ポジショニング応用技術セミナー

2022年04月20日(水) 13:40-16:35 アネックスホール F203
【PE-1 3Dプリンタとセンサ・アクチュエータ

4Dプリンティングとソフトマターロボティクスで目指す知的やわらかものづくり革命

山形大学 大学院理工学研究科機械システム工学専攻 教授 古川 ヒデミツ 氏
近年、金属などの硬い剛体(ハードマター)で構成された従来のロボットに代替されるものとして、やわらかく、高伸縮性材料(ソフトマター)で構成されたソフトロボットが注目されている。このソフトロボットの構成材料としてゴムやゲル、プラスチックなどの高分子を用いることが多い。大弾性変形、弾性率、粘弾性などの柔軟な材料由来の特性を制御することによって、従来のロボット技術にはなかった柔らかさを活かした機能性を設計開発できる。私たちの研究室では、機能性のあるゲル材料の開発や3D/4Dプリンティング技術の開発を進めており、ソフトロボットや医療・福祉材料への応用に向けた研究をおこなっている。本講演では、私たちの研究室の取り組んでいるソフトマターの物性制御方法や3D/4Dゲルプリンティング技術、それらのソフトマターロボティクスへの応用例について紹介する。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)

透明柔軟樹脂を用いた光学式触覚センサの開発

福山大学 工学部 スマートシステム学科 准教授 伍賀 正典 氏
近年、社会の様々な産業分野で、人間の担っている作業をロボットへと代替し、安全性と効率を向上させることが求められている。そのために、人間の持つような皮膚の感覚機能をロボットハンドやヒューマノイドロボットなどの様々な人工物で実現することを可能にする、高い機能をもつ触覚センサが必要とされている。物体との接触面が人間の皮膚のような柔軟性を持つことで、物理的接触の際に対象の形状に馴染み把持を確実にすることができ、また、衝突時の安全性が向上し自身の破壊を防ぐことも期待できる。
近年、皮膚の触覚機能を工学的に実現する研究が注目され、柔軟な触覚センサが提案されている。それらは、素材としてエラストマー、導電性布や導電性ゴムを採用し、接触面の圧力を電気的、映像的に受け取って処理を行うデバイスとして多種多様なものがある。しかしながら、構造やシステムが複雑であり、一般に広く利用されるには至っていない現状がある。我々は、柔軟な樹脂の変形を検出し、変形量と力を算出し、人間のもつ複雑な皮膚感覚を工学的に実現する光学式触覚センサを提案している。ここで提案する光学式触覚センサは、せん断方向の変位と回転量とそれに対応する力を検出することが可能であり、安価に実現でき複雑な配線等がなくメンテナンス性に優れている。光学式触覚センサの性能評価を行い、アプリケーションへの適応例を示す。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

高出力型人工筋肉の開発と制御手法の確立 -生物型ソフトロボティクスへの適用とその実用化-

中央大学 中村 太郎 氏
従来のMcKibben型人工筋肉の4倍の出力を持つ高出力型の空気圧人工筋肉とそのフィードフォワード制御による制御手法について概説する。また空気圧人工筋肉を作成する方法の一例として、3Dプリンタを用いた方法についても紹介する。
さらに本人工筋肉と磁気粘性流体による可変粘弾性デバイスの開発とその位置、力、剛性、粘性制御の方法について紹介し、これらをパワーアシストやリハビリテーション、VR/ARによる力覚提示システムに適用した例について説明する。
さらに、本人工筋肉の膨張収縮形状を巧みに利用した、蠕動運動による生物型ロボットについて紹介する。具体的には、ミミズの蠕動運動を利用した細管内移動ロボット、人間の腸の蠕動運動による固液混相流、高粘度流体の混合搬送を可能にした蠕動運動型ミキシングポンプについて概説する。
さらに、発表者が設立したベンチャーを通じた実用化にむけた取り組みについても紹介する。
●難易度:入門程度(大学一般教養程度)
受講料(1セッション/税込)
一般 出展社/主催・協賛団体会員 月刊オプトロニクス定期購読者/シニアクラブ会員 学生
¥18,000 ¥15,000 ¥9,000 ¥5,000

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古川 ヒデミツ

山形大学

大学院理工学研究科機械システム工学専攻 教授

山形大学教授、理事特別補佐(研究支援)、工学部長特別補佐(研究)。
ソフトマター(高分子ゲル・食品)やハイブリッド材料の3Dデジタル製造の研究を展開。2018年に「やわらか3D共創コンソーシアム」を設立、会長に就任。高分子学未来塾塾長、山形大学ライフ・3Dプリンタ創成センター長、ソフト&ウェットマター工学研究室代表。1996年東京工業大学大学院物理学専攻修了。博士(理学)

伍賀 正典

福山大学

工学部スマートシステム学科 准教授

平成19年9月神戸大学大学院自然科学研究科機械・システム科学専攻博士後期課程を修了.平成19年度後期から平成20年度まで,神戸大学大学院工学研究科の博士研究員.平成21年度,平成22年度に,兵庫県立工業技術センター・情報技術部員として,複数のセンシング機能をもった触覚センサの開発に携わり,電子回路作成とアルゴリズムの開発,その評価を行った.平成23年度から福山大学工学部電子・ロボット工学科講師,平成26年度から福山大学工学部スマートシステム学科准教授として,実際のロボットの作成,ロボットの制御,インテリジェントロボット実現のための計算機実験の研究を行っている.

中村 太郎

中央大学

2003年信州大学大学院博士後期課程修了
1999年 秋田県立大学助手
2004年 中央大学理工学部専任講師
2006年 同大学 准教授
2013年 同大学 教授
2012-2013年 スイス連邦工科大学ローザンヌ校 Visiting Prof.
2017年 中央大学発ベンチャー企業 株式会社ソラリスを設立。 現在取締役長
文部科学大臣若手科学者賞日本機械学会奨励賞、日本フルードパワーシステム学会論文賞等を受賞
軸方向繊維強化型人工筋肉を基軸とした生物型ロボットやウェアラブルソフトロボットに関心を持つ。また多くの共同研究を通じてこれらの技術の実用化に向けた取り組みも精力的におこなっている。