明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます
昨年末のニュースで恐縮なんですが、ソニーとパナソニックが有機ELパネル開発の提携を解消したという事です。両社は2012年6月にテレビや大型ディスプレイ用の有機ELパネルとモジュールの共同開発で合意、印刷方式をベースに開発を進め、2013年末までに量産技術を確立する予定でした。
提携解消の理由に挙げられているのが、歩留まりが悪く高コストという状況を期限内に克服できなかったという点と、有機EL市場の立ち上がりが当初の予想より鈍く、早期の事業化が困難と判断したという点です。
確かに、サムソン電子とLG電子は既に有機ELテレビを商品化していますが、価格が高いなどの理由で、売り上げが伸びていないのが実情です。価格が高いという事は、歩留まりもかなり悪いという証拠でしょう。
テレビ市場は今後、フルハイビジョンから4Kに移行すると言われています。この状況下で、年間100億円以上とも言われている有機ELパネルの研究・開発費の負担は重く、その分を4K液晶テレビに注力したいと判断したようです。
ただし、ソニー、パナソニックともに有機ELテレビの将来の重要性は認めていて、それぞれが独自に研究・開発を進めて行くとも言っています。実際、米国で開かれているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2014では、パナソニックがRGBオール印刷方式の曲面型4K有機ELパネルを出展しています。将来における個別技術テーマの共同開発や協業の可能性はあるという事です。
少し先の事より目の前の利益を大事にしたいというのは、日本のテレビメーカーが置かれている状況を考えれば無理のない事だと思いますが、やり方を工夫して何とか提携を続けるという選択肢はなかったのでしょうか?そのメリットよりデメリットの方が上回るという高度な判断なのでしょうが、ちょっと残念な気がしてなりません。
もう一つ、これも昨年末のニュースです。個人的な趣味の話で申し訳ないのですが、私の尊敬するミュージシャン(プロデューサー、アレンジャー、レコーディング・エンジニア、音楽論研究家、etc.)、大瀧詠一氏が12月30日に亡くなりました。
大瀧氏を初めて知ったのは、大瀧氏と細野晴臣氏、松本隆氏、鈴木茂氏が結成したバンド「はっぴいえんど」が1970年に発表したアルバム、通称「ゆでめん」でした。その後、アルバムを2枚発表してソロとなり、オールディーズ、ニューオリンズ・ロック、はたまた音頭までを取り込んだ、他に類を見ない非常に良質なアルバムを何枚かリリースしました。
余りにも趣味的として、当時は一部の人からしか評価されませんでしたが、1981年のアルバム「A LONG VACATION」がミリオンセラーになった事で、一般の人にも名前が知られるようになりました。数多くの歌手に楽曲を提供した事でも知られています。
その膨大な音楽的知識と理論は傑出していました。それが失われてしまったのは、日本の音楽界にとって大きな損失だと思われてなりません。
どうも思い入れが強すぎ、どんどん文章が長くなりそうなので、この辺にしておきます。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
編集顧問:川尻多加志