多すぎるプレーヤー

 2月26日(水)から28日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで「PV EXPO 2014」が開催されました。当然、国内外の太陽電池セル・モジュールメーカーが数多く出展していましたが、予想通りと言いますか、海外メーカーのあまりの多さには改めて驚かされました。
 
 太陽光発電協会によると、日本の太陽電池市場における外資系シェアは、2013年で28%に達し、12年度に比べ5ポイントも上昇したそうです(3月7日付け日経産業新聞13面)。

 日本の電力固定価格買い取り制度(FIT)は、ドイツなどの欧州各国に比べ、2倍ほど高い水準にあります。価格は、税抜きで42円から36円へ下がり、さらに2014年度には32円に下がる予定ですが、電力会社にはこれを20年間買い取ることが義務付けられています。

 こんなに美味しいビジネスはありません。様々な業種の企業が参入して来て、我が国の再生可能エネルギー認定設備の発電量は、昨年6月までに2,291万kWに達しました。その後も認定申請は続いていますし、毎日のように建設に関するニュースが産業系の新聞を賑わしています。

 外資系メーカーの製品は、日本メーカーのものより1割から4割も安いと言われています。少しでも安い太陽電池を使えば、より儲かるわけですから、外資系メーカーがシェアを伸ばすのは当然かもしれません。
 ドイツなどでは自国のメーカーが破綻してしまい、何のためのFITだったのか、なんて声も聞こえてきます。今回の展示会でも、言葉は悪いのですが、日本のFITという「蜜」に群がる蟻というような状況がおきていました。
 
 会場をざっと歩いてみて、気がついた外資系関連メーカーを順不同で記してみます。あまりに多かったので、見落としや見間違いがあるかも知れませんが、ご容赦ください。なお、企業名表記は会場案内図に基づきました。

【中国】
HTソーラー、ZNSHINE PV-TECH、ジンコソーラー、DMEGC、LIGHTWAY GREEN NEW ENERGY、
SUNHAPPY POWER、PHONO SOLAR TECHNOLOGY、JIANGYIN CHANGXIN INDUSTRIAL、
SUNCOME SOLAR、GK SOLAR POWER、Upsolar、CSG PVTECH、JIANGSU RUNDA PV、
レネソーラ、EOPLLY NEW ENERGY TECHNOLOGY、REAL FORCE POWER、
インリー・グリーンエナジー、ビーワイディー、ZHEJIANG TRUNSUN SOLAR、JA SOLAR、
LDKソーラーテック、トリナ・ソーラー、サンテライト、テルサンパワー、
HANERGY、GCL-POLY ENERGY、SHANDONG DAHAI

【台湾】
アブリテック、アポロソーラーエナジ、SOLAR TECH ENERGY、PERFECT SOURCE TECHNOLOGY、
DS TECHNOLOGY、EVER ENERGY、MING HWEI ENERGY、E-TON SOLAR TECH、
GINTECH ENERGY

【韓国】
LGエレクトロニクス、SHINSUNG SOLAR ENERGY、LUXCO、TOPSUN、
HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES、ハンソルテクニクス、ハンファQセルズ

【その他】
米国からはアメリソーラー、SUNPOWER、ドイツからはコナジー、RECOM、カナダからはカナディアン・ソーラーなどが出展していました。

 さて、これだけのメーカーの太陽電池、特定の国というのではなく、例えば変換効率を額面どおり信じて良いものかどうか、正直迷います。長期の信頼性も同様です。1年後は?、2年後は?、10年、20年経ったらどうなのでしょうか?

 25年保証といっても、マンションの瑕疵担保と同じで、保証期間中に会社が無くなっていたら元も子もありません。そろそろ購入時の値段の安さだけでなく、長期の信頼性という点にスポットライトが当たっても良いのではないでしょうか。

編集顧問:川尻多加志

 

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