レーザーセミナー

2021年11月19日(金) 10:00-12:55 -第2会議室B
【LA-1 レーザーの基礎

レーザーの基礎

大阪大学 レーザー科学研究所 准教授 時田 茂樹 氏
レーザー光の特性、レーザー装置の構造を全く知らない方を対象とした基礎セミナーです。

レーザーを理解するためには、大学の理系科目で習うような高度な学問が必要と思われていませんでしょうか?そんなことはありません。中学校の理科程度の知識があれば、レーザーを扱う上で最低限必要な理解を得ることができます。

本セミナーは、光とは?(光の波長、振幅、偏光)から始まり、自然光とレーザー光の発生原理と特性の違い、レーザーの基本構造と種類、ビーム光学の基礎(レーザー光の集光、回折限界、ビーム品質)、連続波(CW)レーザーとパルスレーザーの違い、レーザー装置の仕様表の見方など、レーザーを扱う上で必要となるベーシックな内容について実例を交えて紹介します。

レーザーの基礎を正しく理解するための第一歩を踏み出していただくため、どなたでも理解できるよう平易に(数式を用いずに)説明します。
難易度:一般的(高校程度、一般論)

ファイバーレーザーの基礎

名古屋大学大学院工学研究科電子工学専攻 教授 西澤 典彦 氏
ファイバレーザーは,増幅媒質や共振器が光ファイバで構成されたレーザーで,空間的にずれる要素が無く,電源を入れるだけで容易に発振し,優れた空間的なビーム特性や安定性を得ることができる.また,放熱効率や励起効率に優れ,最も高い出力が得られるレーザーであり,レーザー加工を始めさまざまな用途に活用されている.

本講演では,「ファイバーレーザー事はじめ」と題して,ファイバーレーザーの基礎から,超短パルスファイバーレーザーを中心とした最近の進展,光周波数コムや光断層計測への応用展開等について,基礎的な面を中心に概説する.
難易度:入門程度(大学一般教養程度)、初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)、中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

超短パルスレーザーの基礎

産業技術総合研究所 主任研究員 吉富 大 氏
超短パルスレーザーは、パルスの時間幅がフェムト秒~ピコ秒領域の非常に短いレーザーです。最近では使いやすい市販の製品も多く販売されており、加工・計測・医療など幅広い分野で用いられるようになってきました。

本講演では、超短パルスレーザーに関する基礎概念や動作原理、パルス幅の計測法など基礎的事項を中心に、超短パルスレーザーを扱う際の注意点や超短パルスレーザーの典型的な用途なども交えながら、超短パルスレーザーの概要を分かりやすく解説していきます。超短パルスレーザーについて初めて学ばれる方を含めて、高校程度の物理・数学的知識を前提に理解できるコースにしたいと思います。
難易度:一般的(高校程度、一般論)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

併催イベント一覧へ

2021年11月19日(金) 13:40-16:35 -第2会議室B
【LA-2 高性能光デバイスと応用

可視光半導体レーザとその応用

シャープ福山レーザー(株) レーザー事業部 経営戦略部 取締役 副事業部長兼部長 平野 恭章 氏
本公演では、半導体レーザについて、低中出力レーザ(Singleモード)と高出力レーザ(Multiモード)に分けて、電気特性、光学特性及び寿命の紹介を行う。

さらに、これらの特性をもつ半導体レーザの適応商品の歴史と、今後の市場について紹介を行う。特に、低中出力用のレーザでは、AR/VR glassなどのモバイル機器に使用されるため、今後の取り組むべき課題として低消費電力化と小型化が重要であり、その対策方法の一例を述べる。また、RGB レーザで使用されることから、赤レーザの温特の改善が重要であること及び改善状況について述べる。

さらに、高出力レーザでは、ProjectorやレーザTV、加工用レーザが今後、拡大する市場と想定される。これらは、今後、高出力化が望まれ、効率の改善と信頼性の確保が重要である。特にレーザTVは、コストダウンすることで、現状液晶テレビのパネルレス化が推進される可能性あり、非常に注目される商品であると言える。中国市場を中心に拡大しようとしている。

また、今後のアプリケーションの一例として、特定用途として、Laserバックライトの現状の取り組みについての述べ、試作例を示し、今後の応用の可能性について言及する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

面発光レーザの進展と応用

東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 小山 二三夫 氏
現在の短距離系光通信や光センサーの光源として中心的な役割を果たしている面発光レーザの発明からおよそ44年が経過した.これまでの研究開発により,レーザとしての性能も通常の半導体レーザを凌ぐようになり,アレー化などの特徴を活かした応用も実証されてきた.

特に短距離の光リンク用光源として成長し,サブミリアンペアの低しきい値素子の実現や近赤外波長域での実用化が進められて,現在の短距離光LANやデータセンター・スーパーコンピュータ内の光インターコネクト用光源として中心的な役割を果たしている.

特に,データセンターでは,膨大な数の光配線導入が必須であり,ここでは,低消費電力動作を可能とする面発光レーザが主役になっている.一方,3Dセンシングは,自動運転用LiDAR,スマートフォン用近接センサ,セキュリティカメラやモーションセンサなど多様な応用が検討され注目を集めている.

特に,面発光レーザアレイを用いた3Dセンシング技術がスマートフォンの顔認証システムに搭載されてから,大きな市場展開が期待されている.

ここでは,面発光レーザの高速変調・低消費電力動作に焦点をあて面発光レーザの高速化技術について紹介するとともに,ビーム掃引機能を有する高出力面発光レーザとそのLiDAR応用について解説する.
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

有機半導体レーザーの材料・デバイス設計

九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長 安達 千波矢 氏
OLED(有機EL)は、100%の電流−光変換を可能とし、発光デバイスとして優れた特性を有していることが明らかとなった。そして、OLEDの延長線上に位置する有機半導体レーザー(OSLD: Organic Semiconductor Laser Diode)は、可視域から赤外までの発振波長が期待できることに加え、有機材料ならではの柔軟性や加工性の高さ、OLEDとの融合の可能性など、無機半導体レーザーとは異なる可能性が期待されている。

本講演では、基礎的な視点から有機レーザー分子の分子設計から電流励起を目指したデバイス設計について紹介し、固体薄膜中における励起子失活過程、劣化機構、現状のデバイスの問題的について指摘する。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

併催イベント一覧へ

元のページに戻り選択を続ける
お申込み受付は終了いたしました。


お支払方法
●クレジットカード(領収書発行)
●銀行振込
※早割支払期日:11/19(金)

セミナー申込手順


※有料セミナー キャンセル規程:
お客様のご都合による受講解約の場合、10/25までは受講料の50%、10/26以降につきましては受講料の全額を解約金として申し受けます。
但し、申込者が既定の人数に達しない場合、中止とすることがあります。その場合には、申し受けた受講料は返金致します。

※学生料金:
個人もしくは学校からのお支払いで、30歳未満の方が対象となります。

※月刊OPTRONICS定期購読者割引:
月刊OPTRONICS定期購読につきましては【こちら】をご確認ください。
購読者割引は読者番号(送本時の宛名ラベルに記載)とお申込み者のお名前が一致している方が対象となります。

受講申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。申し込み後、受講者のご都合で欠席となる場合でも受講料は申し受けます。テキスト(pdf)は事前に参加者全員にメールにてお送りいたします。
なんらかの不可抗力により該当セミナー、及び付帯するイベントの開催が不可能となった場合、主催者は受講のキャンセルの受け付け致しません。また、受講料の返金を含む、これにともなった損害の補填・補償は行いません。

【不可抗力】台風、洪水、地震を含む天災、あるいはそれらを原因とする様々な事態、疾病や伝染病の蔓延、労働争議、主催者の合理的なコントロールを超えた会場設備の使用制限や講師の欠席等を含むもの


[ 特定商取引法に基づく表記 ]



時田 茂樹

大阪大学 レーザー科学研究所

准教授

2006年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了,博士(工学).同年日本学術振興会特別研究員,12月より京都大学化学研究所助手(2007年より助教).2013年大阪大学レーザーエネルギー学研究センター講師(2017年よりレーザー科学研究所).2021年同准教授.レーザー工学,プラズマ物理学を専門分野とし,高出力Yb:YAGレーザー,フェムト秒レーザー,中赤外ファイバーレーザー,高強度テラヘルツ波発生,レーザー加速電子ビーム発生などに関する研究実績をもつ.所属学会:レーザー学会、応用物理学会、日本物理学会.

西澤 典彦

名古屋大学大学院工学研究科電子工学専攻

教授

1991年 名古屋大学工学部電子工学科卒業.1993年 同大学院工学研究科量子工学専攻前期課程修了.1995年 同後期課程修了・博士(工学).1995年 古屋大学工学部助手, 2003年 サチューセッツ工科大学客員研究員,2005年 名古屋大学工学研究科助教授,2006年 大学発ベンチャーNUシステム(株)取締役兼務,2007年 大阪大学工学研究科准教授, 2010年 名古屋大学工学研究科准教授,2012年より現職.レーザー学会進歩賞,光学論文賞,応用物理学会論文賞,第1回文部科学大臣表彰若手科学者賞,バイオビジネスコンペジャパン優秀賞,産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞等受賞,等受賞.

吉富 大

産業技術総合研究所

主任研究員

1996年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程修了.1996~2000年(株)日本アイ・ビー・エム.2000~2003年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程.博士(工学)2003年~ 産業技術総合研究所.2013年より現職.

平野 恭章

シャープ福山レーザー(株) レーザー事業部 経営戦略部

取締役 副事業部長兼部長

1995年,法政大学大学院電気工学研究科博士課程卒業,「Si基板上へのβ-SiCの低温単結晶成長と不純物制御に関する研究」で博士号を取得.1994年にシャープ株式会社に入社.入社後,フラッシュメモリの設計開発に従事,新規フラッシュメモリの開発,微細化及び電源効率の改善と信頼性確保のためのメモリセル動作アルゴリズムの改善,多値フラッシュメモリの開発,量産化を行う.2004年~2008年電子情報通信学会 集積回路学会ICD専門委員.2009年~2017年LEDバックライトの開発に従事.社内AQUOS向けのLEDの直下型バックライトモジュールを開発.LED照明,モバイル向けサイド発光LEDの開発責任者を経て,2018年よりレーザーの開発責任者を経て,現在に至る.

小山 二三夫

東京工業大学 科学技術創成研究院

教授

昭和60年東工大大学院博士課程修了.工学博士.東京工業大学精密工学研究所助手,助教授を経て,現在科学技術創成研究院教授.面発光レーザ,半導体光回路,光マイクロマシンなどの研究に従事.応用物理学会フェロー,電子情報通信学会フェロー,IEEEフェロー,OSAフェロー,2010電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ会長,1990電子情報通信学会篠原賞,論文賞受賞.1998丸文学術賞,応用物理学会会誌賞,2004市村学術賞,2005電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ賞,2007文部科学大臣表彰科学技術賞,2008 IEEE/LEOS William Streifer Award, 2011 Microoptics Award,2012 応用物理学会光・電子集積技術業績賞,2015東京都功労者技術振興功労表彰,2016市村産業功績賞,2017櫻井健二郎氏記念賞,2018大川賞,2019 Nick Holonyak, Jr. Award,2019 電子情報通信学会業績賞など受賞.

安達 千波矢

九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター

センター長

1991年 九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻 博士課程修了
1991年 (株)リコー化成品技術研究所 研究員
1996年 信州大学繊維学部機能高分子学科 助手
1996年 プリンストン大学Center for Photonics and Optoelectronic Materials 研究員
2001年 千歳科学技術大学光科学部物質光科学科 准教授 2004年 千歳科学技術大学光科学部物質光科学科 教授
2005年 九州大学未来化学創造センター 教授
2010年 九州大学応用化学部門 教授、最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長 兼任
現在に至る