防災・防犯分野へ、もっと光を

将来発生が懸念される巨大地震やますます凶悪・巧妙化するテロや犯罪。
これらに如何に対応するか。他人事ではありません。

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10月2日から4日まで、東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展(RISCON TOKYO)」では、耐震・免震・制震器具や非常食、救助機材、非常時通信システム、監視装置・システムといった防災・防犯のための機器・システムが数多く披露されました。
この防災・防犯分野に光技術はどう使われているのでしょうか。

(株)ニシヤマのブースでは、コニカミノルタ(株)が開発したレーザレーダを用いた人・車両検知/距離・速度計測システムがパネルとディスプレイで展示されていました。
広角に照射したレーザ光の反射を用いて、物体の位置や距離を検出するというもので、外乱光に強いので屋外に設置しても昼夜を問わず計測できるという事です。
踏切で車両・歩行者の滞留を監視して緊急通報するシステムや道路に設置して車両の速度や交通状況、また歩行者や自転車の通行状況を監視して事故が起こった時に緊急通報するシステムなどに使用できます。

レーザメッセージプロジェクタを展示していたのはエーエルティー(株)。回折光学素子を用いて、固定のパターンを500mまで長距離照射できるというものです。
赤、緑、青のレーザが使えて、バッテリー駆動が可能なので停電時や屋外でも使用が可能。災害時に遠方から救助者へのメッセージを伝えたり、セキュリティーエリアへの侵入者へ警告メッセージを送ったり、聴覚障害者への避難メッセージにも使用できます。
スキャン照射で任意方向にメッセージを照射できるタイプも展示されていました。

レーザ距離計やサーマルカメラ、工業用内視鏡、屋外型センサカメラなどを幅広く扱う(株)阪神交易のブースで注目したのが携帯型ソーラーパネルです。

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(株)阪神交易の携帯型ソーラーパネル

コンパクトに折り畳み収納が可能なタイプと巻き取り収納が可能なロール式の2タイプがあり、リチウムイオンバッテリー内臓でスマホやタブレット、デジカメなどに蓄電・充電でき、これは11月の発売だそうです。

この他、監視カメラ・システムは、HDカメラシステムを展示していた(株)日立国際電気や(株)タムロンを初めとして、多くの企業が出展していました。

太陽電池を用いた静止画遠方監視システム(日本無線(株)開発)を展示していたのは(株)イートラストです。太陽電池とバッテリーを用いて完全ワイヤレスを実現、設置工事コストと工期の大幅削減を両立できたという事です。

他にも太陽電池を用いたシステムはけっこう出展されていて、この分野での太陽電池の有用性を強く感じました。

災害時用のLEDライトや照明も幾つか出展されていましたが、その低消費電力性ももはや無くてはならないものと言えるでしょう。

一方、顔認証システムを出展していたのが(株)セキュア。赤外線カメラとライブカメラで同時撮影した顔画像を比較する事で、写真などによる偽顔と生きた人間の顔を区別する事ができるという特長をアピールしていました。

光技術を用いた製品がかなり出ているのではないかと期待して行ったのですが、個人的感想としてはもっと多くても良いのではと感じました。
特に光ファイバセンシング・システムは、防災には大いに役立つはずです。そういう意味でも、光技術サイドからのアピールがさらに必要というのが正直な感想です。

編集顧問:川尻多加志

 

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