レーザー基礎&応用技術セミナー

2022年04月20日(水) 09:30-12:25 アネックスホール F201
【LE-1 レーザーの基礎

レーザーの基礎

京都大学 化学研究所 時田 茂樹 氏
レーザー光の特性、レーザー装置の構造を全く知らない方を対象とした基礎セミナーです。
レーザーを理解するためには、大学の理系科目で習うような高度な学問が必要と思われていませんでしょうか?そんなことはありません。中学校の理科程度の知識があれば、レーザーを扱う上で最低限必要な理解を得ることができます。

本セミナーは、光とは?(光の波長、振幅、偏光)から始まり、自然光とレーザー光の発生原理と特性の違い、レーザーの基本構造と種類、ビーム光学の基礎(レーザー光の集光、回折限界、ビーム品質)、連続波(CW)レーザーとパルスレーザーの違い、レーザー装置の仕様表の見方など、レーザーを扱う上で必要となるベーシックな内容について実例を交えて紹介します。
レーザーの基礎を正しく理解するための第一歩を踏み出していただくため、どなたでも理解できるよう平易に(数式を用いずに)説明します。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

ファイバーレーザー事はじめ

名古屋大学 大学院 工学研究科 電子工学専攻 教授 西澤 典彦 氏
ファイバレーザーは、増幅媒質や共振器が光ファイバで構成されたレーザーで、空間的にずれる要素が無く、電源を入れるだけで容易に発振し、優れた空間的なビーム特性や安定性を得ることができる。また、放熱効率や励起効率に優れ、最も高い出力が得られるレーザーであり,レーザー加工を始めさまざまな用途に活用されている。

本講演では、「ファイバーレーザー事はじめ」と題して、ファイバーレーザーの基礎から、超短パルスファイバーレーザーを中心とした最近の進展、光周波数コムや光断層計測への応用展開等について、基礎的な面を中心に概説する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)、初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)、中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

高出力ファイバーレーザーの基礎と最新動向

電気通信大学 レーザー新世代研究センター 教授 白川 晃 氏
ファイバーレーザーは現在、もっとも信頼性の高い高輝度高平均出力レーザーとして広く認識され、産業応用が進んでいる。ビーム品質が悪く集光特性に優れない高出力レーザーダイオード光を比較的大きな断面積をもつクラッドに注入・伝搬させ、希土類イオンを添加したコアで徐々に吸収させ高輝度のコアモードでレーザー発振させる、理想的な空間輝度増強器と言える。長手方向に分散して排熱するため冷却能力に優れ、自然空冷でkW動作が可能で、冷却器など余計な付帯設備が最小限で済むのは実用上極めて大きな利点になっている。
しかしその小径コアと長い相互作用長により非線形光学効果が卓越し、高ピークパワー・エネルギーのパルス光を得るのは一般に困難である。非線形限界、そして破壊閾値を超えたパワー・エネルギースケーリングのためには、ファイバーレーザーの並列化(アレイ)が唯一の方法である。複数のSMファイバーレーザーをビーム品質を維持したままビーム結合しパワー・エネルギーを向上する研究が、世界中で盛んに行なわれている。
本講演では、高出力ファイバーレーザーの基礎について勉強し、高出力化、ビーム結合技術について、我々の研究も含めて最前線の研究を紹介する。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社 月刊オプトロニクス定期購読者 シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥5,000

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2022年04月20日(水) 13:10-16:05 アネックスホール F201
【LE-2 レーザー取扱いの基礎

レーザー安全の基本

近畿大学 理工学部 非常勤講師 橋新 裕一 氏
各種レーザー応用製品が登場し、一般消費者向けの製品も増えてきて賑やかになり、保険収載されるレーザー治療も多くなってきました。レーザーの波長は紫外から赤外に亘り、そのパワーは高出力化・小型化が進み、値段も安価になってきました。しかし、レーザーの発展・普及に伴い、レーザーによる事故・事件も多くなってきています。10年ほど前までは製造会社、研究機関、教育機関などのレーザー取扱者が被害を受ける事故でしたが、最近では一般消費者の事故や事件が発生しており、看過できなくなってきています。

レーザーに対する安全意識を高めて、適切な安全対策を施し、安心してレーザーと関わって頂くことを願っています。レーザーと太陽光・一般照明光との違いから、レーザーの持つ性質を理解して頂きます。レーザーが目や皮膚に与える影響について、やさしく解説して、レーザーに対する危険感受性を養って頂きます。保護めがねを着用すること。レーザーの放射口と放射される方向を確認すること。反射物の位置を確認し、可能ならば、レーザー装置の周辺から遠ざけること。適切なレーザーストッパー(終端)を用いること。IEC、ISOおよびJISにおける標準化作業から、レーザー安全の考え方を理解してもらいます。さらに、レーザー安全教育としてのトレーニング内容についても説明します。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

レーザービームの基礎と評価

中央大学 教授 庄司 一郎 氏
レーザーを利用するということはレーザービームを取り扱うことを意味するので、ビームの特徴や性質についての基本的事項は、レーザーに関わる仕事をするなら是非とも素養として身につけておきたいものです。
本セミナーでは最も重要なガウシアンビームを中心に、レーザービームの基礎とビームを特徴づける各種パラメータおよびその評価法について、以下の内容で解説します。

 1.    ガウシアンビームとは?
 2.    ビーム半径と測定法
 3.    ビーム拡がり
 4.    ビーム強度とパワー
 5.    ガウシアンビームの波面
 6.    高次モードビーム
 7.    ビーム品質(M2およびBPP)とその評価法
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

光学素子の選び方と取り扱い

(公財)レーザー技術総合研究所 レーザー技術開発室 室長・主任研究員 本越 伸二 氏
レーザー装置、レーザー応用機器の中には、ミラー、レンズ、ウィンドウ、ビームスプリッタなどなど、多くの光学素子が使用されています。同じ焦点距離のレンズであっても、使用する場所、用途に応じて選ぶ必要があります。
本講演では、レーザーを取り扱う、また光学装置を組み始める上で必要となる、光学部品の選び方、取り扱い方について紹介します。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社 月刊オプトロニクス定期購読者 シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥5,000

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2022年04月21日(木) 09:30-12:25 アネックスホール F201
【LE-3 ロボット高機能化のための光技術

ロボット技術と光技術の融合によるロボットフォトニクスの概要と将来展望

(国研)産業技術総合研究所 関西センター産学官連携推進室 連携主査 村井 健介 氏
少子高齢化社会にある我が国では、人工知能(AI)やロボットが切り札と考えられている。ロボットに対するニーズは、産業ロボットから生活支援ロボットへと変遷している。製造現場ではロボットアームが並んでいたが、近年は製造ラインに人型ロボットが並んで作業する「協働ロボット」の開発も盛んに進められている。Society5.0では、AIにより必要な情報が必要な時に提供されるだけでなく、ロボットや自動走行車などの技術で人の可能性が広がる人間中心社会を目指している。
21世紀は「ロボットの時代」とも「光の時代」とも呼ばれている。「ロボットフォトニクス」は、光技術(フォトニクス)とロボット技術(ロボティクス)の融合した分野技術であり、まさに21世紀に研究開発が進む技術領域であるといえる。現代のロボットは、フォトニクス抜きには成り立たない。LiDARやイメージセンサなど様々なフォトニックデバイスが続々と開発され実装されている。フォトニクスは、ロボットの高度化に着実に貢献しており、さらに進んでいくリモート社会には不可欠な存在である。
一般社団法人レーザー学会では、ロボットフォトニクスについての技術専門委員会を立ち上げ、フォトニクスによるロボットの高度化や、フォトニクスによる革新的なロボットサービスの開拓について検討している。
本講演では、ロボットフォトニクスの観点で、ロボットに期待できるフォトニクスの概要について紹介する。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

計測検査ロボットのための光センシング技術 - 位相解析による高速・高精度センシングの基礎から応用 ‐

福井大学 学術研究院工学系部門 知能システム工学講座 教授 藤垣 元治 氏
近年、製品検査の自動化と高度化のために、光センシング技術を利用する場面が増えている。外観検査については2次元的なものだけでなく3次元情報を用いた計測・検査手法が取り入れられており、その高速化と高精度化についてのニーズも高まっている。また、構造物の3次元的な変形を計測・検査する手法についても、インフラ向けのセンシング技術として多くのニーズがある。
3次元計測については、従来から様々な手法が提案され、その実用化もされている。その中でも、格子パターンを投影し、その位相解析を行う手法を用いた3次元計測装置は比較的多く用いられている手法である。製造ラインに固定して設置するものや、ロボットアームの先端に取り付ける小型のタイプなども開発されている。インフラ向けとしても、格子パターンの位相解析を行うことで、リアルタイムで高精度に変位計測ができる技術の製品化が行われている。
本講演では、これらの格子パターンの位相解析を用いることで、高速化と高精度化を行う光センシング技術について、基礎的な事項の解説と応用例の紹介を行う。とくに3次元計測については、最近新しく開発した振動に強くいつでもズームやピント調整ができる3次元計測手法について紹介する。これは振動に強いためロボットに搭載するには適した手法である。また、3次元変位計測についても、小型の構造物の微細な変位分布からインフラ構造物のような大型構造物の3次元変位が精度よく計測できる手法について紹介する。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

ロボットの眼の高度化 -カメラの現状、高度化の手段(ハイパースペクトルカメラなど)-

エバ・ジャパン(株) 取締役最高技術責任者 高良 洋平 氏
ロボット技術は、旧来より生産・流通現場への導入が進んできたが、近年のIoT、大容量通信技術の発達に伴うデジタル化(自動化)の波や、一般家庭、ヘルスケア、農業などにおける、新しいサービスとしての用途の拡大が期待されている。そして、それらを支える鍵となるのがロボットの眼としての画像技術であり、イメージングセンサ、コンピュータ技術の高性能・低価格化、AIの発達などにより、画像技術も急速に高度化してきた。

現在ロボットの眼として使われている主要技術は、2D,3Dのカメラであるが、本講演では、更なる高度化の手段として、波長および時間次元を追加する(4D,5D)、スペクトルイメージング技術の概要と未来ビジョンを紹介する。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社 月刊オプトロニクス定期購読者 シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥5,000

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2022年04月21日(木) 13:10-16:05 アネックスホール F201
【LE-4 新しい半導体レーザー光源

フォトニック結晶レーザー

京都大学 工学研究科電子工学専攻 教授 野田 進 氏
フォトニック結晶レーザー(PCSEL)は、既存の半導体レーザーの欠点、すなわち、高ビーム品質・高出力動作(=高輝度動作)が困難であるという欠点を克服し、他の大型レーザー(CO2レーザーやファイバレーザ―等)を一新する可能性をもつとともに、2次元ビーム走査や任意のビーム形状を生成させることが可能という高機能性をも有する。

半導体レーザーは、小型・高効率・高制御性ゆえに、通信・情報・光記憶の分野で欠くことの出来ないキーデバイスとなっているが、既存の半導体レーザーの欠点は、高ビーム品質・高出力動作が困難である点にある。高出力化のために面積を大きくすると、面内方向の光の状態を制御する機構が存在しないため、多くの不要モードが出現し、ビーム品質が著しく低下する。このことが、最近、注目を集める超スマート社会(Society 5.0)を支えるスマートモビリティやスマート製造分野の発展のボトルネックとなっている。例えば、自動運転や、ロボットの自動走行などの目の働きをするLiDAR(Light Detection and Ranging)センシングの光源部には、ビーム品質の悪い既存の半導体レーザーを用いざるを得ないため、複雑な光学系とその制御・調整が必須であり、コストの増大、サイズの増大、さらには信頼性の低下等の問題を生じている。一方、スマート製造の核となるレーザー加工においては、現状は、CO2レーザーやファイバレーザーなどの大型で低効率のレーザーが用いられているが、カーボンニュートラルの観点から小型・低消費電力・低コスト化に適した半導体レーザーの活用が切望されており、ここでも半導体レーザーの高輝度化は必須と言える。

半導体レーザーの高輝度化を実現可能な唯一の半導体レーザーが、フォトニック結晶レーザー(PCSEL)である。本レーザーは,2次元面内の光の状態を制御可能で、不要モードの存在を許さない光共振器を形成可能なことを特徴とし、1mmΦを超える、半導体レーザーでは極めて大きな面積でも、高ビーム品質かつ高出力動作が可能になってきている。さらに、フォトニック結晶の有する各種の光制御性ゆえに、任意の形状・偏光ビームの発生や、電気的ビーム走査など、様々な機能性までが実現されている。本講演では、PCSELの基礎から、最新の成果について説明する。
●難易度:初級から中級程度(大学専門程度から大学院程度、基礎知識を有す)

面発光型量子カスケードレーザ

(株)東芝 生産技術センター 光学・検査技術研究部 フェロー 斎藤 真司 氏
量子カスケードレーザ(QCL:Quantum Cascade Laser)は、中・遠赤外波長を発する半導体レーザで他の光源に比べ、小型で波長の線幅が狭い光源である。特に中赤外波長域は分子の指紋領域とも呼ばれ、分子振動の吸収帯が存在し、その吸収波長から分子の同定が可能である。
ガス、液体、物質の表面の分析や加工など、様々な応用に用いられており、小型高感度な分析機器が実現されている。分析、計測に用いるQCLは、吸収線を分離できるように波長幅が狭い必要があり、発振波長を限定する構造が必要である。この波長の限定、高いビーム品質、高い出力を同時に実現できる構造として、面発光型QCLを開発した。
新規開発の面発光型は従来の端面発光型に比べ、歩留まりを低下させる劈開工程が不要、検査をウエハ上で行えるなど、生産性においても優れている。高出力を目指した面発光型QCL素子の技術開発について紹介するとともに、高出力化により発展が想定される応用技術について紹介する。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

有機半導体レーザーの材料・デバイス設計

九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター・センター長 安達 千波矢 氏
OLED(有機EL)は、100%の電流−光変換を可能とし、発光デバイスとして優れた特性を有していることが明らかとなった。そして、OLEDの延長線上に位置する有機半導体レーザー(OSLD: Organic Semiconductor Laser Diode)は、可視域から赤外までの発振波長が期待できることに加え、有機材料ならではの柔軟性や加工性の高さ、OLEDとの融合の可能性など、無機半導体レーザーとは異なる可能性が期待されている。

本講演では、基礎的な視点から有機レーザー分子の分子設計から電流励起を目指したデバイス設計について紹介し、固体薄膜中における励起子失活過程、劣化機構、現状のデバイスの問題的について指摘する。
●難易度:中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社 月刊オプトロニクス定期購読者 シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥5,000

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2022年04月22日(金) 09:30-12:25 アネックスホール F201
【LE-5 光・レーザーとスマート農業

レーザー・LEDによる農業・漁業応用

大阪大学 レーザー科学研究所 特任教授 藤 寛 氏
LEDは低価格・省エネ・長寿命・小型の特長により家庭やオフィス照明など様々な用途で普及してきたが、近年、植物工場や集魚灯など農業や漁業へも拡がりを見せている。植物工場では光合成に必要な波長の光をLEDから供給しており、漁船では魚類の視感度に対応した波長の光源を集魚灯に使用している。他方、レーザーの農業・漁業応用例は未だに少ない。例えば、田畑の耕作に使用するレーザーレベラーやプラウなどレーザー技術を使った土木測量技術を応用した農機などの実用化に留まっており、今後、用途拡大が進むと思われる。これらの光源においては、生物の光への応答などをもっと積極的に利用する必要があり、波長やパルス制御の特長を生かした技術開発が待たれる。
レーザーやLED光源は、既に照明やプロジェクターなどに使用されて量産効果が高く、低コスト化、モジュールやシステムの小型化も進むため、導入障壁が低く、開発事例が増えると思われる。
本講演では、生物の光への応答例や、応用が期待される作物・魚種などの基本的な情報と、特定の用途に特化した応用装置・システム技術について、研究・開発途上のもの、実用化されているもの、今後に期待できるものも含めて農業や漁業でのレーザーやLEDの応用事例を紹介し、開発推進への提言を行う。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

光技術を利用したスマート農業

(国研)理化学研究所 光量子工学研究センター光量子制御技術開発チーム チームリーダー 和田 智之 氏
食を支える農業は、我が国をさせえる基盤産業であるにもかかわらず、若者の農業離れが進み、農家の高齢化が問題となっている。
我々は、光技術を導入した最先端の農業の変革を目標に、いろいろな技術開発を展開している。例えば、静岡県とは、AOI-PARCと呼ばれる最先端の農業研究センターを設立して世界に発信できる農業を計画している。あるい、ムーンショット型研究予算では、土壌に着目し、有用な微生物を利用した環境負荷を低減した農業研究をスタートした。
カーボンニュートラルも農林水産省の政策である「みどりの食料システム戦略」においてでも課題とされているテーマである。
本講演では、我々のこれらの分野へのアプローチを紹介する。

光技術を活用した青果物の品質評価と選果選別システム

シブヤ精機(株) 開発部 部長 二宮 和則 氏
様々な光技術を活用した青果物の選果選別システムについて、概要を紹介する。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社 月刊オプトロニクス定期購読者 シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥5,000

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2022年04月22日(金) 13:10-16:05 アネックスホール F201
【LE-6 自動車産業で活躍するレーザー

レーザーを用いた自動車用照明 ―自動運転、カーボンニュートラルを見据えた照明とは―

大阪大学 レーザー科学研究所 教授 山本 和久 氏
LEDという固体光源の登場により、照明・ディスプレイは小型、省エネ化されました。レーザーのポテンシャルは更に高く超省エネ化、超小型化などへの期待が大きいです。
ここでは自動運転、カーボンニュートラルを見据えた自動車分野へのレーザー照明応用とは何か、特に次世代ヘッドランプに加え注意喚起照明など、応用時の特長、課題、展望について述べます。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)

先進レーザーの様々な自動車展開 ―小型集積レーザーを中心に―

(国研)理化学研究所 / 分子科学研究所 放射光科学研究センターレーザー駆動電子加速技術開発グループ(グループディレクター)/ 社会連携研究部門(特任教授 平等 拓範 氏
レーザーの進化と普及により、近年は自動車との関わりが増えてきた。テーラーメイド加工を可能とするレーザー溶接や切断ではもちろんのこと、肉盛り、さらにはエンジン燃料噴射孔の微細加工など、車両の性能を左右する高付加価値加工に対する要求は旺盛でレーザー加工は必須である。さらに表示装置も機器式からLCD/OLEDなどに代わり、その加工に超短パルスレーザーや可視・紫外域のパルスレーザーが使われてる。また、安全性向上に寄与するインテリジェントヘッドランプ、テールランプには半導体レーザー励起固体レーザーと類似の青色半導体レーザー励起の蛍光体が用いられている。そしてレーザーレーダー(Laser Radar, LiDAR)のような能動センサーは自動運転に必須の装置であるなど至る所でレーザーが重要になってきている。

本セミナーでは、マイクロドメイン制御による機能発現を探求するマイクロ固体フォトニクス(Micro Solid-State Photonics)の最近の成果である、レーザーセラミックスの課題であった常温接合・界面制御、非線形光学素子に係る分域(ドメイン)制御を中心に、望めつつある小型集積レーザー(Tiny Integrated Laser, TILA)を中心に紹介しますする。そして自動車における可能性として自動運転に必須なLiDAR、水素自動車を含むエンジン点火、レーザーピーニング、非破壊検査などにつき解説したい。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

自動車分野におけるレーザー加工 ~カーボンフリーへの対応

(株)タマリ工業 理事 三瓶 和久 氏
カーボンフリー実現に向けた自動車のCO2排出量削減への要求は高い。二次電池、モーター等の電動化部品への対応で溶接材料が銅アルミに変わり、また、生産量の急増に対応する溶接の高速化、高品質化の要求に対して、レーザー発振器、周辺機器の進化を伴いながら、生産ラインへの適用が広がりつつある。
また、インジェクタの墳口の微細孔加工や摺動面の摩擦低減を目的とした微細テクスチャリング加工のニーズが高まっている。超短パルスレーザによる微細加工はこれまでスループットが課題とされてきたが、高出力が急速に進み、実部品への適用が始まりつつある。
ここ数年のレーザー発振器、および周辺機器の進化と、生産適用の事例について紹介する。
●難易度:一般的(高校程度、一般論)
受講料(1セッション/税込)
一般 主催・協賛団体会員/出展社 月刊オプトロニクス定期購読者 シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥5,000

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【不可抗力】台風、洪水、地震を含む天災、あるいはそれらを原因とする様々な事態、疾病や伝染病の蔓延、労働争議、主催者の合理的なコントロールを超えた会場設備の使用制限や講師の欠席等を含むもの


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時田 茂樹

京都大学

2006年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了,博士(工学).同年日本学術振興会特別研究員,12月より京都大学化学研究所助手(2007年より助教).2013年大阪大学レーザーエネルギー学研究センター講師(2017年よりレーザー科学研究所).2021年同准教授.レーザー工学,プラズマ物理学を専門分野とし,高出力Yb:YAGレーザー,フェムト秒レーザー,中赤外ファイバーレーザー,高強度テラヘルツ波発生,レーザー加速電子ビーム発生などに関する研究実績をもつ.所属学会:レーザー学会(上級会員)、応用物理学会、日本物理学会.

西澤 典彦

名古屋大学

大学院 工学研究科 電子工学専攻 教授

1991年 名古屋大学工学部電子工学科卒業
1993年 同大学院工学研究科量子工学専攻前期課程修了
1995年 同後期課程修了・博士(工学)
1995年 古屋大学工学部助手, 2003年 サチューセッツ工科大学客員研究員,2005年 名古屋大学工学研究科助教授,2006年 大学発ベンチャーNUシステム(株)取締役兼務,2007年 大阪大学工学研究科准教授, 2010年 名古屋大学工学研究科准教授,2012年より現職
レーザー学会進歩賞,光学論文賞,応用物理学会論文賞,第1回文部科学大臣表彰若手科学者賞,バイオビジネスコンペジャパン優秀賞,産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞等受賞,等受賞

白川 晃

電気通信大学

レーザー新世代研究センター 教授

1999年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学博士)。同年電気通信大学レーザー新世代研究センター助手。2007~2008年英サウサンプトン大学光エレクトロニクス研究センター客員研究員を経て、2010年より電気通信大学レーザー新世代研究センター准教授、2020年より教授。同大大学院情報理工学研究科基盤理工学専攻併担。 レーザー学会奨励賞、同業績賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。

橋新 裕一

近畿大学

理工学部 非常勤講師

博士(工学)。1982年3月,近畿大学大学院博士後期課程,満期退学。同年4月,近畿大学理工学部助手,1998年専任講師,2003年助教授,2007年准教授,2012年教授,2021年非常勤講師。レーザー学会(フェロー),日本レーザー医学会(名誉理事),光産業技術振興協会(IEC/TC76レーザ安全性標準化部会およびISO/TC172/SC9国内対策委員会・委員)。 2002年日本レーザー医学会総会賞,2009年国際レーザー医学・医療学会Good Speech Award,2013年IEC1906賞。

庄司 一郎

中央大学

教授

北海道室蘭市出身.1992年東京大学工学部物理工学科卒.1994年東京大学工学系研究科修士課程物理工学専攻修了.1995年同博士課程中途退学.1995年東京大学工学部助手,1999年分子科学研究所研究員,2002年同助手を経て,2004年より中央大学理工学部専任講師.2005年同助教授,2007年同准教授を経て,2010年同教授,現在に至る.専門は固体レーザーおよび非線形波長変換材料とデバイス.応用物理学会,レーザー学会,電子情報通信学会,OPTICA各会員.レーザ協会前会長・現理事.第11回(2001年秋季)応用物理学会講演奨励賞,2016年度第40回レーザー学会業績賞(進歩賞)受賞.

本越 伸二 氏

(公財)レーザー技術総合研究所

レーザー技術開発室 室長・主任研究員

1994年、大阪大学大学院工学研究科博士課程修了後、財団法人レーザー技術総合研究所・研究員。2012年に公益財団法人に移行。レーザー技術開発室長、主任研究員として、固体レーザーおよび光学薄膜の研究に従事。特に、高出力レーザー装置に必要となる高耐力光学素子とレーザー損傷物理について研究を行い、現在、国内唯一のレーザー損傷耐性の評価機関として産業界に情報を提供している。主な所属学会:応用物理学会、レーザー学会。博士(工学)。

村井 健介

(国研)産業技術総合研究所

関西センター産学官連携推進室 連携主査

1994年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程を修了。1995年通商産業省工学技術院大阪工業技術研究所に入所し、2001年産業技術総合研究所に。改組後は産総研関西センターにおいてフォトニクス関連技術に従事している。専門は光と物質の相互作用(レーザープラズマやプラズモニクス)。特にプラズモニクスを志向している。 また、内閣府総合科学会議事務局や近畿経済産業局に出向し、次世代ロボットに関する科学技術政策や技術調査を担当した。現在、一般社団法人レーザー学会ロボットフォトニクス専門委員会の主査。

藤垣 元治

福井大学

学術研究院工学系部門 知能システム工学講座 教授

1990年 3月 大阪大学基礎工学部機械工学科卒業
1992年 3月 大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程修了
1992年 4月 株式会社森精機製作所入社
1992年 5月 株式会社ナブコ入社
1995年 4月 和歌山大学システム工学部 助手
2001年 4月 博士(工学)授与(大阪大学)
2003年10月 同 助教授,
2015年 3月 福井大学 教授 現在に至る
学会活動:日本実験力学会,日本非破壊検査協会,精密工学会,日本機械学会,日本鉄鋼協会,日本ロボット学会,電気学会,日本工学教育協会,ASEM,SEM,SPIE,OSAなど
研究分野:ロボティクス,実験力学,非破壊検査,光応用計測,画像計測,インフラセンシング

高良 洋平

エバ・ジャパン(株)

取締役最高技術責任者

2005年,東京大学医学部医学科卒業.東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了.2011年よりエバ・ジャパン株式会社で研究開発責任者として分野横断的なハイパースペクトル技術の応用研究および産業還元に従事.

野田 進

京都大学

工学研究科電子工学専攻 教授

1982年 京大工卒業、1984年京大院・修了、同年三菱電機中央研究所勤務、1988年京大助手、1992年同助教授、2000年同教授.フォトニック結晶・フォトニックナノ構造の研究に従事.日本IBM科学賞(2000)、IEEE LEOS Distinguished Lecturer Award (2005)、OSA Fraunhofer Award / Robert M.Burley Prize(2006)、文部科学大臣表彰科学技術賞(2009)、IEEE Nanotechnology Pioneer賞(2009)、江崎玲於奈賞(2009)、紫綬褒章(2014)、応用物理学会業績賞(2015)、日本学士院賞(2022) 他.

斎藤 真司

(株)東芝

生産技術センター 光学・検査技術研究部 フェロー

1992年 東北大学 理学研究科修了(修士)
1992年 株式会社東芝入社 研究開発センター
2013年 東芝ライテック株式会社 研究開発本部
2015年 株式会社 東芝 生産技術センター
2017年 筑波大数理物質科学研究科修了(博士)
窒化物半導体レーザ、高出力半導体レーザを用いたレーザ励起白色光源、窒化物黄色・赤色LED、量子カスケードレーザなどの光半導体デバイスの研究開発に従事

安達 千波矢

九州大学

最先端有機光エレクトロニクス研究センター・センター長

1991年 九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻 博士課程修了
1991年 (株)リコー化成品技術研究所 研究員
1996年 信州大学繊維学部機能高分子学科 助手
1996年 プリンストン大学Center for Photonics and Optoelectronic Materials 研究員
2001年 千歳科学技術大学光科学部物質光科学科 准教授
2004年 千歳科学技術大学光科学部物質光科学科 教授
2005年 九州大学未来化学創造センター 教授
2010年 九州大学応用化学部門 教授、最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長 兼任
現在に至る

藤 寛

大阪大学

レーザー科学研究所 特任教授

1984年 広島大学大学院環境科学研究科修了
1984年 シャープ株式会社中央研究所入社
1998年 通産省工業技術院産業技術融合領域研究所
2002年 シャープ株式会社基盤技術研究所
2015年 大阪府立大学研究推進本部
2018年 大阪大学レーザー科学研究所
博士(学術)

和田 智之

(国研)理化学研究所

光量子工学研究センター光量子制御技術開発チーム チームリーダー

1992年4月 科学技術庁 基礎科学特別研究員
1995年4月 理化学研究所フォトダイナミクス研究センター フロンティア研究員
2000年1月 理化学研究所工学基盤研究部 研究員
2001年9月 理化学研究所固体光学デバイス研究ユニット ユニットリーダー
2008年4月 理化学研究所宇宙観測用固体レーザー研究チーム チームヘッド
2010年4月 理化学研究所光グリーンテクノロジー特別研究ユニット ユニットリーダー
2013年4月 理化学研究所光量子工学研究領域光量子技術基盤 開発グループ グループディレクター
2014年4月 理化学研究所光量子工学研究センター光量子制御 技術開発チーム  チームリーダー 
現在に至る

二宮 和則

シブヤ精機(株)

開発部 部長

2001年9月 山形大学大学院理工学研究科 システム情報工学専攻
博士後期課程 修了 博士(工学)
大学時代は主に音声認識/知能情報処理に関する研究に従事
2000年9月 石井工業株式会社入社 技術開発部
2004年 エスアイ精工株式会社(社名変更) 技術開発部主任
2011年 シブヤ精機株式会社(社名変更)ITソリューション部 課長
2016年9月~ シブヤ精機株式会社 製品企画本部 副本部長 兼 開発部 部長

山本 和久

大阪大学

レーザー科学研究所 教授

1981年大阪大学基礎工学部電気工学科卒。
同年松下電器産業(株)に入社。
光導波路、光デバイスの研究開発、映像・メディア機器へのレーザー応用の研究
2009年大阪大学光科学センター
2018年4月~ 大阪大学レーザー科学研究所教授
レーザー照明、レーザーディスプレイを研究
工学博士

平等 拓範

(国研)理化学研究所/自然科学研究機構分子科学研究所

放射光科学研究センターレーザー駆動電子加速技術開発グループ(グループディレクター)/ 社会連携研究部門(特任教授)

1985年,三菱電機LSI研究所.1989年,福井大学助手.1998年,分子科学研究所准教授(マイクロ固体フォトニクスの研究を提案).1993年,米スタンフォード大学客員研究員(重力波干渉計のためのLD励起Yb:YAGレーザー研究に従事).2006年,仏パリ第六大.2011年,仏ジョゼフフーリエ大客員教授.2013年,仏国立パリ高等化学学校.豊橋技術科学大学など客員教授歴任.OSA, SPIE, IEEE,レーザー学会 各フェロー.2004年,平成16年度文部科学大臣賞(第30回研究功績者),第24回光産業技術振興協会 櫻井健二郎氏記念賞など受賞.OSAではOMExの上級編集員,国際会議評議員,ASSL及びNLOの統合議長,SPIE Photonics West, LASE Symposium Chairなど.

三瓶 和久

(株)タマリ工業

理事

1974.4 トヨタ自動車株式会社入社
電子ビーム、レーザー等の高エネルギー密度熱源を利用した接合技術開発、システム開発に従事
2009.3 株式会社 レーザックス入社 専務取締役
2010.6 IPGフォトニクスジャパン株式会社入社 理事
2010.9 前田工業株式会社入社 取締役
を経て
2015.9 タマリ工業株式会社入社 理事
現在に至る。

溶接学会フェロー、レーザ加工学会理事