NICT(情報通信研究機構)の研究者が語る開発動向

2022年04月22日(金) 13:00-16:05 アネックスホール F203
【NIC-1 NICT(情報通信研究機構)の研究者が語る開発動向

Free-space high-speed laser communications with moving platforms

(国研)情報通信研究機構 宇宙通信システム研究室 主任研究員 Alberto Carrasco-Casado
Free-space optical communication has emerged as a key technology for solving the increasing bandwidth limitations of mobile agents while reducing the size, weight and power of the communication systems, and taking advantage of a license-free spectrum. This symposium focuses on communication links where at least one of the terminals is onboard a moving platform, which can be located near the ground or in space. NICT is currently developing a series of versatile lasercom terminals with the goal to cover a wide range of communication requirements and to be applied in a variety of scenarios onboard different platforms. This work will be introduced, and it will be used as the base to explain the fundamental concepts of free-space high-speed laser communications with moving platforms.
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

衛星通信における平面アンテナ技術の研究開発

(国研)情報通信研究機構 宇宙通信システム研究室 研究員 大倉 拓也 氏
衛星通信における高速・大容量化を目指す上で平面アンテナ技術は有効な手段として近年研究開発が進められています。特に飛行機や船舶といった移動体における衛星通信の需要は年々増加しており、移動体においても地上と変わらない通信環境の構築が求められています。これらの移動体における通信環境の改善には搭載するアンテナの性能改善が必要不可欠です。従来の機械駆動型のアンテナですとアンテナの性能改善のためにアンテナサイズを大きくすると立体的に大きくなってしまい、設置スペースに制限のある移動体への搭載が困難となります。この問題点を解決する手段として平面アンテナ技術が注目されています。平面アンテナでは通信対象となる衛星を電子的にビームを走査することで追尾します。そのため、機械駆動の機構が不要となり、薄型化を実現できます。アンテナサイズを拡大しても平面的にのみ広がるため、高さ方向は一定のサイズを保ったままアンテナの性能改善が実現できます。
本講演では、平面アンテナ技術の紹介とともにこれまで実施してきた平面アンテナに関する実験についても紹介します。また、平面アンテナ技術の今後の展望についても紹介します。

Beyond 5Gに向けた電気光学ポリマー無線-光信号変換デバイスの研究開発

(国研)情報通信研究機構 未来ICT研究所 神戸フロンティア研究センター ナノ機能集積ICT研究室 主任研究員 梶 貴博 氏
Beyond 5Gでは、100 GHz以上の周波数の電磁波を用いた無線通信が見込まれており、その実現に向けて、光ファイバーを用いて無線信号波形を伝送する光ファイバー無線(radio-over-fiber)が注目されています。光ファイバー無線では、端末と信号の送受信を行うリモートアンテナや、モバイルフロントホールの一部無線区間における送受信部において、無線信号から光信号への変換が必要になります。このような無線-光信号変換を実現するため、エレクトロニクス技術に基づくデバイスの開発が進められている一方で、より小型で低コストかつ高性能なデバイスの開発が求められています。
電気光学(EO)ポリマーは、無機非線形光学材料と比較して大きなEO係数を有するとともに、数百GHz以上の超高速光変調を可能にすることから、EOポリマーを用いることで無線信号から光信号への直接変換を行うデバイスの実現が期待できます。
本講演では、NICTで開発を進めているEOポリマーを用いた高速無線-光信号変換デバイスについての最新の研究内容について紹介します。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

NICTにおける衛星-地上間光通信地上局研究開発の現状

(国研)情報通信研究機構 宇宙通信システム研究室 主任研究員 斉藤 嘉彦 氏
衛星-地上間の通信における高速化を目指す上で空間光通信は有望な手段として近年研究・開発が進められています。また、空間光通信はその指向性の良さから暗号通信との親和性も良く、今後ますます需用が増すと考えられる高いレベルでの安全性を持つ通信を確保する上で非常に重要な通信手段となっていくはずです。一方で衛星と地上を結ぶ空間通信には必ず大気を通る必要があります。空間光通信は電波帯域を用いた通信に比べて大気の影響を受けやすいという難点があります。主に地上局側がこの課題を解決していく必要があります。この講演では、現在NICTが取り組んでいる地上局整備と大気の影響の除去に関する研究開発現状を紹介し、今後の衛星-地上間の空間光通信技術の普及に向けた取り組みを紹介します。
●難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)/中級程度(大学院程度、ある程度の経験を有す)

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