,電波のように位相や周波数などを統合的に制御して周波数利用効率を上げる高度な変調技術を開発する必要はあまり高くなく,モールス信号のように光のオン・オフによって信号を送る強度変調直接検波(IMDD)方式が用いられてきました。
 光ファイバ通信の歴史は,このオン・オフをどんどん速くすることで,より多くの信号を伝送して,メガビット伝送やギガビット伝送を実現してきました。その後,1本の光ファイバの中に複数の波長を入れて,それぞれで信号を送る波長多重技術が開発され,さらに大容量のテラビット伝送も達成しました。
 しかしながら,光ファイバで伝送できる帯域は既にほぼ使い尽くされていると言われています。そこで,光ファイバ通信においても電波と同じように周波数利用効率を向上させるための高度な変調技術が必要となってきました。研究・開発の結果,2値,4値の位相変調や16値の直交振幅変調を用いて数十テラビットの伝送実験に成功して,さらに上を目指した研究・開発が内外で活発に進められています。
 今月号の特集では,最新の光変調技術の動向を取り上げてみました。企画していただいたのは(独)情報通信研究機構・新世代ネットワーク研究センターの川西哲也研究マネージャーです。
 光ファイバ通信ではもちろん復調技術も重要で,オフライン信号処理を用いたデジタルコヒーレント復調技術とともにリアルタイムな高性能デジタル信号処理技術の開発が進められていますが,川西氏も指摘するように,光変調技術は信号の源を担う実システムにおける要素技術,光技術研究を先導する役割を担っていると言えます。特集では光変調技術の最新の研究開発事例とともに,電波天文への応用等についてもご紹介いただきました。ご執筆者の皆様,有り難うございました。

 米国運輸省は2月8日,トヨタ車が急加速して事故が起きたとする問題に対し「電子制御系に欠陥はなかった」とする最終報告書を公表しました。報告書によると,NASAの技術者の協力で車を制御する28万行のソフトウェアプログラムや電気回路を分析,この他,電磁放射線を車にぶつける実験を行なっても急加速を引き起こす現象は確認できず,結局のところ原因は運転手によるアクセルとブレーキの踏み間違えやアクセルペダルとフロアマットの不具合と結論づけ,ラフード運輸長官は「これで(調査は)終わり」と述べたそうです。
 大山鳴動して鼠一匹のこの騒動,米国の基幹産業の象徴であるGMやクライスラーが破綻した事実を受け,No.1となったトヨタを標的にした米国の民主党政府と議会による意図的作戦だったとも指摘されています。実際にトヨタはブランドイメージと米国での販売シェアを落とし,反対にGMを始めとしたビッグスリーは復活を果たしたのですから,当初の目的は達成されたと言えるでしょう。
 ラフード長官は記者会見で,娘から電話で2011年型のトヨタ車購入を検討していると相談を受け,部下に確認した上で「買うべきだ」と忠告したとも明らかにしましたが,1年前の議会公聴会でトヨタを非難した言葉とのあまりの違いに「何と白々しい」と感じたのは私だけでしょうか。

編集長 川尻 多加志

■次号(2011年4月号)の特集予定

アト秒光パルスの研究最新動向(仮)(敬称略)

▼総論‥‥東京理科大学 渡部 俊太郎
▼アト秒パルスの発生と応用‥‥(独)理化学研究所 緑川 克美
▼アト秒現象の理論‥‥東京大学 石川 顕一
▼光パラメトリック増幅レーザーを用いたX線領域の位相敏感コヒーレント光発生:X線アト秒パルス発生に向けて‥‥東京大学 石井 順久,東京理科大学 渡部 俊太郎
▼分子からの高次高調波発生とアト秒ダイナミクスへの応用‥‥東京大学 板谷 治郎
▼アト秒精度の干渉実験‥‥分子科学研究所 大森 賢治,香月 浩之

(都合により,内容に変更のある場合があります。)

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