光学薄膜セミナー

2021年11月17日(水) 09:30-12:25 -第2会議室A
【TF-1 光学薄膜の外観欠陥評価と設計ソフトウェア活用

光学薄膜の各種評価における注意点(サンプル作りと評価の要点)

東海大学 工学部 光・画像工学科 教授 室谷 裕志 氏
光学薄膜は様々な光学センサー、光学製品に用いられており、その使用範囲も量も増大しています。特に自動車の自動化運転に関わる各種光学センサーに用いられる光学薄膜は、カメラ等に求められていた以上の耐久性が求められています。また、コロナ禍では、温度測定に必要な赤外線領域、殺菌に必要な紫外線領域など、使用波長も可視光領域だけでなく広がっています。この様に使用分野が広がることにより光学特性・外観品質・機械的特性に求められるものは、ますます厳しくなってきています。

昨年度までの光学薄膜セミナーでは、外観品質を中心に広く評価方法について紹介してきました。今年度は、測定データを正しく得るためのサンプルの準備、測定データの解釈について、実例をもとにより詳しくその注意点を解説します。正しく評価されなければ、製造工程へのフィードバックも正しく行われず、トラブルは解決しません。そのための、本セミナーでは評価・分析を正しく行うための注意点に重きを置きます。

また、低出力レーザー耐性や低応力化などのこれからの光学薄膜に求められる特性や光学薄膜に関わるISOやJIS規格についても紹介します。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

光学薄膜設計ソフトウェアによるリバースエンジニアリングと解析事例

(有)ケイワン 代表取締役 鬼崎 康成 氏
光学薄膜の成膜工程では、設計した膜構成と成膜した結果の分光特性が一致しないことは珍しくない。成膜後の特性が要求する仕様を満たさない場合、設計と測定結果のズレを修正して再成膜する必要がある。

特に、多くの膜種を成膜する現場では、このような修正作業はコストアップの原因となるため、悩みの種でもある。

したがって、設計と成膜結果のズレが発生する原因を探し出し、「いかに特性確認用テスト成膜や修正作業を減らすか」ということがリバースエンジニアリングの目的である。

ここでは薄膜設計ソフトウェアを使ったリバースエンジニアリングの方法と解析事例を分かりやすく説明する。
難易度:一般的(高校程度、一般論)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

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2021年11月17日(水) 13:10-16:05 -第2会議室A
【TF-2 光学薄膜の基礎

光学薄膜の膜設計と成膜手法の基礎

オプトグリーン(株) 代表取締役 / (一社)光融合技術協会 理事 生水 利明 氏
光学薄膜が使われる分野は年々広まっており光学機器以外にも応用されている。光学薄膜は、その歴史においてレンズの反射防止膜(ARコート)から始まり、近年では層数が200層以上にもなる高精度干渉フィルターが実用化されている。

一方その重要性はFPD、HUD、太陽電池、加飾、重力波検出干渉計ミラーさらに新型コロナウィルス対応の各種分析器などの分野でもコア技術として光学薄膜が注目されている。本講演では広範な分野で利用されている光学薄膜を製品化する上で、必須な膜設計・成膜に関する基礎を、反射防止膜を中心に紹介する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

光学薄膜の分光特性評価方法の基礎と応用事例

(株)日立ハイテクサイエンス マーケティング部 部長代理 堀込 純 氏
近年、光学薄膜はスマートフォンのカメラやディスプレイ、車載センサーの性能向上など光エレクトロニクス製品の発展に必要不可欠な技術となっています。光学薄膜は光学部材に様々な機能を施しますが、重要な光学特性の一つに分光特性が挙げられます。分光光度計は、入射した光に対して試料の透過光を計測し波長毎に透過した割合(透過率)を表示する透過スペクトルと試料の反射光を計測し波長毎に反射した割合(反射率)を表示する反射スペクトルのデータを得ることができます。

透過測定や反射測定用のアタッチメント、様々な検出器を選択することで目的に応じた測定が可能となります。例えば、光学薄膜が施されたレンズや拡散性を有する試料、厚みのある試料の透過率を測定する場合、透過光の光束が屈折や散乱の影響で変化するため、積分球と呼ばれる検出器を使用して屈折や散乱の影響を受けにくい光学系で測定します。積分球にも内径やポートサイズ、内面材料などいくつかの種類があり、測定目的に応じて最適なタイプを選択します。反射の測定は付属装置を変更することで入射角や試料サイズに対応することができますが、入射角によって偏光特性の影響を考慮する必要があります。

今回は光学薄膜の分光特性検査の測定方法の基礎や測定目的に応じた応用事例、アタッチメントの選択方法について紹介します。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

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室谷 裕志

東海大学 工学部 光・画像工学科

教授

1988年 3月 東海大学大学院工学研究科光工学専攻博士課程前期 修了.1988年 4月 株式会社 日本製鋼所 入社.光導波路、光ピックアップ、光学薄膜、光学ローパスフィルター等の研究開発に従事.2001年 3月 東海大学より博士(工学)号を取得.2003年 4月 東海大学 工学部 光・画像工学科(旧 応用理学科 光工学専攻)に赴任.2011年 4月 光学薄膜研究会 代表.2011年 9月 ISO/TC 172/SC 3/WG 2のExpert.2015年 4月 ISO/TC 172/SC 1/WG 1のExpert.

鬼崎 康成

(有)ケイワン

代表取締役

1977年 東海光学(株)入社 眼鏡事業の生産技術・研究開発担当.1996年 新規事業としての薄膜事業を立ち上げ.2014年 有限会社ケイワン入社 .現在,光学薄膜設計ソフトウェア「OptiLayer」輸入販売および光学薄膜コンサルティングに従事.光学薄膜研究会運営委員.

生水 利明

オプトグリーン(株) / (一社)光融合技術協会

代表取締役 / 理事

1982年 オリンパス株式会社 入社.主に光学薄膜・光学材料・光学素子の研究開発に従事.・カメラ,顕微鏡,内視鏡,等に使用する反射防止膜及び各種光学フィルターの設計開発,機能性光学材料,新規光学素子の開発・イオン成膜,スパッタリングを用いた光学薄膜の開発.2009年 オプトグリーン株式会社 代表取締役.2012~17年 宇都宮大学客員教授 兼務.2017年 一般社団法人光融合技術協会 理事 兼務.

堀込 純

(株)日立ハイテクサイエンス

マーケティング部 部長代理

(学 歴)
 2003年:中央大学 理工学部 応用化学科 卒業
 2005年:中央大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 前期課程修了
 2005年:中央大学大学院 理工学研究科  ナノテクノロジー副専攻修了

(職 歴)  2005年 (株)日立ハイテクノロジーズ 入社
 2013年~(株)日立ハイテクサイエンス 入社