赤外線セミナー

2021年11月18日(木) 09:30-12:25 -第2会議室A
【IR-1 赤外線の基礎

赤外線の基本

静岡大学 廣本 宣久 氏
赤外線は近年、検出器や光学素子の性能向上、小型化、低価格化によって、利用分野が拡大し、新型コロナウィルス感染対策など、非接触の検査のために、なくてはならない技術となっています。
本講演では,応用を考えるために必要な、赤外線の科学・技術の基本をやさしく説明します。
1.赤外線は光、電波と同じ ―赤外線の発見、光子と電磁波
2.熱放射 ―黒体放射、地球の放射
3.赤外線は熱線 ―なぜ暖かい?赤外線と物質との相互作用、スペクトル
4.大気による影響 ―伝搬による減衰、大気の窓、OH分子夜光、地球温暖化
5.赤外線の測定 ―検出、雑音、NEP(エヌ・イー・ピー)
難易度:一般的(高校程度、一般論)

赤外センシングの基礎 ― イメージングを中心に ―

(株)富士通システム統合研究所 中里 英明 氏
可視光に隣接した波長の電磁波で、イメージング(画像化、撮像)において最も特徴的な情報収集をもたらす赤外線を用いたセンシングの基礎とその開発動向を解説します。

赤外線の波長は0.75μmから1 mmまでの広範囲に及びますが、全般に亘る基本的な物理現象を紹介した後、関心の高いNIR(Near Infra-Red、近赤外)、SWIR(Short-Wave Infra-Red、短波長赤外)、MWIR(Mid-Wave Infra-Red、中波長赤外)およびLWIR(Long-Wave Infra-Red、長波長赤外)の「大気の窓」を利用している12μm辺りまでの技術に重点を置いて説明します。

イメージングの主要構成品として赤外光学系、赤外線検知器および画像・信号処理に着目し、複数の大気の窓を通して得られる多様な特性の情報を取得、組合せてより高度な情報を抽出するためのマルチスペクトル関連、より広い範囲を一度に、かつより精細な画像を取得するための多画素・小画素化、主としてレーザを用いたアクティブ・イメージングによる3次元画像生成、低コスト化に向けた取組み等を紹介します。

赤外線検知器は大別して光量子として検知する量子型(冷却型)と熱エネルギーとして吸収、材料特性の温度変化として検知する熱型(非冷却)があり、前者は通常、極低温に冷却して動作させる必要から高コストとなる代わりに高性能・高速性を追及し、後者は極低温冷却の必要性を除くことによってロー・エンドでの広範な普及を目指す傾向がありますが、そうした通念を打破しようという取組みにも触れます。

難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

赤外光学系の設計技術 -その実務的基礎・要素-

株式会社ジェネシア 代表取締役 武山 芸英 氏
赤外域を対象とする光学系を成立させるには、可視波長域の一般光学系を成立させるための技術要素だけでは十分でなく、赤外光学系に特有の要件をあわせて考慮する必要があります。本講演においては、それら各要素を抽出し、その技術的意味と相互の関係について言及します。たとえば、赤外光学系特有の光学材料を取り上げ、それらを採用する際の留意点について述べます。また、コントラストの高い像を得るために不可避となる熱光学的な工夫についても紹介します。この工夫は、赤外検出素子の分光感度特性との関係においても考慮されなければなりません。

光学鏡筒の内面処理や、コーティングに対する実務的な留意点についても示します。
なお本講演は、自ら設計開発の業務にあたる方だけでなく、それらを委託される立場にある方、または関連製品を評価したり検収したりする立場にある方にも有益なものとなるように配慮します。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

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2021年11月18日(木) 13:10-16:05 -第2会議室A
【IR-2 赤外線技術と感染症対策

発熱者スクリーニングサーモグラフィ運用ガイドの発行にあたって

神戸大学 / 日本赤外線サーモグラフィ協会 阪上 隆英 氏
日本赤外線サーモグラフィ協会(ITA)では、かねてから赤外線サーモグラフィを正しく利活用いただくための情報発信に努めてまいりましたが、このたび「発熱者スクリーニングサーモグラフィの運用ガイド編集委員会」を組織し、赤外線サーモグラフィを用いた発熱者クリーニングを正しく運用していただくために必要な基礎知識を、ハードウェア・ソフトウェアの両面から検討し、発熱者スクリーニングサーモグラフィの運用ガイドを編集・発行いたしました.

今回のセミナーでは運用ガイドについてご紹介させていただきます.
難易度:一般的(高校程度、一般論)

感染症対策におけるサーモグラフィカメラの現状─スクリーニングのガイドラインと使用現場の状況について─

フリアーシステムズジャパン(株) 石川 友亮 氏

CO2濃度可視化による感染症クラスター再発防止の事例紹介

電気通信大学 特任准教授 石垣 陽 氏
COVID-19のマイクロ飛沫(飛沫核)による感染対策として注目されているCO2濃度のセンシングについて、背景となる疫学モデル、法規制・ガイドライン、センサの特徴と使用上の注意点を紹介した上で、実フィールド(病院・高齢者施設・飲食店・劇場)でのクラスター予防や、実際にクラスターが発生した場所での再発防止に向けた活用事例までを紹介する。

昨今、換気の悪い密閉空間を避けるため室内CO2濃度の測定が急速に広まっているが、単にCO2濃度の測定や表示をしただけではクラスターの予防や再発防止には全く役立たない。CO2濃度に応じた適切な換気行動を促すためには、店舗オーナーや利用者を巻き込み、興味を持ってもらえる方法で可視化を行う必要がある。

さらに都市部ではそもそも十分な換気能力が無い物件が多く、「換気の格差」が広がっている点も課題である。そこで最低限のコストで有効な換気改善を行うためのDIY手法とその効果についても実際の介入事例を元に紹介する。

加えて昨今問題となっている粗悪なフェイクCO2センサの実態と見分け方についても解説する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

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受講申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。申し込み後、受講者のご都合で欠席となる場合でも受講料は申し受けます。テキスト(pdf)は事前に参加者全員にメールにてお送りいたします。
なんらかの不可抗力により該当セミナー、及び付帯するイベントの開催が不可能となった場合、主催者は受講のキャンセルの受け付け致しません。また、受講料の返金を含む、これにともなった損害の補填・補償は行いません。

【不可抗力】台風、洪水、地震を含む天災、あるいはそれらを原因とする様々な事態、疾病や伝染病の蔓延、労働争議、主催者の合理的なコントロールを超えた会場設備の使用制限や講師の欠席等を含むもの


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廣本 宣久

静岡大学

名誉教授

1985年京都大学理学博士.1984年より郵政省電波研究所,郵政省通信総合研究所(現国立研究開発法人情報通信研究機構)にて赤外・テラヘルツ工学の研究に従事.2001年独立行政法人通信総合研究所関西先端研究センター長.2003年総務省情報通信政策局技術政策課企画官.2005年国立大学法人静岡大学工学部教授.2020年静岡大学名誉教授.現在に至る.

中里 英明

(株)富士通システム統合研究所 先進システム研究所

テクニカル アドバイザ

1980年03月 東北大学理学部天文および地球物理学科第1卒.1980年04月 富士通株式会社入社.無線事業部・特機技術部に配属.宇宙・防衛用赤外線機器開発に従事1981年01月 (株)富士通システム統合研究所に出向.防衛用赤外機器研究・開発に特化.以来,防衛用光波システムの研究・開発に従事.2004年06月~ (一財)防衛技術協会「防衛用赤外・ミリ波技術研究部会」および後継の「赤外・ミリ波センシング研究部会」幹事.2016年06月~2021年05月 日本赤外線学会執行役員,2019年06月~2021年05月 同副会長.2016年12月 富士通株式会社退職,(株)富士通システム統合研究所に再雇用.継続して光波センシング・システムの研究・開発に従事.

阪上 隆英

神戸大学 / 日本赤外線サーモグラフィ協会

教授 / 代表理事

1988年 大阪大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士).1988年 大阪大学 助手.1994年 大阪大学 助教授.2009年 神戸大学 教授(現職).2010年から日本赤外線サーモグラフィ協会 代表理事を務める.

石垣 陽

電気通信大学

特任准教授

1976年生まれ,工学者・デザインエンジニア.災害即応型研究や医療機器・環境測定機器の開発と国内外への社会普及を行う.修士(芸術,多摩美術大学),博士(工学,電気通信大学).セコムIS研究所にて12年間,医療機器やネットワークセキュリティの研究に従事.震災を期に世界初のスマホ接続型線量計「ポケットガイガー」を高エネ研やオランダ軍の研究者と共に実用化.北里大学と共同開発した視機能検査訓練装置「オクルパッド」は国内や途上国の臨床現場で活躍.発明協会 文部科学大臣賞受賞,日本国際賞平成記念研究助成授与,RedDotデザイン賞・グッドデザイン賞受賞.ヤグチ電子工業㈱非常勤取締役を兼任.TV・新聞でコロナ対策の科学的知識の啓発も行う.