赤﨑先生、天野先生、中村先生、ノーベル物理学賞、おめでとうございます

赤﨑勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授がノーベル物理学賞を受賞しました。ついに青色LEDの研究開発が評価されたのです。
先生方には、これまでに何回も原稿を執筆していただいたり、インタビューを受けていただいたりと、大変お世話になってきました。本当におめでとうございます。そして、一緒にお仕事ができたことを誇りに思います。有難うございました。
振り返れば、青色発光材料の本命はZnSeだと言われた時期がありました。当時、GaNの研究をしている方は、圧倒的少数派だったと記憶しています。
そんな状況の中で、研究を進めていた先生方は、さぞや孤独であったろうと思います。そんな環境においても、孤独を恐れず自分を信じて前に進んで行った、その勇気に敬服します。イノベーションとはそこから生まれて来るのでしょう。


話は変わりますが「イノベーション・ジャパン2014~大学見本市&ビジネスマッチング~」が東京ビッグサイトで開催されました。このイベントは、我が国の大学や公的研究機関などから創出された研究成果を社会に還元するとともに、技術移転の促進と実用化に向けた産学連携マッチング支援の実施を目的に開かれたもの。主催は科学技術振興機構(JST)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)です。今回で11回目を迎えました。
今年のテーマは「知の融合~広がる未来」です。500を超える大学とベンチャー企業などが参加して、その研究成果や開発技術を展示、プレゼンテーション等を行ないました。

ということで、すべてを紹介することはできないのですが、今回はNEDO支援先企業展示ブースの中の「エネルギー・環境分野」、「ナノ・マテリアル分野」、「医療・ライフサイエンス分野」で目についた光関連の開発技術を紹介します。

ナイトライド・セミコンダクター

ナイトライド・セミコンダクター

「UV-LEDの高出力化、大面積UV-LEDの高効率面発光技術の低コスト量産実用化技術開発」を手掛けたのはナイトライド・セミコンダクター
UVランプの性能を上回る高出力・高効率を実現しました。樹脂砲弾型は高効率・低コストが特長で、表面実装(SMD)型は1.05mmの上下電極の大面積チップを搭載することで高出力・高効率(365nmで600mW、発光効率35.3%、385nmで850mW、発光効率52.7%)を実現。LEDチップを基板上に直接実装したチップ・オン・ボード(COB)型では、1.05mmのチップを高密度実装することで世界最高出力(365nmで25W、385nmで49.78W)を達成しました。

インターエナジー

インターエナジー

「家庭における省エネルギー通信システム実現に向けて:待機電力ゼロの小規模光ネットワークの開発」を手掛けたのはインターエナジー
新開発の熱レンズ素子は、石英ガラス製のセルに高純度精製された色素溶液を封入、ここにレーザを照射すると光吸収→温度上昇→熱膨張→密度低下→屈折率低下が順に起こって、信号光の進行方向を最大15度変えることができます。
この熱レンズ素子に、信号光1本と周辺制御光6本を束ねた特殊ファイバ、コリメートレンズ(2枚)、受光レンズ、六角錐台プリズム、集光レンズ、信号光ファイバを7本束ねた特殊ファイバを加えて構成した1×7の光制御型スイッチを実現しました。
これによって、常時通電の現行FTTH用光LANシステムに対し、機器が動作する時だけ通電すれば良い、省エネ型の高速光LANを構築できるとのことです。

シーアンドアイ

シーアンドアイ

「光導波モードによるモバイル型バイオセンサ」を開発したのはシーアンドアイ
モノリシックな光源とコリメータレンズ、透過型グレーティング+グリズム、高性能レンズ+2次元CMOSイメージセンサで構成され、かつファイバレスという特徴を持つ光学エンジンの開発によって、産総研開発の超高感度バイオセンサ(導波モードセンサ)の大幅な小型化に成功しました。
モバイルサイズながら4チャンネル同時測定が可能で、複数項目の一括診断も可能。センサチップは使い捨てなのでコンタミネーションの心配がなく、臨床現場でも安心して使えます。
4チャンネルの分光スペクトルメータとしても使用できるので、簡易血液検査やウィルス感染の診断などを行なう医療機関を始め、保健所や工業排水管理など、様々な用途や場所で使用できるとのことです。

ユニタック

ユニタック

「高ピーク&ナノ秒パルス半導体レーザ治療器の開発」を行なったのはユニタック
リウマチ、筋肉痛、急性肉離れ、関節の慢性非感染性炎症などの疼痛緩和用半導体レーザ治療器です。低出力レーザ治療は血流改善や神経伝導の抑制などの作用があり、治療中に痛みや熱さがなく、低侵襲で高い疼痛緩和効果を発揮する治療法。水やヘモグロビン、メラニンに対する吸収が少なく、生体透過性に優れた波長の一つである830nm半導体レーザを使用して、最大出力10Wのパルスレーザで、より深い患部まで光を到達させることができます。帯状疱疹痛など、皮膚科での使用も可能で、980、1470、1940nmの半導体レーザを使用して軟組織の切開、焼灼、止血にも適用できるそうです。

相馬光学

相馬光学

「太陽電池評価用分光感度測定装置および分光放射計」を開発したのは相馬光学
従来の単色光照射装置では50mm角の単色光ビームが限界でしたが、同社では300~2000nmの広い波長範囲において、150mm角のサイズで、±2.5%以内の高均一度照射を実現しました(IEC規格準拠)。
これだけの照明には、従来なら1kWまたはそれ以上の水冷装置が必要でしたが、それを500Wの空冷キセノンショートアークランプで実現。大面積太陽電池の分光感度測定はもちろん、強力な単色光を照射できるので、植物やその他の生体物質等への光の影響の研究にも最適としています。

エルシード

エルシード

「低コスト高効率LED用モスアイ加工サファイア基板」を開発したのはエルシード
これまでの加工サファイア基板(PSS)が数ミクロンの凹凸構造を持つのに対し、同社のモスアイ加工サファイア基板(MPSS)はサブミクロンの微小な周期構造を有しているため、光の回折効果によって正面の輝度が増加します。さらに表面の平坦化に必要なGaN下地層の厚さもPSSの半分で済むため、エピコストの低減とウエハ反り軽減に伴う素子特性の歩留まりも向上。
ナノインプリント技術とドライエッチング技術によるモスアイ加工は、サファイア、GaN、AlGaInP、SiC、ITOなど、様々な材料基板に適用が可能で、LED以外への応用も期待できるとのことです。

最後に、今回レポートした3分野においても紹介できなかった幾つかの光関連開発技術があったことと、「情報通信・装置デバイス分野」や「ロボット・モノづくり・福祉分野」でも、同様に開発技術が展示されていましたが、時間の関係で取材できなかったことをお断りしておきます。

下記の「イノベーション・ジャパン2014」のアドレスをクリックした後に、さらに左の「NEDO支援企業・研究者」をクリックすると(光関連を含めたすべての開発技術の)一覧が出てきますので、参考にしてください。

https://www.ij2014.com/inv2014/jp/search_zone.php

編集顧問:川尻多加志

 

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