9月14日(水)から16日(金)までパシフィコ横浜で開催された「InterOpto 2016」(主催:光産業技術振興協会)。初日と二日目には毎年恒例の「光技術動向セミナー」と「光産業動向セミナー」が開かれました。今年は「光技術動向セミナー」に参加して来ました。
「主催者挨拶」をする小谷専務理事
今年の「光技術動向セミナー」では、光産業技術振興協会の小谷泰久専務理事が「主催者挨拶」を行なった後、日本電信電話 未来ねっと研究所 フォトニックトランスポートネットワーク研究部の乾哲郎主任研究員による「光通信ネットワークの最新動向」、メルクの長谷川雅樹量子材料応用開発マネージャーによる「AR/VRと光技術応用ユーザインタフェースの最新動向」、産業技術総合研究所 フレキシブルエレクトロニクス研究センター 先進機能表面プロセスチームの山本典孝研究チーム長による「光有機材料・デバイスの最新動向」、沖電気工業 情報・技術本部 研究開発センタ ネットワーク・端末技術開発部の中村幸治主任研究員による「光無機材料・デバイスの最新動向」が続き、特別講演としては海洋研究開発機構 地震津波海域観測研究開発センターの川口勝義センター長代理が「光海底ケーブル技術を用いた観測システムと応用展開」を講演、続いて神戸大学 大学院システム情報学研究科 システム科学専攻の的場修教授による「情報処理フォトニクスの最新動向 − 光メモリ、光インターコネクション、光演算の最新技術 −」、レーザー技術総合研究所の藤田雅之主席研究員による「これからの光加工・計測、光医療のあり方 - その将来像とは -」、東京工業大学 工学院 電気電子系の山田明教授による「太陽光発電の最新動向」の講演が行なわれました。
冒頭、「主催者挨拶」の中で小谷専務理事は「2020年東京オリンピックに向け、政府は情報ネットワーク等の大きなインフラ整備を行なう。また、放送分野ではNHKによる新規プロジェクトも実施される。2020年までのオリンピック景気は、ある意味チャンスであり、そのチャンスを掴むか掴まないか、日本企業にとっては大きな意味を持つ。日頃から切磋琢磨して開発している技術をいかに適用して市場を掴んで行くか、それが今後4年間の光産業の進む道だ」と力強く述べました。少なくとも2020年までは光産業にとって追い風が吹き、その中でいかにチャンスを掴めるか、日本企業の力量が試されることになりそうです。
会場風景
「InterOpto」は「BioOpto Japn」、「Laser Tech」、「LED JAPN」(主催:JTBコミュニケーションデザイン)と「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」(主催:マイクロマシンセンター、NMEMS技術研究機構、JTBコミュニケーションデザイン)と同時開催される「All about Photonics」の中の一つの展示会として開催されたのものです。
今回の展示会では、浜松ホトニクスのフォトニック結晶面発光レーザーダイオードやシャープの3波長一体RGB小型レーザーモジュール、旭化成の高出力殺菌用新紫外LEDなどを含め、いくつもの注目技術が出展されていましたが、UV-LEDについてはウシオ電機、日機装技研、ナイトライド・セミコンダクター、日亜化学工業、豊田合成といった各社も出展していて、今のLED分野における一つのトレンドとの感がありました。
なお、来年の「All about Photonics」は会場を幕張メッセに移し、10月の第1週に開催されるとのことです。
編集顧問:川尻多加志