「シンドイと思ってからの頑張りが一番大事」。
これは私が高校時代に通っていた体育教師の教えである。体育教師はこうも言っていた。「シンドクなるまでの運動は準備体操と思え」。私が通っていた大阪府立八尾高校の教育理念は「質実剛健」「文武両道」「自力学習」で、勉強にも厳しかったが、体育については特に厳しかった(因みに同窓会最高顧問は「塩爺」こと塩川正十郎氏)。
冬の体育の授業といえば、グラウンドをただ走り続けるだけで、偶に鉄棒の授業があっても試技に失敗をしようものなら、「グラウンド1周」が命ぜられた。1周した後、再トライしてできなかったら「もう1周」という具合で、出来るまで厳しく走らされた。反抗期にも拘らず命ぜられるままに黙々と走っていたのは「シンドイと思ってからの頑張りや、息があがってからの訓練持続が心肺および骨肉形成に一番重要なことである」ということを教えられ、自分でもそう信じていたからだと思う。
その後年を重ねるにつれ、この言葉の本当の意味は「心」にとってこそ重要な言葉と思えるようになってきた。競争に負けたり、失敗したり、裏切られたり、切り捨てられたり、罵倒されたり、心がくじけそうになる度にこの言葉を支えにして何事もやってきたように思える。そして「本当に強い心をつくるために、今この試練があたえられているのだ」と積極的にシンドイ事や苦労と対峙できるようになってきたように思える。
インターネットが普及して、今や出版・雑誌業は構造不況といわれ、加えて100年に1度の不況といわれるこのシンドイ時代にオプトロニクス社はどう対処していくか。今こそ体育教師の教えを守り、しっかりと大地に足をつけ前を向いて粘り強く進んで行く覚悟である。
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